さて、久しぶりのプレイレポートです。
この5月のGWの日曜日は久々のドラゴンランスのセッションでした。
今回は、いつものメンバーに加え、女性陣としてふーさんと真由利さんが参加で、プレイヤーは7人と大所帯となっております。
今回初参加の真由利さんは、まだD&Dの経験が浅いというのに自分で8Lvキャラクターを作ってくる気合いの入れようで、正直驚きました。
では、今回のメンバーを紹介しましょう。
フリン・ファイヤーフォージ ドワーフのファイター8、Kさん
戦闘は容赦が無い頑固物のドワーフ。速射が得意。
D&Dは初心者ですが、D&Dミニチュアには相当入れ込んでたりw
アングリフ・ブライトブレイド 人間のファイター/ナイト・オヴ・ザ・クラウン、植埜さん
"My Honor is My Life!"が口癖の竜騎士を目指す本物のソラムニアンナイト。
突撃を得意とするチャージャーです。
クォリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘ローラナを手篭にしています。
ヴィヌク・キル=キューミィー 人間のクレリック5/ファイター1/ナイト・オヴ・ザ・クラウン1、JarkJaxさん
アングリフと同じく、ソラムニアの冠騎士。
〈真の神々〉の探索をするアングリフの後を追ってパーティに合流。
パーティの回復枠ですが、癒しの力はゴールドムーンと違い未だに復活せず。
今のところ劣化ファイターどまり。
ラド・グエル 人間のウィザード8、ジョウセンさん
白でも赤でも黒ローブでも無い、〈大審問〉を受けてもいないはぐれ魔導師。
呪文選び3年、立ち位置8年とウィザード道を説く範囲攻撃の達人。
トビン・ディープポケット ケンダーのレンジャー1/ローグ4/ハンドラー3、私
ドラゴンも恐れない非常に好奇心旺盛な小人族ケンダー。
パーティの雑務担当。得意技はスリ(ハンドラークラスの特徴)と、
ケンダーの遠近両用便利武器であるフーパックでの急所攻撃。
最近フーパックではダメージが出なくて、弓を欲しがってたりします。
ゴールドムーン 人間のクレリック8、ふーさん
ケ=シュ族の族長の娘にして、善なる癒しの女神ミシャカルの僧侶。
好きな武器はスリングで、得意技はホーリー・スマイト。
シルヴァレン エルフのレンジャー8、真由利さん
クオリネスティでハーフエルフのタニスの母親の次女が、カガリネスティで恋に落ち、二つのエルフ氏族の間に産まれた子。
成長し、ギルサナスに拾われて彼の隊に入るも、パックス=タルカスで捕らわれの身となっていた青年。何故かペットを連れている。
そして、DMはお馴染みの霧島さんです。
ちなみに一緒に冒険しているNPCのみなさん(格闘ゲームの背景の絵の人達)です。
・リヴァーウィンド 蛮族の男。ゴールドムーンの相方。
・ティカ・ウィラン ソレースの〈憩いの我が家亭〉の給仕娘。フライパンを持ったまま冒険に出ることに。
・ギルサナス クォリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の息子。ローラナの兄。
・エーベン 前回から仲間になったあからさまに怪しい戦士
前回までのお話
廃都ザク=ツァロスからまことの神々のしるしを持ち帰ったパーティたち。
だが、故郷ソレースで待っていたのは、ドラコニアンの軍勢。彼らに捕らわれてパックス=タルカスの砦のある鉱山へ護送されるも、クオリネスティ・エルフたちに助けられ、クオリネスティに向かうパーティ。
そこで、〈太陽の評議長〉より、砦に捕らわれている仲間や人間たちを救出する任を受け、パーティたちは〈太陽の評議長〉の息子ギルサナスらと共に、邪悪な赤竜とドラコン卿の待ち受けるパックス=タルカスに潜入したのだが――
