MAY YOUR POUCHES NEVER BE EMPTY!
君の小袋がいつまでも空っぽになりませんように!
author michi

Dragons of Winter Night / 冬の夜の竜
ドラゴンランス 氷壁の白竜の書 その1:その2:その3その4その5その6戻る
 皆さん、明けましておめでとうございます。
 今年も本サイトをよろしくお願いします。

 さて、昨年の暮れに行ったドラゴンランスのセッションをレポートしたいと思います。
 前回に続き、ドラゴンランス(戦記)の第二部 Dragons of Winter Night (冬の夜の竜)より、新シナリオ、War of The Lance Campaign Volume II, Dragons of Winter (冬の竜)の"氷壁の白竜"編です。
 小説では、ドラゴンランス秘史『青きドラゴン女卿の竜』の内容を含んでおりますので、まだ読まれてない方は是非購入して読んで見て下さいね!

 今回のプレイヤーは7人のフルメンバーです。
 まずは各キャラクターの紹介から。

フリン・ファイヤーフォージ ドワーフのファイター9、Kさん
 戦闘は容赦が無い頑固物のドワーフ。速射が得意。
 D&Dは初心者ですが、D&Dミニチュアには相当入れ込んでいますw

アングリフ・ブライトブレイド 人間のファイター/ナイト・オヴ・ザ・クラウン、植埜さん
 "My Honor is My Life!"が口癖の竜騎士を目指す本物のソラムニアンナイト。
 ランス突撃を得意とするチャージャーです。
 クォリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘ローラナを手篭にしているばかりか、
 最近では、シルヴァネスティ・エルフの王女アルハナ・スターブリーズまで……。

ヴィヌク・キル=キューミィー 人間のクレリック5/ファイター1/ナイト・オヴ・ザ・クラウン2、JarkJaxさん
 アングリフと同じく、ソラムニアの冠騎士。
 〈真の神々〉の探索をするアングリフの後を追ってパーティに合流。
 前回までに見事、神々のしるしを見つけ、癒しの力に目覚めた。回復役をもこなすパラダインの戦士。

トビン・ディープポケット ケンダーのレンジャー1/ローグ4/ハンドラー4、私
 ドラゴンも恐れない非常に好奇心旺盛な小人族ケンダー。
 パーティの雑務担当。得意技はスリ(ハンドラークラスの特徴)と、
 ケンダーの遠近両用便利武器であるフーパックでの急所攻撃。
 最近フーパックではダメージが出なくて、弓に浮気中。

ゴールドムーン 人間のクレリック9、ふーさん
 ケ=シュ族の族長の娘にして、善なる癒しの女神ミシャカルの僧侶。
 エリスタンにミシャカルの円盤をもたらし、信仰のメダリオンを授かる。
 好きな武器はスリングで、得意技はホーリースマイト。

シルヴァレン エルフのレンジャー8、真由利さん
 クォリネスティ・エルフの、ハーフエルフのタニスの母親の次女が、カガリネスティで恋に落ち、二つのエルフ氏族の間に産まれた子。
 成長し、ギルサナスに拾われて彼の隊に入るも、パックス=タルカスで捕らわれの身となっていた青年。何故かペットを連れている。

ラド・グエル 人間のウィザード9、ジョウセンさん
 白でも赤でも黒ローブでも無い、〈大審問〉を受けてもいないはぐれ魔導師(Renegade Wizard)。
 呪文選び3年、立ち位置8年とウィザード道を説く範囲攻撃の達人。

 そして、DMはお馴染みの霧島さんです。

 ちなみに一緒に冒険しているNPCのみなさん(格闘ゲームでいう背景の絵の人達)です。

ローラナ・カナン クォリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘。パックス・タルカスに捕らわれていた。
デレク・クラウンガード ソラムニアの〈薔薇〉爵騎士。ドラゴン軍を打ち破る力の探索の命を受けている。
 前回青竜にトドメを刺し、騎士団長の座を狙っている。
ブライアン・ドンナー ソラムニア〈剣〉爵騎士。デレクと同じく命を受けている。
 俺、戦争が終わったら司書のリリスと結婚するんだ――。

前回までのお話


 廃都ザク=ツァロスから〈真の神々のしるし〉を持ち帰ったパーティたちは、クォリネスティの〈太陽の評議長〉の息子ギルサナスらと共に、邪悪な赤竜とドラコン卿ヴェルミナァルドに打ち勝ち、〈パックス=タルカス〉の砦に捕らわれていた戦乱に巻き込まれた数百人の避難民を解放した。
 避難民を引き連れてパーティ達は南へ逃れ、失われたドワーフの地底王国トルバルディンを見つけて、伝説の英雄ヒューマの武器ドラゴンランスを鍛えたという〈カーラスの槌〉を発見する。 
 さらにパーティ達は、避難民の安住の地を探すため、かつて〈麗しのタルシス〉と呼ばれた交易都市を訪れるも、ドラゴン軍による総攻撃を受ける。襲いかかるドラゴンを打ち破り、新たに加わったソラムニア騎士たちと共に、一行は〈塵の平原〉を抜けて〈氷壁〉へと向かう。
 そして〈氷原の民〉の村で、竜を支配する力を持つドラゴン・オーブを所持しているというドラゴン卿フェアル=サスの居場所を聞いたパーティ達を、フェアル=サスのドラゴン軍が襲った!
 果たして、彼らはこの試練を乗り越えて、オーブを手にすることができるだろうか!?

上位魔法の塔


 上位魔法の塔から差し向けられた追っ手レネゲード・ハンター(Renegade Hunter)から逃れるため、覚えたてのテレポートの呪文でパーティの元を去っていたラドは、森の中を彷徨っていました。

ラド「おかしい。〈ソレース〉に戻るつもりだったのだが、何故このような場所に。ここは〈ウェイレスの森〉!?」
PL「テレポートに失敗したの?w」
PL「あるあるw」
DM「ラドにはわかります。〈ウェイレスの森〉と言えば〈上位魔法の塔〉がある場所ですね」
ラド「ですよね……」
PL「ラド、無茶しやがってw」

 その時、ラドの後ろから忍び寄る影が!と思った時にはすでに遅く、首もとに突きつけられた冷たい刃物の感触が。

影「動くな!貴様がラド・グエルだな」
ラド「レネゲード・ハンターか」
影「如何にも。では大人しく我らと共に来て頂こうか」

 森の中より姿を現す黒装束の者達。

 案の定、連れて行かれたのはウェイレスの〈上位魔法の塔〉でした。
 すぐに殺されると思いきや、二、三日ほど施錠された一室に閉じ込められた後に、塔の謁見の間に通されます。

レネゲードハンター パーサリアン

 目の前には3人のローブを着た人物が見えます。
 純白のローブを着ているのは魔術師の長"パーサリアン"で、両隣には赤ローブの長ユスタリウスと黒ローブの長ラドンナが並んでいます。

パーサリアン「君がラド・グエルだな。ふむ、まずは我々の塔にようこそ」
ラド「はい、そうですけど」
PL「www」

パーサリアン「我々、白ローブの連中としては君をすぐに殺そうとは思っていない。まぁ今からでも我々のメンバーに入ってくれるのならば、話は別だが」
ラド「……」
PL「これから大審問を受けるわけ?w」
ラド「実は〈大審問〉を受ける前提条件は満たしているんだよな、密かに」
PL「今日はラドの大審問の回なのかw」
PL「我々はキャラモンみたく殺される役なのかなw」
PL「いやだそれw」

パーサリアン「何だか外野がうるさいようだが……ふむ。我々は早急な答えを君から求めようとは思わない」
ラド「はぁ。まだ使いたい系統もあるんで――」
PL「w」
パーサリアン「コホン、今回我々が君を呼んだのは、オーブのことだ」
ラド「オーブ……」
パーサリアン「君達の仲間一行はドラゴン・オーブの探索をしているようだな。スクライングの呪文でずっと見ていた。君達の仲間はドラゴン・オーブを、ドラゴン軍を打ち破る究極の武器だと思っているようだが、我々にとって非常に危険な物でもある。使い方を一歩間違えれば、今シルヴァネスティで起こっている悪夢に捕らわれることもある。そこで君に、その使い方を、誤らないように彼らがドラゴン・オーブを使わないようにして欲しいのだ」
ラド、「"彼らが"使わないように?」
PL「この男使う気だw」
PL「パーサリアンは〈真意看破〉でチェックした方がいいw」
パーサリアン「もちろん、彼らの中には君も入っている」
ラド「ま、まぁ誤った使い方を使わないようには……」
パーサリアン「ドラゴン・オーブがどれくらい危険な物か君に本を読んでもらおう」

