MAY YOUR POUCHES NEVER BE EMPTY!
君の小袋がいつまでも空っぽになりませんように!
author michi

Dragons of Winter Night / 冬の夜の竜
ドラゴンランス 氷壁の白竜の書 その1その2その3その4その5:その6 前編 後編:戻る
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 はい。Flashのオープニングの始まった今回のリプレイですが、皆さんこんにちは!
 あ、iPadの人石投げないで、パソコンで見てください。
 Flashの知識は乏しいのですが、頑張って作ったので、よろしくお願いします。
 
 さて、残暑厳しい日々が続いておりますが、日本のD&D界の最大のイベント、DAC2010が今年もプレイヤーの募集を開始したようですね!
 皆さんは、もう申込をされました? きっと楽しい冒険が待ってますよ!
 もちろんD&Dは初めてという方でも楽しめると思いますし、関東以外の地方にお住まいの方でも会場内の宿泊施設が利用できるため、参加しやすいのではないでしょうか?
 今年はネタセッションが多いらしいのですが、私は敢えて普通の卓に応募してみようかと考えております。

 このところ毎月のペースでこのキャンペーンのセッションを連ねて来たためか、リプレイを書き上げる時間が足りませんw
 特に今回は、大変内容の濃いセッションでしたので、かなりの分量になってしまい、急遽、前編と後編に分けて公開することにしました。
 そのため、いつにもまして長くなってしまいましたが、気合を入れて書き上げたので、どうか最後までお付き合い下さいね!
 またリプレイの感想も首を長くして待っていますので、もしよければ最後に一言書き込んで頂けると嬉しいです!

 それでは今回も行ってみましょうか。
 まずは、キャラクター紹介から。

フリン・ファイヤーフォージ ドワーフのファイター10、Kさん
 戦闘は容赦が無い頑固物のドワーフ。速射が得意。最近は何故か壁役の前衛。
 D&Dミニチュアを集め過ぎ、部屋に入らなくなって引っ越した程w

ヴィヌク・キル=キューミィー 人間のクレリック6/ファイター1/ナイト・オヴ・ザ・クラウン2、JarkJaxさん
 アングリフと同じく、ソラムニアの冠騎士。
 〈真の神々〉の探索をするアングリフの後を追ってパーティに合流。
 見事、神々のしるしを見つけ、癒しの力に目覚めたが〈氷壁〉にて白竜スリートの凶牙に倒れる。
 しかしエルゴスで出会ったカガネスティ・エルフのシルヴァラによってエルフに転生し、復活。

トビン・ディープポケット ケンダーのレンジャー1/ローグ4/ハンドラー5、私
 ドラゴンも恐れない非常に好奇心旺盛な小人族ケンダー。
 パーティの雑務担当。得意技はスリ(ハンドラークラスの特徴)と、ケンダーの遠近両用便利武器であるフーパックでの急所攻撃。
 最近フーパックではダメージが出なくて、弓に浮気中。

ゴールドムーン 人間のクレリック10、ふーさん
 ケ=シュ族の族長の娘にして、善なる癒しの女神ミシャカルの僧侶。
 エリスタンにミシャカルの円盤をもたらし、信仰のメダリオンを授かる。
 好きな武器はスリングで、得意技はホーリー・スマイト。
 今日は残念ながらお休み。

シルヴァレン エルフのレンジャー10、真由利さん
 クオリネスティ・エルフの、ハーフエルフのタニスの母親の次女が、カガネスティで恋に落ち、二つのエルフ氏族の間に産まれた子という設定。長い……。
 成長し、ギルサナスに拾われて彼の隊に入るも、パックス=タルカスで捕らわれの身となっていた青年。
 動物の相棒、次元界から来た大猪、森の王ハークノスを従える。

ラド・グエル 人間のウィザード10、ジョウセンさん
 白でも赤でも黒ローブでも無い、〈大審問〉を受けてもいないはぐれ魔導師(Renegade Wizard)。
 〈上位魔法の塔〉からドラゴンオーブの保管を命じられる。
 呪文選び3年、立ち位置8年とウィザード道を説く範囲攻撃の達人。

アングリフ・ブライトブレイド 人間のファイター/ナイト・オヴ・ザ・クラウン、植埜さん
 "My Honor is My Life!"が口癖の竜騎士を目指す本物のソラムニアンナイト。
 ランス突撃を得意とするチャージャー。
 クオリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘ローラナを手篭にしているばかりか、
 最近では、シルヴァネスティ・エルフの王女アルハナ・スターブリーズまで……。

 そして、DMはお馴染みの霧島さんです。

 ちなみに一緒に冒険しているNPCのみなさん(格闘ゲームでいう背景の絵の人達)です。

ローラナ・カナン クオリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘。パックス・タルカスに捕らわれていた。
シルヴァラ パーティを〈霧籠りの谷〉へと導くカガネスティ・エルフの女性。
 果たしてその正体は?
ルールについて
ここでD&D初心者向けに簡単なルールを書いておきましょう。

▼遭遇(Encount)というシーンごとに話が進む
 D&Dの遭遇には次の二種類があり、それが入れ替わり立ち変わり重ね合い、物語を構成していきます。
 ・戦闘遭遇 … D&Dのルールの大半を占めるクリーチャーとの戦闘
 ・戦闘以外の遭遇 … ムービーシーンやら、キャラクターのロールプレイ、何かアクションに対する技能判定など
 何かの判定には、1d20を行ない、目標の値より高い目が出れば成功です。

▼戦闘遭遇の場合
 D&Dでは戦闘はターン制で、敵味方が最初に1d20を振って決めたイニシアチブの順に行動します(このリプレイではイニシアチブは省略してます)。
 ただし、待ち伏せなどをされて不意打ちを受けた場合は、この限りではありません。
 
 自分の順番が来ると、キャラクターは、大雑把に言うと、
 ・標準アクション … 攻撃や何か具体的な行動
 ・移動アクション … 移動、他
 の2つの行動を行なうことができます。

 さらに攻撃方法には
 ・近接攻撃 … 近くの敵に剣などで攻撃
 ・遠隔攻撃 … 遠くの敵に弓などで攻撃
 ・魔法や特殊能力
 などがあります。

▼近接・遠隔攻撃方法
 武器などで攻撃をする場合は1d20し、自分のキャラクターの修正値を加え、敵のAC(アーマークラス)より高い目を出せば命中で、ダメージロールをして敵のHPを減らすことができます。
 敵のACはPC(プレイヤーキャラクター)には分からないので、PCが振った攻撃ロールは、命中したかどうかDM(ダンジョンマスター、ゲームマスターのこと)が判定することになりますが、このリプレイではDM判定の部分を省略して書いていることがあります。

▼魔法等による攻撃方法
 魔法などの場合は攻撃を受けたキャラクターが、攻撃の種類に応じて頑健・反応・意思の何れかのセーヴ判定(セーヴィングスロー)を行ないます。
 1d20してセーヴ修正値を加えた値が、攻撃側のキャラクターの目標値を越えなければ魔法は成功し、効果を発揮します。

▼移動方法
 D&Dの戦闘は1マスが5フィート四方の戦闘フィールドで行なわれ、キャラクターの移動速度によって1回の移動アクションで進むことができるマスの数が決まっています。
 斜めに移動するときは複雑で、1マス目の斜め移動は移動1マスと考えますが、2マス斜め移動する場合は移動3マス分と考えます。
 また、標準アクションも移動アクションに変更することが可能で、そのターンは全力で移動することにより、2倍移動することができます。

▼戦闘以外の遭遇
 非戦闘時では、主に技能判定によって具体的な行動を行うことができます。技能判定は、キャラクターが行動したアクションに対する成功か失敗の判定を行なう場合に使用します。
 キャラクターはその状況に対応する技能を選択し、1d20をして対応技能の修正値を目に加えます。その状況の難易度より高い目を出せば、その行動は成功したと考えます。
 基本的には判定となる目標値も本来DMしか把握しておりませんが、攻撃の場合と同じく、このリプレイでは省略して書いていることがあります。