それでは今回も行ってみましょう。
脱出計画
アングリフ「レディの皆さん、ここから脱出するためには我々が一弾となって協力しなければなりません!」
捕らわれの女性たち「アングリフ様、ステキー!」
マリッタ「でも、どうやって皆を脱出させてくれるんだい?」
パーティたちは如何にして捕らわた人々を逃がすか悩んでいました。
前回の話だと、
・食事を届ける女達に紛れて(女装?)、夫達がいる鉱山へ行き、彼らに脱出の計画を伝える
・その後また女達に紛れて、子供達を日課の外に散歩に連れ出すふりをして子供を連れてスラ=モリを経由して脱出する
ということで、スラ=モリの敵を一掃してきたのですが、
今回改めて考え直すと、かなり無理がある作戦だとわかってきました。
トビン「――というわけで、女装確定でいいの?」
フリン「やっぱり鎧を脱ぐべきかの?」
ラド「着たままだと、絶対女性に見えないよ。」
トビン「とりあえず鎧の上からケープかクロークを羽織ったら?」
アングリフ「それは音で気付かれてしまう・・・・・・うーむ。」
ラド「動物変化のお守りで――。」
アングリフ「も、もう猿にはならん!」
PL「(笑)」
フリン「ワシは鎧着たままだと、〈忍び足〉の修正値がマイナスじゃ。」
ラド「じゃぁインヴィジビリティの呪文で透明になってもダメだな、どうしよ。」
トビン「沈黙の呪文サイレンスで音を消すのは?」
ゴールドムーン「ええっと――、今日は覚えてきてないです。」
トビン「ショボーン。」
さらに鎧を着る着ないで暫く議論しましたが、結局、女装して当初の作戦で行こうということになりました。
ただし、夫達への連絡はバレないようにマリッタたちの他はゴールドムーンが付き添い、他の皆は、女装して子供達の避難の誘導に向かい、合図のラドのホイッスルと共に脱出作戦の開始という手筈です。
アングリフ「我々の鋼の精神があれば、どんなときでも大丈夫だ!」
フンドシ一丁で声を張り上げるアングリフ。何の説得力もありません。
トビン「ボクもやっておくね。一応〈変装〉判定で、コロコロ、達成値24。」
マリッタ「あら、意外といけるわね、この子。ほら、鏡だよ。」
トビン「う、うそ。これがあたし?(うっとり・・・・・・)」
変な趣向に染まりそうなケンダー。
フリン「よし、ワシも女装するぞ!これでドラコニアンもワシの魅力にうっとりじゃw」
トビン「髭生えてるけど……いいの?」
フリン「ド、ドワーフの女性だから大丈夫じゃ!」
PL「ドワーフの女性って髭生えてたんだw」
DM「捕らわれた人々の中にはドワーフの女性もいるけど、髭はないよw」
PL「爆笑」
ヴィヌク、連行される
――ということで、パーティの男たちは無理矢理鎧を着て女装を終え、まずは鉱山にいる夫達に作戦を伝えにマリッタやゴールドムーンたちが先に出発しました。
さて、夕刻になった頃、二匹のカパックドラコニアンがパーティたちのいる牢獄に訪れます。
DM「ゴールドムーン以外は皆牢獄にいるよね、じゃぁランダムで……、ヴィヌクか。」
ヴィヌク「へ?」
ドラコニアン「おい、そこのお前。名はなんという?」
ヴィヌク「ヴィ、ヴィヌクでございます。(髭面の顔を隠しながら)」
ドラコニアン「ヴェルミナルド様が今宵の夜伽の相手を御所望だ。ついてこい。」
ヴィヌク「ちょ、ちょおまw」
PL一同「爆笑」
ヴェルミナルドのところに連行されるヴィヌク。
ヴィヌク「誰か止めてくれ〜」
フリン「チャンスだぞ!これを機にヴェルミナルドを男に目覚めさせるのだ!」
ヴィヌク「俺はノーマルだ!」
PL「笑」