 一冊の本を渡されるラド。
 そこには、タルシスの〈失われた図書館〉でトビンから聞いたオーブについての情報が詳しく記載されていました。

ドラゴンオーブ
 〈光の時代〉末期、第三次ドラゴン戦争時に、〈暗黒の女王〉の軍勢と戦うために、〈上位魔法の塔〉の3長老が集まり、作成されたアーティファクト。
 大変動の前に〈上位魔法の塔〉にあったいくつかのドラゴンオーブは破壊され、今は大半が行方不明となって失われています。
 外観は、黒く白く青く赤くて緑色の光を放つ通常直径10インチ程度の水晶球で使用されると20インチに膨張し、意志を直接伝達することはありませんが自我と強い生存本能を持っています。
 そのためオーブを制御することは難しく、強力なウィザードや信じられないほどの強い意志がある者(難易度25の意思セーヴが必要)だけが制御することができ、制御に失敗したものは、他の力によって解放されるか飢餓で死ぬまで、支配されて夢を見せ続けさせられます(術者レベル25のウィザード呪文マインド・スピンと同等)。
 しかし制御に成功した者は、半径5マイルのどんな色のドラゴンを召喚し、操ることができます。
 ドラゴンもその種類に応じて難易度25以上の意思セーヴに成功しなければ抗うことはできず、直ちにオーブに元に飛んで行きます。
 またオーブを使ってドラゴンを操る時は、いつも難易度25の頑健セーヴに成功しなければ1d3の【耐久力】へのダメージを受けます。
 さらに、1日3回、術者レベル25のグレーター・スクライングとして幻視の呪文にも使用することができ、時を超える呪文タイムリーヴァのように過去と未来を見通す能力を持っています(ただし使用者の【知力】修正値×100年以内の間のみ)。

属性:中立、自我スコア:25、
 【知力】19、【判断力】12、【魅力】19、AC5、硬度5、30hp
ラド「す、素晴らしい……」

パーサリアン「それは邪悪な者を打ち破るための非常に強力な剣ともなるが、一つ使い道を誤れば非常に危険な物となるのだ。だから君にはそれを安全に保管しておいてもらいたい。この条件を呑んでくれれば、今後君に追っ手を差し向けないでおこう」

 後ろの入り口の方ではラドを捕らえたレネゲード・ハンターがダガーとダガーを擦り合わせ、不敵な笑みを浮かべています。

ラド「これお願いじゃないじゃんw」
PL「www」
ラド「(本を眺めて)――わかりました、少なくとも今現在の私に制御できるレベルではないということがわかりました」
PL「いつか制御する気だw」
ラド「私としても仲間がこのような災厄に巻き込まれるのは本意ではないので、オーブは私が責任を持って保管しましょう」
パーサリアン「我らとしては魔法による災厄がクリンの地に拡がらないことを祈るばかりだ。来るべき時が来るまで、君に保管者たる役目を与える」
ラド「来るべき時が来るまでということは、正当なる使い手が現れるまでということでしょうか」
パーサリアン「そういうことだ」
PL「w」
パーサリアン「そういえば、君達の仲間が〈氷壁〉で酷い災難にあっているようだぞ。君もそろそろ行ってやらないといけないのではないかな」
ラド「そうですね。私も仲間を見捨てるつもりはなかったのですが……(ジロジロとパーサリアンを見る)」
パーサリアン「ワシのせいではないぞ。よ、よしワシがグレーター・テレポートで仲間の元に送ってやろう」

 突然詠唱を開始したパーサリアンの呪文により、ラドの体が光を放ち始めます。

ラド「え!?ちょwwおまwww せめて、防寒着を買う時間を!?」
PL「www」
ラドンナ「しょうがないわね。私のお古をあげる。これがあなたに一番相応しいでしょw」

 テレポートの呪文が完成する直前、ラドの手元に埃まみれで生地の色が分からなくなったボロボロの防寒具が現れます。

ラド「ちょwこれ何――」

 防寒具を手に取った瞬間、彼は光と共に消えてしまいました。



第二波:サノイライダーズ


 その頃、パーティ達はドラゴン軍の第一波を食い止めて、一息ついていた所でした。
 斥候の報告では、こちらへさらなるドラゴン軍が迫りつつあるということですが、アイス・ボートへの〈氷原の民〉の避難は、手間取っており、まだ時間がかかります。
 

アングリフ「どうやらまだここで敵の攻撃を食い止めねばならないようだな」

 ヴィヌクに治癒の呪文で傷の手当をされながら呟くアングリフ。
 後方では、ゴールドムーンがブライアンやシルヴァレン、フリンらを回復させています。

 皆の回復が終わる頃、粉雪が舞う淀んだ雲行きの下、遠くの方から獣の雄叫びが聞こえてきました。

DM「さあ小休憩も終わったことだし、それでは戦闘を始めましょうかw」
PL「何だかD&D4版じみてきているなぁw」
PL「マスター、まだ我々がかけられている呪文の効果は残っている?」
DM「効果がラウンド単位以外は残っていることにしましょう」
PL「マジック・サークル・アゲンスト・イーヴィルやレジスト・エナジー(コールド)は90分だからまだ十分か」

 さて、粉吹雪がちらつく暗天の空の下、咆哮と共にパーティ達の前方に姿を現したのは、8組のアイス・ベアに騎乗したサノイ達。彼らの手には火炎瓶のようなものが握られていて、まっすぐにアイス・ボートを目指しています。

姿を現したサノイライダー達

サノイ達「モキュ?ここに落とし穴があるキュー!皆ひっかかるなキュー!」
PL「えーw」
DM「だってもう開いているからw」
PL「火炎瓶って、奴らアイス・ボートに火でも付けるつもり?」
DM「そうです。具体的には、サノイ・ライダー達はアイス・ボートの10フィート以内に近づくとボートに火炎瓶を投げつけます。AC10の命中判定でボートの帆や船体に着火すると3ラウンドで燃えつきて、ここから脱出ができなくなるでしょう」
PL「3ラウンドって18秒じゃないか!」
PL「帆ならありえるか」
DM「では、戦闘開始しますよ」

シルヴァレン「最初は私の番。クマを撃つのは気が引けるのでサノイに2発弓を撃ちます。コロコロ、AC34・AC19まで。両方命中したので、ダメージ計9点。ヘイストが欲しい……」
PL「ラドはまだ?」
DM「さぁどうでしょうかw」
ゴールドムーン「私は、味方にブレスの呪文。ミシャカルの祝福を皆に!攻撃ロールと[恐怖]に対するセーヴに+1の士気ボーナス」
フリン「ワシは全力攻撃、弓で3発。サノイに……あ、クリティカル、ダメージ18点。2発目はAC17まで命中で、ダメージ9点。3発目もクリティカル。ダメージ20点」
PL「すげーw」

 フリンの放つ3本の矢がドス、ドス、ドスっとこちらに向かってくる一組のクマに乗ったサノイの体の深くに刺さります。サノイは悲鳴も上げる間もなく絶命し、クマから転がり落ちていきます。

ヴィヌク「私はストーン・テンタクル!」
PL「またですかw」
ヴィヌク「いいの!これでアイス・ボートの前にバリケードを作るの!」

 アイス・ボートの前に、石でできた10フィートほどの長さの触手がウネウネと出現しました。

トビン「ボクもライト・クロスボウでサノイを撃つよ。コロコロ、出目2」
DM「はい次の人は?」
PL「w」

ブライアン「私です。デレク卿、私は行きます!全力移動!」
シルヴァレン「え!?そっちは危ないって!」

 単身、サノイ達の軍団に飛び込んで行くブライアン。ホントに大丈夫でしょうか?