前回までのお話


 廃都ザク=ツァロスから〈真の神々のしるし〉を持ち帰ったパーティは、クオリネスティの〈太陽の評議長〉の息子ギルサナスらと共に、〈パックス=タルカス〉の砦に捕らわれていた数百人の避難民を解放した。
 彼らを引き連れてパーティは南へ逃れ、失われたドワーフの地底王国トルバルディンを見つけ、伝説の英雄ヒューマの武器ドラゴンランスを鍛えたという〈カーラスの槌〉を発見する。 
 さらに、タルシスで新たに加わったソラムニア騎士たちと共に、竜を支配する力を持つというドラゴンオーブを求めて〈氷壁〉へと向かい、〈氷壁城〉でドラゴン卿フェアル=サスと白竜スリートを打ち破りオーブを入手した。
 そしてサンクリストへ帰還する途中、巨大なイカに襲われ船が難破し、南エルゴスに流れつく。クオリネスティ・エルフに監禁されてしまったパーティは、そこで出会ったシルヴァラというエルフの女性の導きによって脱出し、ドラゴンランスの秘密が隠されているという〈霧籠りの谷〉へ辿りついた。
 そこは晴れることのない霧によって外界から閉ざされた忘れられた谷。彼らが目にしたのは、巨大なドラゴンの石像とヒューマの墓。しかし、人が長く足を踏み入ることがなかったこの場所にも、ドラゴン軍の魔の手がすぐそこに迫っていた……。


鳥人間の集落


 ヒューマの墓にあった井戸の移動装置を発動させ、パーティが辿りついたのは、ドラゴンの巨大石像の立っている崖の中腹でした。

トビン「えー、あの崖を登らないといけないの?」

 近場でドラゴンの石像を見上げると、まるで難攻不落の砦のように見えます。
 ドラゴンの石像に行くには、この崖を登らないといけないようです。
 さらに周辺を眺めると、パーティがいる場所から半マイルほど岩棚に沿って行ったところに、集落のような場所があることに気づきます。
 集落の平坦な場所には手入れが行き届いた果樹園もあり、人が住んでいるようです。

トビン「こんなところに人が住んでいるのかな?」
ラド「まぁ、少なくともドラコニアンたちじゃないと思うが」
フリン「とりあえず行ってみるとするか。何か情報を聞き出すことができるかもしれん」

謎の集落

 岩棚に沿って集落の方に移動するパーティ。
 近づくにつれて、岩棚に出来た牧草地に、鳥によく似た人型生物が何頭かの山羊を連れて歩いています。
 その背後の崖には、先程はわかりませんでしたが、浅い洞穴のような穴が何百も空いており、時々、その生物が出入をしています。

トビン「鳥人間ってハーピー!?(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル」
DM「少なくとも女性ではありませんね。髭が生えてますw」
ラド「ハーピーではなさそうだが、〈知識〉判定をしてみよう」
トビン「ボクは"ケンダーの伝承"で達成値23」
シルヴァレン「私は〈知識:自然〉で達成値27」
ラド「同じく〈知識:自然〉で達成値23」

DM「いいでしょう、3人にはわかりました。彼らはキュリーと呼ばれる鳥人間ですね。君たちが気づくと同時に、上空から何匹かのキュリーたちが降りてきましたよ」

アングリフ「何だと!?武器を構える!」

 突然の突風と共に、パーティの正面に降りてくるのは、茶金色の羽状の腕を持ち、鷲のような鉤爪の足をした、頬髭の男たちです。
 彼らの腰にはシミターが取り付けられたベルトを付けており、矢が装填されたクロスボウを手に持って構えています。

ヴィヌク「アングリフ、武器を下ろせ。彼らは恐らく警戒しているだけだ」
トビン「そりゃ怖いよね。大型化したドワーフやら猪やら連れているもんw」
ラド「どう見てもモンスターが襲ってきたとしか思えないよなw」

キュリー「止まれ。お前たちは一体何者なのだ? ここへ何しに来た?」
フリン「ワシらは怪しいものではないですじゃ。ワシはドワーフのフリンと申します。理由あってこのように大きくなっておりますが、根は優しくて──」
PL「いや、あんた数分おきにハークノスさんにエンラージ・パーソンをかけなおしてもらないと、大型の体型を維持できないからw」
アングリフ「ではいつもの自己紹介を──私たちはソラムニア騎士とその仲間たちだ。かくかくしかじかで、この女性、シルヴァラの導きの元に──」
DM「シルヴァラはそっぽをむいていますよ」
PL「何でだよw」

キュリーの警告

キュリー「ソラムニアキシ?聞いたことがないな。お前たちはあのドラゴン人たちの仲間か?」
アングリフ「ドラゴン人だと? 奴らは我々の敵だ!」
フリン「ドラゴン人たちの横暴と侵略から世界を守ろうとして、我々はここにやってきたのじゃ!」
ヴィヌク「ソラムニア騎士を知らないのか」
トビン「どれだけ田舎なんだろw」
ヴィヌク「我々はソラムニア騎士といって、世の中に愛と正義を広めようと頑張っているのだが、ここまでは伝わってないようだな──」

キュリー「我々では判断できない。とりあえず我らの王のところまで来てもらおうか」
フリン「結構我々は急いでおるのじゃがの……」
PL「www」
シルヴァレン「そうだ!君たちは今、何か困っていることがあるのか? もしそうなら手助けをしてやることができるかもしれないぞ?」
ラド「いやいや、今一番彼らが困っているのは、我々が来た事だからwww」
トビン「確かにw」

 崖に空いた穴のひとつに案内されるパーティ。
 幸い、その穴は歩いても入れそうな高さの穴で、周りの穴より一回り大きくなっています。
 パーティは何匹ものキュリーたちに囲まれて、奥の族長の部屋まで案内されました。

族長「お前たちか、侵入者というのは。我はこのアアラコクラ族の王、ストームクロウだ」
PL「嵐の爪!(゜∀゜)カコイイ!」

ストームクロウ「お前たちは、あの忌々しいドラゴン人たちを退治しに来たと言ったな」
トビン「そうだよ! ボクたちはすでにドラコニアンはおろか、邪悪なドラゴンも倒してきたんだ!」
ラド「我々はドラゴン人が倒すと石になったり、爆発したりするのも知っている! 大変な目にあったがなw」

 じっとラドの目を見つめるストームクロウ。

ストームクロウ「ふむ。どうやら嘘は言っていないようだな。実は、数日前にドラゴン人が突然現れて集落を襲い、部族の王子である、私の息子スカイダンサーが負傷してしまったのだ。もしかしたらもう助からないかもしれない」
トビン「あんたたちは運がいいよ! ボクたちには"癒し手"がいるんだ!」
ヴィヌク「そうだ。パラダインの御加護により私は癒しの力がつかえるのだ。その王子をちょっと診せて頂いてよろしいか?」

ストームクロウ「パラダインだと? かつて、我々の間にも女神シスレブを信仰するものが癒しの力を持っていた。だが、その力は〈大変動〉以来失われてしまったのだ。まさか、おまえがその癒しの力を持っているのか?」

ラド「シスレブ?〈知識:宗教〉判定をしてみよう。達成値28」

シスレブ
 自然、獣、野生、世界の母、中立の神
 シンボル:茶と黄と緑の羽
 好む武器:ショートスピア
 古の神々の一人。
 彼女の力の源は、自然界、廻る季節、荒野。
 Dragonlance Campaign Setting, Page 125.
茶と黄と緑の羽

ラド「シスレブ?自然の神か」
ストームクロウ「ほう、そこの人間は詳しいようだな」
フリン「族長殿、ワシらの癒しの技を目の当たりにすれば、邪悪なドラゴン人と戦うために善の神々が帰還したことを悟るじゃろう!」
ストームクロウ「よかろう、ついて来い」

ラド「ねぇ、大風呂敷を広げているけど、ここまで来て治らなかったらどうするのさw ただの怪我ならいいのだけど、呪いとかだと厄介だぞ……」
ヴィヌク「リムーヴ・カースか、俺無理かも」
トビン「ゴールドムーン、今日は休みだしw」
PL「ちょwww」

