皆さん、こんにちは!
大変長らくお待たせしました!約16か月ぶりの更新です!(遅すぎw)
──と、前回と殆ど同じ書き出しになってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回の冬コミは、残念ながら抽選漏れで参加できなくなってしまった事もあり、久々に本サイトのメインコンテンツであるドラゴンランスのD&Dリプレイを更新してみました!(汗)
セッションは年2〜3回のペースですが、現在も継続中でして、まずはプレイ済みの「尖塔の青竜」編のリプレイを完結させたいと思います。
今回はドラゴンランス(戦記)最大の山場、ソラムニアの最大の都市パランサスの防衛の要である〈大司教の塔〉での冒険となります。
今回の公開分は、小説の山場の部分でもあり、私の中でも特に思い入れが強く、あの大司教の塔でのスタームたちとキティアラ率いる青竜軍との戦いを、広く熱く知って貰おうと、一昨年のC81コミックマーケットでは、同名のオリジナルシナリオと共にリプレイとして
先行頒布してしまいましたw
頒布した同人誌版は、冗長な部分をカットし、ドラゴンランスの史実と付属しているシナリオに基づいて改変したもので、ミニチュアの写真も撮り直して、豪華なイラストを加えた特別版となっております。
しかし、ご安心を! 既に同人誌版を読まれている方でも大丈夫です!
このWeb版は実際のプレイに基づいた内容となっており、同人誌版とは異なる部分やカットされた裏話的な部分が幾つもありますので、既に読まれた方でも新たな気持ちで楽しめるのではないかと思っております。
もちろん、初めての方は16か月振りの新作をお楽しみ下さい!
それでは、張り切って行ってみたいと思います。
前回のホワイトストーンの会議編と合わせると、文庫の長編一冊分程度ありますので、じっくり腰を据えてからお読み下さい。
まずは、キャラクター紹介から。
フリン・ファイヤーフォージ ドワーフのファイター11、Kさん
「ハラス卿の名誉をこれ以上罵ることは許さん! 騎士典範に定められた通り、ワシが代役としてお主と相まみえよう!」
戦闘は容赦が無い頑固物のドワーフ。速射が得意。
最近はフロスト・グレートアックスを構えて壁役の前衛に徹している。
D&Dミニチュア・コレクターで、そのコレクションは部屋に入らないほど。
ヴィヌク・キル=キューミィー エルフのクレリック6/ファイター1/ナイト・オヴ・ザ・クラウン2、JarkJaxさん
「みんな聴いてくれ! 私は〈冠〉勲爵士団所属、ヴィヌク・キル=キューミー。ソラムニア騎士として一言言わせてもらいたい!」
ソラムニアの冠騎士。パーティの盾役から、攻撃役・回復役までを華麗こなす勇者。
〈まことの神々〉の探索をするアングリフの後を追ってパーティに合流。
見事、神々のしるしを見つけ、癒しの力に目覚めたが〈氷壁〉にて白竜スリートの凶牙に倒れる。
しかしエルゴスで出会った銀竜シルヴァラによってエルフに転生して復活し、騎士団に復帰。
トビン・ディープポケット ケンダーのレンジャー1/ローグ4/ハンドラー6、私
「凄いや!つまりドラゴン軍をやっつけてくれること?」
ドラゴンも恐れない非常に好奇心旺盛な小人族ケンダー。
パーティの雑務担当。得意技はスリ(ハンドラークラスの特徴)と、ケンダーの遠近両用便利武器であるフーパックでの急所攻撃。
最近フーパックのダメージの少なさに悩み、新兵器シザック(弓の上下の端に刃のついたケンダーの遠近両用武器)を購入。
ラド・グエル 人間のウィザード10、ジョウセンさん
「確かに、オーブには自我がある上、自己防衛本能の塊だ。俺がオーブに制御に失敗したら何が起きるか想像できん」
白ローブにも、赤ローブにも、黒ローブにも属さず、〈大審問〉を受けてもいないはぐれ魔導師(Renegade Wizard)。
〈上位魔法の塔〉から、その存在を認められた代償に、ドラゴンオーブの保管を命じられる。
ウィザードは呪文選び3年、立ち位置8年とウィザード道を説く範囲攻撃の達人。
ゴールドムーン 人間のクレリック11、ふーさん
「守るべき者を守れずして、何故騎士の名誉と正義が貫き通せますでしょうか。名誉とは何か、冷静になり考えてください。自ずと結論が出るはずです」
ケ=シュ族の族長の娘にして、善なる癒しの女神ミシャカルの僧侶。
まことの僧侶エリスタンにミシャカルの円盤をもたらし、信仰のメダリオンを授かる。
好きな武器はスリングで、得意技はホーリィ・スマイト。
リヴァーウィンド 人間のバーバリアン7/レンジャー3、真由梨さん
「高貴なるフクロウよ、我らはあなたに危害を加えるものではないことは確かだ」
シルヴァラと共に旅立ったシルヴァレンの代わりに彼女が担当することになったキャラクター。
言わずと知れたゴールドムーンの夫。
このリプレイでは、タルシスでゴールドムーンと一旦別れてシルヴァネスティへと旅立ったことになっているのだが、妻を思い、アルハナに頼んでパーティの下へ戻ってきた。
小説では影の薄い存在だったが、このリプレイでの活躍に期待!
そして、DMはお馴染みの霧島さんです。
ちなみに一緒に冒険しているNPCの紹介です。
アングリフの中の人は、残念ながらお休み中です。
アングリフ・ブライトブレイド 人間のファイター/ナイト・オヴ・ザ・クラウン、植埜さん
「ひとつ言っておくが、これを貰ったら君たちは騎士団のいいなりになるんだぞ」
"My Honor is My Life!"が口癖の竜騎士を目指す本物のソラムニアンナイト。
ランス突撃を得意とするチャージャー。
クオリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘ローラナを手篭にしているばかりか、
最近では、シルヴァネスティ・エルフの王女アルハナ・スターブリーズまで……。
今回からセッションはお休み中。
ローラランサラーサ・カナン
ローラナ、クオリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘。アングリフを慕い、一緒に旅している。
前回までのお話
廃都ザク=ツァロスから〈まことの神々のしるし〉を持ち帰ったパーティは、クオリネスティの〈太陽の評議長〉の息子ギルサナスらと共に、〈パックス=タルカス〉の砦に捕らわれていた数百人の避難民を解放した。
その後、タルシスの都で新たに加わったソラムニア騎士たちと共に、竜を支配する力を持つというドラゴンオーブを求めて〈氷壁〉に向かい、〈氷壁城〉でドラゴン卿フェアル=サスと白竜スリートを打ち破った。
しかしオーブを入手したパーティは、サンクリストへの帰路で船が難破し南エルゴスに流れついてしまう。クオリネスティ・エルフに監禁されてしまった彼らは、エルフの姿をした銀竜シルヴァラの導きによって脱出し、ヒューマの墓がある〈霧籠りの谷〉で、ドラゴンランスを入手する。
ドラゴン軍に対抗できる伝説の武器を手に入れたパーティは、サンクリストのホワイトストーンでドラゴン軍に対抗するべく集結した善の勢力の同盟に希望をもたらしたのだった。
そして、ホワイトストーン同盟軍のグンダー卿の命により、ソラムニア最大の都市パランサス防衛の増援として、〈大司教の塔〉へ向けて彼らは再び旅立ったのだが……。
途中、海の魔物に襲われそうになるも、パランサスに到着した冒険者たち。
船長から託された大司教ヤルスの宝冠の欠片と、アスティヌスから聞いた塔の伝説。
そして、進軍しつつある青竜軍。
神によって封印された塔で、彼らを待ち受けるものは何なのでしょうか?
果たして、彼らはドラゴンオーブと残された宝冠の欠片を手に入れ、進撃す
るドラゴン軍に対抗することはできるのでしょうか?
パランサスを出発
サンクリストからパランサスに無事?到着したパーティたち。
いよいよドラゴン軍との全面衝突することになるのですから、戦地に赴くための準備に抜かりがありません。
ヴィヌク「聞くところによると〈大司教の塔〉は幽鬼の巣窟らしいし、アンデット対策をしなければな」
ラド「幽鬼というと非実体(Incorporeal)クリーチャーか、[力場]属性のダメージの呪文を準備せねば」
トビン「マジックミサイル大盛りでヨロシク!」
【マジックミサイル】
ウィザード呪文レベル1の力術呪文。
魔法で出来た矢が、術者の指先から飛び出して、たとえ目標が遮蔽を取ったりしていても、外れることなく命中します。
また目標に[力場]のダメージを与えるため、非実体のようなエーテル状態のクリーチャーにも極めて有効です。
高レベルの術者は、複数の矢を作り出すことができます。
ラド「プロテクション・フロム・イービル(悪からの防御)も人数分必要だな」
ヴィヌク「俺はサークル・オヴ・アゲンスト・イービルがあるよ。タイド・フロム・アンデットや、ハイド・フロム・アンデットとかも」
ゴールドムーン「では、私はフリーダム・オヴ・ムーヴメントを覚えるかわりにデス・ウォードを――」
トビン「今回は、いつも一番欲しがっている、あの五月蠅い騎士様がお休みだからねw」
PL「www」
ヴィヌク「デス・ウォードを人数分準備するのはゴールドムーンの呪文スロットが足りないと思うから、俺も少し入れておこう」
ゴールドムーン「助かります」
【マジック・サークル・アゲンスト・イーヴル】
ウィザード呪文レベル3/クレリック呪文レベル3の防御術呪文。
この呪文の対象者から半径10フィートの放射範囲内のクリーチャーは皆、プロテクション・フロム・イーヴルの効果を受けます。
【デス・ウォード】
クレリック呪文レベル4の死霊術呪文。
目標は、[即死]呪文や効果、生命力吸収、負のエネルギー効果などに対する完全耐性を得ます。
ラド「塔って何階建なんだ?」
DM「16階ですよ」
ラド「上まで昇るのは怠いな」
トビン「飛んで屋上から入ればいいんじゃないかな?」
フリン「グリフォンなどに乗って上から入ったりするものはいなかったのかのう」
DM「アスティヌスが言うには、塔の上階は封印されていて魔法のバリアに覆われて無理だということでしたけど」
ラド「フライの呪文では無理か……」
ラド「そういえば、死んだときは誰の手番?」
DM「ヤルスだったと謂われています」
トビン「チェックメイトだよ、カーノス君。と言いたくて死んだのかな?」
ラド「なるほどw 落ちてくる岩に押しつぶされて……その一手が指したくて心残りでw」
フリン「読めたぞ。相手のカーノス司祭は、カスが弱かったのじゃろう。負けそうだったから、どさくさに紛れて石柱を倒した!」
ラド「それ、将棋の盤返しよりもヒドスwww」
トビン「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!〈大変動〉の被害に見せかけた殺人!?」
DM「はいはい、事件の真相は現地でたっぷり捜査して下さいねw」
ラド「決めた。俺、術者レベル9のマジックミサイルのワンドを買うよ、6,751stl。自前の呪文スロットをマジックミサイルで潰すのは勿体ないし。非実体対策には、これくらいしかないな」
トビン「それってボクにも使える?」
ヴィヌク「ワンドだから〈魔法装置使用〉で20以上出すしかないよ」
トビン「えー、きついなーそれ」
ヴィヌク「ゴーストタッチの能力がついた武器があれば……」
ラド「+2ゴーストタッチ・ウェポンで8,300stl以上するな。でも、非実体にも必ず命中するぞ」
フリン「ワシ、もう金ない……残り134スティール。そうじゃ!ドラゴンオーブを売っちゃえば!」
PL一同『売りません!』
DM「www」
フリン「いいじゃないか、どうせ、これからもう1つ取りに行くのじゃからw ドラゴンオーブの1つや2つw」
ラド「いけませんwww」
フリン「2個持っていても、使えないのではしょうがないでしょ、欲張りさん」
ラド「アンタに言われたくないわw」
フリン「ワシの武器のシーキング・コンポジット・ロングボウは、視認困難を緩和するだけだからのう、幽鬼相手には不安じゃ。あ、ちょっとトイレ」
暫しリアル休憩。
トビン「(フリンのキャラクターシートを覗きながら)あ、ちゃんと犬のポッチと書いてある、括弧してバカってw」
PL「www」
ヴィヌク「俺は2レベルスロットを全部キュア系の呪文にして、(アンデットに対して)お触り攻撃をしようかw」
トビン「エロイねw 触りまくるのwww」
DM「機会攻撃を受けるかもしれないのに勇気あるなぁw」
ラド「さて。後はメイジ・アーマーか。通常の接触攻撃に対するACは上がらないが、対非実体接触ACなら上がるはず」
【メイジ・アーマー】
ウィザード呪文レベル1の召喚術呪文。
不可視の力場が対象を取り巻き、対象のACに+4の鎧ボーナスを与えます。
焦点具として、保存処置を施した革一切れが必要。
ラド「みんな―、メイジ・アーマーの呪文のスクロールの25stl分は減らしておいてくれ」
リヴァーウィンド「そういえば、俺の金はどうなっているのだ?(前回からキャラクターを変更して参加中)」
DM「お金持ってないの?」
リヴァーウィンド「ええっと、所持金はっと。あれ、4,250stl って書いてあった」
ラド「結構持っているじゃん」
フリン「持っておるのう、さてはリヴァーウィンドはコツコツため込むタイプじゃな」
トビン「それ結婚生活用の貯金でそw」
ラド「生きて帰らなきゃ、結婚生活も何もないぞ」
フリン「そうじゃ、ワシらが死んじまったら、新居もクソもないじゃろ、今使うのじゃ!」
リヴァーウィンド「では、25stl払う」
ヴィヌク「メイジ・アーマーの分かよw」
フリン「何じゃい、25stlすら惜しんどったのか、やっぱり金を貯め込むタイプじゃのw」
PL「www」
ヴィヌク「聖水も買っておく?」
ゴールドムーン「酒を入れている瓶につめましょう」
フリン「そうじゃ。フェアル=サスのいた〈氷壁城〉の回復の泉でボトルに水を入れていた━━」
トビン「それ腐っているからw あれから何か月経っているんだよw」
ゴールドムーン「では準備もできたことだし、早速出発しましょう」
フリン「何じゃ。ワシは、ちょっとパランサス観光でもしたかったのじゃがのう」
ラド「まだ何か買い物とかしとく?」
ゴールドムーン「珍味とか?」
PL「珍味w」
PL「パランサス饅頭とかw」
ヴィヌク「あー、食べた食べた。懐かしいなw」
トビン「ヴィヌクは、パランサス出身だっだっけ?」
ラド「ていうか、食べた事があったのかw」
フリン「なんじゃこれ、焼き印がパランサスの形をしておるだけで、中は普通の饅頭じゃ――」
ヴィヌク「八角形のが、大司教の塔団子でw」
フリン「食べたくなるのう、それはw」
トビン「ショイカンパイとかどう? 食べるとちょっと寒気がするw ハッカがよく利いていて夏にはいいw」
フリン「そりゃいい、帰りに買うかw」
DM「……(いつまでやってるんだこの連中は。そろそろシナリオ進めないと)。さて、ここで一際美しい女性がパーティを軽蔑の目で見ながら通り過ぎて行きますよ」
従者「さあ、クリサニアお嬢様、あのような下賤の連中とは関わり合わないで、ささ、行きましょう」
女性「そうですわね」
フリン「なんじゃと!田舎者をバカにするな!」
大司教の塔へ
南から吹く強い風によって、着ている服を幾度も吹き飛ばされそうになりながら、パーティは〈大司教の塔〉へ至る泥濘の街道を進んでいます。
暗い雲が峡谷の上空を占め、ヴァンガード山脈の頂きは、灰色の雲の中に隠れてしまっています。パーティが曲がりくねった峡谷を進むにつれ、冷たい雨が強くなってきます。大きな曲がり角の先に出ると、〈大司教の塔〉がパーティの前に現れます。
大司教の塔──。
かつて、ソラムニア騎士団の“剣”勲爵士団の本部が置かれていたこの塔は、ソラムニアの北部の都市パランサスへ至る道への防衛の要となる場所に位置しています。
今から350年以上前に神の怒り〈大変動〉が起こり、アンサロン大陸各地で、火山が噴火し街を襲い、山は沈み海になり、海は枯れて隆起する天変地異が起きました。
この〈大司教の塔〉も、大きな揺れに襲われて、壁や天井が崩れ、中にいた者は全て死に絶え、神はこの塔を封印してしまいました。
それから長らく塔は廃墟となっていましたが、ソラムニア騎士団のグランドマスター代理グンター卿は、ドラゴン軍からパランサスを守るため、再編成したソラムニア騎士団を中心としたホワイトストーン軍を、廃墟となっていたこの塔に配備しています。
塔は、その先に広がるソラムニア平原の緩やかな起伏を見下ろす様に立っており、塔の壁からは渓谷の出口を塞ぐように側壁が伸び、パサンサスへの行き来を遮っています。その側壁の高さは120フィート以上ありそうですが、塔はさらに高く、1,000フィート以上はありそうな中央の塔を囲むように、8つの塔が立っています。それぞれの塔を結ぶ帳壁には、ちらほらと、ソラムニア騎士たちの姿を見ることができ、雨でずぶ濡れになった騎士団の旗が塔の上から吊るされています。
3つのキャンプが塔のこちら側に張られており、何人かの黒い影がテントの中で動いているのが見えます。
時折、閃光が雲の隙間から煌めいて、雷鳴が轟いて峡谷中を揺さぶります。