ヴィヌクが連れてこられたところは、かつてこの砦を築いたエルフとドワーフの王侯貴族が使っていた謁見の間でした。壁沿いには、長い立派な柱が並んでいて、柱と柱の間の壁は一面が鏡張りとなっており、この部屋をさらに広く見せています。そして、部屋の奥の中央には、巨大な大理石の玉座があり、そこに見るも恐ろしげなマスクをかぶったドラゴン卿ヴェルミナルドが座っているのでした。
ヴェルミナルド「そなたか。今宵、私と夜を共にするのは。」
ヴィヌク「は、はい、ヴィヌクと申します。」
ヴェルミナルド「恐れなくてもよい。席に着いて食事でもどうだ?」
ヴィヌク「(な、何故ばれないんだ……)」
そのとき、ヴィヌクが隠し持っていたロングソードがブーン、ブーンと唸り出しました。
DM「ワームスレイヤーをもってるのはヴィヌクですよね。」
ヴィヌク「え?」
PL「てことは、ヴィヌクの近くにドラゴンがいるってこと?」
DM「ですね。」
PL「うはw」
ヴィヌク「兎に角、音が鳴らないように体で挟んで必死に耐えます!」
PL「ワームスレイヤーってドラゴンが近づくと、どうなるんだっけ?」
PL「30フィート以内にドラゴンが近づくと、300フィート以内のドラゴンでも起きるような低周波の唸音を出すよ。」
ヴェルミナルド「ヴィヌクとやら。そのブーンとなっている音はなんじゃ?」
ヴィヌク「ヴェルミナルド様が、恐れ多くて震えている音なのでございます。」
ヴェルミナルド「ふむ。食事の時くらい静かにした方がよいぞ。」
ヴィヌク「おい!女装といい、ワームスレイヤーといい、いい加減気づけよ!」
PL「爆笑」
ドラコニアンたち「まったく。ヴェルミナルド様も困ったものだ。」
ヴィヌク「それでいいのかよ!」
狂った計画、そしてどぶドワーフ
一方、パーティたちはというと――
ラド「ヴィヌク、無茶しやがって……。」
トビン「どうするの?あれじゃバレちゃうのも時間の問題でしょ。」
やがてゴールドムーンたちが戻ってきました。
ゴールドムーン「男達には確かに計画をつたえました。」
アングリフ「しょうがない、計画を早めて我々も子供達を逃がしにいくぞ!」
予想外の展開に焦るパーティたち。
マリッタに先導され、子供が捕らわれている部屋へ急ぎます。
子供達は二層目の遊戯室の奥に捕らわれているのですが、一層目から二層目への階段を上がろうとしたところで、階段の近くの部屋の奥から、何か物音がすることに皆気づきました。
トビン「じゃぁ、ちょっと見てくるよ。どれどれっ…。」
DM「連続した音が繰り返し聞こえますね。パリン。ドスン。ゲラゲラと笑い声の繰り返し。」
トビン「――らしいよ。」
フリン「ワシも聞いてみる。」
DM「フリンにはとても聞き覚えがある声ですね。」
フリン「ふん、どうせどぶドワーフが馬鹿騒ぎをしてるんじゃ!」
トビン「マリッタ、あの声に聞き覚えがある?」
マリッタ「さぁ?わからないね。」
フリン「そうじゃ!マリッタに見てきてもらおう。」
マリッタ「やれやれ。頼りにならない冒険者さんたちだね。私がちょっと行ってくるよ。」
フリン「わ、わしもいくぞ。」
扉を開け、部屋を覗いてみます。部屋には中央に大きな円石が見え、その上で長い材木がシーソーのような状態になっています。1ダースほどの短くてずんくりむっくりの生き物が狂ったように騒ぎながらシーソーで遊んでいます。材木の先端が地面に触れるところには、広くて皿の形をしている容器があり、彼らがシーソーを動かすと、パリン、ドスンと音をたてています。
マリッタ「あら、どぶドワーフだわ。」
ラド「お、交渉のチャンスかも。」
トビン「フリン、どぶドワーフ語しゃべれたよね。」