 パーティは王子の部屋に案内されます。
 部屋では若いキュリーが柔らかい干し草の上に苦しそうに横たわっていました。
 ベッドで高熱をだしてうなされている

ストームクロウ「この哀れな姿のワシの息子を見てくれ。このとおり、高熱を出して魘されておる。それをお前たちが治してくれるというのか?」

ヴィヌク「ふむ」
トビン「まずは〈治療〉判定をして症状を診てあげなよ」
ヴィヌク「どうせ刀傷なのでしょ?」
ラド「治療に(技能ポイントを)割り振っていますよね?」
ヴィヌク「……〈治療〉判定ってなんのことですか?w」
トビン「でも(技能無しでもベースとなる)判断力は高いでしょ?」
ヴィヌク「まあ低くは無いけどさ」
ラド「じゃ俺振る、14。うーん、これは擦り傷だな」
トビン「ボクも13、熱が出ているのは傷口からバイ菌が入ったせい?」
フリン「やめいやめい、患者を前にして素人があれこれ言うのじゃないw」
PL「www」
DM「うーん、まぁ素人目には刀傷ですね」
ストームクロウ「イライライラ──」
PL「www」

ヴィヌク「と、とりあえずエンデュア・エレメンツを治癒呪文に切り替えて、キュア・ライト・ウーンズを発動させよう。コロコロ、9点治りました」

 ヴィヌクの呪文により、たちまち王子の刀傷が綺麗に塞がります。
 時間と共に、段々と王子の呼吸も穏やかなものになります。

キュリーたち『おお!奇跡じゃ!』
ヴィヌク「パラダインよ、感謝します」
ストームクロウ「お前たちの言うことは正しかったのか! 〈古の神々〉が帰還されたのか!」
ヴィヌク「ちらっとパラダインのメダリオンを見せますw」
キュリーたち「それはまことの神々のしるし!?」
ストームクロウ「お前たちの言うことを信じよう。お前たちはあのドラゴン像に行こうとしているのだな。我々はあそこへは入ったことが無いが、秘密の入口なら知っている」
PL「おおw」

テオ「僕はこの人たちとここに残るよ。君たちが武器を持って帰ってくるのをここで待っているよ」
ヴィヌク「えーw 研究は?」
テオ「いや中は危険そうだしw」
シルヴァレン「まぁ傷の癒えた王子さまの相手でもしているのだな」

ストームクロウ「ちなみにドラゴン人はすでに像へ行ったようだ。お前たちも急いだほうがいい。我々が像の入り口まで飛んで運んでやろう」


ドラゴン像の中へ


巨大ドラゴン像

 
 秘密の入口は、ちょうどドラゴンの背中、翼の付け根の部分にありました。
 パーティたちはキュリーたちに運ばれてそこまでやってきました。
 目の前には石造りのドアがあり、すでに誰かが入ったのでしょうか。小型の人型生物が通れるくらいの隙間が僅かに開いていますが、まだ蝶番が掛かったままになっています。
 またドアの隙間からは、微かに光が漏れています。

ドラゴン像入り口

シルヴァレン「ドラコニアンに先を越されたようだな」
トビン「ボクなら入れそうだし、ちょっと見てこようか?」
フリン「いや危険じゃ。扉は力づくで開けよう。【筋力】判定じゃ。達成値23」
DM「OK、難なく開きましたよ」

 フリンが重い石の扉をズリズリと開けます。その先には幅が10フィートの通路がずっと奥に続いており、通路の先に部屋があるのがわかります。
 奥からは、コロコロとダイスを振る音や、シューシューと蛇が舌を出す音が聞こえ、その声の主達は時折、ギャーギャーと唸ったり喜んだり、怒ったりしています。

シルヴァレン「ドラコニアンか?」
トビン「ダイス遊びしているようだね」
ラド「見張りかいるのか? まだ俺たちに気がついていないはず。不意打ちするなら今のうちだな」

門番のドラコニアンたち

 ──というわけで先に気がついた三人の不意打ちラウンドから戦闘が始まります。
 
シルヴァレン「さて、壁ごしで遮蔽になるけど、部屋にいる敵を狙おう。コロコロ、AC18まで……チッ、外したか」

 ドラコニアンの前のテーブルの上にシルヴァレンの撃った矢がブスッと刺さります。

ドラコニアン「何だ!?」

シルヴァレン「ハークノス、今のうちに前に出るのだ!」
ハークノス「ブヒーィ(移動終了)」

トビン「ボクは移動しながら〈隠れ身〉(達成値27)して敵の様子を伺うよ!」
ラド「俺も呪文が撃てる位置まで移動かな」

 そこは、高い天井を持った古い礼拝所でした。
 礼拝所は、40フィート先の突き当たりで、部屋を左右に横切る通路に面しています。部屋には長椅子がその壁に沿って設置されており、突き当たりの壁には大きなタペストリーが掛かっていて、その下には小さな祭壇が祀られています。
 祭壇の前には二体のシヴァク・ドラコニアンが酒を飲みながら、テーブルの上でゴブレットにダイスを入れて遊んでいました。
 不意打ちに気付いた彼らは直様グレートソードを手にしましたが、入り口から大型の猪が侵入してきたことに気が動転しているようです。

 さぁここから通常ラウンドです。

シルヴァレン「よし今だ!ハークノス、突撃!」
ハークノス「ブヒィー!」
フリン「これで扉閉めて3分待ったら敵を片付けてくれてそうじゃw」
ヴィヌク「それいいなw」
トビン「ハークノスさん!応援していますw」

シルヴァレン「ええとハークノスの攻撃は、コロコロ──AC15まで。ミス」
ヴィヌク「ダメじゃん、ハークノスさん」
ラド「ハークノスさん、やる気あるの?」
トビン「さっきと言っていることが違うw」

シルヴァレン「私は、うーん。ここからだと遮蔽が入るなぁ。ダブルムーヴして遮蔽がなくなる位置に移動し、攻撃は……あぁアクションが足らない」
PL「ここでアクション・ポイントを──」
PL「これD&D4版じゃないからw」
PL「代わりにドラゴンランスの特技には《ヒロイック・サージ》があるよ!」

《ヒロイック・サージ》
 1ラウンド中にキャラクターが行うことができる行動は、攻撃などの標準アクションと移動アクションをそれぞれ1回だけですが、この特技があれば、自分の番の行動の前後に、追加の移動または攻撃アクションを1回行うことができる。
 一ラウンドに一回、一日に4キャラクターレベル毎に1回使用することが可能。
 War of The Lance, page 36.
シルヴァレン「その特技は取ってないから──」
トビン「では、ボクの番か。ここからだと敵への射線が通っていなくて見えないんだよな。同じくダブルムーブして終わり」

アングリフ「愛馬スタームで部屋にはいる、以上終了」
トビン「スタームを連れて来ているの!?」
フリン「やれやれw」
ヴィヌク「馬を担がせて飛んできたらしいw」
トビン「キュリー可哀想www」
ラド「てか、この人馬がないと弱い人だからw」
PL「www」

 ドラコニアンたちは突然部屋に飛び込んできた侵入者たちに驚きながらも、我に返ると、それぞれグレートソードで侵入者たちに跳びかかります。

ドラコニアン「侵入者め!馬とまとめて馬肉にしてやるわ!」

 アングリフは〈騎乗〉判定で敵の攻撃を避けようとしますが、間に合わず、彼の愛馬にドラコニアンの剣が刺さります。

DM「コロコロ、ダメージは8点ね」
スターム「ヒヒィーン!!」

 もう1匹のドラコニアンは大型の猪を相手にしていますが、その鋼のような硬い毛によって守られた猪の外皮になかなか剣を突き立てることができず、苦戦しているようです。

門番たちとの戦闘1

ラド「じゃ俺も移動して部屋の入り口に立って。こ、この状況、うわっwウェブ撃ちてぇ!」
トビン「ちょうど入るし撃っちゃえw」
ラド「撃ったら怒られるでしょw うーん、ヘイストは前回のセッションで使ったし、残り一発だけだし、どうしよ。まずは……(使った呪文をリセットするため)寝るかw」
ヴィヌク「おいw」
ラド「やることないから、ここで防御専念w」

フリン「何じゃあの魔法使いは。ワシは移動するぞ、1、2、3、4……」
トビン「何かデカイの来たよw」
ヴィヌク「おいおい、そこ邪魔だよ! 俺が進むところだよ!」
フリン「でもワシ、ダブルムーブしてもここまでしかこれないんじゃ──」
トビン「ちょっと! フリン狭い!
フリン「アタシそんな邪魔?」
ヴィヌク「何故にオカマ言葉をw」
フリン「もう、いいわよ! アタシ、ここに立つわ、皆がブーブー言うから。このラウンドはこの通路を通って終わりよ! もう、部屋に入る前に戦闘が終わっちゃうわ!」
PL「www」