DM「というわけで、皆さんは翌日、雷鳴轟く豪雨の中を〈大司教の塔〉に到着しました」
ヴィヌク「早w」
DM「まぁ、パランサスから半日程度の距離ですからね。騎士のブライアン・ドンナー卿が君たちを迎えてくれますよ」
ブライアン「諸君、この天候の中よく来てくれた。イーストウォッチ以来だな」
DM「1ヶ月前まで、彼は南エルゴスのイーストウォッチに派遣されていたのですが、〈ホワイトストーンの会議〉の後に、この最前線の〈大司教の塔〉に派遣されたようです。知ってのとおり、彼とは前の任務で君たちと共に戦った間柄です」
ヴィヌク「久しぶりだな、ブライアン卿。イーストウォッチでは世話になった。だが残念ながら、君のデス・ウォードの分は無いのだ」
PL「最初の挨拶がそれかよwww」
ブライアン「……いきなり何の話だ?」
トビン「ブライアン、久しぶりー! 恋人のリリスは元気?」
ブライアン「リリス――、いや、まだパランサスには戻ってないのだ……。orz」
ヴィヌク「こらこらw」
彼にはリリス・ホールマークという恋人が《パランサスの大図書館》にいます。
原作ではブライアンはタルシスで戦死し、彼女は深く悲しむわけですけども。
このキャンペーンでは、彼は生き残って〈氷壁〉を共に冒険した設定で進行しています。
ブライアン「だが、この〈大司教の塔〉の防衛は重要な任務だ。ここはパランサスへ至る道の最終防衛線だ。ここを守ることが愛する人のいるパランサスを守ることなのだ。だから、僕はここを守ることができることに喜びと誇りを持っている!」
ブライアンは、その決心した目で北方のパランサスを見つめながら、熱く語ります。
フリン「勇ましい坊主じゃのぅ」
ブライアン「そして、この戦争が終わったら、僕は彼女とけっk」
ゴールドムーン「まぁw」
ヴィヌク「はい、死亡フラグ頂きましたw」
ブライアン「コホン。まずは中で話そう。我々の作戦本部がある控壁棟に案内する」
騎士の控壁棟
ブライアンに連れられて、彼らは塔の外壁から突き出た控壁棟に入ります。そこは塔に併設された建物で、現在騎士たちの兵舎となっています。
控壁棟の内部は寒々としていますが、外に比べれば幾分暖かくて清潔で、騎士の制服と鎧を着こんだ男たちが、忙しそうに物資を運んでいます。そのまま彼らは2階へと上がり、大広間へと導いてくれます。
薄暗い大広間には、冠と翡翠(カワセミ)と剣の紋章が描かれた騎士団の旗がつり下げてあって、天井の大きな梁が暗闇の中に消えています。
ヴィヌク「敵はすぐ近くまで来ているのか? 状況を聞かせてくれ、ブライアン」
ブライアン「数日前の青竜軍の攻撃に何とか持ちこたえたのだが、指揮官のマーケニン卿が残念ながら亡くなられた。ここに駐屯している騎士団の3旅団は補充兵を入れても、もう約300人程度しかまともに戦える者はいないのだ。おそらくスパイは手薄な警備の隙を突いて、この塔を超えたのだろう」
フリン「ドラゴン軍は多いのか?」
ブライアン「“青の女卿”率いる青竜軍が2個師団、こちらの数倍の規模で、占領された南東のヴィンガールド要塞に陣を置いているようだ。数日前の攻撃では、ドラコニアンやコボルト、オーガ、人間の戦士の他、死者の軍団、そして青いドラゴンもいた!」
ラド「よく守り通せたな」
ブライアン「多くの騎士たちの尊い犠牲があってのことだ。斥候からの情報では、青竜軍は今、南のゼルガールド要塞を襲っているらしいが、数日ほどでこちらへ向けて再度進軍が開始されるだろう。ここにいる者たちの中には、パランサスに家族がいる者も多く、彼らを守るために僕たちは死力を尽くして戦う覚悟は持っている。しかし、このままでは正直耐えられるかどうかわからない」
張り詰めた表情で彼は続けます。
ブライアン「だが、希望はある。竜に対抗できる武器、〈ドラゴンランス〉の量産が開始されたと聞く。それが来るまで、この塔を守り通すが僕らの任務なのだ!」
ここでパーティは、アスティヌスから聞いたドラゴン軍の情報と、塔に眠る謎についての話をします。
ブライアン「なるほど。塔の謎を解けば、青竜軍に打ち勝つ力が手に入るかもしれないのだな。確かに塔の2階より上は、不思議な力により〈封印〉が施されていて我々ですら立ち入ることができない」
ヴィヌク「アスティヌスがいうには〈まことの神〉の祝福を受けた者のみが塔の封印を超えることができると聞いた。君も俺たちとの冒険で、神の祝福を受けているはずだぞ。ブライアン、君も一緒に行こう。デス・ウォードないけど」
ラド「うはw 鬼だw」
ブライアン「ふむ。その話を聞いて、僕も行くことができるなら行ってみたいと思う。だが、僕には塔を守る任務がある。それに、仲間の騎士は塔の幽霊を恐れて中に入ろうとしない。僕がいないと指揮する者が不足する」
夕食の時に聞いたブライアンの話によると、塔の封印のため、彼らは騎士達が生活する控壁棟と、塔の中庭、塔の2階にある3つの寺院、及び、塔の周囲を囲む胸壁しか出入りすることが出来ず、塔の本体の内部には立ち入ったことはないそうです。内部に入るドアには〈封印〉をされて閉ざされており、殆どの騎士たちは、幽霊の話や、聖地を冒涜してしまうことを恐れ、無理に入ろうとも思っておりません。
ブライアン「塔の探索は、君たちに任せようと思う。幸い、ドラゴン軍が進軍するまでに数日かかりそうだ。それまで僕らが塔を守っているので、君たちは落ち着いて塔の謎を解き明かして来てくれ。上の階に寝室を用意した。今日はゆっくり休んで欲しい」
パーティはその後、3階に案内されます。
寝室として用意された部屋は調度品などが用意されてはいますが、冷たい石の壁からは外の冷気が伝わってきて寒々としています。机とイスが部屋の中央に見え、毛皮のベッドが奥に用意されていることがわかります。
ラド「とりあえず、部屋を漁ろう」
ヴィヌク「寝ないのか?」
ラド「いや、ゴーストタッチのウェポンが壁にかかってない?」
DM「ないないw」
トビン「まぁ、ケンダー的には、万が一騎士たちが貴重品などを忘れていってないか、調べておく必要があるね。とりあえず棚とか調べるよ、コロコロ。〈捜索〉の達成値28で」
フリン「何か見つかったかの?」
DM「そうですね。壁に側のチェストの中に古びた太鼓を発見しましたよ」
フリン「じゃ、ワシが叩いてみる!」
トビン「ちょw」
突然、部屋の明かりが消えたかと思うと、彼らの前に半透明の青白い人影が現れます。
PL「出た―w」
ヴィヌク「アンデットか!?」
DM「彼は戦士の亡霊のように見えますが、攻撃する意図は無いようで両手を挙げていますよ」
ゴールドムーン「私、話しかけてみます。あなたは誰なの?」
亡霊「我は、ソラムニア騎士団、〈剣〉爵勲士団が騎士。お前はミシャカルの使徒か」
ゴールドムーン「はい、私たちは、ドラゴン軍の脅威から、パランサスを守るため、この塔にやってきました」
亡霊「聞け。ソラムニア平原に邪悪な者たちが集結し、塔に危機が迫っていることを感じる。塔に束縛されている我らの力を解放し、奴らに対抗せよ。塔は封印されているが、お前のようなまことの癒し手がいれば、塔がお前たちを迎えてくれる」
フリン「そうじゃ、ワシら、ドラゴン軍と戦うために、塔を探索するのじゃ。お主は、何か塔について知っておるか? カスの間や影の間とか宝物庫の場所は、知っていないかの?」
亡霊「塔に眠る力をお前達に委ねよう。聞け。影の間は塔の2階にある。宝物庫は5階、カスの間は12階、英雄の間は14階にある。小さき者よ。そこの棚に、役に立つものが見つかるはずだ」
ヴィヌク「影の間って、アスティヌスが言っていたドラゴンオーブの場所だよなw」
トビン「ん、それってこの古い地図のこと?どうやら塔の地図のようだけど」
ラド「スゲー、一体何部屋あるんだ、この塔!?」
リヴァーウィンド「おい、貴様の魂が、ここに長く束縛されているのは何故なのだ? 神の元に何故いけないのだ?」
亡霊「我らの上官のヤルス殿の魂が、ここに捕らわれている限り、我らもここに捕らわれている。何故、神がそうされたのかは我らにもわからないが、何か故あってのことだ。我らの名誉がここにある限り、我らが魂もここにある」
そう言い残し、騎士の亡霊は消えて行きました。
影の間
翌朝、彼らはブライアンに昨晩の出来事を伝えました。
ブライアン「そうか、君たちも出会ったか。以前、数人の騎士から亡霊を見たと報告があるのだ。彼らは畏怖し、話しをしたりはしなかったらしいが。伝説では信仰心ある者たちが塔の壁を守る限り、塔は決して落ちないといわれている。どうやら青竜軍に打ち勝つ力が本当に塔には眠っているのかもしれないな」
騎士の控壁棟の前の広場から塔の門へ向かいます。
彼はパーティを塔の封印まで案内をしてくれます。
塔の黒い門は高さが50フィートほどあり、敵軍の襲撃に歯向かう様にそそり立っています。門は塔を囲むように何か所もありますが、その全ての門の扉が鋼鉄製のプレートで内側からロックされており、中庭への外敵の侵入を遮断しています。ブライアンが幕壁の見張りに合図を送ると、1分ほどで扉が開きはじめました。
中庭を抜けて主塔の前まで導かれます。そこには、長い年月を重ねて錆び付いた大きな鉄の落とし格子が、塔の入り口への通路を塞いでいました。
その鉄の落とし格子の向こうには、様々な彫刻が立ち並ぶ大きな玄関ホールが見えています。
ブライアン「ついたぞ。この鉄格子には魔法がかかったように不思議な力で封印(シール)が施されており、僕らはこの鉄格子より先に立ち入ったこ――ぇえ!?」
しかしゴールドムーンが入り口に近づいた瞬間、どこからか錆び付いたリフトの軋む音が聞こえ始めます。突然、入り口のホールに鳴り響き出したその音にブライアンは驚いて声を詰まらせます。そしてゆっくりと、目の前の何百年も動くことの無かった落とし格子が、ギシギシ音を立てながら上がっていくではありませんか!
ゴールドムーン「今、私達のために塔への道は開かれました。さぁ進みましょう、神に導かれるままに」
主塔の玄関の内部は十分広い大きさですが、塔の中央に向かう通路の両側には、奇妙な形の鋭い牙のような鉄の柱が、対になって奥に向かって並んでおり、奥に行くに従って、段々と通路の幅が狭くなっています。その先には上下にかみ合うようになった落とし格子があり、大きく穴が穿っている中央部をくぐり抜ければ、さらに先へと進めそうです。
トビン「玄関なのに、変な作りになっているね」
ブライアン「塔の入り口は、ドラゴンを塔の中央に誘い込み、身動きを取れなくするような仕掛けが施されていると聞いたことがある。鉄板は、その仕掛けらしいぞ」
トビン「へー、面白そうw」
ブライアン「では、僕はここまでだ。探索の成功を祈っているよ」
トビン「ありがとう、ブライアン! さて、まずはドラゴンオーブがあるという影の間に行くんだよね」
フリン「そうじゃの」
トビン「この地図によると、この部屋の右手の入り組んだところに隠し扉があって、どうやらそこから2階に上がれそうだよ」
地図のマークがある個所の壁を念入りに調べると、やはり隠し扉が見つかりました。その先の階段を上がり、影の間の前までやってきます。
トビン「この先の部屋の中にオーブがあるらしいよ」
ヴィヌク「おお、近いな」
トビン「地図にSの字が書いてあるので、向こうの壁に隠し扉(シークレットドア)がありそう。そこからたぶん中に入れると思う」
フリン「地図は便利じゃのう。よっぽど部屋の状況説明が嫌なDMと思えるw」
DM「いや、部屋数50以上もありますが、真面目に探索すると、セッションに何度もかかるのでw」
PL「それはイヤw」
影の間に入るには、部屋の外側の通路を周って、反対側の隠し扉から入らなければなりません。
しかし、影の間の外壁を見ると、通路を通り侵入するものを攻撃するためのアロースリットが幾つも確認できます。
フリン「このあたりに足跡とかないかのう?」
トビン「コロコロ、〈追跡〉判定、達成値15」
フリン「ワシは7じゃ」
DM「特に足跡などは見つかりませんね」
ヴィヌク「では英雄的行為として、罠を恐れず堂々と通路を歩いていきましょう」
DM「英雄ですかw 確かに以前、このシナリオの章ではプレイヤー・キャラクターの英雄的行為が騎士団の士気に関係してくると言いましたが……」
フリン「いやこれ、愚かな行為では──」
ラド「余計なこというなw」
PL「www」
リヴァーウィンド「ちょっと中の様子を窺ってみよう。俺の英雄的〈聞き耳〉の達成値27」
DM「影の間の中で、何かがカタカタと動いている音がしており、中に何者かいる気配がします」
ヴィヌク「ひょっとして、オーブの守護者か?」
ラド「俺も英雄的行動でメイジ・アーマーを自分にかけておくよ。AC+4ね。あとプロテクション・フロム・イービルも」
ヴィヌク「俺も英雄的に、サークル・オヴ・アゲンストイービルをかけておこう」
トビン「では、ボクも先に英雄的〈忍び足〉で隠し扉の所まで行って、英雄的〈捜索〉を行うね!」
DM「何も見つかりませんね。てか英雄的いい加減にしろ!」
PL「www」
トビン「そんなバカな。ここ隠し扉なんだって! もう一度〈捜索〉して……コロコロ。あれ?見つからない。おかしいな、きっとこの地図間違っているんだよ!」
ラド「じゃ、俺が〈捜索〉の達成値23w」
DM「見つかりますね」
ラド「ほら、あるじゃないかw」
トビン「(´・ω・`)ショボーン」
ラド「とりあえずシークレットドアを見つけたので――」
フリン「誰が開けるのじゃ?」
ヴィヌク「俺が開けますよ、英雄的に!」
フリン「あ、いや、ワシが!ワシが英雄的に開けるんじゃ!」
トビン「英雄的に中を見るw」
DM「もういいから!」
ミニチュアを並べ出すDM。やはり部屋の中の者との戦闘があるようです。
PL「ですよねーw」
DM「影の間ですからねー、影。扉を開いた先は真っ暗ですが、何かが蠢いていますよ」
ゴールドムーン「〈知識〉判定します。〈知識:宗教〉で達成値26」
DM「グレーター・シャドウですね。中型サイズのアンデットで文字通り、人の影のような形をしています。また非実体なので、壁をすり抜けたりすることができ、シャドウへの通常の攻撃は50%の確率で外れます(50%ミスチャンス)。さらに特殊攻撃は相手の【筋力】にダメージを与える接触攻撃で、【筋力】が0にされると1d4ラウンド後に、シャドウになって蘇ります」
フリン「非実体か! 厄介な奴らじゃ。ポッチ、気をつけるのじゃぞ!」
トビン「あれ?ポッチも来ているの?」
ラド「犬がシャドウになるなw 飼い犬に手を噛まれるとはこのことw」
DM「(まぁシャドウになるのは人型生物だけなんだけどな)」
フリン「ぽ、ポッチは後ろに下がらせておくのじゃ」
ラド「攻撃の邪魔だけはしないでくれよw」
戦闘開始です。
ラド「さて、どうしよ」
ヴィヌク「仲間にデス・ウォードかけたほうがいいね、近接接触なのでゴールドムーンと手分けして。それともターン・アンデットの方がいい?」
ラド「うーん、任せる。どうせ非実体なので壁抜けしてくるから、俺は前に移動して手前のシャドウにマジックミサイルだ、コロコロ。ダメージ19点!」
ラドの放つ魔法の銀色の矢が、部屋の中にいた黒い影のようなものに次々と突き刺さります。
ゴールドムーン「では、私はリヴァーウィンドにデス・ウォードをかけましょう」
リヴァーウィンド「ありがとう、ハニー」
ラド「クソ!パーティ内でイチャイチャしやがって!」
ヴィヌク「夫婦ですからw」
リヴァーウィンド「では俺は全力移動で、部屋の中に入り込んで前に出て、囮になろう」
トビン「僕はラドが攻撃した敵に、シザックで矢を撃つよ、2回攻撃でAC28命中、AC13命中。でも非実体だから50%ミスチャンスの分で、コロコロ。片方ハズレ。ダメージは4点。で5フィートステップして前に出る」
ヴィヌク「そういえば、ケンダーのお馴染みの武器、フーパックはどうしたのだ?」
トビン「あぁ、アレはダメージがショボイんで、パランサスの市場で、もう少しマシなシザックに変えたよ」
ヴィヌク「シザック?」
トビン「これもケンダーの武器の1つなんだけどね。水汲みに狩りに演奏まで、何でもできるよw」
【シザック】
シザックはケンダーの伝統武器のひとつで、水を運ぶための担い棒に端を発し、次第に多機能武器として発展しました。
弓の上下の終端は刃が付いており、それを剣のように用いることができる他、ショートボウとして中心の窪みから矢を放つことが可能です。
もちろん、水のバケツや他のものを運ぶために使用することができ、さらに弓の弦を引く事によって、天然の弦楽器のように音を鳴らすことができます。
機能:
シザックはショートボウ(矢が必要)、またはスモール・サイズの双刃武器として攻撃することができます。
ヴィヌク「俺も、デス・ウォードを自分にかけて前進」
ラド「待っていても、しょうがないもんな」
フリン「ワシは、フロスト・グレートアックスを手放して、移動しながらシーキング・コンポジット・ロングボウを構えて撃つかの。AC23まで、じゃが50%ミスチャンス分でハズレ」
シャドウのような触れることができないクリーチャーに苦戦しています。