フリン「気が進まんが……、よし、ここはワシに任せてくれ。」
PL「女装の見せ所ですね。」
自慢?の女装で部屋に入るフリン。
フリン「いゃ〜ん、何この楽しそうな空間!」
PL「そうきたかw」
どぶドワーフ「む。おまえ、だれ?」
フリン「フリ子で〜す!」
どぶドワーフ「よくみたら、おまえびじん。ここたのしい。こっちにくる!」
PL「このどぶドワーフたち、いかれてるなw」
どぶドワーフたちは、女装したフリンを担いてシーソーに乗せると、
どぶドワーフ「じゃあ、おれものる。」
どぶドワーフ「いや、おれがのる。」
どぶドワーフ「おれも!」
どぶドワーフ「おれがのる!」
フリンの相席を巡って喧嘩を始めてしまいました。
そのとき――
どぶドワーフ「おまえたち。けんかはやめる!」
奥からリーダーらしきどぶドワーフが出てきて一括します。
どぶドワーフ「わし、このクラードしぞくのおう、ハイクラード・ドルース。」
フリンの前に来て、おじきをするドルース。そのとたん、彼のかぶっていたヘルメットがずれて落ちそうになります。慌ててヘルメットを直すと、
ドルース「わしら、ここになんびゃくねん、くらしてきた。おまえ、かわいい。わしのつまになる。おまえたち、いわう。」
PL「爆笑」
部屋はどぶドワーフたちの歓声に包まれます。
フリン「いゃーん、こんな扱い受けたのははじめて〜!」
PL「そりゃ最近、パーティでは裏切り者扱いされてたしねw」
フリン「でもー、ここの住み心地ってどうなのかなー?」
ドルース「とても、ここいい!でも、とかげのおとこたちやってきた。あいつら、わしらいじめる。」
フリン「じゃぁ、おうさまにー、聞きたいことあるんだけどー、その前に私の超美人の仲間達呼んできていい?」
ドルース「いい!すぐによんでくる!」
一端、パーティのところに戻ってきて状況を伝えるフリン。
フリン「――というわけじゃ。」
ラド「どぶドワーフの美的感覚はわからん……。」
アングリフ「我々の運命は、フリンの色仕掛けにかかっているんだ!よし、トビン、ラドいってこい!」
トビン「え?ボク?」
ラド「わたしもか!」
フリンがトビンとラドを連れて戻ります。
フリン「紹介するわ〜!あたしの仲間のトビ子と、ラド子よ〜!」
トビン「(〈変装〉達成値24の)トビ子で〜す。」
ラド「ラド子よ。」
ドルース「むむ。」
フリン「どうしたの?」
ドルース「おまえのなかま、きたいはずれ。」
トビン「がーん。負けた……。orz」
ドルース「まぁいい。うたげ、はじめる。」
どぶドワーフたちに勧められるまま、干からびた蛇とか、腐ったネズミの死体だとか、無理矢理食べるフリンたち。
DM「じゃぁ頑健セーヴいっとく?」
PL「マジですか!?」
フリン「あたし、ダイエット中なの〜。」
ドルース「ダメ!たくさんたべて、いいこどもうむ!」
PL「笑」
トビン「あたし、おなかいっぱい〜!フリンお姉様にあげるわ〜!」
ドルース「だめ、たべるたべる!!」
無理矢理食べさせられた結果、頑健セーヴに成功したのはフリンとラド。
DM「てことで、トビンは不調状態になりました。」
トビン「うっぷ、ダメ吐きそう――。」
ラド「とりあえず敵ではなさそうだし、仲間にして彼らから情報を引き出さないと。」
フリン「あの、ずる賢いどぶドワーフがただで教えてくれるとは思えん。」
トビン「じゃぁ宝石でも見せてみる?あそだ!ラドの魔法で拾った武器を豪華に見せるってのは?」
ラド「1時間ほどしか持たないんだけど。」
一端部屋の外で、ラドの奇術プレスティディシテイションで、拾ったバトルアックスを、
全身スティール製のピカピカの見事な武器に仕立て上げ、再び部屋へと戻る女装三人組。