 これで1ラウンド目が終わりますが、攻撃しているのはシルヴァレンとハークノスだけ。
 皆、10フィート幅の部屋に入る通路の中で、「押すな押すな!」「俺も俺も!」の大合唱です。

シルヴァレン「では私は全力攻撃で矢を3発撃ちます。コロコロ、それぞれAC25、AC24、AC18まで。結果は2発明中、ダメージ計25点!さらにハークノスに攻撃命令を!」
ハークノス「ブヒィ!」

 間合いを詰めるべく、ドラコニアンの方にへ寄って噛み付こうとしますが、大猪の攻撃は今度も外れます。

トビン「しようがないね。ではケンダーの罵りで敵を逆上させてみよう。『やーい、そこのトカゲ男! お前たちの攻撃なんて当たらないし、ワザと当たってやっても全く痛くないじゃんw そんなにでっかい図体しているのに、おつむはホントのトカゲ並なのかよwww』ってことで、〈はったり〉判定の達成値が21」

DM「コロコロ、失敗……。orz」
シヴァク「何だと!? この腐れケンダーめ! おまえの皮を剥いで、袋にしてやるわ!」
トビン「え?ボクが袋に? ケンダーの袋ってどんな気分だろう、ワクワクするなぁw」
PL「このケンダー、憧れているwww」
トビン「では。彼は2ラウンド間、ACと攻撃ロールに-2のペナルティね。よろしくw」
シヴァク「……くっ!」
ラド「かといって、次のアングリフの出目が、2良くなることはない」
トビン「でもさ、ACが下がっているから当たりやすく──」
アングリフ「ギャァァ、出目1を振ってしまったぁーー!」
PL「うはwww」
トビン「何やってんのwww せっかく罵りをしたのにw」

アングリフ「こうなれば、馬にも攻撃させるか。行け!スターム!コロコロ、蹄二回攻撃。両方……失敗」
ヴィヌク「冴えねー奴w」

シヴァク「よーし、おいケンダー、覚悟しておけよ!この馬鹿騎士を倒したら、次はお前だからな! 馬に尻尾で足払い。コロコロ、AC26まで」

 隙を見せたアングリフの馬に、シヴァク・ドラコニアンが体を捻らせて尻尾を馬の足に当ててきます。

アングリフ「〈騎乗〉判定で避けるぞ!コロコロ、うあぁ出目2。今日は厄日だ……。orz」
シヴァク「では転けろ!コロコロ、足払い目標値15!」
アングリフ「ええっと、馬は四足だから修正+4で、よし対抗判定19で成功だ!」
シヴァク「チッ、ではそのまま馬に全力攻撃!グレートソードでAC15まで、ミス。噛み付きAC25まで、命中!ダメージは6点!」

 一方、ハークノスと対峙しているシヴァク・ドラコニアンの方は、苦戦しているようです。
 大猪に尻尾で足払いをして全力攻撃をしますが、攻撃はすべて外れています。

シヴァク「くそっ、この忌々しい猪め!」

ヴィヌク「何だか敵も味方も攻撃が当たらないし、このまま部屋に入れそうだな」
トビン「確かにw」
ヴィヌク「では、大きいフリンの立ち位置を空けておくか」
トビン「どうせボクらがいる通路を通りぬけるには、"無理やり入り込む"必要があるし、1移動アクションで2マスしか動けないよw」

無理やり入り込む
 キャラクターは、自身が占めるマスより小さなマスに入り込むことができる。
 その場合、移動力が半分になり、攻撃ロールとACに-4のペナルティを受ける。
 さらに一回り小さなマスを通り抜ける場合は、〈脱出術〉技能に成功する必要がある。
ラド「おいおい、俺の立つ場所を塞がないでくれよ!」
トビン「じゃ、次のフリンは立ち位置はこのへん? "フリンの場所"って書いておくねw」
フリン「なんじゃワシ。まだ部屋に入れんのか……」
ラド「いい加減、元に戻れよw」
ヴィヌク「じゃ俺はここを──」
トビン「あ、そこダメ!フリンが通るとこ!」
ヴィヌク「わかったよ!じゃ順番を遅らせるよ!」

 ハークノスさんのエンラージ・パーソン能力で常時大きくしてもらっているフリン。攻撃力が上がるので強くはなるのですが、移動力が増えるわけではないので、当然動きは鈍くなります。

行動遅延

ラド「では、ここまで移動してグリッターダスト、ハークノスの前のドラコニアンに!」
DM「呪文抵抗ありますよ」
ラド「あるの!?コロコロ、よし23で抜けたろ!意志17でセーヴをしてくれ」
DM「敵は失敗。盲目になりました」
ラド「よし、9ラウンド盲目で!」

DM「はぁ。次は?」
トビン「やっと出番がきたね!フリン」
フリン「大きくて、ゴメンなさいね」
ヴィヌク「またオカマ言葉かw」
フリン「全力移動で……終わり(精一杯身を縮めて申し訳なさそうにw)」
PL「www」
ヴィヌク「じゃ俺も動くね。これでやっと部屋に入れた。俺の番も終了」

 こうして戦いは3ラウンド目に入ります。

ラド「やっと戦闘らしい配置になってきたな」
ヴィヌク「俺もこのラウンドで接敵できる」
フリン「あ、ワシ。ヴィヌクが邪魔で前に出られん……」
ヴィヌク「何?俺、ここに立ってはいけなった?ご、ゴメンw」
PL「www」
フリン「もーっ!アタシはこの通路、早く出たいのにっ!」
ラド「いや、だから小さくなってよw」
フリン「いいの!オトコは大きい方が逞しいのよ!」
PL「www」

シルヴァレン「あの、私の番なのだが、やっていい?」
PL「いいw」
シルヴァレン「じゃトビンが罵った奴に、弓で全力攻撃。コロコロ、AC20、AC19、AC37、罵りの影響で当たりやすいな。全弾命中!ダメージは計33点!」
PL「おおw」
シヴァク「グァァァ、憎きエルフめ──」

フリン「ちょ、ちょっと待って!アタシが出る前に死んじゃったら!」

 もがき苦しみながら、倒れるシヴァク。

フリン「ちょっと待ってぇー!」
PL「www」

ラド「このままだとハークノスに、もう一匹も持って行かれるな。俺はこの戦闘では一応グリッターダストを撃ったからいいか」
トビン「ボクは罵り……?」
アングリフ「私は、敵の攻撃を受け流し」
ヴィヌク「フリン……」
PL「www」
シルヴァレン「では、ハークノスは、敵に攻──」
ヴィヌク「皆!今、我々の中で問題になっているのはスペースの確保だ!」
フリン「そうよ!敵なんかより、大問題はスペースよ、スペースの確保よ!」
ラド「違うからwそれ目的が違うからw」
PL「www」

シルヴァレン「……ではハークノス、敵の後ろに回りこんで攻撃だ!」
ハークノス「ブヒィ!(攻撃AC18まで命中!ダメージ23点)」

トビン「次はボクだ。移動してフーパックをショートスピア扱いで投げるよ!コロコロ、AC27まで命中!ダメージは急所が入って8点!」

 先に部屋に入ったシルヴァレンたちは確実にダメージを与えていきます。

アングリフ「私は、《強打》を4点入れて、コロコロ──。ダメだ今日は目が悪い」

 あ、ここに情けないのがもう一人いましたw

ラド「まぁまぁ、一応言ってみて」
アングリフ「AC15まで」
DM「それはミスですw」
PL「www」
アングリフ「では馬で攻撃……出目1
PL「ダメすぐるwww」

 残った一匹のドラコニアンは、アングリフたちを必死に攻撃しますが、彼らには全く攻撃が当たりません。

DM「次は誰?」
ラド「俺。防御専念して終わり」

DM「では次は、フリンさんですね!」
フリン「おお!」
トビン「嬉しそうw」
フリン「もう!あなた達と縺れ合っている間に、戦闘終わっちゃうかと思ってしまったわ! 移動して……、はいちょっとごめんあそばせw」
ラド「もういいからw」