人の形をした黒い影が、スーッとヴィヌクに迫ると、黒く冷たい手で彼の肩に触ります。
DM「シャドウはヴィヌクに近づいて接触攻撃。接触AC18で命中。筋力ダメージダメージ3」
ヴィヌク「デス・ウォードは[即死]呪文、魔法的な[即死]効果や生命力吸収などに対して、完全耐性を得るので、ダメージを受けない」
DM「チッ、では次の影はリヴァーウィンドに攻撃しますよ、接触21ミス、接触19ミス。当たらない……。orz」
リヴァーウィンド「狙いどおり!」
次は2ラウンド目です。
ラド「よし、ヘイストの呪文をワンドからかけるぞ。俺と――リヴァーウィンド、フリン、ヴィヌク、それからトビンに!」
トビン「やったー!」
【ヘイスト】
ウィザード呪文レベル3の変成術呪文。
目標は加速状態となり移動速度が上がり、全力攻撃の際の攻撃回数が1回追加され、攻撃ロールに+1、またACと反応セーヴに+1の回避ボーナスを得ることができます。
ゴールドムーン「ここはやはり、ホーリィ・スマイトでまるごと――」
ヴィヌク「ホーリィ・スマイトキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
トビン「リヴァーウィンドを中心にすればいけそう?」
フリン「幸い、ワシら中立(ニュートラル)組は後ろに下がっておるしのw」
ラド「なるほどw」
フリン「旦那が囮になり、そこにホーリィ・スマイトをぶち込む。良い作戦じゃw」
トビン「何故か旦那が盲目になったりしてw」
ラド「旦那を信じて呪文を唱えるw」
リヴァーウィンド「俺は善(グッド)属性だ!」
【ホーリィ・スマイト】
クレリック呪文レベル4の力術呪文。
この呪文の効果範囲にいる中立か悪のクリーチャーは、術者によって呼び降ろされた聖なる力による攻撃を受けます。
意思セーヴに失敗した悪のクリーチャーはダメージの他、1ラウンドの間盲目になりますが、中立のクリーチャーはダメージが半減し、盲目にもなりません。
ゴールドムーン「では、セーヴ難易度18・意思でセーヴを。失敗するとダメージ20点で、成功は半減ダメージ」
DM「1体目セーヴ成功、2体目成功、3体目失敗、4体目成功、5体目失敗、6体目成功、7体目成功」
ミシャカルの聖なる光が、ゴールドムーンの掲げたメダリオンから放たれると、人型の黒い影の生き物は、まるで灼熱の炎を浴びたかのように苦しみ始めます。
リヴァーウィンド「今がチャンスだ! 一番ヒットポイントが減っている奴にフルアタック! ロングソードで3回攻撃。1回目出目1、2回目AC15まで命中、ヘイスト分の3回目も命中! 50%ミスチャンスチェックで――うぁ、両方ともハズレでした。すんません」
トビン「あらら、でもこれからだよ! ボクは遮蔽越しに攻撃3回。コロコロ、最初の1回だけAC19命中だけど、50%でミス orz」
フリン「手強いのう」
ヴィヌク「俺は接敵している奴に攻撃。1回目命中(50%失敗)、2回目は出目1でハズレ、3回目は命中(50%成功)ダメージ7点!」
フリン「ワシも行くぞ! 近くの敵に精密射撃じゃ! AC20命中(50%失敗)、AC23命中(50%成功)ダメージ12点、AC18命中(50%成功)、AC18命中(50%成功)ダメージ14点、最後AC7ミス――、以上!」
シャドウはヴィヌクとリヴァーウィンドには攻撃が効かないと気づいたのか、残りの3体が後ろのトビンやフリンたちの方に移動してきます。
リヴァーウィンドとヴィヌクが、すれ違い様にそのうちの1体へ機会攻撃をしかけますが、50%ミスチャンスのため、リヴァーウィンドが8点のダメージを入れただけで取り逃がしてしまいます。
DM「では、フリンに近接接触攻撃しますね。非実体の接触AC20命中?ダメージは【筋力】に2点だよ?」
フリン「メイジ・アーマーで+4、【敏捷力】修正+2、ヘイスト+1、グリフォンの鬣のヘルム+1、プロテクションリング+1で計AC19じゃ」
DM「命中したね」
ラド「デス・ウォードは?」
ゴールドムーン「フリンには、まだかけてないです」
フリン「ギャァァ!」
DM「トビンにも攻撃するよ、非実体の接触AC22は?ダメージ2点」
トビン「当たり……うはw 何だかシャドウに【筋力】吸われるとゾクッとするね!」
PL「www」
DM「さらに、フリンにもう1匹が。非実体の接触AC23命中。ダメージは【筋力】5点」
フリン「ワシ、【筋力】11になったわい。攻撃修正-3か」
ラド「マズくない? マイティ・コンポジット・ロングボウが打てないでしょ、もう」
フリン「何じゃと!?」
【コンポジット・ロングボウ】
複数の材料を使用して強度を増したロングボウ。
通常のロングボウと違い、【筋力】ボーナスをダメージに追加できます。しかし、武器に定められた【筋力】を下回る者が使用すると、攻撃ロールにペナルティを受けます。
手前にいた数体のシャドウは、そのままヴィヌクとリヴァーウィンドに襲いかかりますが、彼らは冷静に攻撃をかわします。
ヴィヌク「受けた能力値ダメージを全快するには、レストレーションが必要だな。レッサー・レストレーションしかないでしょ?」
【レストレーション】
クレリック呪文レベル4の召喚術呪文。
受けた負のレベルを1レベル回復させたり、吸収された能力値を全回復させたりする呪文です。
レッサー・レストレーションの方は、能力値を1d4ポイント治すことができますが、吸収された能力値までは治すことができません。
ゴールドムーン「はい……今日は覚えていません」
ラド「マズイな。[力場]属性のファイアボールが撃つことができれば、早く片付けることができるのだが。とりあえず、マジックミサイル・ワンドで1体を落とす。コロコロ、ダメージ17点。1回135スティールの銭投げw」
マジックミサイルが命中したシャドウは、悲鳴を上げながら、空気を切り裂くような音と共に消えていきました。
ゴールドムーン「私は5フィートステップして、デス・ウォードをフリンにかけます」
リヴァーウィンド「俺は手前の手負いの敵に集中攻撃。AC21命中(50%成功)ダメージ10点。2回目AC17命中(50%失敗)、3回目AC10ミス」
トビン「ボクも続けて攻撃。5フィートステップして接敵してシザックで斬りつける。英雄的に!」
ヴィヌク「また怖いことをw」
ラド「ヴィヌク、ケンダーに何を言っても無駄だ(肩に手を乗せてw)」
トビン「攻撃AC23(50%ミス)、攻撃10ミス、攻撃AC27(50%命中)5点。ショボイなぁ」
ヴィヌク「俺も攻撃。挟み撃ちにしてAC28命中(50%成功)ダメージ12点、AC20命中(50%失敗)、AC20命中(50%成功)ダメージ11点」
フリン「ワシは、機会攻撃覚悟でグレートアックスを拾って――」
側にいた2体のシャドウが機会攻撃をしかけますが、デス・ウォードの効果でシャドウの攻撃を跳ね返します。
フリン「デス・ウォード!なんて凄い呪文なのじゃ! よし、拾ったアックスでそのまま攻撃するぞ。ヴィヌクの隣の奴にAC21命中(50%失敗)、ダメじゃ。全然当たらん」
続けてシャドウの攻撃です。フリンに1体が攻撃しますが、命中してもデス・ウォードの効果により無効化されます。
もう2匹には、トビンに攻撃をしかけますが、元々素早いケンダーに攻撃を当てることができません。
3ラウンド目の開始です。
ラド「俺はトビンの前のシャドウにマジックミサイル。ダメージ18点。よし、倒した!」
トビンの前にいたシャドウが悲鳴を上げて消え去ります。
ゴールドムーン「私はターン・アーンデットをしてみます。退散判定で11なので、私のレベルと同等の敵までターン成功!2d6して【魅力】修正を加算して、18HD分までターンさせます」
【ターン・アンデット】
全てのクレリックは聖印などを通して、自らの信仰の力を放出することにより、アンデット・クリーチャーに作用するパワーを行使できます。
善のクレリックはアンデットを退散または破壊することができます。
メダリオンを掲げるゴールドムーンの手前にいた2体のシャドウが逃げ出します。
リヴァーウィンド「よし、勝算が出てきた。攻撃継続、AC17命中(50%成功)ダメージ13点。AC10ミス、AC15命中(50%成功)ダメージ15点。1匹撃破!」
トビン「ボクはシザックで矢を撃つね。前の方の敵を攻撃。AC27命中(50%失敗)、AC10ミス、AC25命中(50%失敗)……。当たらないよ。orz」
ヴィヌク「俺も攻撃!1回目命中(50%成功)ダメージ13点、2回目命中(50%失敗)」
フリン「ワシも移動して目の前のシャドウに殴るぞ。AC19命中(50%成功)ダメージ12点!」
少しずつですがシャドウに対してダメージを与えていくパーティたち。
それに怯んだのか、ゴールドムーンのターンによって逃げだしたシャドウを追って、もう1体のシャドウも部屋から逃げて行きます。
残りのシャドウは、フリンとリヴァーウィンドを襲いましたが、デス・ウォードの効果でダメージを受けません。
DM「急に強気になりましたねw」
ラド「では、まだ残っている手負いの奴にマジックミサイルね。ダメージ15点、135スティール!倒した!」
DM「いや、金額はいいですからw」
続いて、リヴァーウィンド、トビン、ヴィヌクが残りのシャドウを倒し、何とか敵を全滅させました。
ラド「ふーっ。一番敵を倒したのは、この俺だからね」
PL「www」
ヴィヌク「敵を倒して、どんどん騎士団の士気を上げよう!」
DM「士気が高いほど、後で色々有利になってきますよ」
ヴィヌク「大丈夫です、最後はアングリフの太陽が砕け散って、一気に上がりますからw」
PL「www」
フリン「ワシの能力値ダメージを治してくれんかの?」
ゴールドムーン「ではレッサー・レストレーションでコロコロ、【筋力】が2点回復しました」
フリン「【筋力】13、あと5点足りぬ」
ヴィヌク「で、どうする? 能力値ダメージを受けたまま英雄的に探索するか?」
フリン「ワシの攻撃力が大分下がっておるが、パーティの皆に迷惑がかからないなら、この老体に鞭打って……」
トビン「それ、暗に休みたいっていっているんだよねw」
PL「www」
DM「ではフリンは、急に胸の辺りを押さえます。ファイアフォージ家に伝わる心臓病の発作がですね」
フリン「え?」
ヴィヌク「いや、今DMからトスが来ましたよ。ロールプレイをしろって指令がw」
トビン「フリン、大丈夫? 顔が青いよ!」
フリン「え、えっと……、いや大丈夫じゃ――」
PL「www」
ゴールドムーン「ではこの部屋のドラゴンオーブを探して、一度騎士団のキャンプに戻りますか?」
DM「一番冷静だw」
部屋には中央に祭壇があり、その上に何かが布でくるまれています。
トビンが調べながら布を取ってみると、直径10インチ程度の水晶が、万物にして無色に光り輝きながらその存在を示しています。
ラド「間違いない、ドラゴンオーブだ!」
トビン「使ってみる?」
ラド「いや、オーブは意思を持っていて、下手に力の無い者が使おうとすると支配されると聞く」
フリン「そんな危険な物なのか!」
トビン「じゃ大人しくしてろ!って感じでとっととハバサックに入れるよ」
ゴールドムーン「では戻りましょうか?」
ラド「俺は英雄的にはまだいけるぞw」
ヴィヌク「呪文もまだ残っているし、大丈夫だと思う」
トビン「ボクもちょっと【筋力】が減っているけど、大丈夫」
フリン「ワシは――」
DM「大丈夫ですよねw」
フリン「ええい、大丈夫じゃ!さぁバカ犬、行くぞ。重っ!お前また太ったな」
ポッチはフリンに抱っこされています。
トビン「ポッチ、なんか黒くなってない?w」
ラド「シャドウに甘噛みされて【筋力】が減って、シャドウ化してたりしてw」
フリン「ぽ、ポッチは黒くないわい!」
PL「www」
結局、彼らは残っていたデス・ウォードを全員にかけて冒険を続行することになります。
宝物庫のガーディアン
トビン「地図を見ると、2階から4階まで同じ螺旋階段で上がって、そこから別の螺旋階段に乗り換えれば、宝物庫のある5階までいけそうだよ」
地図を持ったトビンに言われるまま、パーティは回廊を進んで行きます。
4階のキッチンで肉切り包丁を持ったコックの幽霊を見かけたりしましたが、うまく逃げ切り、そして螺旋階段を乗り換えて、5階までやって来ました。
トビン「地図には、この階の中央のホールに浮島みたいな部屋があるみたい。宝があるなら、たぶんここだよ!」
ヴィヌク「さっきのように狂った幽霊に追いかけられるのは、もう勘弁してほしいなw」
四方へ無限に広がる不思議な回廊を、あっちだこっちだとケンダーが導くまま進むと、やがて広い部屋に出ます。
部屋は、壁に取り付けられた光を放つ球体によって照らされて明るく、左右の壁にはアルコーブが見え、それぞれ鋼鉄製の大型の像がその光に照らされて不気味な緑色に染まっています。そして像の背後には見事な翡翠(カワセミ)の彫刻が彫られています。
ヴィヌク「〈聞き耳〉をしてみよう、達成値11」
DM「特に物音は聞こえないですよ」
ゴールドムーン「宝を守護するゴーレムでしょうか?」
ラド「〈知識:神秘学〉で達成値35。あれはアイアン・ゴーレムだな!」
DM「そうですね。毒やガス、魔法に対する完全耐性を持っていますよ。ダメージ減少はアダマンティン15」
トビン「DR15だって!?アダマンティン製の武器なんて持って無いよ!クリティカルしないと抜け――」
ヴィヌク「そもそも、ゴーレムはクリティカルしないから!」
フリン「どうするんじゃ、これ」
その時、パーティの頭に、何かの声が聞こえて来ました。
ゴールドムーン「待って、何か声が聞こえるわ」
トビン「ホントだ」
声『3つの騎士団の名を応えよ』
ラド「何だ、合い言葉か。簡単だな」
ヴィヌク「剣!」
トビン「薔薇!」
ゴールドムーン「冠!」
その途端、翡翠の彫刻が白く輝き始め、アルコーブ自体が不思議な力を帯びて活性化し始めました。
DM「ラドには、これがテレポーターだとわかりますね。どこかに転送されます」
ゴールドムーン「ゴーレムを退かせば、入れそうね!」
ラド「まず俺たちのレベルではゴーレムには勝てないから。どうにかして奴らを退かして入るしかないね。ウェブとウォール・オヴ・フォースの呪文で足止めしている隙に、あの中に飛び込むしかないかな」
トビン「よし、僕が囮になるよ!」
リヴァーウィンド「俺も協力しよう、移動して右のゴーレムを全力防御しながらおびき寄せる!」
トビン「僕は左のだ! 《ヒロイック・サージ》で移動2回(ダブル・ムーヴ)して、防御専念! さらにゴーレムに回避指定!」
ゴールドムーン「私は移動して様子見」
フリン「ワシにはポッチを置き去りにすることはできんのでワシに続け!という」
DM「戦闘中は主人の言うことを聞くかどうか〈動物使い〉の技能判定でお願いしますね。(^_^)ニコニコ」
フリン「〈動物使い〉!? そんな技能を取得してないぞ!」
DM「頑張って下さいw」
ヴィヌク「何だか面倒なことになっているなw」
ラド「連れてこなきゃいいのにw」
フリン「何じゃ、可愛いペットがこんなペナルティになるとは……コロコロ、出目3」
PL「www」
ラド「〈動物使い〉の使用は移動アクション相当だから、(標準アクションを使って)もう1回できますよ」
フリン「もう1回! ポッチ、ついてこいと言ったじゃろうが! コロコロ、出目8」
DM「ポッチはラドの方にハァハァと息を切らしてついてきますよ。どうやらラドのローブの色に興奮しているようですw」
ラド「寄るな! クソ犬w」
フリン『ポッチ!』
PL「www」
パーティが部屋に入ると、アイアン・ゴーレムが侵入者を発見し動き出します。
ドスン、ドスンと重い足音を立て、2体のゴーレムがリヴァーウィンドとトビンの前までやってくると、大人の体ほどもある腕を彼ら目がけて振り下ろします。
DM「右のゴーレムがリヴァーウィンドに攻撃、AC27まで命中。ダメージ23点」
リヴァーウィンド「くっ!」
DM「左のゴーレムはトビンに攻撃、AC34まで命中、ダメージ21点」
トビン「痛たたw さすがにAC34はキツイね」
ヴィヌク「俺は、移動してリヴァーウィンドにキュアを打っておくか。16点回復だ」
リヴァーウィンド「すまん」
ラド「では、まずリヴァーウィンドの方から足止めするか。ウェブを撃たないと――」
ヴィヌク「トビンの方大丈夫?」
トビン「今AC31あるんだけど、敵の攻撃ロールは34が普通に出ていたからね。まぁ、フルアタックさえ受けなければ大丈夫だと思う」
ラド「しょうがない、トビンの方から片付けるか。移動して、トビンの前にウェブ」
トビン「え、ボクも効果範囲に入るの?」
ラド「成功してね」
DM「敵はセーヴ失敗しましたよ」
トビン「反応セーヴ達成値30、成功したみたい」
【ウェブ】
ウィザード呪文レベル1の召喚術呪文。
半径20フィートの効果範囲内に、何層にも重なった強靱な粘着性の糸の塊を作り出し、中にいるクリーチャーを絡め捕ります。
反応セーヴに失敗したクリーチャーは“絡みつかれた状態”となり、移動は難しくなる。
ラドが呪文を唱えると、ゴーレムとトビンを包み込むようにその一面が粘着性のある蜘蛛の糸で包まれます。