フリン「きょうわー、ドルースさんに素敵なプレゼントがあるのー。」
PL「ノリノリだな、フリンw」
フリン「あたし達からの素敵な贈り物〜。」
ドルース「おお、これ、とてもすばらしい、ぶき。おくりもの、かんしゃ。」
フリン「あたし達、悪いトカゲをやっつけにきたんだけどー、協力してほしいの−。」
ドルース「わかった。わしら、なんびゃくねんまえから、ここすんでる。なんでもきく。」
フリン「じゃぁー、この砦に関する情報を教えてほしいのー。」
ドルースは、懐から地図を取り出す。
ドルース「このとりでのちず、ある。おまえたちにやる。」
トビン「おお、これは凄い。どぶドワーフが書いた地図じゃないね。」
ラド「よし、ついでに彼らにも砦の脱出に協力してもらおう。」
フリン「わかったわー。ちょっと聞いて−、これから悪いトカゲをやっつけてくるから−、ラド子のホイッスルの音を聞いたら、あなた達は暴れて欲しいのーぉ。フリミからの王様だけにスペシャルなお・ね・が・い(ハート)!」
ドルース「わかった、あいする、つまのため。ドルース、きょうりょくする。」
赤竜フレイムストライクの怒り、あるいは貞操の危機
シルヴァレン「あのドワーフは頭がおかしいのか?」
トビン「さぁwww」
名残を惜しむドルースたちに見送られ、子供達の捕まっている二層目への階段を上がるパーティ達。
マリッタが言うには正面の扉の向こうが子供達の遊戯部屋になっており、右手の扉の向こうは、パックス=タルカスの砦の大門の内部になっているようです。
トビンが調べたところ、砦の大門を開けるには、側の大きな巻き上げ機を使用して数分間かかるようですが、気付かれずに門を開けることは不可能に近いようです。
とりあえず、遊戯部屋の様子をうかがいます。
トビン「ええっと、扉を〈捜索〉、それと〈聞き耳〉。出目20で、30。竜がいたら、得意な敵で32ね。」
DM「扉には鍵は無いようですが、こちらから開かないようになっています。また、何か生き物の気配も感じますね。」
アングリフ「よし、フリンと私で扉を破ろう。」
DM「では筋力判定してくださいね。」
アングリフ「よし、フリンの援護をするぞ……、成功。」
フリン「わかった、ワシが開ける。コロコロ、達成値25。」
DM「OK、開きましたよ。」
扉の先の部屋は広く、家具は1つもありませんが、床には木彫りや縫人形、ワゴン、ボールなどの他、様々なおもちゃが散らばっています。
左手には、背の高いアーチがあり、アーチの両脇にはさらに扉があります。
また、右手の角には扉と窓があります。窓は開いていて、外からの新鮮な空気が部屋に流れ込んでいます。
そして、部屋には6体のドラコニアンがおり、パーティ達が扉を破ると同時に襲いかかってきました。
PL「やっと戦闘かよ。」
DM「ちゃんと離して配置しないとねー。(ドラコニアンのミニチュアを配置するDM)」
PL「ということは、カパックドラコニアンかw」
PL「死んだら酸が飛び散る奴ね。」
DM「ご名答。では戦闘開始ですね。」
ラド「とりあえず、加速の呪文ヘイストを唱えますよ。攻撃ロールと反応セーヴとACに+1ボーナス、移動速度2倍、さらに全力攻撃の場合は追加でもう1回攻撃ね。」
シルヴァレン「では、私は目の前の敵に弓攻撃。コロコロ、3回命中です。ダメージ20点。」
DM「敵はシルヴァレンの矢を食らい倒れると、はじけてまわりに強酸をまきちらします――って周りには誰もいないか。」
PL「さすが、エルフの弓の名手。フリン、キャラかぶってるねw」
フリン「むむ。ワシはまけんぞ!」
トビン「では、ボクはフーパックにブリッドを装填して急所攻撃ね。コロコロ、命中8点。」