DM「さて、そろそろ真打ち?に登場してもらいましょうか」

 その時、パーティの前に閃光が走ったと思うと、そこに薄汚れた防寒服を着た一人の男が立っていました。

男「待たせたな、みんな」

 彼は腰の呪文構成要素ポーチから、干からびたイカの触手の切れ端を出して一噛みすると、呪文の詠唱を開始しました。

男「出でよ、エヴァーズ・ブラック・テンタクルズ!」

 男が最後にそう叫ぶと、クマに乗ったサノイ達の行く手に黒い触手が出現し、彼らの一軍の左半分が出現した触手に捕らえられてしまいます。

ラド見参

トビン「ラド!」
PL「本家キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
デレク「なんだ、その防寒着は」
ラド「いや、ちょっとほら。俺有名人だから逆恨みする奴多くてさ、ちと姿を隠していたんだけど。でももう大丈夫だから!今後一切そういうことは無いはずだから!」
フリン「何の話じゃ?w」
PL「www」

ラド「てことで触手の組みつき判定ね」
ヴィヌク「〈騎乗〉 しているからなぁ、乗っているサノイだけ捕まると下のクマはどうなるんだ?」
PL「下だけ移動するのではないかなw」
PL「w」
ラド「とりあえず組みつき判定、8回分。コロコロ……、結局左端のクマの2体以外、全部組みついたw」
PL「素晴らしい!」
トビン「さすが、本家は違うね!」
ヴィヌク「俺の触手……(´・ω・`)ショボーン」
ラド「さらに範囲内は移動困難地形になるため、組みつかれなくても殆ど移動できないでしょ」
フリン「氷河の移動コストは2倍×エヴァーズ・ブラック・テンタクルズの移動コスト2倍で、4倍じゃ!」
DM「残念、アイス・ベアはこの環境に馴れているから氷河の移動は普通にできますw」
PL「えーw」
PL「ありがちwありがちw」
ラド「だが、流石に触手の上を歩くことには馴れていまい!」
PL「馴れていたら怖いわw」
PL「いつもフェアル=サスにそれで虐められているとかw」
PL「うはw」
PL「なにそのプレイw」

 サノイとクマは全力移動してパーティの方に寄ってきました。一方、触手に組み付かれている者達は、筋力判定で脱出を試み、クマ一匹が触手を逃れて脱出に成功します。

 次はアングリフの番です。

PL「見せ場ですよ!アングリフさん」
アングリフ「うーん……。問題は馬の〈平衡感覚〉」
PL「馬なら4つ足だから〈平衡感覚〉修正+4ほど付くでしょ?」
トビン「そんなに怖いの?w」
アングリフ「くっ。ええい!チャージだ!コロコロ、〈平衡感覚〉判定出目2」
DM「転倒しましたw」
PL「うはw」
トビン「またやっちゃたw」
アングリフ「〈騎乗〉判定、コロコロ出目1。着地失敗……。orz なんということだ!このフィールドは私には向かない!」
DM「落下ダメージは1d6点ね」
PL「普通に攻撃した方が、トータルでダメージ出せるのでは……」

落馬したアングリフ

 氷河ではまったく力が発揮できないアングリフなのでしたw

サノイ達「モキュ!今だキュ!勝機は我らにあるキュー!」
PL「www」

ラド「ヘイスト欲しい?ねぇねぇヘイスト欲しい?」

 アングリフは自分の移動アクションで立ち上がると、ランスを持ち直して待機し、ラドの方に向いて首を激しく縦に振ります。

ローラナ「……」
デレク「無様だ」
PL「w」

 デレクとローラナも彼に冷たい視線を向けています。

デレク「ふん、こんなところで臆するのではない皆の者!インスパイア・カレッジ!攻撃ロールとダメージと[魅了][恐怖]に対してのセーヴに+2の士気ボーナス!」
PL「待ってました!」
トビン「あれ?それって、ゴールドムーンのブレスとかぶるのでは――」
PL「しーっ!」


 さて、順番が回って2ラウンド目です。

シルヴァレン「ブライアンの前にいるクマをやろうかな」
トビン「先ほど、クマは気が引けると言っていたのにw」
PL「この人ブライアン萌えだからw」

シルヴァレン「ブライアン、前に出るんじゃない!お前は結婚するのだろ!」

 シルヴァレンがクマと対峙しているブライアンを案じて叫びます。

ブライアン「え?何よく聞こえない?」
PL「マスター、殺す気だw」
シルヴァレン「くそっ!これだから人間は嫌いだ!」
PL「得意な敵が人間だもんなw」
PL「確かにw」

シルヴァレン「ヘイスト無いので、2回攻撃。クマにコロコロ。両方命中!ダメージ計9点」
ラド「はいはい、後でかけるからw まったく、どいつもこいつもヘイスト、ヘイストとw」

ゴールドムーン「ブライアン、突っ込んじゃダメよ!危険よ!とスリングを準備します――」
PL「ゴールドムーンもかw」
フリン「お前ら、ブライアンを助けることばっかりで船を守らんかw」
PL「ブライアンの伊達男っぷりに感服w」
フリン「ブライアンが生きていると回復が回ってこない気がするのうw」
PL「恋は盲目ですからw」

フリン、「やれやれ。ワシは端っこのサノイに攻撃。コロコロ、1撃目AC22まで。2撃目AC28まで、3撃目AC14まで。2発命中、合計ダメージ17点じゃ」

ヴィヌク「ええっと、ラドの方をちらっと見つつデュレイ(行動遅延)」
トビン「ボクもw」
ラド「あー、どいつもこいつもw」
PL「w」

ブライアン「エスト・スラールス・オス・ミサス!我が名誉は我が命!クマの方に全力移動!」
PL「おいおいw」
ラド「あいつ、死ぬぞw」

ラド「じゃ俺ね、移動して全員が効果範囲に入るようにしてヘイスト、加速の呪文を詠唱!」
トビン「やったーw」
ラド「あ、ブライアンにはヘイストかかんないわーw」
シルヴァレン「何ぃぃ!」

ヴィヌク「さて俺の番、移動。おわり」
PL「触手は?」
ヴィヌク「石の触手はウネウネしてる」
PL「シュールだw」
PL「それだけ?」
ヴィヌク「それだけ」

トビン「このままだとアイス・ボートに敵が寄っちゃうね」
ヴィヌク「そのために俺の触手がいるぞ!」
トビン「……」

 ウネウネと獲物を待ち構える触手。

トビン「念のため、アイス・ボートに向かっている右手の敵のサノイ3体に向かってケンダーの罵り!」
PL「クマは?」
トビン「動物には効果が無いので、これ。ええっと、コロコロ。達成値28だから3体には効果があった。〈はったり〉の達成値の方は、コロコロ、36。〈真意看破〉で対抗判定をどうぞ」
DM「無理ですそれw」
トビン「では、お尻を向けて『やーい!セイウチ人!またボク達に缶詰にされに来たの?』と言ってラドの方へ逃げるw」
ラド「え、こっち来るのかよ!」
トビン「てへっw」
ラド「うわ、あいつらこっちをガンミしている……」
 
サノイ達「ムカー!この生意気なケンダー野郎!待ちやがれキュー!」

 逆上して全力移動をしてきた一組のクマに乗ったサノイ達を、待機していたアングリフがランス(《強打》 6点入り)で攻撃します。

アングリフ「待っていたぞ!構えていたランスでクマを突きます!コロコロ、AC17まで命中、ダメージ23点」
アイス・ベア「クマー!」

 そのまま動かなくなるアイス・ベア。
 一方で、先行しているブライアンに獰猛なアイス・ベアが襲いかかります。

ブライアン「グァァァー!」

 クマの鋭い爪がブライアンの肩に食い込みます。

DM「ダメージは14点ですね」
フリン「あっちはブライアンが引きつけてくれとるか、ブライアンってあとヒット・ポイントはいくつ?」
DM「あと56点ほど」
トビン「まぁ、フルボッコにされない限り大丈夫では?」
ヴィヌク「フルボッコにされるのではw」
ブライアン「大丈夫だ!ここは俺がひきつけてやる!その間にみんな頼むぞ!」
デレク「ブライアン、お前だけ危険な目に遭わせることはせん!」