DM「あ、ポッチはラドにワンワンとついて来ますよw」
ラド「……」
リヴァーウィンド「俺は一歩下がって、防御専念してターンエンド」
トビン「ボクの番か。ここから出ないとな。〈脱出術〉を使うかな。ウェブの中では達成値が10を5上回る毎に一歩動くことができるので、コロコロ。21だから、二歩動いてウェブの範囲から脱出を――ってポッチが邪魔だよ! 一歩しか動けない!」
フリン「ハハハ、ポッチが超絶妙なトラップになっとるわいw」
トビン「飼い主のアンタが言うなよw」
ゴールドムーン「私は、トビンの隣に移動して回復しますね。キュア・シリアス・ウーンズ。22点回復です」
トビン「やった回復全快」
フリン「ワシは、ポッチに見捨てられたので一人で移動しますじゃ」
PL「www」
フリン「全力移動して、テレポーターの前で待機じゃ」
ヴィヌク「そういえば、どちらのテレポーターが正解なのだ?」
ラド「2つとも異なる場所に出るだろうな」
フリン「ええい、右側じゃ!」
トビン側のゴーレムはウェブの中にいて、運よく【筋力】判定に失敗し、蜘蛛の糸に絡まれた動くことができない様です。
もう1匹は、リヴァーウィンドやヴィヌクに向かって口から毒のブレスを吐いてきました。
DM「二人は頑健セーヴをよろしく」
リヴァーウィンド「頑健27、成功!」
ヴィヌク「頑健24、成功」
どうやら二人には効果がありませんでしたが、そのままリヴァーウィンド目がけて鋼鉄の腕を振り下ろしてきます。
DM「ゴーレムの攻撃ね。リヴァーウィンドにAC28まで命中。ダメージ27点」
リヴァーウィンド「くっ!」
ヴィヌク「俺は移動して――もうテレポーターに飛び込んでいい?」
ラド「右側のゴーレムはウォール・オヴ・ストーンで囲むつもりだから大丈夫だよ」
ヴィヌク「うーん、よし。囲むって事なら、移動するのでゴーレムから機会攻撃下さい」
DM「ゴーレムはヴィヌクに攻撃します。AC38まで命中、ダメージ23点」
ラド「では俺の番か。ウォール・オヴ・ストーンで右のゴーレムを囲もう。厚さ半分にすると2倍の面積が取れのだが、あっという間に崩れるので、通常の厚さで。高さは30フィートまで伸ばして敵を上から包むように」
【ウォール・オヴ・ストーン】
ウィザード/クレリック呪文レベル5の召喚術呪文。
石の壁を作り出す。
たちまち右のゴーレムがラドの呪文によって石の壁に包まれてしまいます。
ラド「で、そのままテレポーターに飛び込もうか。いや、ちょっと前で皆を待とう」
リヴァーウィンド「俺も、この位置からだと飛び込もうとすれば飛び込めるな。だが、ゴールドムーンより先に行くのはw」
ヴィヌク「順番を遅らせればいいじゃないかw」
ゴールドムーン「飛び込むときは一緒よーって?(;・∀・)」
トビン「いや、変なところでロールプレイしてないで、さっさと飛び込んでよw」
フリン「そうじゃ、後がつかえてるのじゃからw」
PL「www」
トビ「ボクは、再び全ラウンド・アクションで〈脱出術〉。あれ、失敗……」
フリン「何じゃと?」
ヴィヌク「これは火をつけて蜘蛛の糸を焼くしかないな」
トビン「え!?」
ゴールドムーン「では火打石を取り出してっと、トビンの周りに火をつけます。2d4で5点のダメージ」
トビン「あちっあちっ!」
リヴァーウィンド「トビン、俺のお下がりのレジスト・エナジー・ファイアのリングがあるはずだ」
トビン「そういえばそうでしたw」
フリン「では、ワシが一番に入るぞ!」
テレポーターの中に飛び込んだフリンの姿が消えて行きます。
リヴァーウィンド「俺は、テレポーターの近くまで移動して、ゴールドムーンを待とう」
ウェブの中にいるゴーレムは、またしても【筋力】判定に失敗したようで、未だに蜘蛛の糸に動きを封じられています。また、石壁に囲まれたゴーレムは、石壁を壊し始めましたが、見かけ以上に石壁は厚く、苦戦しているようです。
ラド「( ・∀・)イイヨ〜イイヨ〜w」
DM「2回攻撃で18点と22点。石壁の高度は8あるから……まだあと6点ほど残っているな」
ラド「よし俺はもう入るぞ! ついてくるポッチも一緒に!」
ラドの姿がテレポーターの中に消えます。続いて、キャンキャンと声を上げてフリンの犬が続きます。
DM「ところでそろそろ翡翠の彫刻の白い光が弱まってきましたよ。もってあと1ラウンドって感じでしょうか」
PL「えーw」
トビン「じゃ、周りの蜘蛛の巣も焼けて消えたことだし、ボクも飛び込むね。《ヒロイック・サージ》でトリプル・ムーブして入る!」
トビンに続いて、ゴールドムーン、リヴァーウィンド、フリン、そして最後にヴィヌクも入ります。
パーティのいなくなった部屋で、ゴーレムが停止し、翡翠の彫刻の白い光が消えると、部屋に再び静寂が訪れます。
さて。場所は変わって、塔の同一階のとある部屋。
パーティが出現したのは、直径が90フィートほどある巨大な空間でした。
床は部屋の中心から直径20フィートほどしか無く、周囲はずっと下の階まで吹き抜け構造になっています。空間の側壁には北と西と南に出入り口が見えますが、中心の床が浮島のようになっているため、歩いてその出入り口に行くことは不可能の様です。
そして、彼らの目の前には、輝く宝石や鋼貨や金貨、見事な盾や剣などの財宝の山が見えます。
フリン「宝じゃ!」
ヴィヌク「やったな!」
トビン「どうやら、ここは塔の中央の浮島みたいだね!」
ラド「宝か、罠を調べてくれ、トビン」
トビン「じゃ出目20で達成値28。罠無いようだよ!」
ゴールドムーン「とりあえず危険は去ったようですので、私、リヴァーウィンドにキュア・モデレート・ウーンズをかけておきますね。19点回復」
ラド「俺は財宝にディテクト・マジックをしてみよう」
ラドが魔力を感知すると、宝物の中に複数の魔法反応があることが判明しました。
その中には、トビンがパランサスへの航海で船長から貰った司教冠(ミトラ)の欠片に似たものもありました。
戦利品:
・プラチナ貨 56,450枚
・ゴールド貨 255,260枚
・シルバー貨 40,000枚
・スティール貨 52,000枚
・宝石1個(23,500stl相当)
・+3ロングソード ×5
・+2プレートメイル ×5
・+3ヘヴィメイス ×3
・呪文書(ブック・オヴ・インフィニティ・スペルズ)
・司教冠(ミトラ)の欠片
ヴィヌク「すげー」
トビン「この欠片は、僕が探していたものだよ! やった、司教冠の欠片が2つ揃ったw あと1つ!」
フリン「これは軍資金としてワシらで大事に使わせてもらおうかのw」
ヴィヌク「残念ながらこの財宝は元々ソラムニア騎士団が〈大変動〉前にこの塔に運び込んだものだろう。猫糞はマズイぞ」
フリン「じゃじゃぁ、銀貨だけ騎士団に渡そう!」
ヴィヌク「いやいや、我々が使える武器以外は、全額返金するの!」
宝物庫からの脱出
さて。ここでセッションは一旦中断し、続きは次回に持ち越されることになりました。
3ヶ月後、セッションが再開されましたが、今回はゴールドムーン役のふーさんとウィザードのラドのジョウセンさんがお休みです。
お休みの人は連れて来ているけど、基本的に戦いには参加しないルール。
少ない人数の中、彼らは無事塔を攻略できるのでしょうか?
DM「はい、皆さんお久しぶりです。今日は人が少ないですが頑張りましょう」
リヴァーウィンド「ゴールドムーンがいないと回復辛いな」
DM「ゴールドムーンは体調不良で、騎士の宿舎で寝ています。ラドはドラゴンンオーブのことで、また〈上位魔法の塔〉の魔術師たちに呼び出され、ゴールドムーンを送った後に、テレポートの呪文でいなくなりました」
トビン「あ、今日はラドもいないんだった。ラドがいないと範囲攻撃とか無いよ」
フリン「まぁ何とかなるじゃろ」
トビン「そういえば前回、手に入れたブック・オヴ・インフィニティ・スペルズって何なの?」
DM「あれは、ランダムに呪文が書かれている呪文の書で、呪文を使うことができるクラスでなくても使用することができるものです」
【ブック・オヴ・インフィニティ・スペルズ】
マイナー・アーティファクト。
どのようなキャラクターにも呪文を使う能力を授ける本。
しかし、装備していたり、その力を使用したりしている間は、呪文を使うことができないキャラクターは、-1の負のレベルを得ます。
ページ数は1d8+22ページあり、ランダムに呪文が書かれおり、最後のページがめくられると本は消え去ります。
1日1回、所有者は本を開いて魔法をかけることができます(所有者がすでにその呪文を使うことができる場合は1日4回まで)。
DM「えーっと、この呪文の書にはいくつか魔法が書かれているわけですが、ページ数は1d8+22ページと決まっていますので、その範囲で呪文が書かれているわけですね。書かれている呪文は呪文レベルに等しいページ数を消費しますので、注意してください。それぞれのページに何が書かれているかはこれから決めましょう」
DM「まず総ページ数は、コロコロ。26ページですね。最初の呪文は――秘術呪文、呪文レベル7、シュミレイクラム」
フリン「何じゃその呪文は?」
DM「自分のクローンを作る呪文ですよ」
PL「使えねーw」
PL「7ページ分もこの呪文に消えたw」
DM「次も秘術呪文で、術者レベル7、プラズマティック・スプレーですね。これは使えますよ」
PL「しかし、もうページ数の半分以上使ってしまっているw」
DM「続けて……秘術呪文、術者レベル5、ドリーム」
トビン「なにそれ? 寝ている時に夢を見る呪文?」
PL「www」
DM「ええっと、PHBによると、夢でメッセージを伝えることができる……」
PL「……」
DM「遠くのソラムニア騎士団に危険を知らせることができるかも!」
フリン「でも、何だただの夢か、で終わらないのか?」
DM「……」
PL「ダメだ、もうページ数がない――」
DM「お、今度は信仰呪文ですよ。呪文レベル5、トランス・ミュート・マッド・トゥ・ロック」
PL「何それ?」
DM「泥を岩に変える呪文」
PL「ダメだこりゃw」
DM「最後は、秘術呪文で呪文レベル2、ブラーですね」
PL「ブラーか……」
DM「ま、まぁ良いと思いますよ、地味ですけど」
PL「結局使えそうなのは、プラズマティック・スプレーとブラーの2つだけじゃんw」
PL「www」
フリン「……まぁ、ブック・オヴ・インフィニティ・スペルズは騎士団に寄付して、残りの財宝は我々が――」
DM「そんな勿体ない! 術者レベル18のマイナー・アーティファクトですよ! 」
PL「……」
DM「騎士団ってそもそも信仰を失ってしまったから、貴重な信仰呪文をこうやって本に閉じ込めておいたのでしょうね」
トビン「信仰呪文って何が書かれていたんだっけ?」
フリン「トランス・ミュート・マッド・トゥ・ロック」
PL「www」
フリン「これで皆を驚かせるのかの? 奇跡じゃ!おお、泥が硬くなった!とか」
PL「帰れよw」
PL「www」
DM「では騎士団にお金は寄付するってことで」
フリン「しょうがないのう。宝石は23,500stlあるのじゃ、これはワシらで分けよう。大抵のものは買えるぞw」
DM「おいw」
トビン「で、ひとつ思ったのだけど、ここからどうやって降りるの?」
DM「テレポーターで戻る」
リヴァーウィンド「テレポートしたらどこに戻るのだ?」
フリン「ゴーレムがいる部屋」
トビン「逃げてきたんだっけ」
フリン「ダメだ、これ積んどるw」
トビン「(地図によると)この場所は、1階から4階まで吹き抜け構造になっている浮島の様な場所だから、ここから自由落下すれば降りることができそうな予感」
フリン「じゃ、フェザー・フォールよろしく」
DM「その呪文を使うことができるラドは今回お休みですね。急に〈上位魔法の塔〉の枢密会議に呼び出されたのでしょう。きっとパーサリアンにドラゴンオーブの使い方を教わっているのですよ」
PL「んなwww」
フリン「じゃ、先刻の呪文の書のシミュレイクラムでラドを作ればいいんじゃ?」
PL「www」
DM「それは思いつかなかったw まぁ今日はラドがお休みでウィザードがいないし、いいでしょう。彼は呼び出されたときに、クローンを作って去っていったと」
フリン「そうじゃ!このためにw」
【シミュレイクラム】
ソーサラー/ウィザード呪文レベル7の幻術呪文。
この呪文は、雪と氷から対象の生物にそっくりな実体を持った幻を作り出します。
術者の半分のヒット・ダイスを持ち、ヒットポイントが0になると溶けて雪と氷に戻ります。
トビン「ということは10レベルウィザードのラドが本を使ったので、5レベルラドクローンが生まれたってことかな?」
DM「(ブック・オヴ・インフィニティ・スペルズに書かれている呪文は最低術者レベルのスクロール扱いなので、本当は7レベルの術者で3レベルのウィザードということになるのだけど、まっいいか)」
トビン「これで、フェザー・フォールが使えるね!」
フリン「おおw」
ヴィヌク「でクローンの鼻は赤いんですよ」
トビン「いや、それ押しちゃダメだからw」
PL「www」
DM「(PHBを広げながら)あれ、この呪文、発動時間は12時間って書いてますね」
トビン「えーここで12時間も過すの?」
フリン「ワシは、一度宝物庫で眠ってみたかったのじゃ」
ヴィヌク「まぁ、ここは安全でしょ、浮島だし」
トビン「そういえばローラナはどうしているんだっけ?」
DM「アングリフと一緒に、パランサスでショッピング中ですw」
PL「www」
こうして、シミュレイクラムで作成したラドクローンのおかげで、彼らは無事塔の1階までフェザー・フォールで降りることができたのです。
ちなみに持ち帰った宝がその後どうなったかですが、ヴィヌクが+2の魔法のプレートメイルを使うことになった他は、騎士団に寄付する事になるのですが──。
翌日、シャドウに吸われた【筋力】を、ゴールドムーンのレッサー・レストレーションによって回復させ、再び塔に挑みます。
英雄の間
トビン「で、青竜軍が到着するまでまだ時間ありそう?」
DM「まだその気配はなさそうですね」
ヴィヌク「いまのうちに、ミトラの宝冠の欠片の1つと、カスの駒の行方の探索かな?」
フリン「それじゃ出発するかの」
トビン「ラドモドキさん、よろしくね!」
ラドモドキ「御意」
妙に素直な無表情のラドクローンと一緒に、冒険を再開します。
トビン「アスティヌスがミトラの宝冠は英雄の間にあるって言っていたけど、英雄の間ってどこだっけ?」
リヴァーウィンド「騎士の亡霊は14階だと言っていた」
トビン「地図によれば1階の北東の螺旋階段を使えば、14階まで直通で行けそうだよ」
ヴィヌク「念のため俺はマジック・サークル・アゲンスト・イーヴィルの呪文を唱えておくよ、よく考えたらこれって数時間持続するし」
5階まで吹き抜け構造になっており立派な祭壇が設けられている塔の中央の部屋を彼らは通り過ぎ、北側にあるアーチ型の出入り口の先の螺旋階段を昇って行きます。
フリン「ゼイゼイ、はぁはぁ」
トビン「フリン大丈夫?」
ヴィヌク「老体にはこの階段は堪えるかもな。頑張れ、14階までもう少しだ」
リプレイでは一瞬ですが、現実的に考えると、重い鎧を装着したまま建物の14階まで階段で上がるのは至難の業ですね。
パーティは14階に到着し螺旋階段から出て、地図にある中央の柱が幾つも立っている場所に移動します。
その部屋は円形の広間で、地図の通り、石でできた騎士の石柱が広間を取り巻くように立っていました。
トビン「とりあえず、〈聞き耳〉達成値25」
ヴィヌク「俺も、〈聞き耳〉達成値17、〈視認〉達成値18。何か見える?」
静寂に包まれたその空間は、人が立ち入らなくなって数百年が経っており、生き物の気配は全く感じません。
ヴィヌク「何もないな」
フリン「静かなものじゃ。じゃが変じゃの、ここにミトラの宝冠とやらの欠片があるはずなのじゃが」
リヴァーウィンド「石柱以外に何もないぞ」
フリン「ポッチの〈聞き耳〉達成値25。どうじゃ、何か聞こえるかポッチ?」
DM「ポッチは――何も反応しません。ただハァハァ言っているだけです」
PL「www」
トビン「じゃ西の部屋に」
DM「はい、そっちの部屋はダイニングルームになっていて、特に興味を引くものはありませんよ」
トビン「おかしいな。この階の別の部屋を覗いてみるよ」
めぼしい部屋を覗いて見ますが、特に変わったものは見つかりません。
ヴィヌク「面白そうなものは何もないのか?」
DM「ないですねー」
トビン「14階って言っていたのは誰だっけ?」
リヴァーウィンド「確か亡霊が――」
フリン「そうじゃ、奴が14階にあると。もしや、聞き間違えたかのう」
トビン「まさか14階と40階、聞き間違えたというオチでは……てかここ40階もないよねw」
ヴィヌク「では上の階に行ってみるか?」
トビン「一応、石柱を〈捜索〉27で全部調べてみるよ」
石像は、かつて名を馳せたソラムニア騎士の英雄を称えた物のようで、特に変わったところはありません。
リヴァーウィンド「英雄の間というからには、ヒューマの像もあるのか?」
DM「ヒューマの像はないですよ」
トビン「じゃちょっと落書きしちゃえw」