フリン「移動して──あぁ、ここにヴィヌクが! アナタ!何様のつもりよ!
ヴィヌク「はいはい、順番を遅らせてくれれば、俺退くからw」
フリン「もうっ!早くしてよねっ!」
ヴィヌク「はいはい、移動して、攻撃してハズレか……はいフリンの番ですよ」

アタシの番

フリン「アタシの順番キタワ(゚∀゚)!! コロコロ、あ。クリティカル・ヒットしちゃった!
トビン「初攻撃で初クリティカルおめでとw」
フリン「ではショックの電撃ダメージと通常ダメージで、計61点ダメージ
PL「おおw」
PL「今まで貯めていたもがw」
フリン「やったわ!アタシ、倒したわ!」

 突然目の前に現れた大型のドワーフに、真っ二つにされてしまうシヴァク・ドラコニアン。
 絶命と同時に、彼の姿はフリンの姿に変わります。

 戦闘終了です。

トビン「では彼らの装備を漁るね」

戦利品
 鋼貨6枚、
 大型のグレートソード×2
 大型のスタテッド・レザー・アーマー×2
ラド「そういえば、祭壇に何かなかった?」
DM「タペストリーがかかっていますね」

 祭壇のタペストリーには、星座が輝く空をバックに、輝く銀の鎧を着た戦士と堂々と座る強大な竜が描かれているようです。

ラド「では、〈知識:歴史〉達成値28で何かわからない?」
ヴィヌク「俺は〈知識:王侯貴族〉達成値20だ」

 彼らは空から欠けている星座があることに気が付きました。
 それは人々の間でドラコ・パラディンと呼ばれるプラチナ・ドラゴンで、輝く銀の鎧を着た戦士はその化身のパラダインです。

ヴィヌク「ふむ。ここはパラダインの礼拝施設だったところのようだな」
ラド「ドラゴンの石像の中にこのような施設があるとは実に興味深い」

アングリフ「我が愛馬が……ヴィヌク卿、回復を頼む」
ヴィヌク「16点ダメージを受けているのか。では、デヴァイン・フェイヴァーを潰してキュアに変えて治すよ。ハークノスさんの分は──」
シルヴァレン「ハークノスはヒット・ポイント190あるのでいいですよ」
フリン「凄い!ワシ、ハークノスさんになりたいw」
PL「www」
アングリフ「俺もドラゴンに跨るのは諦めて、ハークノスさんに跨ろうかなぁw」
DM「熱い目線を皆から浴びるハークノスさんw」
トビン「後ろでスタームがアングリフを悲しい目で見ているよw」
PL「www」
アングリフ「そのためにはシルヴァレンから引き剥がす必要があるな」
フリン「なんと邪悪なwじゃワシがその熱い視線を見て、こっそりハークノスさんの側に行って耳打ちしようw」
PL「www」
フリン「気をつけてくだされ、ハークノスさん。アイツに跨られると、碌な事にならないですぞ!」
ラド「そうそう、攻撃が当たらなくなるぞw」
PL「www」
フリン「これはワシらの中では、"アングリフの呪い"と呼んでおってじゃな──」
PL「www」
ラド「あの馬が何代目か知っている?」
フリン「すでに六代目じゃぞ!ほれ、いつもアングリフがスターム!と叫んでいるじゃろ?」
アングリフ「いや、ハークノスさんなら今度こそ大丈夫だから!」
PL「今度こそってwww」


寺院の探索


 見張りのドラコニアンを倒したパーティは部屋を調べて傷の手当をすると、先の部屋の探索に入ります。
 礼拝所の奥の左右に走る通路の先にはそれぞれ別の部屋に繋がっているようです。明かりを照らして様子を見ると、かつてここにいたパラダインの僧侶たちが使っていたのでしょうか、部屋にはボロボロになった寝台が幾つも並べられていることがわかります。また、それぞれの部屋の奥には扉があるようです。

トビン「じゃ右の部屋から調べようかな。ちょっと行ってくるよ。右の通路の先の部屋に移動して、扉を調べるね。ええっと、達成値10」
PL「10ってww」
DM「鍵がかかっていますよ」
トビン「〈解錠〉の判定は、出目1。でも達成値は11だ!」
DM「開くわけないでしょw」
PL「www」
トビン「くそ、手強い鍵だぜ! とりあえず〈聞き耳〉してみよう。達成値19。音は聞こえないね。念のため、〈捜索〉して付近の足跡を調べておこう。達成値13、何も見つからないや」
PL「ダイスの目が良くないwww」
ヴィヌク「何かあったか?」
トビン「な、何もなかったよ! では左の部屋に移動しよう。念のため〈忍び足〉、達成値7。へぎっ!
DM「途中でコケたw」
トビン「しーw」
パーティ『しーw』
PL「ドリフのコントですかw」

トビン「では扉の前まで来て〈聞き耳〉、達成値18。こっちも何も聞こえないね。扉を〈捜索〉して達成値30。今度はいいぞ!」
DM「罠はなさそうですよ。でもこちらも鍵がかかっているようです」
トビン「〈解錠〉で達成値22」
DM「はい、ではここでトビンは〈聞き耳〉してみて下さい」
トビン「へ?ええっと〈聞き耳〉の達成値22」

 扉の鍵を開けようとしていたトビンの耳に、部屋の中の方からゴトッと何かの物音が聞こえました。
 トビンが振り向くと、そこには新たなドラコニアンがトビンに襲いかかろうとグレートソードを振りあげたところでした。

トビン「あ、ドラコニアン!?」

不意打ちをされるトビン

 再び戦闘開始です。

アングリフ「トビーン!!」
フリン「やめい!あのセリフはヤバイぞw呪いの言葉じゃw」
ラド「確かにw 今まで幾多の馬が彼の餌食になったか……」
トビン「やめてw」
DM「では隠れていたシヴァク・ドラコニアンの攻撃、行きますよ。コロコロ、AC13。低いけどトビンは今、立ち竦み状態だよね?」

 ハンドラーの素早い身のこなしで、トビンは彼の頭に振り下ろされるグレートソードをさっと避けます。

トビン「立ち竦み状態でもボクのAC21だから、それくらいじゃ当たらないのだけどw」
ヴィヌク「余裕だなw」
シヴァク「くっ、素早しっこいケンダーめ!」

ラド「じゃウェブでも撃ちますか」
トビン「久々にみたいw」
ラド「じゃ反応セーヴの目標値17」
DM「ドラコニアンは失敗」
ラド「では"絡みつかれた状態"になって、目標は蜘蛛の巣の中に埋まるよ。あまり奥にすると攻撃できないから、少しズラした。一応、遮蔽付きで攻撃できるかな」

 ラドがポーチから少量の蜘蛛の糸を取り出して何やら呪文を唱えると、粘着性のある蜘蛛の糸が幾つもの出現し、ドラコニアンのいる部屋を覆ってしまいます。
 逃げ遅れたドラコニアンは糸に絡まれて身動きが取れなくなってしまいます。

トビン「ボクは5フィート下がってクロスボウかな。コロコロ、蜘蛛の糸による遮蔽のペナルティを入れてもAC24まで命中ね。ダメージは4点」

ヴィヌク「俺は、前に出て順番終了」
フリン「何よ!また通路が狭いじゃない! 失礼しちゃうわ! ダブルムーブして終了」
アングリフ「私はジャベリンを抜いて構えて終了」
シルヴァレン「私もダブルムーブでフリンの前まで来て弓を構えて終了。そして、ハークノス!接敵しろ!」
ハークノス「ブヒィ!!」

ウェブ

 ここで次のラウンドです。

シヴァク「ふん!こんな糸、俺には効かぬわ! 【筋力】で脱出判定。コロコロ、達成値15成功!」
DM「というわけでこのラウンドは脱出に全力を注いだので、次からシヴァク・ドラコニアンは行動できます」

トビン「じゃ"ケンダーの罵り"行くぞ!『ねぇねぇ、君蜘蛛の巣まみれだけど、それどんな罰ゲーム? ねぇねぇ、教えて。蜘蛛の糸に絡まれるのってどんなキモチ?』という感じでw ええい!〈はったり〉達成値30」
DM「そんなの対抗判定勝てるわけないじゃんw」
シヴァク「け、ケンダー許すまじ!!そこを動くな!次でボコボコにしてやるから!」
トビン「へへんw やれるものならやってみろ〜! これで彼の攻撃ロールとACに-2のペナルティw」