 デレクはブライアンの方に全力で駆け寄って行きます。

 残りの敵は、ラドの触手から脱出を試みますが、皆脱出できません……。

フリン「ラド一人で後方の敵4体を留めているのはありがたいw」
トビン「前回はホーリースマイトを連発するしかなかったからねw」
ヴィヌク「役に立ってないな……俺の触手」
フリン「いやいやw風景に異彩を放っているぞwあれを見たいために戦闘してるようなもんだ」
トビン「目が笑ってるよ、フリンw」
ヴィヌク「これ、レベルが上がるとそのうち最大6体まで増えるのだけど」
ラド「ウゼーw」
ゴールドムーン「ある意味触手対決ですかw」
フリン「ヴィヌクの変態度が増しているだけじゃw」
シルヴァレン「やれやれ、本当にかれはソラムニア騎士なのか?」

 3ラウンド目に入ります。

 ヘイストの効果を受けたシルヴァレンとフリンが本領を発揮し、ブライアンを襲う手負いのクマに矢を放って仕留めました。そして続くブライアンもロングソードでクマを追撃します。

ラド「そろそろ俺のファイアボールの出番かなっと思うんだけど……」
PL「先生!一気に片付けちゃってください!」
ラド「では触手に捕まっている奴らに向けて撃ってみよう。コロコロ、ダメージは30点。反応セーヴ難易度18で成功したら半減ダメージ」

 ラドの手から放たれた炎の玉が、黒い触手に組み付かれたサノイやアイス・ベア達に着弾し、その瞬間、彼らを巻き込んで周囲は灼熱の炎に包まれます。

サノイ達「モキュゥゥゥー!」

 炎が去った後には爆風をまともに浴びて黒焦げになったサノイや酷い火傷で毛皮ごと皮膚が焼け爛れたアイス・ベアが残ります。

フリン「こんがり焼けた香ばしい匂いがするわいw」
ラド「あと、触手の締め付け攻撃もあるからw」
DM「うへっ。前に弓のダメージを受けているサノイ1匹は即死ですね。他もかなりボロボロだから――もういいやw」
PL「投げたw」
DM「何処ぞの、テンタクルとは違いますねw」
フリン「触手には二通りある。一つは役に立つ触手、もう一つは見て楽しむ触手だ」
トビン「なんかエロいんですけどw」
PL「www」

ヴィヌク「俺の触手を盆栽みたいに言いやがって……。よし、俺は破霜斧(フロスト・リーヴァ)でトビンの方へ向かうサノイを殴るぜ!出目1――。orz」
PL「え?あの、その斧。+4の魔法の武器ですよね!w」
老ラガード「ワシの人選は間違っておったのかのう――」
DM「――と船の中で君たちの戦いを見ています」
PL「www」

サノイ「モキュ!この騎士弱いキュー!各個撃破するキュ!」

 氷の斧を振り切ってしまうヴィヌクに、目の前にいたサノイがグレート・クラブを振り上げて、彼の頭に振り下ろします。
 彼はとっさに体を捩ってかわそうとしますがかわしきれず、肩当てでクラブを受けた瞬間、酷い衝撃と激痛が肩に走りました。
 さらに、そのサノイが乗っていた獣の前爪が彼の太ももに食い込みます。

ヴィヌク「くっ!」
トビン「大丈夫?」
ヴィヌク「何とか――」
PL「ブライアンの方もやばそうだね」

 数匹の手負いのアイス・ベアの攻撃を受け、必死に耐えているブライアン。
 すかさず、トビンはブライアンを襲っているアイス・ベアにクロス・ボウで矢を放ってトドメを入れて倒します。

トビン「一匹撃破!」
デレク「ブライアン、我も助太刀いたす!我が輩の+1キン・ロングソードを受けてみよ!AC29まで命中、ダメージ10点」
フリン「キラーン!★」(怪しく光るフリンの眼)
ブライアン「デレク卿、トビン殿、かたじけない!」

アングリフ「次は私の番だ」
ローラナ「アングリフ様、今度は失敗しないで下さいね!」
トビン「早く倒さないとボートに火を付けられちゃうよ!」
アングリフ「……。来い!スターム!」

 彼は愛馬スタームを立たせて呼び寄せると、サノイの投げるスピアを避けながら馬に跨ります。

アングリフ「跨ったらランスでサノイに攻撃します。《強打》を2点入れて、コロコロ。AC22まで命中。ダメージ14点サノイに!」
ローラナ「よかったわ、アングリフ様!当たったわw」
PL「彼女は今日も応援だけかいw」
PL「これが黄金の将軍と後に言われるローラナですよw」
PL「大丈夫かいなw」

 小さなソラムニアの旗を振りながら大喜びする彼女。

 4ラウンド目です。

 シルヴァレンとフリンがブライアンの方に向かっているサノイ達を攻撃し、撃破成功。加えて、ラドのマジックミサイルが手負いのアイス・ベアに追撃し、彼らを次々に倒していきます。

トビン「さぁヴィヌクの番だよ!」
ヴィヌク「よし、今度こそ当てるぞ!全力攻撃で3回攻撃!砕け、フロスト・リーヴァ!

トビン「あ、そうそう。フロスト・リーヴァの価格って何故だかgpで(ルールブックに)書いてあって――」
フリン「見たぞ!あれは凄まじく高い価格じゃった!」
トビン「それがさ、書いてあるアイテムってgpとstlがごちゃ混ぜでさ」

ヴィヌク「よし3発とも命中!ダメージは……40点!」

トビン「スティール加算だと、そんなに高く無かったりして」
フリン「たしかドラゴンランス・キャンペーン・セッティングじゃったな」
ラド「でも+4の武器であれは安くない?」

ヴィヌク「倒したよ!」

トビン「え?倒したの?見てなかった!」
ヴィヌク「おい!」
フリン「ワシもじゃ!フロスト・リーヴァの命中する珍しいシーンだったのに!」
PL「www」

 結局、この戦いでヴィヌクのフロスト・リーヴァが敵に命中したシーンを見ることはなかったのです。
 かわいそうなヴィヌクw

ヴィヌク(´・ω・)カワイソス

 この後、アングリフやブライアン、そしてシルヴァレンの攻撃によって敵は一掃され戦闘は終わります。

DM「――というわけで、君たちは無事アイス・ボートを守りきったわけですが」
PL「三戦目もあるの?」
DM「前回の最後からフェアル=サスがずっと待機していましたしw」
PL「ですよねぇw」
DM「しかし、傷ついた仲間を回復させるくらいの時間はありますよ」
PL「じゃ、小休憩とりまーす!」
PL「だからそれは4版だってw」

 ゴールドムーンとヴィヌクで手分けして、ブライアンやフリンの傷を信仰呪文で癒していきます。

アングリフ「ゴールドムーン、馬に!馬にフリーダム・オヴ・ムーヴメントを!」
PL「そういや、氷の上だから突撃するときは〈平衡感覚〉判定が必要だったっけ」
ゴールドムーン「はい、かけますね」

 これで馬は自ら転ぶことは無いでしょう。

アングリフ「次こそは格好いい所を見せねば!」
ラド「途中から登場したから、俺だけ、プロテクション・フロム・エナジーかかってないのだよね。しょうがない、自前でプロテクション・フロム・イーヴィルをかけておくか」
ヴィヌク「ブライアンにもプロテクション・フロム・イーヴィルを。どうせまた突っ込みそうだしw」


第三波:白竜とウィンター・ノルン、炸裂する爆発


 ここで一度DMもPLも小休憩して、セッションを再開します。

 パーティ達が次なる攻撃に備えて準備を終えた直後、上空から凄まじい轟音と共に、人を乗せた巨大な白竜が彼らの前に舞い降りて来ました。
 同時に、人よりも大きな白いオオカミ2匹を引き連れたミノタウロスのドラゴン軍が姿を現しました。

老ラガード「も、もうダメじゃ!フェアル=サスの本隊が来よった!」

 ドラゴンの見せる〈畏怖すべき存在〉の力で、アイス・ボートの帆を揚げて出発の準備を急いでいる〈氷原の民〉達は、その白い悪魔達の姿に恐怖し、混乱しています。

DM「てことで、戦闘開始なのですが。へー、皆固まっていますね」
PL「いや、ラドのヘイストとデレクのインスパイア・カレッジをw」
DM「ふふ、どうなっても知りませんよw」
PL「ドラゴン・ブレスも怖いけど……」
ラド「とりあえず〈知識〉判定で敵を確認しよう。コロコロ――」