フリン「任せろ、フリン参上って掘っておこう!」
DM「お前らは修学旅行の中学生か!」
PL「www」
ヴィヌク「では、貴重なディテクト・マジックの呪文で辺りの魔力を感知してみる」
DM「コホン。反応なしですね。周りをみても魔力は感知できません」
フリン「英雄の間に宝冠の欠片があるって言っていたのにのう。誰かが持っていったのかのう?」
DM「ちなみに、言い忘れましたが、石柱がある英雄の間は、上の階と吹き抜け構造になっていて、英雄の石柱の外縁を一周するように、上に昇る階段があります」
彼らが上を見上げて見ると、吹き抜け構造になっている上の部屋には壁が無く、外の澱んだ曇り空が見え、冷たい風が入ってきます。またこの部屋の英雄の像が彫られた石柱が上まで伸びて天井を支えています。石柱の外縁を一周する階段は、その上の階まで伸びているようです。
トビン「上、空いてるじゃん!」
フリン「どおりで寒いと思ったわい」
リヴァーウィンド「では上に行ってみるか」
彼らは、英雄の間を左手に見ながら、部屋を一周する様に階段を昇って行きます。
そこは、直径140フィートほどのベランダの様な作りになっており、他に部屋のようなものは無く、全周囲に渡り外の世界が大きく広がっています。
南東にはソラムニア平原が見え、ドラゴン軍のキャンプや陣営まではっきりと見ることができます。
フリン「こっから敵がよう見えるわい」
トビン「でも、まだドラゴンはいないようだね」
ヴィヌク「敵の数はどのくらいだ?」
リヴァーウィンド「かなりの数だ。数だけでは到底勝てそうにないぞ」
想像以上のドラゴン軍の数に圧倒されながらも、彼らはさらに階段を上がり、塔の最上階、16階へと昇っていきます。
フリン「おい、誰かいるぞ!」
塔の頂きで待つ者は
塔の最上階は、直径40フィートほどの円形の屋上でした。
ちょうど中央は高台になっており、黒い巨大なフクロウが、大きなチェストの上に腰をかけるように止まっています。
リヴァーウィンド「フクロウだと!?」
フリン「作り物じゃなかろう?」
ヴィヌク「いや、ヤルスのペットかもしれないぞ」
トビン「あ、そうだ。ラドモドキに聞く!あれ何?」
ラドモドキ「私にはわかりかねます(〈知識:次元界〉失敗)」
トビン「駄目か……」
ヴィヌク「ええっと、近づいて共通語で話しかけてみよう。あなたは何者ですか?」
フクロウ「ホーホー」
ヴィヌク「……」
ヴィヌク「共通語が通じないのかな? では、俺は怖くないよ〜怖くないよ〜と言いながら、コンプリヘンド・ランゲージズの呪文を唱えて、相手に触ります(触れないと効果が発揮できない)」
【コンプリヘンド・ランゲージズ】
ウィザード/クレリック呪文レベル1の占術呪文。
術者はクリーチャーが話す言葉を理解したり、理解できない言葉で書かれた文を読んだりしたりすることができます。
いずれの場合でも、クリーチャーや書面に接触しなければなりません。
フクロウ『ホーホー。君たちは何者だ? 何をしにやって来たのだ?』
ヴィヌク「私はソラムニア騎士のヴィヌクと申す者。我らの目的はドラゴン軍の脅威からこの塔を守り、パランサスへの侵攻を止めること。そのために我々は塔の秘密を解き奴らに打ち勝つ力を探しています、と共通語で話す」
※ コンプリヘンド・ランゲージズは相手の言葉を理解することができるだけで会話はできない
ヴィヌク「あなたは、何故こんなところにいらっしゃるのですか?」
フクロウ『ホーホー、私は邪悪なものから塔の秘宝を守っているのだ』
フリン「おーよかった! ワシら邪悪の反対じゃよ!」
トビン「いや、フリンが言っても説得力ないよw」
ヴィヌク「そうですか(よかった、こっちの言葉は理解してくれているようだ)。今、この塔は邪悪なドラゴン軍の脅威に晒されているのです!」
フクロウ『ホーホー。知っている。私のこの目はどんな夜の闇をも見通すために存在する』
リヴァーウィンド「高貴なるフクロウよ、我らはあなたに危害を加えるものではないことは確かだ」
フリン「そうじゃ、高貴なるフクロウ殿。ワシらも高貴なる目的のために旅をしております。あなたが守っている秘宝とは何か、教えて下され」
PL「www」
フリン「こ、これは邪悪な心から言うのではありません!」
トビン「純粋な欲望から言っているんだよねw」
PL「www」
フリン「世界を守るために必要なアーティファクトですか? ドラゴンが攻めてくるのです、お教え下され!」
フクロウ『ホーホー!』
フクロウは何か呪文を唱えました。
DM「ヴィヌクにはわかります。ディテクト・イービルです」
ヴィヌク「何!?」
DM「このパーティにはイービル属性はいませんよね?」
フクロウ『ホーホー、お前達の中に邪悪な心の者はいないようだ』
フリン「邪(よこしま)であっても邪悪ではありませんw」
PL「www」
フクロウ『ホーホー。では私が守ってきた秘宝を持っていくがよい』
トビン「宝物ってその足下のチェスト?」
フリン「おお、じゃいただきまーす!!」
ヴィヌク「まて、フリン。何か気をつけないと!」
フリン「全ての守護者があんたのように話のわかる奴らなら良かったのじゃがの。どれどれ、開けてみるかの。ささ、ちょっとフクロウ殿、退いて下さらんかの、邪魔なのじゃが」
PL「www」
フクロウに蔑んだ目で見られながら、フリンはチェストを開けます。
DM「中には、最後のミトラの宝冠の欠片がありましたよ」
ヴィヌク「早w」
トビン「わーい、3つ揃った!」
DM「揃ったパーツを組み合わせると、見事な作りの司教冠になりましたよ」
フリン「ワシら、このパーツは14階にあると聞いていたんじゃが……」
フクロウ『ホーホー、私が箱ごと持ってきた』
フリン「あーそうでしたか」
ヴィヌク「いや、そうでしたか、じゃねーだろw」
PL「www」
ヴィヌク「ところで、あなたは力を持っておられるのでしょうか?」
トビン「呪文を使えるレベルだよ、強いんじゃないかな?」
フリン「失礼なことを言うな、ヴィヌク。ワシは信じておりますぞ、フクロウ殿!」
トビン「この宝冠があれば僕ら、塔を守ることができるの?」
ヴィヌク「いや、これはカス・ゲームに関係があるんじゃないか?」
フクロウ『ホーホー、これはヤルスの司教冠だ』
フリン「では、そいつに返せばいいのか?」
フクロウ『ホーホー、その通りだ。この塔のどこかに大司教の亡骸が、その魂が今でも天に召されぬまま横たわっておる。その者にその冠を返すがよい』
トビン「その前に1回被ってみていい?」
ヴィヌク「おいw」
フクロウ『汝の心に任せるがよい』
トビン「じゃ被ってみる!」
DM「では――意思セーヴをして下さい」
トビン「うはw やっぱり来たかw コロコロ、達成値20」
DM「では何も起きませんでした」
トビン「ちぇっw」
フリン「じゃ今度はワシが……」
ヴィヌク「止めてくれw 意志セーヴなんて良くない事が起きるに決まっているw ちなみにそういうのを治す呪文、今日は無いから!」
フリン「──じゃ、止めておくか、残念じゃのう」
リヴァーウィンド「ええっと、あなたはヤルス大司教にあったことは?」
フクロウ『ホーホー、ある』
リヴァーウィンド「何となく、ヤルスが彷徨いているような所に心当たりはないか?」
フクロウ『ホーホー、愚か者め!』
リヴァーウィンド「自分で探せということか」
フリン「リヴァーウィンド君、(背中をトントンと叩いて)横着はいかんぞ、横着はw」
PL「www」
フクロウ『ホーホー、人は我々のことをグリムと呼ぶ。私にはまだ兄弟がこの塔に二人いる』
ヴィヌク「この塔に!?」
フリン「じゃワシらと共に行きませんか? ワシの第2のペットにどうですか?」
フクロウのグリム『ホーホー、兄弟それぞれが役目を持っておる』
フリン「あなたの役目は終わりましたよね?」
PL「www」
トビン「ほら、フリン。ポッチが乗り換えられて捨てられるじゃないかと思って悲しい顔をしているよ!」
フクロウのグリム『ホーホー、私はならぬ』
フリン「大丈夫じゃ。この犬を秘宝の守護者として置いておけばいい。わかったな、ポッチ、ここで守るのじゃ!」
PL「酷いwww」
トビン「このドワーフ、駄目犬を厄介払いしようとしているよw」
フリン「違う違う、フクロウと交換じゃ」
ポッチが悲しそうな目でフリンを見つめています。
DM「ダメダメw」
フクロウのグリム『ホーホー、私は神によって秘宝を守るため、兄弟たちと共にここに使わされた。守るものが無くなった今、私は神の下へと帰らねばならぬ』
そう言い終わると、フクロウはゆっくりと消え去っていきました。
トビン「あー、行っちゃった」
フリン「チェッ、チャンスだったのだがのう。しょうがない、ポッチ行くぞ」
ポッチ「ハァハァ、ワンワン!」
自分を売ろうとした主人であろうとも、健気について行くポッチなのでした。
死霊
フリン「あとはカスの駒探しじゃの。カス・ルームとやらに行ってみるか?」
ヴィヌク「そうだな、死体を探さないとな」
リヴァーウィンド「カスの試合中に死んだのだから、対戦相手も一緒に死んでいると思うぞ」
トビン「カス・ルームって、確か12階だったよね。14階まで昇ってきた螺旋階段を降りれば12階に行くことができるよ」
ヴィヌク「ふむ。14階以上は探索したし、13階、12階と1階ずつ降りて行くか」
トビン「いいね! 仕掛け・罠・謎。1階ずつ堪能しよう!」
まずは13階に降りるパーティ。
トビン「あ、明かりはちなみにラドモドキに持たせているからw」
ラドモドキ「御意」
トビン「超便利www」
螺旋階段から続く廊下の先は暗く、通路の先の部屋では蒸気がシューーッシューーッっと吹き出している音が聞こえます。
トビン「何だろ」
ヴィヌク「レジスト・エナジー・ファイアの呪文をかけておいた方がいいの?」
トビン「とりあえず〈視認〉達成値24、〈聞き耳〉達成値18」
リヴァーウィンド「〈視認〉達成値24、〈聞き耳〉達成値26」
フリン「ポッチ、〈聞き耳〉の達成値25まで出た!」
DM「ポッチはきちんと主人に伝えてくれるの?」
トビン「さっき、置いて行こうとしていたよ、このドワーフw」
PL「ホント酷いwww」
彼らには、通路の先の部屋の蒸気の吹き出すガスの狭間に、得体の知れない何かがゆらゆらと浮いているのがわかります。
その何かは、体が薄らと透き通っており、2つの赤く光る目のようなものがこちらをじっと見ています。
トビン「どうする?なんか半透明だよw」
リヴァーウィンド「邪悪なものかどうか調べた方がいいかもな」
ヴィヌク「俺ぱパラディンじゃないからディテクト・イーヴィルは無理w」
DM「では〈知識:宗教〉で判定をどうぞ」
ヴィヌク「コロコロ、達成値21」
DM「ドレッド・レイスです。赤くぼんやりと光る目を持った生き物で、生命を持つ者を襲うアンデットですね。彼は襲ってきますよ!」
ヴィヌク「やっぱり戦闘かよ!」
ドレッド・レイスは、ゆらゆらと飛行しながら接近してきます。
戦闘開始です。
DM「さて。ポッチかフリンかどっちを狙いましょうか。ポッチが1〜3で、フリンが4〜6でコロコロ……」
フリン「1・2・3が出てくれ!」
トビン「相変わらず酷い主人だw」
PL「www」
DM「1です、じゃポッチでw」
PL「酷いなw」
ドレッド・レイスの冷たい半透明の手が、ポッチを包み込みます。
DM「非実体の接触AC25まで、命中するとダメージ7点、それから頑健セーヴして」
トビン「ポッチ\(^o^)/オワタ」
フリン「接触AC14じゃ、命中しとる。頑健セーヴは11……失敗」
DM「まずは普通にダメージが7点ですよ」
フリン「ヒットポイント6なので、-1。ポッチィーーー!」
PL「www」
DM「加えて、【耐久力】を1点吸収されますよ」
フリン「ポッチが死んじゃう!誰か回復させて!」
ヴィヌク「いや、この状況、そんな余裕ないから!」
DM「いい加減、捨て駒にするか、動物の相棒にするかその犬の立ち位置を決めた方がいいのでは?」
DM「ちなみに彼らに殺された人型生物は――知ってのとおりレイスになりますよw ポッチは違うけど」
フリン「おお、ポッチは最強じゃ!」
PL「そこかよwww」
次はトビンの攻撃ですが、得意のシザックの矢を外したので、とりあえず敵に《回避》宣言。
続く、フリンはポッチを助けるためにドレッド・レイスを攻撃します。
フリン「斧で殴るぞ、3回攻撃。AC24ハズレ、AC24ハズレ、最後は出目20でクリティカルじゃが、50%ミスチャンス分で当たらず……」
トビン「結構、敵のAC高いよ!」
瀕死状態のポッチは、容態安定化判定(確率10%でマイナス時のヒットポイントの減少が停止する)には失敗し、息も絶え絶えになってきます。
フリン「ヤバイ、ポッチがぁ!」
リヴァーウィンド「5フィートステップして前に出て、俺も全力攻撃。バーバリアンの"激怒"を使用して、AC31命中50%目成功、ダメージ9点。AC18ミス、AC27命中50%成功、ダメージ11点!」
フリン「おお、凄い!」
【激怒】
バーバリアンの特殊能力の1つ。
彼らは1日にバーバリアンのクラスレベルに応じた回数(1レベルで1回、4レベルで2回、以降4レベル毎に+1回)使用することができます(ただし1遭遇に1回まで)。
使用すると、【筋力】に+4、【耐久力】に+4の一時ボーナスと、意志セーヴに+2の士気ボーナスを得て、ACに-2のペナルティを受けます。
怒り狂ったリヴァーウィンドの剣がドレッド・レイスを斬りつけます。
ヴィヌク「俺も5フィートステップしてフリンに近づいて、彼にデス・ウォードをかける。あと俺の周り10フィートは常にマジックサークル・アゲインスト・イーヴィルの効果でACに+2ボーナスだから忘れないように」
フリン「そうえいばラドモドキはどうしたのじゃ? ヘイストの呪文をかけてもらわねば」
DM「え、戦いに参加するのですか?」
フリン「当たり前じゃ!そのために連れて来ておるのじゃから!」
ラドモドキ「御意。では皆にヘイストをかけよう」
フリン「おお、素直な良い子じゃ!」
PL「www」
2ラウンド目。
ドレッド・レイスは、目の前に倒れた小さな生き物が今にも死にそうな状態になっていることを確認すると、今度は側のドワーフへと氷のような冷たい手を伸ばして来ます。
DM「接触AC24まで命中、ダメージは10点ですね。それから――」
フリン「うお、ワシも吸われるぅぅ」
しかし、ドレッド・レイスは、彼の体から生命力が吸収できないことに気づいて驚きます。
ヴィヌク「さっきデス・ウォードかけたじゃないか」
フリン「おお、そうじゃった!ワシは無敵じゃった!」
DM「ただし、通常ダメージは受けるのでお忘れなく」
次にトビンとフリンが弓で、リヴァーウィンドが剣で反撃しますが、非実体の属性を持つ幽鬼の体をシュパッパッと武器が通り抜け、ドレッド・レイスにうまくダメージを与えることができません。
その間にも、ポッチの体はどんどんと冷たくなっていきます。
フリン「ギャァーーポッチィ!」
ヴィヌク「よし、今度はリヴァーウィンドにデス・ウォードをかけるぞ!」
リヴァーウィンド「すまん」
ヴィヌク「もう残るはラドモドキにかけるしかない!」
フリン「先生、早くマジックミサイルをお願いします!」
ラドモドキ「御意。マジックミサイルで3d4+3、11点の[力場]ダメージをドレッド・レイスに」
ラドと瓜二つの魔法使いは、無表情で呪文を唱えて、魔法で作り出した銀色の矢をドレッド・レイスに打ち込みます。
3ラウンド目が開始され、次にドレッド・レイスは目の前のドワーフに再度攻撃をした後、その赤い眼をラドモドキの方に向け、彼の方に飛んで行きます。
DM「フリンに接触AC21で命中ですね。ダメージは8点のみ」
フリン「痛たた、今ヒットポイント98点になってしもうた。ところで、レイスが移動するならワシ、機会攻撃するぞ。コロコロ、AC27まで命中50%成功、ダメージは11点じゃ」
トビン「ボクは、敵がこっちに来たのでそのままシザックで殴るよ! AC27命中50%成功、ダメージ6点。5フィートステップして一旦距離をおく」
フリン「ワシも追いかけて殴ろう。移動して――」
DM「あ、レイスの間合いは10フィートあるので、機会攻撃で逆にフリンを殴りますよ。接触AC33命中、ダメージ7点」
フリン「どんどん削られていくのう」
ヴィヌク「ヒットポイントは多いし、全く大丈夫でしょw」
フリン「仕返しじゃ! AC35命中50%失敗……」
リヴァーウィンド「魔法でないと辛いな。俺も移動して攻撃を――」
DM「残念ながら、ドレッド・レイスは《迎え撃ち》を持っているので、さらに機会攻撃ができ、リヴァーウィンドも殴ります。接触AC33、ダメージ9点」
リヴァーウィンド「これくらい、デス・ウォードがあるんで何ともないわ!」
フリン「おい、レイスはラドモドキを狙っておるぞ! ラドモドキが死んだら、ワシら終わりじゃ!」
リヴァーウィンド「わかっている! レイスを斬りつける。コロコロ、出目20だが、クリティカルはしなかった。しかも50%ミスチャンスは失敗」
非実体への攻撃に苦戦をするトビン、フリン、そしてリヴァーウィンド。
ドレッド・レイスの冷たい手が、ラドモドキに迫ります!