ヴィヌク「俺は移動してっと、呪文は後のために残しておくか」

フリン「次はワシか。一、二、三歩と移動してハークノスに跨る──」
ラド「いやw〈騎乗〉判定が必要ですからw」
フリン「やっぱりダメか……。では、ダブルムーブして終了か。今、ハークノスさんの機嫌を損ねると、小さくされるからのう。遠慮して脇に寄っておこう」
PL「www」

アングリフ「私は、ジャベリンを投げよう。コロコロ、出目2。今日の出目はダメだぁぁ!
PL「www」
アングリフ「とりあえず、次のジャベリンを抜いて構えておくか……」

 今日は全くダイス運に恵まれず失望するアングリフを尻目に、エルフの弓使いは次々と敵に矢を当てていきます。

シルヴァレン「私は矢を撃つぞ。速射で3発、コロコロ。AC23、AC12、AC25で2発命中か。ダメージは計21点」
PL「おお!」
シルヴァレン「続けて、ハークノスが出目20を出したけど、通常ヒット。ダメージは15点」

ラド「俺は、とりあえずクロスボウを取り出して装填して行動終了かな」

シヴァク「このケンダーめ!八つ裂きにしてくれる! コロコロ、AC22まで──ハズレ」
トビン「やーい、バーカバーカw ボクもクロスボウを撃つよ!コロコロ、出目1。(´・ω・`)」
シヴァク「ガハハ、お前こそバーカバーカw」
ヴィヌク「何だか楽しそうだなw 俺は皆を応援して行動終了だな!」

フリン「遂にワシの番が来たか!じゃ蜘蛛の巣の遮蔽越しに攻撃するぞ! 喰らえ、コロコロ。お、クリティカル!」
ラド「またかよw」
ヴィヌク「終わったw また持って行かれたw」
フリン「ちなみにダメージは51点じゃ!」

 またもやフリンのショック・ラージ・グレートアックスが火を吹き、シヴァク・ドラコニアンを真っ二つに切り裂きます。
 ドラコニアンは、絶叫と共にフリンの姿を取って倒れます。

DM「戦闘終了ですよ」
ヴィヌク「流石だよ!ノーダメージで倒しちゃったよ!」
フリン「まぁ、ワシの手にかかればこんなもんじゃ!」
トビン「はいはい、では敵の装備を回収ね!」

戦利品
 大型のグレートソード
 大型のスタテッド・レザー・アーマー
 ドラコニアンの装備や部屋の捜索をしましたが、特に目ぼしいものは見つかりませんでした。
 その後、彼らは〈解錠〉しようとした扉には入らず、部屋の奥で見つけた扉の方に進むことになります。

奥の扉の先は……


蹂躙する石像


 扉の先は、10フィート幅の回廊が奥に向かって伸びていました。

フリン「んっもぉ!アタシ、兎に角広いところに行きたいのに!」
PL「いや、素直に元の大きさに戻ればいいじゃんw」
ヴィヌク「……奥はどうだ?トビン」
トビン「回廊だね。奥で右に曲がっているよ。この様子だと、たぶん逆側の部屋も同じような構造になっているね。恐らく向うで繋がっているのではないかな」
ラド「確かに。それっぽいな」

寺院層の地図1

フリン「いっそのことハークノスさんに繋がっているか見てきてもらおう。ワシらここで寝て待ってればw」
DM「おいwww」
PL「www」

 さすがにそれはゲーム的にどうなのよ?ってな感じなので、ここは順道にハークノスさんを先頭にして、大型化したフリン、騎乗したアングリフと続き、廊下を進んで行きます。
 曲がり角のところまで廊下を進むと、通路は右に曲がってさらに伸びており、数十フィート進んだところで左右に流れる道と繋がっているT字路となっていました。
 さらにT字路のところまで進み、左右の通路の先を見たところ、右は40フィート先で扉、左の通路は10フィート先で突き当たりになっていました。

回廊を進むパーティ

トビン「じゃ、ボクは奥の扉のほうを調べてくる」
シルヴァレン「トビン、待て。突き当たりが怪しい。私が突き当たりの壁を調べてみよう。コロコロ、〈捜索〉達成値30」
DM「鋭いですね。隠し扉がありましたよ」
フリン「なんじゃと?」
トビン「おお!」
ヴィヌク「どうする?隠し扉を開けてみる?」
ラド「まぁ、隠し扉なのだから罠とかないでしょ」
シルヴァレン「じゃハークノス、お願い!」
ハークノス「ブヒィー!」
ラド「結局ハークノスさんかいw」
フリン「でもハークノスさん、手がないから開けるの大変でしょ?ワシが開けようか?」
ハークノス「ブヒィ?」
トビン「(・∀・)ニヤニヤ。結局、自分が一番に隠し部屋に入りたいだけなんだよね?フリン」
ハークノス「ブヒィ……」
フリン「そ、そんなことないわ。ほら、ハークノスさんのアノ言い方、ここは絶対アタシに開けて欲しいのよ!」
トビン「目が泳いでるwww」
フリン「じゃ、じゃ思い切って、えい!」

開けましたね

DM「開けましたねw(ニヤリ)」
PL「えっ?!」

 扉を開けると大型のドラゴンが立っていました。

パーティ『ええー!?』

 一瞬驚いたパーティでしたが、よく見るとそれはドラゴンを象って作られた石像で、とりあえずほっと胸を撫で下ろします。

パーティ「なんだ、石像かぁ」

 その時、石像からガコンと何か重いものが動いた音が聞こえたかと思うと、ゴゴゴゴーという地響きと共に、ドラゴンの石像が廊下にいたパーティに向かって飛び出してきました。

DM「てことで隠し扉から正面30フィート以内の廊下に出ている人は、全員反応セーヴをお願いします」
ラド「罠かよ!w」
ハークノス「ブヒィ!16」
フリン「25」
シルヴァレン「19」
トビン「32」
DM「達成値20、反応セーヴに失敗したら20点のダメージで伏せ状態になります」
パーティ『ギャーァ』

ジャガーノートの罠

 ハークノスとシルヴァレンは、突然迫ってきた石像を避けることができずに跳ね飛ばされてしまいました。

DM「ドラゴンの石像はジャガーノートの罠でしたw」
シルヴァレン「酷い目に会った──」
ヴィヌク「で、石像の立っていた場所や後ろには何も無いの?」
DM「無いですね、後ろも壁です」
ヴィヌク「ふざけんなよ!」
フリン「行き止まり?」
DM「はい。ちなみに、石像は戻ってきそうですよ」
PL「えー!?」
トビン「急いで、〈捜索〉達成値16。ゴメン、罠の制御装置見つからず──。orz」
ヴィヌク「どうすんだよ!」
フリン「またダメージ喰らうぞ!」
ラド「てか逃げないと!」
アングリフ「てか、壊せないのコレ?」
DM「やってみたら?」
アングリフ「よし、壊すぞ!ランスでガンガン殴る」
PL「うあwww」
DM「(力業にもほどがないか?)まぁ、当たりますよ。壊れていきます」
アングリフ「よっしゃ!当たるぞ!当たるぞ!うははは!」
PL「wwww」
フリン「そうかこの時のための素振りじゃったか」
ラド「そんなアングリフの姿を見て、ホロリと涙を流しますw」
PL「www」
フリン「よし、アングリフよ、今後も動かん敵には攻撃を頼むぞ!」
PL「ぷははwww」
PL「酷いなぁw」

トビン「えー、皆さんに残念なお知らせがあります。右手の通路の突き当たりの扉は単なる飾りでした。つまり行き止まりです」
パーティ「やられた……」
DM「(・∀・)ニヤニヤ」
ラド「DM嬉しそうだw」

 DMの望むまま、綺麗に罠にかかってしまったパーティなのでした。


隠し扉の先で待つもの


トビン「やっぱり内側の空間が気になるなぁ。こちらの壁沿いに隠し扉の〈捜索〉を出目20でしたいのだけど?」

 通路の先には罠以外何も見つけることができなかったパーティは、トビンが言うように、やって来た道を〈捜索〉しながら進んで行きます。
 で、見つけた隠し扉がここ。

見つけた隠し扉がここ。

寺院層の地図2

 先ほど、ドラコニアンが隠れていた部屋です。
 ここまで調べるのに50分ほどかかってしまったので、パーティのメンバーにかかっている効果時間が術者レベル/10分クラスの呪文は、そろそろ残り時間に気をつけなければなりません。