 白竜はスリート(吹雪)と呼ばれている雌のオールド・ドラゴンで、彼女に乗っているのは白翼軍の長、ドラゴン卿フェアル=サス。一見、シルヴァネスティ・エルフのように見えますが、ドラゴン卿の鎧を着ています。
 さらに大型のオオカミはウィンターウルフと呼ばれる狡猾な猛獣で、ミノタウロスの指揮官と部下12名が確認できます。

フェアル=サス本隊登場

DM「アングリフ、〈はったり〉して下さい」
アングリフ「へ? コロコロ、達成値5」
PL「出目が悪いw」

 ドラゴン卿は白竜から降りると、アングリフに向かって言いました。

フェアル=サス「お前はこの戦いでもしかしたら自分が窮地に陥るかと思っているな」
アングリフ「何だと!?」
フェアル=サス「ふふふ、その手に持っている武器を構えようとしている」
アングリフ「何故我が輩の考えていることがわかる!?」
フェアル=サス「私は〈ウィンター・ノルン〉という者からこの人の心を読む力を学んだのだ。お前達がやろうとしていることはすべてお見通しなのだ!」
トビン「この人、自分から能力しゃべっているよw」
ラド「きっと目立ちたがり屋で自信過剰なタイプだなw」
フリン「何だって!?おい、アングリフがホントに考えていることをワシにも教えてくれ、ずっと知りたかったのじゃ!」
PL「www」

フェアル=サス「なるほど、お前達はお互いに不信を抱いているようだなw」
アングリフ「だ、黙れ!この怪しげな妖術使いめ!」

ラド「〈ウィンターノルン〉について〈知識〉判定を。コロコロ――」

〈ウィンターノルン〉
 アンサロン大陸の南方の〈氷原の民〉に伝わる氷の秘術魔法のクラス。
 彼らは氷原という厳しい環境に慣れているだけではなく、あらゆる者の運命を、時間の流れの霧に覆われた中から垣間見ることができる能力を持っています。
 また氷に特化した魔法を操ることができ、[冷気]による抵抗と、他の呪文に[冷気]の効果を付加することができます。

必要能力:〈知識:神秘学〉6ランク、〈真意看破〉4ランク、《呪文熟練:占術》、
 3レベル呪文を発動能力(最低2つの占術と2つの[冷気]の呪文を使えなければならない)
 すでにウインターノルンの者から伝統と儀式を伝授される必要あり。

ラド「やばい!彼奴は人の心を読むぜ!気をつけろ!」
PL「いや、さっきフェアル=サスが自分からしゃべっていたってw」
ラド「兎に角危険な存在だ!」
フリン「いや、あやつこそ今ワシらのパーティに必要な人材だ。このパーティはお互いの心を知るために、腹を割って伝え合ったほうがいい!」
PL「あんたがいうなw」

フェアル=サス「そうか、お前達はこの私から、あのアーティファクトを盗もうとしているな!」
ラド「そのドラゴン・オーブはとても危険な者なのだ!私が責任を持って管理しますから私に渡しなさい!」
フェアル=サス「そんな簡単にお前達に渡すものか!」
ラド「……まぁそうだな」
PL「小説を読むと、この人、オーブに支配されないようにいろいろ対策を立ててちゃんと管理してるのだよな」
フリン「どちらが安全かというと……うーむ」
ラド「こっちの方が安全だって!」
PL「www」
フェアル=サス「問答無用だな、貴様達にはここで死んで貰う!

 戦闘ラウンド開始です。

シルヴァレン「先手必勝!スリートに全力攻撃!《速射》 で3回。得意な敵が撃てるので嬉しいですよwぐふふふwww」
PL「怖いよwこのエルフw」
シルヴァレン「コロコロ、AC27までハズレ? 2発目もハズレ。3発目はAC31で命中!ダメージ9点。あれ?」

 シルヴァレンの魔法の長弓が白竜の鱗を貫いたのは一発だけでした。

PL「この白竜って前の青竜より弱いと思ってたのだけど、実は強い!?」
DM「甘く見ない方がいいですよ」

 白竜はフェアル=サスを降ろした後、バッサバッサと飛び上がるとパーティの前に出てきます。
 ドラゴンによる恐怖。巨大な翼の影がその畏怖すべき存在の力と共にパーティ達を覆い尽くします。

DM「スリートは“畏怖すべき存在”の能力を使います。[恐怖]による意志セーヴをお願いします。失敗すると11ラウンドの間、怯え状態になるので」

 [恐怖]効果に完全耐性を持つトビン以外は、プロテクション・フロム・イーヴィル等の効果によって成功したのは、ヴィヌク、フリン、アングリフの馬スタームのみ。

ゴールドムーン「だ、大丈夫です。リ、リムーヴ・フィアーを、使いますから」
トビン「大丈夫じゃないっぽいw」

 さらに白竜は大きく息を吸い込むと、パーティに向けて吹雪の息を吹きつけます!
 運良く端にいたヴィヌクを除く50フィートほどのコーン状のエリアが、たちまち竜の吐くあらゆる物を凍り付かせる冷たい吹雪に包まれます。

白竜のブレス

DM「反応セーヴよろしく」

 皆の達成値は――、トビン出目20で成功、ゴールムーン9,ラド24、シルヴァレン27……。

DM「セーヴ難易度27を超えたのは完全成功のトビンと、シルヴァレンだけですね」
トビン「ボクら、身かわしを持っているからノーダメージだよん」
DM「では、後の人は[冷気]ダメージ33点を食らって下さい」
フリン「じゃが、ワシ等、プロテクション・フロム・エナジー(コールド)がかかっとるから20点軽減されて、実質17点じゃの」
アングリフ「スターム!!!」
PL「へ?」
アングリフ「馬にまでかけてないのだ。スタームのヒット・ポイントは-3。我が輩は馬から飛び降りる!〈騎乗〉判定でコロコロ、成功!」
トビン「冷凍食品になってしまうねw」

DM「今度はミノタウロスが行動しますよ」
ミノタウロス指揮官「皆の者、あいつらを倒せば、我々に栄光の日が訪れるのだ!インスパイア・カレッジ!」
PL「何ぃ!?」
DM「彼はデレクと同じく、レジェンダリー・タクティシャンですからw」

レジェンダリー・タクティシャン
 戦術と戦略を熟知し戦いに向かう戦士達に命令を出して、彼らを英雄的行動に導く能力を持った上級クラス。
 圧倒的な強敵を前にしても自分の立場を貫く強い意志と、彼らの軍に勇気を奮い立たせる力、強いリーダーシップを持っていて、誰もから尊敬されています。
 〈竜槍戦争〉では、デレクの他、黄金の将軍と呼ばれる後のローラナ、アリアカス、ドラゴン卿などがこのクラスを持っています。
 ちなみに度々出てきているインスパイア・カレッジはこのクラスのレベル2の能力でもあります。

フリン「ワシはフェアル=サスを撃ってみよう」
PL「案外弱かったりしてね」
フリン「とりあえずフルアタック。遮蔽があるので−4で、コロコロ。1発目、出目1ハズレ。2発目AC19まで命中、ダメージ5点。3発目もハズレじゃ」
PL「お、いけるかも」
フェアル=サス「ふふふ。お前の秘密を俺は知っている!」
フリン「え?ワシ何も考えてないよ!」
PL「www」

フェアル=サス「……。後ろに下がってアイス・ウォール!