ヴィヌク「よし、ホーリィスマイトだ! リヴァーウィンドは巻き込んでもいいな。半径20フィートだから――」
フリン「おい! ワシが巻き込まれとる! ワシ、ワシ、ニュートラル!(中立属性のキャラクターも半減ダメージを受ける)」
ヴィヌク「仕方がない、敵は宙に浮いているのだから、ちょっと上に向けて撃つか。コロコロ、ダメージ18点。意思セーヴに失敗したら盲目、成功したらダメージ半分で」
DM「敵のセーヴは成功、だから9点のみ」
ヴィヌク「しょぼw」
次は、いよいよラドモドキの番です。
トビン「まだマジックミサイル、呪文スロットに入っているよね!」
フリン「まだまだ入っとる!」
DM「あんたがいうなよw」
トビン「ええっと、よく考えれば1レベル呪文スロットは他に何を入れているかわからないよねw じゃ、3レベル呪文スロットに絶対入れているはずのファイアボールを撃たせようよ!」
ヴィヌク「リヴァーウィンドを巻き込んじゃうけど?」
リヴァーウィンド「俺は大丈夫だ。グレーター・ファイアレジスタンス・リングを持っている」
トビン「じゃ決まり! 3レベル呪文のファイアボールをぶち込んでよ!ラドモドキ!」
ラドモドキ「御意。ブツブツブツ……ファイアボール!!!」
ラドモドキの放った小降りの炎の玉が頭上で爆発し、ドレッド・レイスを爆風で包み込みます。
DM「ドレッド・レイスの反応セーヴの達成値23だよ。ラドのセーヴ難易度はいくら?」
トビン「(今日のセッションは欠席で)ラドのキャラクター・シートが無いので調べようがないけど、その値だと反応セーヴに成功してると思う」
DM「では5d6のダメージの半分を受けるけど、50%ミスチャンスで回避したので、ダメージゼロでした」
トビン「そんなー!」
4ラウンド目。
DM「ドレッド・レイスは、今度はヴィヌクの方に飛んでいきます。機会攻撃どうぞ」
ヴィヌク「何!?」
リヴァーウィンド「攻撃するぞ! AC32まで命中50%成功、ダメージ11点!」
フリン「ワシも! AC32命中50%成功、ダメージ15点!」
ドレッド・レイスの冷たい手が、今度はヴィヌクの頬を撫でます。
DM「接触AC31まで命中ですね。通常ダメージ7点に、頑健セーヴを」
ヴィヌク「頑健は……コロコロ。くっ!?セーヴを落とした……。orz」
DM「では【耐久力】に4点のダメージですよ」
ヴィヌク「通常ダメージ以外に【耐久力】が減ると、連動して最大ヒットポイントも減るので痛い。ヒットポイントが66から39になったよ……。だが、まだいける!」
フリン「回復できんのか?」
ヴィヌク「一度、帰って休まないと無理」
トビン「よしボクの番だ。シザックで全力攻撃。AC23ミス、AC19ミス、ヘイスト分もAC23でミス……。今回全く当たらないよぅ」
DM「様態安定化しないし、あと5ラウンドくらいでポッチは死亡しますね」
フリン「いかん! ワシも移動して攻撃じゃ、AC36まで命中50%成功、ダメージ18点!」
ヴィヌク「まだ敵は落ちそうにないな」
フリン「ラドモドキは、何か呪文があるはずじゃ!」
トビン「ラドっていつもどんな呪文を覚えていたっけ?」
DM「いつも使っているのはグリッターダストですね」
フリン「それは効くのか?ドレッド・レイスに?」
トビン「D&D4版なら[光輝]ダメージなんだけどなw」
ラドモドキ「御意に。5フィートステップして下がってから、レイスにグリッターダスト」
DM「ドレッド・レイスはセーヴ成功、残念でしたw」
フリン「ダメじゃぁーーー!」
ヴィヌク「俺も全力で攻撃するか。1発目出目20でクリティカル、50%ミスチャンスは成功、ダメージ13点。さらに2発目、AC26命中50%失敗、3発目AC27命中50%ミス……。5フィートステップで下がる」
リヴァーウィンド「俺は5フィートステップして、レイスを斬りつける。AC29命中50%成功、ダメージ15点! 2回目――」
DM「はい、そこでドレッド・レイスは、狂ったような悲鳴を上げながら、塵となって消えていきましたよ」
フリン「おお。リヴァーウィンド、お主のおかげでポッチが救われたわい!」
トビン「いや、早くポッチの手当をしてやらないと!」
フリン「そうじゃった! ポッチー!!」
ヴィヌク「はいはい、退いた退いた。ブレスの呪文をキュア・ライト・ウーンズに変更して、ポッチを回復。コロコロ、7点なので、現在ヒットポイント2。もう前に出したダメだよ」
フリン「いや、1発目の生命力吸収攻撃を受けてもらっただけでも、盾役として役に立ったじゃないか!」
トビン「普通、ただの番犬を盾役にする?w」
ポッチは閉じていた目をゆっくりと開けて、くーんくーんと鳴きます。
DM「ポッチが可哀相ですね。主人に見捨てられて――」
トビン「さっきは大きなフクロウとトレードされそうになるしw」
ヴィヌク「クラーケンにも殺されかけたしw」
リヴァーウィンド「可哀相に、主人に虐待されて」
DM「ヒドすぎる……」
フリン「そんなことはないぞ! ポッチ!よくぞ回復した!」
ヴィヌク「回復させたのは俺なのだが」
フリン「まぁ、ヒットポイント2(最大値6)も最大値も同じようなものだから、これ以上回復してやらなくてもいいわい。能力値ダメージは寝れば直るじゃろう」
DM「あ、能力値は生命力吸収のタイプなので呪文で治して下さいねw」
フリン「ヴィヌクよ――」
ヴィヌク「今日は無いから!」
その後、フリンはヴィヌクに頭を何度も下げて、レッサー・レストレーションの呪文をかけてもらったのでしたw
フリン「しかし、いやぁ、良かった。今回シミュレイクラムがいて」
トビン「ラドモドキがいなかったらヤバかったね!」
DM「話題変えたw」
カス・ルーム
冒険者たちは、ドレッド・レイスを倒した後、その階の部屋の探索をしてまわりますが、何も発見することができず、螺旋階段で下に降りて、次は12階を探索することになります。
目の前の扉を出ると広間に出ます。どうやらカス・ルームはこの部屋の南の豪華な造りの鋼鉄製の扉の向こうにあるようで、彼らは恐る恐る扉を開きます。
そこは、この階の大部分を埋め尽くす大きな空間でした。
大きな船の甲板のフロント部分を切り取ったような広くて見事なバルコニーが、何本かの塔の支柱に支えられながら、彼らが入って来たドアの戸口から突き出すように出ています。
塔の3方向の内壁から中央のバルコニーに向かって、大理石の手すりがついた渡り廊下が伸びており、手すりの下には絶望的なほど深い空間が広がっています。
広い円形のバルコニーには、直径5フィートの支柱が、半球系のステンドグラスの天井を支えていますが、その1つは支柱が倒れて、バルコニーの床に横たわっています。
バルコニーの中央にはカス・ゲームの板が設置されており、装飾が施された椅子がカスの板を挟んで向かいあっています。奥側の椅子には白骨化した遺体の骸骨が鎮座しており、こちら側の椅子は割れた支柱ごと倒されており、側には同様な骸骨が倒れた柱の下敷きになっています。
トビン「近くに行ってみる?」
ヴィヌク「どちらがヤルスさん?」
フリン「倒れている方じゃないかのう」
トビン「ヤルスにミトラの宝冠を返すんだよね」
リヴァーウィンド「そうだ、ヴィヌク。お前は死者と話すことができる呪文を持っていないのか?」
ヴィヌク「残念ながら、今日はスピーク・ウィズ・デッドの呪文を覚えてきてないのだ。だが、側に行けば、向こうから話しかけてくれそうな気がするのだが」
トビン「念のため、ディテクト・マジックしてよ、ラドモドキ」
ラドモドキ「御意……。奥の椅子の骸骨の頭上に反応するものがある。何か禍々しい……死霊術か」
トビン「奥の椅子の骸骨って、頭には黒い王冠をつけているね」
ヴィヌク「禍々しいだと?」
フリン「では下敷きになっている方がヤルスなのかの。彼にミトラの宝冠を返せば、生き返ってカスの試合を再開するでは?」
トビン「宝冠はボクが持っているので、部屋に入って下敷きに倒されている方に被せに行くよ」
ヴィヌク「おい、トビン!」
トビンが部屋に入ると、ベランダの倒れた柱の方から虚ろな低い声が聞こえて来ました。
トビン「お!?声の方に行ってみるね!」
声『おお、我が冠を持つ者よ。我の頭にその冠を返したまえ……』
柱の下敷きになっている骸骨が答えます。
トビン「頭の上に載せればいいんだよね。でも何だか君、髪の毛が抜けていてすぐにずり落ちそうだよ?」
恐れを知らぬケンダーは冠を骸骨の頭に載せます。
すると、その骸骨から白い煙のようなものが出てきて、ケンダーの前で人の形を取っていきます。
声『そこにいるものよ、感謝をする。我が名はヤルス・ドンナー。ソラムニア騎士団“剣”勲爵士団の長〈大司教〉にして、塔の主』
トビン「どういたしまして、僕の名前はトビンだよ」
ヤルス「トビン、小さき者よ。汝により我が力は取り戻された。汝により、この〈大司教の塔〉は力を取り戻す時が来た。汝がこれらか立ち向かう脅威に対して、我が軍が力になろう」
トビン「我が軍って?」
ヴィヌク「かつて塔を守っていた騎士団の亡霊か!?」
フリン「アンデット!?」
トビン「凄いや!つまりドラゴン軍をやっつけてくれること?」
ヤルス「それが、汝の敵ならば」
ヴィヌク「指輪物語にも出てきたな、死者の軍団がw」
リヴァーウィンド「死者の軍団、不吉ではないか?」
DM「まぁ、後で出てきますが知っての通り、敵側にもソス卿のアンデット軍団がいたりしますからね。さながら死者に勝てるものは死者だけだって感じでしょうか」
トビン「凄いや、僕が司令官だ! ところでヤルスさんってカスの勝負してたんだっけ?」
ヤルス「そうだった。次の手を指さなければならぬが、どうやら奥の手の駒を無くしてしまったようだ。汝らは私の駒を見かけなかったか?」
トビン「あれ?そんなものあったっけw」
フリン「まだじゃったな……」
ヤルス「そうか、残念だ。まだカーノスとの決着をつけることはできぬか」
フリン「どこにあるか教えて頂ければ持ってきますぞ」
ヤヌス「私には非常に優秀な部下、バークスという騎士がいた。次の一手となる33番目の駒が揃えば、バークスの軍団も呼び戻すことができるだろう」
ヴィヌク「えー、またアンデット軍団ですかw」
ヤルス「邪悪な脅威が近づいておる。この塔の中で33番目の駒を探しだしてくれ」
フリン「他の駒じゃいかんのですか」
PL「www」
ヤルス「ダメだ」
ヴィヌク「ところで、あちらの対戦相手は何者ですか?」
ヤルス「あの者は我が宿敵にして、我が友のカーノスだ」
リヴァーウィンド「奴がカーノスか」
トビン「カーノスは亡霊にならないんだw そもそも何でこんなところでカスの勝負をしていたの?」
ヤルス「元々、カーノスは私とは敵対していた。カーノスは元神官王で、狂って狂気に陥り、そのためイシュタルを追われ、悪に身を委ねてしまった。その後、彼は私と度々戦の中で剣を交えることになった。だが、次第に彼との間に友情が芽生え、こうしてカスの勝負をする間柄になっていったのだ」
トビン「今日も良い戦いだった。カーノス、続きはカスで勝負だ!とか?」
ヤルス「そうだ」
フリン「なかなか男前じゃのう」
トビン「ねぇ、今思ったのだけど、ここって手摺りから落ると下の階まで行ちゃうし、もしかして駒も下に落ちていったんじゃないかな?」
ヴィヌク「柱が崩れているのはなぜだ?」
フリン「そうじゃ、下敷きになって見ていて痛々しいのじゃが」
ヤルス「350年ほど前、神からの使いが訪れ、この地を去るようにいわれた。世に言う〈大変動〉のことだ。まことのクレリックたちは早々にこの地を去って行ったが、私は、ここを去ることができなかった。そのとき大地が揺れ、山が火を吹いた。もちろん、この塔も被害は免れなかった。その衝撃で柱が崩れ、私は下敷きになったのだ」
フリン「なるほどなぁ。では、駒を探すかいの」
トビン「そうだ!これでも騎士見習いの端くれ、僕が必ず駒を探して見せてご覧に入れます!」
ヤルス「では任せたぞ。三人の御使いらが汝らを導いてくれるであろう――」
そう言うと、ヤルスの霊は消え去っていきました。
リヴァーウィンド「三人の御使いとは、さっきのグリムというフクロウのことか?」
フリン「今度は仲間になってくれるかのう」
ヴィヌク「なりませんw」
再び螺旋階段のところまで戻ってきた冒険者たちは、カスの駒を探して、この階の別の部屋を〈捜索〉 します。
彼らは贅沢な造りの居室で、黒い犬に遭遇します。
トビン「グリムの仲間?」
ヴィヌク「コンプリヘンド・ランゲージズの呪文の効果時間は10分/レベルだから、まだ効いているはず。ここは俺に任せろ!」
フリン「こんにちは、ワシらグリムにも信用されたもの達じゃ」
PL「www」
ヴィヌク「おいw」
フリン「ああ、すまん」
犬『ワンワン、フクロウのグリム、信用していないって言っていました』
ヴィヌク「喋ることができるの? グリム来たの?ここに?」
犬『ワンワン、グリムとは兄弟の名であり私の名。セレスチャルである私達は、離れていても意思疎通ができます』
トビン「僕らカスの駒を探しているのだけど、君知らない?」
犬のグリム『ワンワン、知りません。私はカスの間の二人を見守っているだけですので』
トビン「カーノスとヤルスか〜」
フリン「あんたは、宝箱とか守ってないのですかのう?」
犬のグリム『ワンワン、無いです』
ヴィヌク「二人の人物を見守っていて楽しいことがあるのですか?」
犬のグリム『ワンワン、無いです』
PL「www」
フリン「大変な仕事ですのう」
犬のグリム『ワンワン、そういう愚か者をとっちめるのです』
トビン「じゃ、あなたのもう一人の仲間はどこにいるの?」
犬のグリム『ワンワン、たぶん下の階です』
フリン「随分投げやりな犬じゃのう、もっと人生ポジティブに考えないと!」
PL「www」
フリン「じゃポッチだけでもなんとかしてくれませんかのう、ほら ヒットポイント が回復するアイテムとか」
犬のグリム『ワンワン、無いです』
PL「www」
フリン「じゃ、あなたの爪の垢とかヒットポイントが回復する効果とかないですか?」
犬のグリム『ワンワン、無いです。むしろ私の爪の垢をあなたに飲ませたいです』
PL「爆笑w」
フリン「なんじゃ、この犬随分ワシに突っかかってくるな。ワシが嫌いなのかのう」
犬のグリム『ワンワン、その通りです』
PL「www」
フリン「なんじゃ、もういいわい! さぁ、もう1匹を探しにいくぞ!」
騎士審理
投げやりな犬のグリムを残し、冒険者たちは下の階に降ります。
トビン「ええっと、地図によるとこの階には大会議場があるはず」
フリン「そこに駒が落ちたのか? あまり広いところでないといいが……」
トビン「上のカス・ルームから吹き抜けになってるからねー」
螺旋階段から降りて廊下を進むと、天井が見えないほど高い、素晴らしい円形のホールに出ました。
そこは明るく、鬼火のような光が、壁に沿ってはめ込まれているクリスタルの窓から溢れています。
部屋の東西と南にはホールに入るための豪華な扉があり、冒険者たちが入って来た北側の戸口には講壇があり、中央には巨大な玉座が設置されています。
その玉座には、一人のソラムニア騎士の議長の幽霊が腰掛けています。
トビン「あ、さっきヤルスが言っていた――」
リヴァーウィンド「バークス!」
トビン「そう、それそれ!」
DM「よく見れば、議場には他のソラムニア騎士の幽霊もいて、何か議論しているようですよ。〈知識:王侯貴族〉を振ってみて下さい 」
ヴィヌク「コロコロ、達成値19?」
騎士の幽霊たちは、椅子の上に立って、お互いを叫んだり、怒ったりしています。
議長『静粛に!』
ホールに響く議長の声に、全てが静まりかえります。
議長「これより投票を行う! その者の行為の是か否かを問う!」
壇上には、一人の騎士が立っています。
ホールの東半分の騎士は「是!」と叫び、西半分の騎士は「否!」と叫んでいます。
議長「賛成35、拒否35。また同じか、我らは再び行き詰まった……」
再び、ホール中の騎士たちが騒ぎ出します。
ヴィヌク「一体、何の議論をしているのだろう?」
DM「よく聴いていると、ある騎士の騎士審理が行われているようですよ」
司祭カーノスの参謀で、最も邪悪だった人物が、貴族の館から乙女を誘拐しました。
善良な騎士が、北方の僻地のダルガールド要塞の北のノーザンウェイスツの“名も無き砂漠” までこれを追いかけました。しかし、騎士は苦境に陥り、辿り着いて乙女と出会った時には、殆ど死にかけていました。
そのため、騎士は参謀と取引をしました。騎士は乙女を館に連れ戻す代わりに、参謀を無罪放免にして、これ以上追求しないことを誓いました。
最終的に乙女は無事救出されましたが、騎士団の半分は、この騎士の行為が不名誉なものだと避難したのです。ただし、もう半分は、これは立派であって賢明な行為だったと褒め称えました。
こうして騎士審理が行われ、何百年も結論が出ぬままに、彼らは議論をし続けているのでした。
フリン「延々、騎士審理をやっとるのか」
トビン「ボクらが応えを出してあげればいいのでは?」
フリン「決着をつけてやればいいということじゃの」
トビン「そいえば、ソラムニアの騎士だったら議決権があるんじゃないの?」
ヴィヌク「え?」
DM「あるでしょうね」
トビン「見習いはダメ?」
DM「彼らと同じ善なる属性でなければ、信じてもらえないでしょうね」
トビン「ちぇ」
リヴァーウィンド「こういう時に、アングリフがいてくれたら……」
フリン「じゃ、ヴィヌクが騎士として、我々の代表として、一票を投じるのじゃ」