DM「次はドラコニアンの番です。」
ドラコニアン「侵入者だ!」
DM「ドラコニアンは弓で、前のフリンを攻撃しますよ。」
フリン「余裕じゃ。かかってこい!」
ドラコニアン「ぬぅ、当たらん。ではそっちの騎士の方に。命中、4点。」
アングリフ「くっ。」
フリン「ワシは、4回攻撃じゃ。コロコロ、3回命中。」
DM「一匹は倒れました――。」
こうして互いに弓を撃ち合いになりましたが、所詮カパックドラコニアン。酸の爆発にさえ気をつければ、ほとんど驚異ではありません。
―――――
その頃、ヴィヌクは
煌びやかなナイトガウンを着せられていました……。
ヴィヌク「ってか、ちょっと待て。普通、バレるでしょ!」
DM「いや、着せたのはドラコニアンのメイドたちだから、気づかなかったのかもw」
PL「笑」
ヴィヌク「じゃ、ワームスレイヤーは?」
DM「ワームスレイヤーも取り上げられましたよ。」
ヴィヌク「おい、おかしいだろ、どうみても。」
DM「コンコン、扉をノックする音が聞こえますよ。」
ヴィヌク「え?」
ヴェルミナルド「準備はまだか?」
PL「ウホッw」
PL「ヴィヌク、貞操の危機www」
ヴィヌク「ギャーァ!」
―――――
一方、パーティ達はドラコニアンを倒し、左手のアーチの先の子供たちが捕らわれている部屋に進もうとしていました。しかし、その部屋に行くには、赤竜フレイムストライクが眠っている部屋を通らなければなりません。
マリッタ「この先にいる気の毒なドラゴンは、老齢で、もう頭がおかしくなっているのですよ。昔、自分の子供を大きな戦で亡くしたらしく、今はあたし達の子供を自分の子供と思い込んでいるんです。」
マリッタ「ドラゴンは、いつも朝遅くまで寝てるんです。あたし達が外に散歩に連れ出しても、ぴくりともしませんよ。」
トビン「この時間も寝てるといいんだけどね。」
PL「サイレンスの呪文ないんだよね。」
ゴールドムーン「ごめんなさい……。orz」
トビン「起こすとマズイので、〈忍び足〉でボクがいくしかなさそうだね。」
シルヴァレン「私もいきますよ。」
ゴールドムーン「あたしも付いていきます。」
PL「てか、マリッタにまかせればいいんじゃね?」
PL「笑」
マリッタ「子供たちは180人はいるんです。とてもあたし一人では――。」
PL「ですよねー。」
ということで、マリッタに続き、トビンとシルヴァレン、ゴールドムーンがサポートとして子供を連れ出すことになりました。
アーチを抜け、ドラゴンの眠っている部屋に出ます。
マリッタの掲げる松明が、家具も調度品もない冷え冷えとした石の部屋と、その部屋の主を静かに照らし出します。
部屋に出たとき、彼らは、松明に照らされるそのレッドドラゴンの大きさに息をのみました。
PL「うはwでかw」
PL「ガチんこ勝負で倒せるかなぁ。」
PL「無理でしょ、この大きさw」
DM「では、部屋に入った人は〈忍び足〉してみましょうか。」
トビン「じゃ一番!コロコロ、達成値28。余裕。」
シルヴァレン「ええっと、達成値15です……。」
DM「ドラゴンはぴくりとも動きませんよ。」
トビン「あとは、ゴールドムーンだけ。」
ゴールドムーン「コロコロ、ええっと、〈忍び足〉の修正値を足して……、達成値13。」
PL「やっちゃった――。」
眠っていた巨大なドラゴンの目がゆっくりと開きます。
フレイムストライク「おや?誰だい?マリッタかい?」
マリッタ「え、ええ。夕飯前に子供達を散歩に連れて行こうと思いまして。」
フレイムストライク「そうかい。行っておいで。」
DM「ええっと、金属の武器とか防具とか持っている人います?」
ゴールドムーン「持ってるかも。」