 たちまちフェアル=サスの前に氷でできた長い壁が出現し、彼の姿は氷でできた壁に阻まれて見えなくなります。
フリン「ワシの5点が痛かったのかw」
ラド「マスター、壁の長さは?」
DM「45フィート」
PL「壁の長さによって相手の術者レベルが分かる罠w」
ラド「となると術者レベル9か、我々と同じw」
PL「いやいやマルチクラスで術者レベルが9なだけかもw」

 氷の壁を砕かない限り、シルヴァレンやフリンの遠距離攻撃は効果を発揮できそうにありません。

アングリフ「馬と違って私はフリーダム・オヴ・ムーヴメントがかかってないのだよなぁ」
ヴィヌク「まさかまた馬がやられるとはね……」
ラド「ヘイストですか」
アングリフ「ではラドかデレクのあとまで遅らせよう」

ラド「だが、ヘイストは止めて、ブレスをまた吐かれる前にドラゴンを倒したほうがいいかな?まだファイアボール3発あるし」
PL「さっきのを入れると4発呪文スロットに入れているのかw」
PL「まぁ倒すことができればいいけどw」
ラド「倒せるでしょ。ふっ」
PL「言い切るとは格好いいw」

 ラドの放つ炎の玉によって、ドラゴンとミノタウロスの兵士やウィンターウルフの中心にして灼熱の爆発が拡がります。
 結果、反応セーヴに失敗したミノタウロスは6匹中5匹が灰となりましたが、白竜スリートは、ラドが彼女の呪文抵抗を破ることに失敗したことで、まったく火傷一つ負いませんでした。

ラドのファイア・ボール

ラド「呪文抵抗があることを忘れていた……。orz」

 さらに炎の爆風の中から怒りの咆哮を上げて現れたウィンターウルフが、こちらに狙いを定めて向かってきます。

PL「ウィンターウルフが二匹とも向かってくるよ!」
デレク「よし、ついに我が輩が腕を見せる時がやって来たようじゃ!」
PL「おお何だろう!いままで隠していたワザか!?」
デレク「皆の者!怯まずに戦え!正義は我らにあるぞ! 本日最後のインスパイア・カレッジを発動!攻撃ロールとダメージに+2,セーヴ+2の士気ボーナス!」
ラド「いつもと同じじゃんw」
ヴィヌク「それで十分ですけどねw閣下w」
アングリフ「待ってました!w」

アングリフ「よし、スターム!後で必ず助けてやるぞ!」
トビン「馬死んだの?」
アングリフ「まだ死んでない!気絶しているだけだ!」
フリン「何じゃまだかw」
PL「www」

アングリフ「まずは移動してドラゴンに騎士の礼。そしてドラゴンに向かって叫ぶ!『貴様の敵はこの我が輩だ!正々堂々と地上に降りてこい!』
PL「そか、飛んでいるから近接攻撃が届かないのか」
DM「高さ10フィート上空なので、アングリフのランスならいけるかな」
アングリフ「よし、コロコロ。出目3――ハズレ。orz」

当たらないアングリフ

ゴールドムーン「私はリムーヴ・フィアより皆を直した方が良いですね。ラドが辛そうだし」
ラド「よろしく」
ゴールドムーン「ヒーリング・サークルで、半径20フィートの味方のヒット・ポイントを11回復」
フリン「ワシも回復したぞ!」
スターム「ヒヒーン」

 アングリフの馬も歓喜の叫びを上げます。

アングリフ「おお、スターム!」

ヴィヌク「では俺がリムーヴ・フィアをアングリフとシルヴァレンにかけてドラゴンへの恐怖を取り除こう」
アングリフ「かたじけない」
シルヴァレン「助かります」

 ブライアンは迫るウィンターウルフをロングソードで斬りかかって傷を負わせ、続くトビンもライト・クロスボウで援護します。

 2ラウンド目。

シルヴァレン「ダメージ9点……」

 ヴィヌクのおかげでドラゴンへの恐怖が消えたシルヴァレンはドラゴンに矢を放ちますが、堅い竜鱗に覆われた皮膚に矢を通すことに苦戦しているようです。
 白竜は、そんなエルフのレンジャーをあざ笑うかのような表情で見ると、今度はアングリフの側をかすめるように旋回してすれ違い様に翼で攻撃をしかけてきました。

DM「ドラゴンの《かすめ飛び攻撃》 でAC25まで命中、ダメージ25点、アングリフに」
アングリフ「くっ。では、こちらも機会攻撃、コロコロ。ミス」
トビン「大丈夫?」
フリン「マズイぞ!そっちはアイス・ボートの方じゃ!ドラゴンをボートに近づかせるな!」

 フリンも弓でドラゴンに矢を撃ちます。

フリン「1発目AC18はミスか。2発目AC32まで、命中!ダメージ9点。3発目はさっきラドのファイアボールを食らっていたミノタウロスに攻撃じゃ!AC25まで命中!ダメージ12点」

 フリンの放つ矢に倒れるミノタウロスの兵士。

ミノタウロス指揮官「怯むな!我らにはフェアル=サス様がついておられる!」

 臆すること無くパーティの方に向けて前進するミノタウロスの兵士達。
 ここでDMは、いつもラドが使っている呪文効果範囲測定用の青い針金をパーティのど真ん中に置きました。

PL「え?何!?」
PL「まさか……」
フェアル=サス「では私もファイアボールを見せてやろう!」
DM「ラドとシルヴァレンとヴィヌクとアングリフは呪文の効果範囲に入らないので、それ以外の人は反応セーヴよろしく」
アングリフ「ちょw馬が――」

炎の玉を放つフェアル=サス
絵:ふー画伯

 達成値はフリン19(成功)、ゴールドムーン16(成功)、トビン35(成功)、愛馬スターム18(成功)。
 結局全員、反応セーヴには成功しましたが……。

アングリフ「スターム!!」
PL「この冒険中、何度この叫びを聞いたことかw」
アングリフ「馬のヒット・ポイントは-2に。まだ生きているけど……」
PL「完全死亡状態まであと8点かw」
PL「今晩は馬肉だな」
PL「さっき凍らされたと思ったら今度は燃やされているw」

フェアル=サスのファイアボール

ラド「では、俺ももう1発。残りのミノタウロス達とウィンターウルフを一匹巻き込んでファイアボールを撃つぜ!」
PL「ファイアボールの応酬が!
ラド「例によって反応セーヴ難易度18で、ダメージ27点。成功すれば半減」

 一部のミノタウロスは反応セーヴに運良く成功しましたが、他の者は回避失敗して灼熱の爆風をまともに受けます。

アングリフ「くそっ、スタームが立ち上がっていれば……」
ヴィヌク「こうなればゴールドムーンにでも頼んで、空を飛ぶ乗騎の召喚をw」
フリン「そうじゃ!動物変化のお守りがあるぞ!これで誰かを乗騎にして――まぁ過去の例だと蛇、猿、イカにしかなれんがw」
PL「www」
アングリフ「いや、乗りこなすには一日調教しないと……」

DM「ほらほら、馬鹿なこと言っていたら死にますよ」

 迫り来る二頭のウィンターウルフ。
 そのうちの一頭が息を大きく吸い込んだかと思うと、白竜と同じように凍てつく氷のように冷たい息をパーティに吹きかけました。

DM「反応セーヴしてね。[冷気]によるダメージ22点」
PL「もう止めて!スタームのライフはもうマイナスよ!
アングリフ「今-2だから、セーヴに成功しても11点受けるので……あぁ!スターム!!
PL「www」
アングリフ「もう終わりました。成功しても失敗しても終わりました。orz」
フリン「馬肉へw」

フリン「じゃがワシも食らったのでセーヴをっと。コロコロ、あ。失敗しよった。でもプロテクション・フロム・エナジーの20点減少があるから、なんだ2点じゃったw」
アングリフ「こ、このドワーフ!後で殺してやる!」

ウィンターウルフのブレス

 もう一頭はブライアンへ飛びかかって鋭い牙で噛みつき、さらに足払いを行って転倒させました。デレクが援護に駆けつけて応戦しますが、まったく歯が立ちません。
 すかさずロングソードで斬りかかろうと立ち上がるブライアン。しかし、それを待っていたかのようにウィンターウルフの鋭い爪が彼の脇腹の肉を抉ります。

ブライアン「ぐぁぁぁ!」
シルヴァレン「ブライアン!」
ブライアン「ま、まだ大丈夫、僕はまだ死ねないんだ。それより〈氷原の民〉達の避難を……」
トビン「そういえばすっかり忘れてたw」
PL「おいw」
ゴールドムーン「では、私はランタン・アルコンを召喚してみるわ!松明ほどの明るさだけど、その光の玉を彼女にぶつければ驚くはず!」

ヴィヌク「よし、ウルフは任せろ!ファイアボールの入っていないウルフにフロスト・リーヴァで攻撃!コロコロ、クリティカル!ダメージ39!」
PL「スゲー!」
ヴィヌク「前の戦闘でも凄かったYO!