隠し扉の先で

 隠し扉の前でパーティは各々準備すると、誰かしらの合図と共に扉を開けます。
 音もなく開いた扉の先では、通路が続いていました。
 通路は、少し進んだところで左に曲がっており、さらに先に続いているようです。

ヴィヌク「では、ハークノス先生、お願いします!」
ハークノス「ブヒィ!」

 続くフリンやパーティのメンバーたち。
 曲がり角ところまで進むと、ハークノスは角からチラッと覗き、先の様子を伺います。

フリン「先生、何か見えますか?」
ハークノス「ブヒ!?ブヒブヒ!!」
シルヴァレン「何かあると言っているな。ふむふむ、通路の先には大きな部屋があり、燃えるような真っ赤な巨大な像が立っているらしい」
フリン「像じゃと!?」
ヴィヌク「もう石像はいいですw」

ラド「真っ赤な像と言ったね。どれどれ、私が見に行ってみよう」
フリン「ワシも前に出るぞ」

 ラドたちは部屋の前まで進むと中の様子を伺います。手に持つ松明が、部屋の中の巨大な像を照らし、その姿を彼らの前に露わにします。
 その三体の超大型の人型の像がまるで部屋への侵入者を阻むかのように広い部屋の中に立っており、松明の光を受けると、まるで凄まじい熱に晒されているかのようにキラキラと光ります。
 また、立っている像の向こう側には戸口があり通路が見え、先に進めそうです。

ラド「とりあず〈知識:神秘学〉で何かチェックしてみよう、コロコロ――」
DM「はい、わかりましたね」
ラド「ふむ、これは超大型のアニメイテッド・オブジェクト(生ける物体)だ。ただの像じゃないぞ、気をつけろ、こいつらは動く!」
シルヴァレン「ここのガーディアンか?」
フリン「何じゃ、三体もいるじゃないか」

アニメイテッド・オブジェクト

ラド「む、奥に通路が見えるな」
アングリフ「てことはここを通るには、その像を倒すしかなさそうだな」

ヴィヌク「ドラコニアンはここを通ったのかな?」
DM「部屋の隅に、あの像の残骸のようなものがあります。丁度一体分ですね」
ヴィヌク「ふむ、どうやらここを通ったことは間違いないな。急がねば!」

アングリフ「ではハークノス先生に部屋の隅に移動して囮になってもらって、その隙に我々が──」
トビン「ちょwそれ騎士が言うセリフじゃないよねwww」
フリン「そうじゃ、〈騎士審理〉にかけねばw」
アングリフ「い、今のはプレイヤー発言だから!」
フリン「もしかして、ここはヒューマに選ばれしアングリフのような心清きものなら通れるのではないか?どうじゃ?」
トビン「そう言うフリンが行ってみたら?」
フリン「ワシのアライメント(性格)、カオティック・ニュートラルだから心は結構濁っているので、ダメじゃよんw」
トビン「正直だなぁw」
アングリフ「どっかに止めるスイッチがないのか?トビン?」
トビン「その前に、ラドにディテクト・マジックで魔法反応を見てもらおうよ」
ラド「俺の出番か。うーん、三体の石像が反応するだけだ」
アングリフ「こうなれば、戦う前提で行くしかないようだな」
ヴィヌク「部屋に入らなければ、敵は襲ってこないようんだし、入り口で準備して一気に叩こう!」
PL「そうしますか──」
ラド「では、ヘイスト(加速)の呪文をかけておくから、みんな集合!」

 ラドのヘイストの呪文を合図に戦闘が開始します。
 まずは不意打ちラウンドから。

アングリフ「私が最初か。まず部屋に入って正面の像に突撃する!一匹やれば道も開けるはず! 《強打》を2点入れてコロコロ……、AC25まで命中! ダメージは48点」
DM「おお!」
フリン「当たりおった!!」
ラド「やっぱり動かない敵にw」
アングリフ「五月蠅いわ! 続いて馬が蹄で攻撃……こちらはハズレ」

シルヴァレン「私の番だ。ハークノス、行け!!右手の像を攻撃だ!」
ハークノス「ブヒィ! コロコロ、命中!ダメージは16点」
シルヴァレン「私の方は、《速射》でアングリフの前の敵に攻撃!ヘイスト分も入れて4回、順にAC25,23,27,28まで。全弾命中、ダメージは合計24点!」

動かない敵への攻撃

フリン「ワシは移動で部屋の中に入って、右手の敵の後ろに回り込み、ハークノスさんと挟み撃ちにしよう」
ラド「普段のフリンらしくないなw ここまで勇敢だったけ?w」
トビン「単に大きくなって態度も大きくなっているだけではw」
PL「確かにwww」

 続いてラドやヴィヌク、トビンは移動して部屋に入り、通常ラウンドが始まります。

アングリフ「よし、一気に沈めるぞ!《強打》を5点入れて攻撃。コロコロ、AC18命中。ダメージは24点」

 アングリフのランスの強力な一撃で、ビシッピシッと巨大な像の表面に亀裂が走ったか思うと、そのままズゴゴゴゴーと大きな音を立てながらバラバラになって崩れてしまいました。

トビン「あれ?おかしいな。アングリフが強く見えるw」
フリン「やはり動かないものには強いのは健在じゃのw」
トビン「うまいなぁw」

アングリフ「黙れドワーフ! 次は隣の像に行くぞ! コロコロ、AC15まで。命中、ダメージは20点。さらにヘイスト分でAC16まで命中!ダメージは25点!」
ラド「おお、アングリフが輝いて見える!」
アングリフ「さらに、愛馬スタームの蹄攻撃。フリンと挟撃を取って、AC13とAC16まで。両方命中してダメージは計14点。噛みつき攻撃はハズレ」
フリン「さすが石像壊しのアングリフじゃ!w」
PL「www」

石像壊しのアングリフ

ラド「俺の攻撃はアングリフが攻撃している敵にマジックミサイルかな。たぶん呪文抵抗は持って無いよね、ダメージ19点」

 輝く何本もの金色の矢が燃えるように燦めいている巨像の体にブスブスと刺さると、先ほどの一体目と同じように像はバラバラになって崩れて行きました。

ラド「あら、御免なさい。持っていっちゃったw」
フリン「わ、ワシとハークノスさんの挟撃相手の敵が――」

 ここで、残り一体となった巨像が動き出します。
 ゆっくりとフリンの方を向くと、ブンッと風を切るような音を立て、大きな腕を彼に振り下ろしてきますが、フリンはすぐに気付いて体を捻ってその攻撃をやり過ごします。

 続いてシルヴァレンが得意の弓で、彼の相棒のハークノスが敵をフリンと挟み撃ちにして攻撃します。

シルヴァレン「移動して、弓攻撃。AC32まで、命中!ダメージ6点。さらにハークノスの攻撃分がAC31までで命中。ダメージ22点」

トビン「これは勝負がついたね。ボクは様子を見てよう」
ヴィヌク「では、俺が持っていくぞ。コロコロ、AC22まで。命中!ダメージは9点」
ラド「ショボイダメージw」

フリン「カッカッカッ、やっとワシの番が来たわ。ハークノス先生のおかげですでに挟撃状態になっているから、このままフルアタックじゃ!三回攻撃、AC21,19,29まで。全て命中!ダメージは合計66点(電気ダメージ9点含)。決まった!」

フリンのトドメの一撃

 またも巨像の表面の至る所に亀裂が走ると、そのままバラバラに崩れていきます。
 戦闘終了です。

トビン「リソースを注ぎ込んだおかげで、一気に倒せたね!」
パーティ「ふぅー」

 戦闘が終わって部屋を改めて見回すと、さっきは気が付きませんでしたが、部屋の右手にも戸口があり、その先には上に登る螺旋階段が見えています。

トビン「この間取りだと、奥の通路の方は一周して入り口の礼拝所に出るような感じだね」
ラド「そうだな。我々の進むべき道は上だろうな」


老人との再会


 石で出来た螺旋階段を登っていくパーティ。
 暫く登ると天井が高い場所に出ました。
 螺旋階段の場所から、坂道のような20フィート幅の緩やかなカーブを持った廊下が、ドラゴンの巨像の首の部分の内周を壁沿いに登るように時計回りに伸びており、上の部屋に繋がっているようです。
 まるでパーティの来訪を予想していたかのように、廊下にも上の部屋にも松明がかけられており、その空間を明るく照らしています。