ヴィヌク「よ、よし。まず皆を説得してみよう。みんな聴いてくれ! 私は〈冠〉勲爵士団所属、ヴィヌク・キル=キューミー。ソラムニア騎士として一言言わせてもらいたい」
議長『静粛に!』
再び、ホールが静まりかえります。
ヴィヌク「パラダインの騎士として、第一に、弱いものを守ることは正しい。女性を守るため、誘拐した者のことを罪に問わないと、この行為は騎士として正しかったと、私は無罪を申告します」
DM「〈交渉〉判定をして下さい」
ヴィヌク「達成値13……」
PL「( ゚д゚)ポカーン」
騎士「しかし、悪を逃がした!」
騎士「そうだ!そうだ!」
騎士「ざわざわ……」
DM「皆、納得いかないみたいですね」
リヴァーウィンド「では俺に話しをさせてくれ。俺は、かつて石打ちの刑にあったことがある。その時、俺は物事の真理を見極めた思いだ。その真理とは俺にとっては愛しい人の愛だったが、真理というものはどの時代にも普遍であるとおもう。騎士にとっての真理とは守ることだと俺は思っている。守るということはパラダインの御心でもあるし、俺は騎士では無いのでわからぬが、騎士典範にも書いてあるのではないか。俺は女神ミシャカルに触れ、守るということを学んだ気がする。乙女を守るという行為をした騎士の行動は、普遍的価値観からみても正しいことではないだろうか?」
PL「長っwww」
DM「で、では〈交渉〉判定をどうぞ」
リヴァーウィンド「達成値9」
PL「( ゚д゚)ポカーン」
騎士「なんだ、蛮族が女に溺れているだけではないのか?」
騎士「そもそも典範を知らない蛮族が、我らの典範を語るとは。( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )」
騎士「典範は絶対的なものだ!悪を討つのが我々騎士の使命だ!」
騎士「そうだ!そうだ!」
フリン「……いや、待った! 何を隠そう、このポッチも善なのじゃ!」
PL「www」
DM「はいはい、無視無視」
トビン「ダメだこりゃ」
フリン「出直すとするか」
ヴィヌク「〈交渉〉技能をドーピングしてくれば――」
声『やれやれ、見ていて痛々しいニャ』
PL「へ?」
冒険者たちが声のした方を振り向くと、そこには黒い猫がいます。
トビン「喋ったのはその黒猫?」
フリン「またフクロウの仲間かの?」
ヴィヌク「やあ、黒猫さん。あなた、フクロウと犬の兄弟はいませんか?」
トビン「いや、フクロウの兄弟はフクロウだし、犬の兄弟は犬だとw」
黒猫のグリム『ニャーが最後の1匹だニャ』
ヴィヌク「やっぱり。あなたは何を守っているのですか?」
黒猫のグリム『ニャーは、善なる者の守り手ニャ。面白そうだから、暇つぶしにニャーがあんた達についていってあげるニャ。ただし、昼間だけニャ』
フリン「それは危険を警告してくれるのかの?」
DM「そうですね」
フリン「ワシらペットの扱いには馴れとる!」
黒猫のグリム『あんたには飼われたくないニャ』
PL「www」
トビン「君はこの辺りに住んでいるわけ? カスの駒を見かけなかった?」
黒猫のグリム『見たことないニャ』
トビン「おかしいなぁ、あるとすればここしかないはずなんだけど……」
ヴィヌク「あのですね、騎士達を説得する方法をご存じないですか?」
黒猫のグリム『知らないニャ。もう350年以上、あいつらは会議の結論が出るまで議論しあっているんだニャ。朝から晩まで名誉とか典範とか五月蠅い奴らニャ』
ヴィヌク「説得できないのでは先に進まないし、このまま下の階の探索をしようか」
大聖堂
トビン「下に降りてきたけど、ここは10階だったよね。ええっと、地図を見ると部屋が沢山あるし、この階を隈無く探すのは骨が折れそうだよ」
黒猫のグリム『ここは塔内の修道院ニャ。かつて、パラダインやキリ=ジョリス、ハバククの神々の信徒が生活していたところニャ』
フリン「じゃ、お宝はあるのかの?」
黒猫のグリム『でも大したものは無いニャ』
トビン「え、そなの?」
黒猫のグリム『南側の大聖堂に行ってみるといいニャ』
フリン「何じゃ、そこにカスの駒があるのか?」
黒猫のグリム『ニャーは善なる者の守り手ニャ』
螺旋階段を降り、冒険者たちは塔の内部に作られた修道院の中を移動し、やがて外に突き出た大聖堂のテラスにやってきました。その中央には立派な祭壇があり、一人の僧侶らしき男がその祭壇の前で跪いています。
ヴィヌク「〈知識:宗教〉で何の修道院か調べるよ、コロコロ。達成値25 」
DM「ハバククの神殿ですね。青い不死鳥のシンボルが見られます。ちなみに〈冠〉勲爵士団の守神ですよ。加えて、このクレリックはやはり幽霊で、ハバククの忠実な信徒だとわかります」
ヴィヌク「おお。黒猫は何か言ってない?」
DM「腰を下ろして、前足を舐めてますよ」
ヴィヌク「では、近づいて聞こう。ええっと、何をお祈りしているのですか」
慎重に近づいて男に声をかけるヴィヌク。ふと見た祭壇には、何かの書物が捧げられているようです。
フリン「こんにちは!お祈り中のところすみませんのう!」
トビン「ボクら怪しいものじゃないですよ!」
ヴィヌク「おい!w」
男がふっと、こちらを振り返ります。
男「ハバククの神に、調和と安定を願っていたのです」
フリン「つかぬ事をお聞きしますが、カスの駒って知っておらんですか?」
男「知りません」
フリン「知らんのか――。実はワシらはヤルスに言われてカスの駒を探しているのじゃ。あなたは?」
男「私はヤルス様の僕で、この修道院を管理している者です。残念ながら、あなた方の探しているものは存じ上げておりません」
彼は、ずっとこの修道院の管理をしたり、お祈りをしたりしているようです。
ヴィヌクがふと祭壇の本を見ると、やけに古めかしい書体でタイトルが書かれています。
ヴィヌク「おい、トビン。眼鏡であの本が何なのか見てくれないか?」
トビン「へ?あの本? じゃコッソリ〈真見の眼鏡〉をかけて読んでみるよw」
DM「眼鏡ですか(汗)、ええっと。それはどうやら〈力の時代〉に使われた書体で『ハバククの書(高貴なる行いの書:Book of Exalted Deeds)』って書かれていますね」
ヴィヌク「高貴なる行いの書!?」
トビン「それって凄いの?」
ヴィヌク「凄いぞ! D&D3.5版のサプリメントの名前にもなっている、あの高貴なる行いの書、そのもの!」
DM「まぁアーティファクトですね」
フリン「そんなに凄い本なのか! あの、すみません。この書物、見てもいいですかの?」
トビン「早w」
ヴィヌク「あ、うん。確かにフリンは勉強した方がいいと思う。高貴なる行いについてw」
PL「www」
アーティファクトと聞いて、早速、手に取ろうとするフリンにDMが一言。
DM「では反応セーヴをお願いします」
フリン「は? ええっと、反応は……達成値10」
PL「おいw」
PL「罠ですかw」
DMはにこやかに、
15d6のダイスを振ろうとし始めます。
PL「それ、ダメージダイス!?」
フリン「ワシ、死ぬのかな」
DM「コロコロ、45点の[火]のダメージですね。突然、祭壇が炎の柱に包まれました。あ、ちなみに本は[火]に対する完全耐性があります」
フリン「ギャァーーーアチッアチッ!!」
ヴィヌク「うん、この者は勉強しても治らないってことだw」
PL「www」
フリン「触っても大丈夫そうじゃから触ったのに……」
DM「後ろでは黒猫が蔑んだ目でみていますよ」
フリン「おい、警告するのがあんたの役割でしょ!」
黒猫のグリム『にゃーは善のための守護者だニャw』
トビン「どうやら、性格が中立のキャラクターは対象外らしいね」
フリン「そんなぁーーー」
PL「www」
ヴィヌク「コホン、では私が手にとって、読んでみよう」
手に持つと、信仰の力が満ちてきます。
DM「ズバリ、高貴なる行いの書です。アーティファクトですね」
【ハバククの書(Book of Exalted Deeds)】
又の名を高貴なる行いの書と呼ばれるこの本を熟読するには一週間が必要ですが、読み終えると善の呪文の使い手は【判断力】に+1の体得ボーナスを得て、1経験レベルを取得します。
中立の呪文の使い手がこの本を読んだ場合、2d6×1000経験点を失い、悪の呪文の使い手はその2倍の量の経験点を失ってしまいます。
また、秘術呪文の使い手は難易度15の意志セーヴに失敗すると、1ポイントの【判断力】吸収を受け、1d6×1000経験点を失います。
ヴィヌク「すげー」
トビン「これでレベルアップするでしょ、ヴィヌク? 一度死んでいるから1レベルみんなより低いでしょ? これヴィヌクのための本だよ?」
男「この本はあなたのように行いの正しきものが正しく使うべきものです。私はあなたのような立派な方が来ることを、ここでずっと待っていました! このハバククの書は、あなたに託しましょう。これを受け取って、あなたはこの行いを実践し、悪の蔓延らんとしているこの世界に、正義をもたらすために使ってください、期待しています――」
男はそう言うと、満足した微笑を浮かべて消えていきました。
フリン「ところで、ワシ。50点ほどダメージを喰らっておるのじゃが」
ヴィヌク「はいはい、キュア・モデレート・ウーンズ×2発をどうぞ」
フリン「ありがとう、ワシのヒットポイントが98点に戻った!」
ヴィヌク「世話がやけるドワーフだ……(;´Д`)」
フリン「だって黒猫さん警告してくれないし――」
トビン「実は結構性格悪いかもねw」
黒猫のグリム『何かいったかニャ?』
PL「www」
ヴィヌク「やれやれ」
フリン「ええい! ワシはもう、わけのわからぬものは触らんぞ!」
と、心に誓うフリンなのでした。
ゴールドムーンの説得
彼らはその後、9階、8階、7階を探索しながら降りて行きましたが、誰にも出会うことなく、さらに何者からも襲われることもなく、そしてカスの33番目の駒の手がかりを得ることもできず、6階へとやって来ました。
扉を開けると、大きな式場のような場所に出ました。
不思議な事に扉を開けるまでホールの音は聞こえませんでしたが、その豪華なホールには多くの人々の歓声が響き、甘く誘うような踊りの旋律がどこか遠くから聞こえてきます。沢山の笑い声が、エレガントなドレスに身を包んだ婦人たちの方から聞こえてきます。ドレスを着た女性が、紳士の幽霊の腕に身を委ねながら踊っています。ただし、この光景には、どことなく狂気が宿っており、終わり無き宴が限りなく続いています。
DM「では、皆さん。意思セーヴをしてくださいね」
PL「エッ!?」
PL「何それw」
フリン「ワシは22じゃ。ポッチは19」
ヴィヌク「達成値21」
トビン「19!」
リヴァーウィンド「20だ」
DM「全員成功ですね。一瞬、お祭り騒ぎに参加して自分たちも踊り出したくなりましたが、皆さんその誘惑に抵抗できたようです」
トビン「一生踊り続けるとか、そういう話だったのね」
DM「信仰呪文のイレジスティブル・ダンス(我慢できぬ踊り)の罠ですね。セーヴに失敗すると踊り続けます」
ヴィヌク「クレリックがかかったらヤバかったな」
フリン「うーむ。ポッチは、ここで一生踊っている方が幸せだったかも――」
PL「ヒドスwww」
トビン「ほらほら、そんな行いだからダメージを受けるんだよw」
PL「www」
トビン「踊っている人の中に特徴的な人はいない?」
DM「いませんね」
フリン「この塔って亡霊ばっかりじゃのう」
黒猫のグリム『彼らにはあまり関わらない方がいいニャ。彼らは舞踏会の時に〈大変動〉に襲われて亡くなり、未だに踊り続けている亡霊たちなのニャ』
黒猫の助言もあり、逃げるようにホールから出て来た冒険者たちは、再び塔の探索に戻ったわけですが、ここまでで、一通り塔の階を探索したということで、黒猫に別れを告げ、一旦、報告を兼ねて塔を降りて、一晩休むことにしました。
さて、この日のセッションはここで終了となりましたが、そのまま次のセッションを続けます。
1か月ほど経ってから行われたセッションは、前回欠席していたジョウセンさんとふーさんが復活したので、ここから、ラドとゴールドムーンがパーティに復帰しましたが、代わりに真由里さんが欠席のためリヴァーウィンドがいなくなります。
ラド「ということで、戻ってきた」
トビン「――全く。この大事な時に突然いなくなったりして、どこまで行っていたのさ?」
ラド「オーブのことで〈上位魔法の塔〉のジジイどもに呼び出されていたんだよ」
ゴールドムーン「私もいますんで」
DM「今度は、リヴァーウィンドが風邪引いて、騎士団の宿舎で寝ています」
トビン「風邪が移ったのかw そんなもの呪文で治せばいいのでは?」
DM「た、たぶん、平原人だから自然に受けた病気は自然に治したいんですよ!」
ラド「ちょっと無理ないかw」
DM「ちなみに、アングリフは相変わらずローラナとイチャイチャしていますのでw」
PL「www」
ヴィヌク「よし、今日はゴールドムーンが復活したということで、騎士審理の弁護を彼女にやってもらわないと!」
ゴールドムーン「話は聞いています。任せて下さい」
フリン「おお、頼もしいわい!」
――というわけで、冒険者たちは再び11階の大会議場に戻ってきました。
トビン「早w」
DM「まぁ、このセッションでは塔内のワンダリング・モンスターの遭遇チェックはしていませんから」
フリン「一体どんな敵が出てくるのじゃ?」
DM「幽霊とか、亡霊とか、悪霊とか――」
ラド「霊体ばっかじゃんw」
DM「あ、ちなみにラドの後ろのもう一人……」
ラド「へ?」
DM「ラドクローンのラドモドキ君がいますから」
トビン「彼は優秀だったよ!」
フリン「そうじゃ、ワシらは何度こやつの呪文に助けられたことか!」
ラド「まだいるんかいw」
DM「基本的に死なない限り消えませんのでw」
ラド「俺と同じ姿の奴が隣にいるのは、あまり気持ちがいいものではないけど……。まぁ後ろでヘイストでも撃ってもらうか」
ラドモドキ「御意」
DM「えーっと、数十人の騎士達が、誘拐された貴族の乙女を取り戻してきた一人の騎士に罪があるかどうか審議にかけていますよ。彼らは皆亡霊で、数百年に渡って、言い争っているわけですね」
フリン「これに決着をつけるのが、ミシャカルの使徒、我らがゴールドムーンじゃ!」
ゴールドムーン「どちらかに味方をすればいいのね」
DM「そうですね」
ヴィヌク「では、事前にガイダンスを彼女にかけておきます。次の判定ロールに+1してね」
ゴールドムーン「ありがとうございます。私も自分にイーグル・スプレンダーの呪文で【魅力】を+4しておきましょう」
ラド「呪文で化粧ですかw」
ゴールドムーン「コホン、皆さん聞いて下さい。私は、平原の民ケ=シュ族の族長の娘、また女神ミシャカルのクレリック、ゴールドムーンです。」
高い澄んだ声が議場に響き渡ると、騎士達は争うのを止め、この声を発した美しい金髪の女性の方に一斉に視線を移します。
ゴールドムーン「事情は伺いました。私は彼には罪がないと思います。だって、お姫様を助けて戻ってきたのですから」
ラド「騎士的にローフル・グッドの性格なら、悪い奴を逃がすことはありえないよ。ガチなパラディンなら、姫を安全なところに確保しといて、私は悪との約束を守る心なぞ持ち合わせておらんと、戦力整えて出直して成敗に行く、そんなパラディンを知っているぞw」
DM「どちらのセッションですかw」
騎士「そこの魔術師のいうとおりだ!」
騎士達「そうだそうだ!」
ヴィヌク「お前は、どっちの味方だよw」
トビン「何だか変な方向にw」
議長『皆の者、静粛に!!』
ゴールドムーン「待って下さい。確かに悪を見逃すことはよくないことです。しかし、守るべき者を守れずして、何故騎士の名誉と正義が貫き通せますでしょうか。名誉とは何か、冷静になり考えてください。自ずと結論が出るはずです」
DM「〈交渉〉判定をどうぞ」
ゴールドムーン「コロコロ、達成値24」
騎士「名誉……とは命。我が名誉は、我が命!」
騎士「そうだ、エスト・スラールス・オス・ミサス! あなたの言うとおり、命を守れずして名誉はない!」
騎士達『Est sularus oth mithas !』
ソラムニア騎士たちの言葉が議場にこだましていきます。
議長『ドンドンドンッ!静粛に!! どうやら、結論が出たようだな。ではこの者に判決を言い渡そう』
議長の声に、議場が再び静まりかえります。
議長「均衡の神ギレアンの名にかけて判決を下す。賛成多数により、この者を無罪とし、かの乙女の救出は名誉ある行為だったと認め、称えんとす!」
一斉にわき上がる騎士達の歓声。
被告の鎖が解き放たれ、その騎士は、ゴールドムーンの方を一瞥すると、剣を抜き丁寧に剣礼をします。
周りの者から手を叩く音が伝搬していき、次第にその音が議場の中を埋め尽くします。
ここに350年以上も続いた騎士審理が結審しました。
議長がゴールドムーンの前に来ます。
議長「そこにいらっしゃるミシャカルの娘御よ。そなたの勇敢なる言葉が、この若者の戒めを解いたのだ。そなたのような者がいることが、騎士団にとって強い力になるだろう」
懐から、小さな水晶の彫り物を取り出すと、ゴールドムーンに差し出す。
ゴールドムーン「これはもしかして、カスの駒ですか?」
議長「そうだ、そなたのような者にこれを預けたい」
トビン「カスの33番目の駒だよ!」
ヴィヌク「ちょwあんたが持っていたのかw」
PL「www」
ゴールドムーン「みなさんの志は受け取りました。どうか、名誉と勇気を司るキリ=ジョリスの御許で、安らかな眠りを」
議長はにっこりと微笑むと、周囲の騎士たちと共に、だんだんと姿がぼんやりと薄くなって消え去って行きました。