 次はトビン。フリンの後ろに移動すると、ドラゴンに向かって大声を上げて罵倒します。

トビン「この臆病者の白トカゲ!お前はボートみたいな動かないものしか襲えないのかよぅ!ほらほら、もしかして共通語もわからない低能なの??」
DM「はいはい、〈真意看破〉で対抗判定しますよ」
トビン「こちらは〈はったり〉なのでコロコロ、達成値23。ちと低かった。ちなみにドラゴンに対して回避を指定ね!」
DM「ドラゴンは失敗しました――」

 ケンダーの罵倒に逆上した白竜は、旋回しトビンの方に向きを変えます。

スリート「ケンダーめ!貴様だけは生かしておかぬは!覚悟するがいい!」
フリン「次ワシのほうにくるのか!!」
トビン「遮蔽よろw」

 3ラウンド目です。

シルヴァレン「ドラゴンはケンダーに任せて、フェアル=サスを精神衛生上狙おう。ドラゴンより当たりやすそうだし」
フェアル=サス「お前は今、俺の方が当たりやすいと思ったな」
PL「ぷw」
PL「意外とたいしたこと読まないなw」
PL「今、口を出したこと言い返しただけじゃんw」
フリン「ワシ、あんな能力ならいらないw」
PL「www」

シルヴァレン「弓で全力攻撃。コロコロ、3発命中1発クリティカルでダメージはっと……計42点
PL「おお!」

フェアル=サス「ぐぉぁ!」

 3本の矢を体にまともに受け、よろめきながら倒れるフェアル=サス。

PL「ええー!?」
フェアル=サス「おのれ、私を故郷から追いやったエルフが、また私の邪魔をするのか!」
シルヴァレン「名前が紛らわしいけど、私シルヴァネスティ・エルフと縁がありませんからw」
PL「w」
PL「当たりやすいとか言って余裕こいてたのにw」
フリン「フェアル=サス、ワシ等の心を読んでみないのか?今フェアル=サスは弱いと激しく思っておるのじゃがw」
PL「www」
フェアル=サス「……スリート、あとは頼む」
シルヴァレン「ドラゴン卿を倒したぞ!」

 ここでケンダーを襲おうとしていた白竜スリートは仕えている主の異変を感じると、そのまま体を捻ってアングリフの上空を飛び越えて、主の元へ駆けつけます。
 アングリフからのランスの機会攻撃をものともせず、彼女はフェアルサスの元に舞い降りると、彼を加えて飛び立ちます。

脱出するフェアル=サス

スリート「覚えていろ!」
PL「まだフェアル=サスは生きているのか」
DM「気絶しているだけですから」(ヒット・ポイントが-10で死亡となる)
PL「このままだと逃げられるな」

アングリフ「しょうがない、残りを一掃するぞ!」
フリン「よし、ワシは目の前のウルフに弓で攻撃じゃ!コロコロ、AC19で命中。ダメージ13点!」

 フリンの放つ矢がウィンターウルフの眉間にめり込み、大型の獣は倒れます。

ラド「掃除なら任せてくれ。残りを全員入れてファイアボールだ。コロコロ、ダメージ21」

 ラドの3回目のファイアボールの爆発がミノタウロス達の身を焦がし、彼らはそのまま倒れて動かなくなりました。

ミノタウロス指揮官「くそっ俺一人か!」
デレク「さぁ残りはお前だけだ!」
PL「また最後はデレクかよ!」
PL「www」
デレク「そうだ最後は私が貰ってやる!コロコロ、命中!ダメージ8点」
DM「まだ死にません」
デレク「し損じたか」

 しかし、ここまで来れば終わったのも同然。
 指揮官はブライアンやトビンの急所攻撃、シルヴァレンの《速射》を受けてフルボッコにされてあっという間に倒されてしまいました。

 最後に、ゴールドムーンの召喚したランタン・アルコンが出現し、空しく宙を舞って暫くして消えてしまいました。

ハラルド「君達、見事な戦いだったぞ!」
トビン「あんたら、黙って見ていただろw」
ハラルド「我々はアイス・ボートを出す準備をしていたのだ。今準備が整った!」
PL「やれやれw」
DM「そういう展開なのでw」
ハラルド「さぁ私の船に乗るのだ!フェアル=サスは〈氷壁城〉へ戻ったはず。順番は狂ったが、予定通り〈氷壁城〉まで君達を連れていく!」

 戦利品を回収しながら愛馬スタームを手早く葬り、船に乗り込むパーティ達。

戦利品
・+2ドラゴンアーマー、
・+1フロスト・グレートアックス(一応預かっておこうbyフリン)
・+1ハイドアーマーx12、高品質のグレートアックスx12
・グレート・クラブx8
・火炎瓶相当の物x8(トビンが持つ)

船員「族長、皆乗り込みました!」
ハラルド「よし錨を上げろ!帆を張れ!アイスドレイク号はこれより〈氷壁城〉へ向けて出発する!」
船員『おおー!』


氷壁城への道と受け継がれし意志


 〈氷壁城〉は、〈氷壁〉の山塊の絶壁を望む、氷河の南部を攻略するのに理想的な場所に位置しており、元々はタルシスの南の海にあった島の岩岬の頂にあった石の城でした。しかし、〈大変動〉によって辺りは氷河に包まれ、岩岬は隆起して絶壁になり、城は凍りついたのです。
 現在は、〈暗黒の女王タキシス〉の軍勢の1つ、ドラゴン卿ダークエルフのフェアル=サスの率いる白翼軍の根城となっています。

 パーティ達の目指す〈氷壁城〉は〈氷原の民〉の野営地から30マイルほど離れており、アイスドレイク号と徒歩で3日がかりでようやくたどり着く距離です。

 静寂の氷河の中を風にのって進むアイス・ボート。
 二日ほど氷の上を滑っていくと、やがて彼らの前に、白い断崖絶壁の氷河が姿を現しました。

トビン「〈氷壁〉だ!」

 氷河に近づいていくと、崖の様子がはっきりとわかります。
 切り立った崖の側面も雪と氷で包まれて凍っており、いくつかの深い亀裂が表面を横切っています。
 そしてその崖の上の何十年も積雪によって凍った土地の上は、渦巻く深い雲で覆われていますが、うっすらと凍った城のシルエットを見ることができます。

ハラルド「あの〈氷壁〉の上にあるのが君達の目指す〈氷壁城〉だ」
トビン「もしかしてここを登るの?ボク、〈登攀〉は技能ランクが無いので苦手なのだけど――」
ハラルド「少なくとも我らは他の道は知らない」
DM「はい、君達はこれから崖を登ってもらいます。高さは1,000フィート、12時間ほどかかります」
PL「1,000フィート!?300メートルか!」
PL「落ちたら皆死ぬ――」
DM「ええ、シナリオに死ぬって書いています」
PL「おいw」
トビン「何かうまく上る手段はないの?」

 〈氷原の民〉がロープを差し出して満面の笑みを浮かべます。

フリン「ダメだこりゃ。登るしかないのう」
PL「そだ、デレク達は?」

 デレク達は、目の前に見える絶景にポカーンと口を空けて固まっています。

PL「こっちもダメかw」
アングリフ「登っている間に襲われたら終わりだな」

ラド「あ、俺がフライなら5人分用意できるけど」
ゴールドムーン「私とヴィヌクさんも、エアウォークをかけますよ」
ヴィヌク「全員で10人分必要だけどこれでは、一人分足りないな」

アングリフ「よし、ではフリンにトビンを担いで登って貰おう」
トビン「えー、ボクだけ飛べないの!?」
ヴィヌク「しっかりとロープで結んでいれば大丈夫だろ」
フリン「死にたくなかったらおとなしくするのじゃぞ」
トビン「ちぇ。( ゜з゜)」

DM「では、頂上に着きました!」
PL「早っ!」
DM「普通に登るならいろいろ判定あったのですけどねw」

 崖の上は吹雪が吹き荒れていました。さすがにこのまま飛行して直接城への進入は困難なようです。
 目の前には洞窟が口を開けており、そこから微かに吹き出す風の状況から、おそらくこの中を抜ければ城の中庭に抜けることができるのではないでしょうか。