トビン「同じく……。」
PL「何だか展開が読めてきた――。」
フレイムストライク「おや?誰を連れてるんだい?マリッタ!鋼の臭いがするぞえ!」
PL「まずいなぁ、今騒ぎを起こすのは最悪だ。」
PL「ごまかすしか、ないね。」
DM「じゃぁ、〈はったり〉ですね。」
トビン「ええっと、実は子供達にバーベキューをさせようと思って、鉄の串をもってきてるんです。コロコロ、達成値23。」
DM「うーん、残念w」
トビン「ごめん、無理。」
フレイムストライク「嘘はおやめ!(ピシャリ)」
トビン「うはw」
フレイムストライク「こやつらは女ではないね。戦士だよ!さては、あたしの子供をさらう気だね!許さないわ!」
トビン「くそー、《罵り強化》で敵対的にするのは得意なんだけどなーw」
アングリフ「よし、異変を聞いて我々もすぐさま駆けつけよう。」
フリン「ドラゴンは子供を襲わないだろうから、こうなったら子供を盾にして、ほら子供だよ〜って言ってる隙に脱出するのは――ダメじゃな……。」
アングリフ「無論だ。」
ラド「逆上して余計手がつけられなくなるよ。」
トビン「どうすんのさ?」
シルヴァレン「おい、ドラゴン。怒ったなら私は戦うのもいとわないが、お前の子供をまきこんでいいのか?」
DM「ドラゴンは、怒りで我を忘れていますよ。」
ラド「ダメだこりゃ。」
フリン「マリッタ、子供を連れ出してくれ。その間ワシらが食い止める。」
DM「では、戦闘ラウンド開始ということで。」
眠りから覚め、怒り狂った巨大サイズのレッドドラゴンを相手にガチンコバトルが始まります。
シルヴァレン「では私は弓攻撃。コロコロ、2回とも失敗。」
ラド「これは……、うーん。炎のブレスで焼かれてあの世行きの感が……。」
フリン「ドラゴンの順番が最後ということだけが救いか。」
アングリフ「私はドラゴンの前まで移動し、《攻防一体》、防御的戦闘で、盾になって脱出経路を確保。」
トビン「アングリフ、初撃に耐えることができるんだっけ?」
アングリフ「わ、私はここを退くわけにはいかん。ドラゴンめ!子供達を解放しろ!」
ラド「私は、加速の呪文ヘイストで、パーティの移動速度をアップ。」
トビン「アングリフに任せて、ボクは遊戯室まで撤退。」
フリン「ワシもじゃ。」
ゴールドムーン「同じく。」
シルヴァレン「私も下がる。」
DM「はい、ではドラゴンの行動ですね。アングリフに近づいて顎で噛みつき、コロコロ、AC57まで命中。ダメージは少ない、21点。」
トビン「57!?」
ラド「まぁそのくらいいくよね。」
トビン「オワタ……。」
シルヴァレン「こうなれば仕方がない。私はラドのホイッスルを奪って鳴らします。」
ピピッピピッピピッピピピッーーーー!けたたましく砦中に鳴り響くホイッスルの音。
これで夫達が脱出を始め、どぶドワーフたちが混乱を引き起こしてくれる、はずです。
ラド「私は、氷の壁、ウォール・オヴ・アイスをドラゴンの真正面に展開。ブレスの盾になるぜ。」
アングリフ「私は、その隙に撤退する。」
DM「では、ご期待どおりにブレスを吐きますよ。」
荷物から、60フィート(12マス)の放射の三角状フレームを取り出してきて、ドラゴンの前に配置するDM。
ラドのかけた呪文で作られた氷の壁が、ドラゴンの灼熱のブレスと共に、一瞬で消えてなくなります。
PL「範囲デカッ!」
DM「ドラゴンは炎のブレスを吐きました。この範囲内にいる人は、えっと146点のダメージね。てか、人いないか。」
PL「まともに食らうと、大規模ダメージで即死ですがな。」
大規模ダメージ:
1回の攻撃で50ポイント以上のダメージを受けた場合、死亡しなくても、難易度15の頑健セーヴに失敗すると、現在のHPの値に関わらず、即死します。