 また、首の内周にあたる左手の壁には、何か壁画のようなものが描かれているようですが、サイズが大きくて何が描かれているか判別することはできません。
 パーティはそのまま通路を進み、上の部屋に出ます。

DM「部屋は60フィート四方の大きな空間になっていますね」
ヴィヌク「ここからなら、壁画が見える?」
DM「踊り場に行けば見えそうですね」

 パーティは部屋の踊り場に移動すると、登ってきた通路の壁画を見下ろします。
 それは三枚の巨大な壁画でした。

アングリフ「で、何が見えるのだ?」
DM「一枚目の左の絵は、様々な色のドラゴンが大地に降下してきているところですね。地上の人々は恐怖に震え、逃げ惑っていますね」
トビン「ドラゴン戦争の時代の絵かな」
フリン「この神聖な雰囲気の場所にこんな陰惨な絵があるとは大変興味深いのう」
ラド「待て。確か、この絵は〈パックス・タルカス〉の砦で見たことがあるぞ!」

 ラドの言ったとおり、その絵と殆ど同じ物が〈パックス・タルカス〉の砦の作戦室の壁面に飾ってありました。
 タルシスほどの大きな街に強大な邪竜が空から飛来し、街を破壊している光景が描かれています。

 また中央の二枚目の絵は、このドラゴン像の内部の案内図のようです。
 像の中は全部で、頭部、喉、寺院、それから心臓部の四階層に分かれており、今パーティがいる場所は、丁度喉の部分のようです。

 そして右の三枚目の絵にも戦争が描かれており、今度はランスを手にした騎士たちが金と銀の竜に跨って邪竜たちに戦いを挑んでいる絵巻物のようになっています。
 内容は金と銀の竜に乗った騎士たちが邪竜を葬り去っていく絵ですが、特に最後のシーンでは、銀竜に跨っていた一人の男が瀕死の重傷を負い、その銀竜の腕に抱きかかえられた状態で横たわっています。

フリン「見事な絵じゃがこの騎士、竜に喰われそうになっておるの」
アングリフ「いや違う。竜に助けられているのだ。これは……間違いない。ヒューマだ!」

ヒューマ・ドラゴンベイン
 第三次ドラゴン戦争で活躍した英雄。
 ドラゴンランスを手に銀竜に乗って邪竜たちを撃退した。
トビン「そういえば、この部屋には上に登る階段とかないの?」
DM「ありますよ。壁画の反対側にあたる部屋の隅に、上に登る階段が見えます」
ラド「登るしかないね」

 パーティは壁画の鑑賞をやめて、階段の方に移動します。

謎の人「グゴー、zzZ」
トビン「ん?階段のところに誰かいない?」
PL「へ?」
トビン「あれは、あれは、ぁぁぁああああ!!」

 驚いて何か言いかけているケンダーの指さした先には、何処かで見たことがある汚れたローブを着た老人の姿が!!

アングリフ「トビン、見覚えがあるのか?」
トビン『フィ、フィ、フィズバン!』

 トビンが嬉しくなって彼の側に近寄ります。

フィズバン「ムニャムニャ――ん、おお。お早う、もう朝食の準備はできたかな?」
トビン「朝食?ここは〈憩いの我が家亭〉とは違うよ!」
フィズバン「そうじゃったか?おや、お前さんは誰だったかな?」
トビン「トビンだよ!ほら、アンタに言われてボクら〈青水晶の杖〉を〈ザク・ツァロス〉に持って行ったり、戻ってきたら今度は捕まって〈パックス・タルカス〉に一緒に護送されたり──」
フリン「何じゃ、ワシらに見覚えないのか?」
フィズバン「はて、お前さんたちには会ったこともないわい」

ラド「――では冷静に、あなたは誰ですか?ご老人、ここで何をしているのです?と聞きましょう」
フィズバン「うーん、ワシは……はて、誰じゃったかのう?ふぃず、ふぃずぼーる?」
トビン「フィズバンだよ!」
フィズバン「フィズバンなんて名前は知らんわい!」

ヴィヌク「あなたは我々とはクオリネスティで別れたはず、何故こんなところに?」
トビン「そうだよ!アンタが無事でよかったよ!ボクら、あれからトルバルディンに行ったり――」
フィズバン「いちいち五月蠅い奴らじゃ……むむ!?」

 今まで耄碌していた老人が、パーティの中にシルヴァラの姿を見つけた途端、急に鋭い目をします。

フィズバン「シルヴァラ!どうしてお前は〈誓い〉を破ったのじゃ?」

 彼女は急に青ざめ、どうしていいかわからないような顔をし始めました。

フィズバンとの再会

シルヴァラ「い、いえ。まだ私は〈誓い〉を破っておりません!」
フリン「誓い?」
フィズバン「この者達を連れてきたということは……。わかっておるな、シルヴァラよ」
シルヴァラ「──はい」

フリン「この老人とは知り合いなのか?シルヴァラ?」
シルヴァラ「し、知りませんわ!!」
ラド「じゃそれ、〈真意看破〉達成値21」
DM「対抗判定は──嘘は言っていないようですよwww」
ラド「何ぃ!くそっ、これだから○ラゴンは……(※彼らは元々目標値が高い)」

フリン「あ、そうじゃ。ハークノスさんはどうしています?」

 ハークノスは何故だかこの老人を恐れ敬っているようです。

フリン「え!?ハークノス先生がビビッておられるぞ!」
ヴィヌク「最強生物の先生に限って、ありえねぇ!w」
ラド「この老人は誰か知っているのですか?先生!」
ハークノス「ぶ、ブヒィ」
ラド「誰なのです?」
ハークノス「モリ!モリーリ!モリーリ!!(森語)」
ラド「いかん、言葉がわからんw」

シルヴァレン「恐れ多くて答えることが出来ない──らしい(翻訳)。ハークノスが敬意を払っているということは私も彼に敬意を払おう」
フリン「そ、そういうことならワシも!」
PL「www」

シルヴァラ「さ、さぁ!目的の場所はもうすぐです。急ぎましょう」

 彼女は、急に思い出したようにパーティを急かし出します。

トビン「え、フィズバンを置いていっちゃうの?」
フィズバン「ふぁぁ〜。折角起きたのでワシも行くかのう!」
トビン「おおw」

アングリフ「シルヴァラ、一体、我々を何処に連れて行くのだ? そして、その先に何か待っているのだ?」
シルヴァラ「行けばわかりますわ。シルヴァレン、あなたなら信じて下さいますよね?」

 彼女は真剣なまなざしでシルヴァレンを見つめます。

シルヴァレン「もちろんさ、私は君の言うことなら何でも信じるよ!」
フリン「何でも信じるw」
ヴィヌク「ダメな奴だw」
トビン「ちょw完璧に彼女に魅了されているYOw 早くプロテクション・フロム・イーヴィルの呪文で[精神]攻撃からバリアーをw」
DM「彼女、少なくともイーヴィルではないですからw」
フィズバン「何をごたごた言っておるのじゃ? シルヴァラが行こうというから、行こうではないか」
トビン「はいはい」
フリン「しかし……。シルヴァラの〈誓い〉とは何なのじゃろう……ぶつぶつ」


後編に続く!

後編予告!


 ランスの謎を追って、〈霧籠りの谷〉の巨大ドラゴンの像の中に侵入したパーティ。そこにはすでにドラゴン軍の尖兵が侵入していた!

 果たして、彼らはドラゴン軍より先にランスの謎を解くことができるだろうか?
 そして、ソレースで彼らを〈ザク・ツァロス〉へ行けと導いた謎の老人との再会。彼は何者なのか? 彼が言う、シルヴァラの〈誓い〉とは何か!?

 急展開を見せる後編をお楽しみに!
 (後編は近日公開!)



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