PL「ここから入れというわけか」

 パーティ達は狭い氷の洞窟を進んでいきます。
 暗い洞窟の壁面は松明の炎で照らすと煌びやかな蒼白の色をしており、洞窟の奥からは冷たい風が吹き抜けて来ます。
 暫く進むと、まわりの蒼白色の氷の壁とは明らかに異なった壁の前に出ました。天井の氷の隙間から差し込んだ陽光の光を浴びて、何かが氷の中で煌めいています。それはまるで黄金の塊が氷の中に埋められているようにも見えます。

トビン「何だろ?」
フリン「みんな怪しいぞ、離れるのじゃ!」
ゴールドムーン「近づいてみます!金塊なら、これから長い戦いを続けるには資金がいるはずです」
PL「あぁ、ゴールドムーンのキャラが崩れていく……」
PL「www」

 パーティ達が近づくと、それは金塊ではなく信じられないほどの大きさの蛇のような生き物で、氷の中に閉じ込められて、その金色の鱗が光に照らされて煌めいているものだとわかりました。

PL「大蛇?」
トビン「金色の毛むくじゃらのマンモス!」
PL「www」

アングリフ「いや、これはドラゴンだ――

 その巨大な帆のような翼と波状の尾は、氷の奥深くに閉じ込められて判別できませんが、ただ、うっすらと見えるその金色のフォームは、それがかつて空を舞った巨大な生き物だったことを示しています。

ラド「〈知識:神秘学〉ロール、コロコロ。たぶん成功。これはゴールド・ドラゴンだ」
ヴィヌク「見ろ、ドラゴンに人が乗っているぞ!」
デレク「ドラゴン卿か?」

 よく見ると、左手に鋼鉄製のヘヴィ・シールドを持った男が凍りついたままドラゴンに跨っており、そのヘヴィ・シールドには剣と冠と薔薇で飾られた翡翠の紋章が確認できます。

氷漬けの騎士

アングリフとヴィヌク『ソラムニアの騎士!!』
フリン「何じゃと?」
ブライアン「何故、ソラムニアの騎士がここに?それに何故ドラゴン卿のようにドラゴンに騎乗しているのだ?」

 またその騎士の右手には、細身で真っ直ぐ伸びた精巧にできた銀製の武器がみえます。一見、ランスのように見えますが、舳先の部分が残念ながらポッキリと折れてしまっています。

ラド「ゴールド・ドラゴンは善なる生き物と聞く。この様子だと、これは〈大変動〉以前のものだ。もしかしたら古代のドラゴン戦争の――」

デレク「くだらない!ドラゴンと共に戦っているのだから、こいつはろくでもない奴に違いないぞ!」
アングリフ「私も〈知識:王侯貴族〉を振ってみよう。コロコロ、達成値15」
DM「では、その騎士はどことなく君の父や祖父に似ている感じがしますよ」
アングリフ「彼は私の祖先に似ている気がする……」
フリン「何じゃw騎士に多いパターンの顔なのかw」
PL「www」

 突然、何かに取り憑かれたようにアングリフは家宝の高品質のロングソードで氷を砕き始めました。

デレク「何をしている、アングリフ!」
アングリフ「もしかしたらヒューマの伝説の手がかりが――」
デレク「やめろ!たとえこやつが騎士であっても、騎士から鎧を剥いだりすることは不名誉なことだぞ!」

 暫く砕いていると氷漬けの騎士のランスを握っている手の部分が剥き出しになります。

ヴィヌク「クリンに伝わる伝説のヒューマも竜に乗っていたという」
デレク「ヒューマ?あんなもの子供のおとぎ話に過ぎん!」

 アングリフはデレク卿の言葉を全然耳に入れず、まるで何かに導かれたように、砕いた氷の中から現れたランスの柄に手を触れます。
 同時に、柄を握っていた騎士の手がふっと緩み、壊れたランスの柄がアングリフの手の中に自然に転がり込んできました。

アングリフ「こ、これは!?」

 それはとても高貴な物で、これまでに見たこともない変わった作りで、とても特殊で特別なものだと感じることができました。

フリン「〈鑑定〉達成値9」
トビン「ケンダーの伝承、達成値11」
PL「二人ともわからないw」

 横から覗くフリンとトビン。

フリン「珍しいランスじゃが、折れとるし武器としては全く価値は無いなw」
アングリフ「だがしかし、何故か私にはこの騎士がこれを私に託してくれたように思えてならないのだ!」
フリン「またぁ、いつもの思い込みじゃよwケンダーの癖がうつったか?」
PL「www」

デレク「ふん。先を急ぐぞ。ドラゴン・オーブはすぐそこだ」

 氷漬けの騎士の部屋を後にするパーティ達。
 去り際に振り向いて騎士の顔を見たラドは、彼の顔が穏やかな表情に変わったように感じました。
 金竜の鱗が氷の隙間から差し込んだ光に照らされ煌めき、まるで彼らの前途を祝福しているように見えました。

次回に続く!

■ あとがき:

 今回は、ドラゴン軍の白熱する襲撃がメインのお話でした。
 戦闘シーンは文章量の割に時間がかかってしまい、大分間が空いてしまいましたが、いかがでしたか?
 
 今回の主役は何と言ってもラドでした!
 このような状況ではやはり、ウィザードの範囲魔法は頼もしいです!
 後半では、あのフェアル=サスが登場し、うっかりシナリオの途中で、ボスを殺してしまいそうになりかけましたが、さすがにDMは許してくれなかったようですw
 フェアル=サス無き〈氷壁城〉に、何が待ち受けるのか体験してみたいとも思いますがw
 
 次回は〈氷壁城〉で、久々にダンジョン探検なので楽しみにしたいと思います。
 
 ところで、今年もドラゴンランスのコンベンションが開催されるようですよ!
 しかも今回は『D&D小説のよくわかるコンベンション』ということで、ドラゴンランスのクリンのみならず、ダークエルフ物語やアイスウィンドサーガのフォーゴトンレルムのD&D小説の世界を含めた、大変贅沢なコンベンションになるということです!
 開催時期や場所はまだ未定のようですが、決まったらこちらでも紹介したいと思います!!
 
 最後に、もうお気づきの方はいらっしゃると思いますが、少し前からいくつかのページにコメント欄を設けてみました。
 リプレイの感想などを気軽に書き込んで下さい!よろしくお願いします!
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次回は!


温泉で秘湯に浸かり傷を癒すフェアルサス
絵:ふー画伯

 カポーン。

 ドラゴン卿フェアル=サスは、居城の〈氷壁城〉で温泉で、先の戦闘で受けた傷を癒していました。

手下「フェアル=サス様、例の者たちが城に侵入しました。いかがいたしましょう?」
フェアル=サス「ふん、思ったより早かったな」
手下「奴らの正体は、報告にあったパックス=タルカスを襲撃し、タルシスで反乱を企てた一味のようです」
フェアル=サス「知っている。拭く物と着る物を持て。よかろう、我々で盛大に歓迎してやろうではないか!」
手下「ははっ!!」


 ドラゴン卿フェアル=サス率いるドラゴン軍を撃退したパーティ達は、〈氷原の民〉らの力を借りて、敵の本拠地〈氷壁城〉へと向かいました。

 そこに待ち受けていたのは氷壁の断崖の上に聳える氷の城。
 停止した時間と共にすべてが凍りついた場所で、彼らが最初に見たものは氷漬けにされた金色の竜とそれに跨るソラムニアの騎士。
 愛馬スタームの死に悲しむアングリフは、その騎士の手から壊れたランスを受け取ります。

 その壊れた銀の武器に魅了されるアングリフ。
 かつて伝説の英雄ヒューマは、竜鱗をも易々と貫く槍を手に銀色の竜に乗って邪悪な竜と戦ったという──
 この武器の正体は一体何なのでしょうか?

 ドラゴン軍を打ち破る力となるドラゴン・オーブ。
 彼らの行く手には、フェアル=サスと白竜、そしてその配下の者達が待ち受けます!
 彼らは、見事オーブを手に入れることができるでしょうか!?
 秘宝の探索の旅は続きます!

 次回、『氷壁の白竜の書その3』凍りついた運命の城をお楽しみに!

 それではまた読んで下さい!!



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