フリン「おそろしや……。」
ラド「ちなみに、氷の壁を一瞬で融解したので、あたりに蒸気の雲が発生して視認困難になるんで、よろしく。」
マリッタ「さぁ、子供達。今のうちに逃げるんだよ!」
視認困難の中、マリッタが先導し、蒸気に紛れて子供達が次々と避難を開始します。
フレイムストライク「お願いだから、私の子供達を連れていかないで……。」
―――――
さて、ヴィヌクの方はというと――
豪華なベットの上で裸のヴェルミナルドに、今まさに抱かれようとしておりましたw
ヴェルミナルド「ふふ、どうした?シーツをかぶりおって。おまえの顔がよく見えないではないか。もう恥じらう年でもあるまい。」
ヴィヌク「ヴェルミナルド様。どうして我々を捕らえて、殺さずに働かせるのですか?」
ヴェルミナルド「無粋なことを聞くのう。私は無益な殺生は好まぬ。が、愚民どもは奴隷として働かせ、我らが主の暗黒の女王の元へ物資を送らねばならぬ。」
ヴィヌク「暗黒の女王――。」
ヴェルミナルド「さぁ、今夜は楽しませてもらうぞ。」
ヴィヌク「ひぃー!」
DM「では、ヴィヌク。組み付き判定をしてもらいましょうか。」
PL「抱きつかれちゃったのかよwww」
ヴィヌク「よ、よし、このまま逆に組み付いてヴェルミナルドをねじ伏せてやる!コロコロ、達成値28だ!」
DM「ヴェルミナルドはっと……、コロコロ。ぅ”、失敗。」
ヴィヌク「よっし!ヴェルミナルドに勝ったぞ!このまま逃げます!」
ヴェルミナルド「ぅぅ……、ま、待て。何処にいくんだヴィヌクー!」
部屋に一人残ったヴェルミナルドの叫びが近辺の廊下にまでさびしく響いていました。
後にヴィヌクは、このドラゴン卿ヴェルミナルドと対時した時の戦い?が、剣の騎士(Knight of Sword)への昇進条件である、
(CR2差以上の)凶悪な敵との一対一の勝負をすること
を満たすことになり、騎士団の騎士審理で功績として認められ、〈剣〉の勲爵士団に迎えられることになります。
しかし、彼は何故だか、その時のことをあまり語ることはありませんでした――。
―――――
トビン「皆、こっちだよ!この入ってきた扉から一端建物の奥に!」
フリン「うむ。あやつの巨体だと、狭い砦内には簡単に動けまい。」
シルヴァレン「む、扉の向こうからこっちに誰か走ってくるぞ!」
一見、髭を生やしたナイトガウン姿の変質者に見えますが、どうやら敵ではなさそうです。
ヴィヌク「みんなー、会いたかったぞ〜!」
トビン「どうしたの?その格好www」
ラド「こっちは危険だ!ヴィヌク、今ドラゴンが!ってお前……。」
ヴィヌク「いや、私の危機に比べれば、君たちの危険なぞぬるいぞ!」
ラド「……。」
アングリフ「だが、とても騎士がする格好とは思えん!気でもふれたか、ヴィヌク!」
ヴィヌク「私が気がふれたのではない!この建物の住人が気がふれているのだ!」
PL「爆笑」
PL「たしかにwww」
PL「なんだか説得力あるwww」
そのとき、ホイッスルの音を聞いて、砦の各処でどぶドワーフが暴れ始めました。また、鉱山の捕らわれの男達も行動を開始したらしく、砦内にカンカンカンと警鐘が鳴り響き始め、砦の中が騒がしくなってきました。
フレイムストライクは、子供を連れていかないでと哀れな声を上げるだけで追っては来ませんでした。そのおかげで、パーティたちはマリッタや子供達を一層目へ無事逃がすことができたらしく、ここで今日は終了となりました。
さて、次回はいよいよ、もう一匹の竜、エンバーとの対時です!
続きます!
ヴィヌク「あれ、俺。今日、一度しかダイス振ってない……。」