議場に静が訪れます。
33番目の駒
冒険者たちは、カスの33番目の駒を手に入れ、12階のカス・ルームに戻ってきました。
ゴールドムーン「ヤルスよ、これであなたの最後の一手を打って下さい」
そう言って彼女はカスのボードの上に33手目の駒を置きます。
すると、駒が光り輝き出し、そこからソラムニア騎士の亡霊が姿を現します。
騎士の亡霊「私の眠りを覚ますのは誰か」
ヤルス「私だ、バークス」
ヤルスの霊が再び現れて、彼に言います。
ヤルス「彼は〈薔薇〉の騎士バークス。私の“33番目の駒”と呼ばれた男。そして私の忠実な部下にして親友。元々、カスは32個の駒を使うゲームだが、もし33番目の駒があれば、ゲームの雌雄は直に決すると言われている。つまり彼は“切り札”なのだ。邪悪な者達の存在を近くに感じる。バークスよ、我らの魂を呼び覚ましたこのソラムニア騎士たちに力を貸し、邪悪な者達から塔を守るのだ」
バークス「仰せのままに。この〈大司教の塔〉に邪悪なる者が攻め寄せてくるならば、我が部隊“夜明けの角笛”を地下の墳墓より呼び覚まし、騎士団の元にはせ参じましょう!」
そう言うと、二人の亡霊は、一本の角笛を残し消えてしまいました。
バークス「我の力を必要とするとき、この角笛を吹け。さすれば、我が“夜明けの角笛”が、貴殿らの元に駆けつける……」
DM「というわけで、邪竜軍が塔を攻めるなら、彼らが墓の下より加勢に駆けつけてくるということですね」
ヴィヌク「やっぱりアンデット軍団かw」
トビン「凄いや! それもヤルスとバークスの軍団2つもあるんだよ!」
ラド「オーブも、心強い味方も手に入れたな」
とうとう塔の謎を解き明かし、心強い味方を手に入れた彼らを塔の外で待っていたのは、ブライアンでした。
ブライアン「おお!君たち、無事だったか! 心配していたぞ!」
彼らがもたらした話は、騎士団には俄に信じがたい話でしたが、度重なる青竜軍の攻撃により疲弊していた彼らの士気を上げるには十分だったのです。
怪しい巡礼者
翌朝、すっかり身体を休めた冒険者たち。
ラド「敵の軍勢は、あとどのくらいで来る?」
DM「さぁ?」
フリン「ワシら、塔を隅から隅まで探索したしのう。後はドラゴン軍との全面対決のみじゃ!」
ヴィヌク「敵の襲撃に備え戦いの準備を整えておこう。俺の+2マイティ・ロングソードを戦利品の+3ロングソードと交換しておいていいよな」
フリン「ワシも+3ロングソードが欲しいのぅ。+3ヘビーメイスも捨てがたいが」
トビン「+3フロスト・グレートアックス持ってなかったっけ?」
ヴィヌク「どっちも持っていればいいじゃん」
ラド「普段はロングソードで斬撃タイプのダメージを出して、殴打タイプのダメージが欲しいときにメイスにしたら?」
トビン「ゴールドムーンも持っておきなよ、+3ヘビーメイス」
ゴールドムーン「私も使えるのかしら」
トビン「殴るの好きでしょw」
PL「確かにwww」
フリン「ワシ、+3プレートメイルも着てもいい?」
DM「塔の宝物庫で手に入れた魔法の武器や防具は、ソラムニア騎士団に預けるつもりだったと思いますが、一応あなた方も騎士団の一員ですし、好きなものを装備していいですよ」
ヴィヌク「やったw」
ラド「うーん。戦利品の中には俺に使えそうなものがないし、貰えるならメタマジック・ロッドのレッサー・クイッケン(低級呪文高速化ロッド)が欲しいのだが、買いに行っている余裕もないだろうから、代わりに、ラドモドキが常に側にいて1ターンに1回呪文が打てるってことでいいですか?」
DM「そうですね。この大司教の塔のシナリオが終わるまでならいいでしょう」
こうして彼らは来るべき戦いに備え、戦闘の準備を進めていました。
そこへ、ブライアンから声がかかります。
ブライアン「今朝から塔の入り口に巡礼者が来ているのだが、少し気になるので君たちで見てやってくれないか?」
トビン「敵じゃないの?」
ヴィヌク「知人かもしれないぞ」
早速、塔の入り口に行ってみると、厚手のローブを着た一団が、塔の寺院でお祈りをさせてくれと、門の衛兵たちと押し問答になっていました。
彼らは皆、揃いのローブを着てフードを深くかぶっており、背が高く大柄な体格をしています。
ゴールドムーン「早速話しかけますね。ええっと、あなた方はどこからいらしたのですか?」
巡礼者「我らはカラマンからの巡礼の者です。高名なこの大司教の塔でお祈りを捧げさせて頂きたいと思いまして、こちらにやって来ました」
トビン「ひょっとして、喋る時にシューシューと蛇のような音を出してない?w」
DM「〈真意看破〉してみて下さい」
ラド「くそ、いい値が出ない……」
トビン「コロコロ、ボクは出目20なので、達成値23」
DM「……」
トビンの〈真意看破〉の技能判定の結果には答えず、駒を並べだすDM。
ヴィヌク「え、なにこのミニチュア……見た感じドラコニアンなんだけど」
ラド「これ、看破するまでもないのではw」
トビン「ミニチュアはバァズ・ドラコニアンかなw」
DM「ええっと1ダースはいますよ。で、〈真意看破〉の結果は──どうやら彼らは思いっきり嘘をついているようですね」
ゴールドムーン「ディテクト・イーヴィル」
DM「思いっきり反応しますね」
巡礼者「な、何を言いますか! 我々は人相が悪いだけ、我々の心は正常に非常に清らかです」
ラド「衛兵は、見ているだけ?」
ヴィヌク「てか、これに気づかない奴らはどうかと思うぞw」
ラド「全然、守られてないじゃん。塔」
DM「彼らはディテクト・イーヴィルが使えませんからw」
トビン「ねぇ君。ローブから尻尾が出ているよ。プークスクスwww」
巡礼者「チッ、見破られたか!」
彼らが着ているフードをパッと掴んで脱ぎ去ると、そこには爬虫類の顔と身体を持ち、ロングソードを構えた12体の生物が出現しました。
ドラコニアン「見破られてしまったからには仕方がないな。ええい、皆の者、切ってしまえ!」
何だか時代劇の三文芝居になってしまったところで、戦闘開始です。
トビン「バァズって石になる奴だね」
DM「はい、彼らはバァズ・ドラコニアンですね」
ラド「じゃ、ラドモドキにヘイストを撃たせます。で、自分のスタッフ・オヴ・ファイアからファイアボールを撃つ。敵全員は呪文の効果範囲に入らないな。ダメージは10d6で、38点の[火]ダメージ、難易度は──」
DM「セーヴ失敗したバァズは即死か……」
ラドの放った炎の球の爆発で、そこにいた半ダース以上のドラコニアンが吹き飛びます。
フリン「さすが本物のラドは違うのう。ワシは敵に突撃してロングソードで殴るぞ。あ、クリティカル。ダメージ25点」
ドラコニアン「グハッ」
さらに1体が、フリンの斧を巻き込みながら石化していきます。
DM「では武器がうまく抜けたか、反応セーヴを」
フリン「そうじゃった、こいつは石になるのじゃった。コロコロ、反応セーヴの達成値は20」
DM「成功。石化するドラコニアンの身体から、フリンはうまく斧を取り去りました」
フリン「危ない危ない。ヘイストのおかげで助かったわい」
ゴールドムーン「では私も敵に突撃をして殴ります」
トビン「いや、さっき魔法のメイスを手に入れたからって、あまり前に出て無理は……」
フリン「ゴールドムーンの突撃する姿が見えるとは新鮮じゃのう」
ゴールドムーン「AC30まで命中。ダメージ5点」
ヴィヌク「恐w」
続いてゴールドムーンが髪を振り乱しながらドラコニアンの一団に突進すると、振り上げたメイスをトカゲの頭目がけて振り下ろします。
流石、誇り高きケ=シュの族長の娘です。
これに対して、ドラコニアンは受けた傷がかすり傷だとわかると、反撃を開始します。
1匹目が左右の爪で2回、そして噛みつこうとしますが、彼女の勢いに怯んでいるのか全く当たりません。
続く2匹目も彼女の後ろに回り込んで挟み撃ちにして、ロングソードで切りつけますが、その剣は空を切ります。
3匹目、4匹目も彼女を取り囲んで切りつけますが、うまく攻撃をかわされてしまいました。
ドラコニアン「何だ、この女!? 我らの攻撃をちょこまかとかわしおって!」
ゴールドムーン「今AC23なんですw そんな攻撃当たらないわ!」
慌ててケンダーが彼女を助けに向かいますが、どうやら心配はいらない様子。
トビン「ボクがイニシアチブ最後か、(;´д`)トホホ…。ええっと突撃でゴールドムーンの後ろのドラコニアンに急所攻撃。コロコロ、AC16までミス。相変わらず無茶するなぁw」
ここで、南東の空の雲行きが怪しくなってきていることに冒険者たちは気がつきます。
時折、遠くで雷鳴の音が聞こえてきますが、それがどんどん近づいて来ていることがわかります。
2ラウンド目、開始です。
ヴィヌク「嵐が来るのか?」
ラド「ただの嵐であればよいのだがな。では俺のターンは、特にやることがないし、呪文は温存しておきたいので全力防御」
DM「はい、了解しました」
ヴィヌク「俺はゴールドムーンを救援に行くか。堅いとはいえ、あんな戦い方じゃ直にダメージ喰らってしまう。敵を挟撃にして、ええっと、AC22まで命中ね。ダメージ11点」
フリン「じゃ、ワシもゴールドムーンの方のドラコニアンに突撃。AC22まで命中。ダメージ10点。お、倒した! 反応セーヴは……1」
DM「あぁ、やってしまいましたね。2分間、ロングソードが刺さったままになりますw」
フリン「仕方がない、フロスト・グレートアックスに後で切り替えるか……おお、そうじゃ!」
ラド「何?」
フリン「ポッチのこと忘れておった!」
PL「www」
ゴールドムーン「私は目の前の敵を攻撃しますね。AC25で命中、ダメージ11点。2回目の攻撃は……出目1ミス」
DM「ではドラコニアンの攻撃はっと──コロコロ。うーん、当たらないな、(・д・)チッ」
トビン「ボクはこのままシザックで全力攻撃するね。1回目ミス、2回目AC21まで命中ダメージ7点、倒した。反応セーヴは27で成功」
ヴィヌクとフリンが援軍に駆けつけるも、ゴールドムーンは自分を囲んでいるドラコニアンの攻撃をうまく避けながら立ち回り、フリンとトビンが着実に敵を倒して行きます。
そこへ後ろから来たドラコニアンが、ヴィヌクにロングソードを突き刺しますが、全く命中しません。
3ラウンド目に入ります。
DM「3ラウンド目に入る前に〈視認〉判定をしてみてください」
トビン「ん? コロコロ、達成値30。ドラゴンに対しては32ね」
DM「いいでしょう。トビンにはわかります。南東の空が雷雲で埋まりつつあり、その雲の切れ目から、青い竜が姿を現し、こちらに向かってくることがわかります」
トビン「フリー・アクションでみんなに伝える! ドラゴンが来る! 青くてデカい奴だよ!」
DM「2ラウンドほどで、こちらに到着しそうですね」
ラド「遂に来たか!?」
ゴールドムーン「ドラゴンよー!」
DM「トビンの声は衛兵に伝わり、次第に塔が騎士たちの声で騒がしくなっていきます」
ヴィヌク「到着まで、2ラウンド!? レジスト・エナジーの呪文、間に合わないぞ!」
ラド「とりあえず俺は、ラドモドキにプロテクション・フロム・イーヴィルを俺にかけさせてから《ヒロイック・サージ》込みで2倍移動して、ストーンスキンの呪文をフリンにかけます」
フリン「かたじけない」
ヴィヌク「こいつらは囮か!?」
トビン「ドラゴンランスが無いんだ! 持っているアングリフはどこ?」
DM「アングリフたちは、今パランサスのほうに観光に行っていますw」
ラド「おいw」
ヴィヌク「チッ。俺も[電気]属性のレジスト・エナジーをフリンにかける」
フリン「じゃワシは一歩前に進んでゴールドムーンの前に出てフロスト・グレートアックスを構えつつ、ドラコニアンを殴る。AC20まで命中、ダメージ18点、倒した。反応セーヴ28で成功!」
ゴールドムーン「私は[電気]属性のプロテクション・フロム・エナジーをトビンに!」
トビン「ありがとう!」
ラド「読めたぞ。これ、ドラゴン戦の前に武器を没収させる遭遇か!」
ヴィヌク「それは酷いw」
対ドラゴン戦用の準備を進める冒険者たち。ドラコニアンたちとの混戦状態のまま、戦いは新たなる局面を迎えます。
青竜の咆哮
4ラウンド目です。
ラド「とりあえず一直線には並びたくないので。 面倒だな、逃げるか。移動して──」
トビン「一旦、ヘイストをかけなおしたほうがいいよね。ラドモドキのヘイストって5ラウンドくらいしか持たないでしょ?」
ラド「ふむ。ストーンスキンの2発目をヴィヌクにかけて、ラドモドキにヘイストかけなおさせよう」
ラドモドキ「御意」
ヴィヌク「俺も移動しよう。ドラコニアンからの機会攻撃くれ」
DM「はい、ドラコニアンの攻撃はハズレ」
ヴィヌク「じゃ四方に散るように移動して、自分に[電気]属性のレジスト・エナジーをかける」
ゴールドムーン「私もプロテクション・フロム・エナジーを自分にかけて、私も移動します」
フリン「ドラコニアンはあと何匹じゃ?」
トビン「2匹だと思う!」
フリン「よし、ポッチこい!」
ヴィヌク「止めとけってw」
フリン「ワシは近くのドラコニアンに接敵して攻撃、AC32命中、ダメージ16!」
DM「対するドラコニアンはフリンに攻撃しますよ、コロコロ、1回目も2回目もハズレましたね」
ドラコニアン「石のように固いドワーフめ。まぁいい、どうやら援軍が到着したようだ。これでお前たちはもう終わりだな」
トビン「よそ見をしていたら死んじゃうよ! ドラコニアンに攻撃。AC27まで命中、3ダメージ!」
ドラコニアン「グォ!」
トビン「倒した! 反応セーヴは成功。移動アクションと《ヒロイック・サージ》を使ってボクは一旦後ろに下がるね」
突然、辺りに突風が土煙を舞い上げながら巻き起こったかと思うと、ズドンと地面を震わす音と共に巨大な青竜が冒険者たちの前に姿を現しました。
ゴールドムーン「ド、ドラゴンよ!」
ラド「〈知識〉判定。コロコロ、これはヒュージ・アダルトブルードラゴン、奴の呪文抵抗は21だと!?」
ヴィヌク「でかいぞ!」
トビン「誰も乗ってはいないみたいだよ!」
ヴィヌク「しかし、あの位置はヤバいな」
ブルードラゴン『小賢しいソラムニアの騎士たちめ! これからお前たちが守っている塔をワシが打ち砕いてやるわ!』
ラド「では俺の番なので、とりあえずドラゴンにファイアボール。呪文抵抗判定は――出目1。最悪だ」
ラドの得意のファイアボールは巨大な青い竜の前でパッと消えます。
ラド「モドキを使ってグリッターダストをドラゴンに向けて撃たせる。呪文抵抗は抜けた! だが――」
ブルードラゴン『セーヴは余裕で成功だ』
ラド「クソッ! 自分自身が使ってもしても呪文が成功する気配もないぞ!」
ヴィヌク「俺は、プレイヤーの呪文をかけようと思うのだが、ドラゴンブレス対策で皆散り散りになっているからな。いや、半径40fだと全員効果範囲に入るぞ! 敵の呪文抵抗を28で抜いて……成功!」
【プレイヤー】
クレリック呪文レベル3の心術呪文。
術者と目標となった仲間は、攻撃ロール、武器のダメージ・ロール、セーヴ、技能判定に+1の幸運ボーナスを得て、目標となった敵は、上記と同じ判定に−1のペナルティを受けます。
ヴィヌクのパラダインへの祈りが信仰の力を呼び起こし、仲間に特別な恩恵をもたらし、敵に不遇をもたらそうとしています。
フリン「こうなればワシがドラゴンを止める! ドラゴンに突撃攻撃じゃ!」
DM「ドラゴンの間合いは広いので接近すると機会攻撃を受けますよ」
フリン「覚悟の上じゃ!来い!」
巨大な青竜に突撃するフリンを青竜の刃の様な爪が襲います。
DM「ドラゴンの爪の攻撃がAC27まで命中」
フリン「当たるけど、ヴィヌクのそばにいるのでサークル・オヴ・アゲンスト・イーヴィルの効果でAC+2でかわしたぞ! 突撃の攻撃ロールは、AC28まで命中! ダメージ22点!」
ゴールドムーン「ドラゴンの爪の攻撃がAC27まで命中ですが……これは突撃したら確実に攻撃を受けますね」
ヴィヌク「止めてくれw」
ラド「二人はストーンスキンの呪文がかかっているから、前に出ても大丈夫なんだよ」
ゴールドムーン「ではホーリィスマイトで! 呪文抵抗は25で抜けました。ダメージが23でセーヴ難易度は――」
DM「ドラゴンは33」
ヴィヌク「難易度を言う必要が無いw」
DM「まぁ半減ダメージは受けます。ではドラゴンは《畏怖すべき存在》の力を使用します」
その場にいる者たちを包み込む凄まじい恐怖。
DM「意志セーヴの結果はどうですか?」
ヴィヌク「ラド、ゴールドムーンがセーヴ失敗、ポッチも」
ラド「凄まじいプレッシャーだな。てか、まだいたのかクソ犬w いっそ逃げ出してくれた方が……」
ドラゴンは深く息を吸い込みます。
フリン「マズイぞ! ポッチ、逃げるのじゃ!」
ラド「むむ。俺も入るな――死んだか?」
フリン「死ぬ、ラドが死んだらマズイ!」
トビン「クローンがいるよw」
フリン「あ、そうじゃクローンがいたw」
ラド「おいw」
青竜が喉を震わせ、その巨大な口を大きく開くと、冒険者たちに向けて凄まじい閃光が轟く雷鳴と共に一直線に走ります。
その閃光が走った所には、くっきりと焼け焦げた土と岩と跡が残り、やがて肉の焼けた臭いが立ち込めてきます。
DM「えっと12d8で、62点の[電気]ダメージ。セーヴ難易度25でよろしくw」
ヴィヌク「セーヴ失敗。レジスト・エナジーで20点引いて、実質42点の被ダメージ!」
フリン「ワシも失敗、42点。現在ヒットポイント74」
ラド「俺も失敗、これ無理。ヒットポイント-12で、いわゆるコンプリート・デス」
フリン「何じゃと!? 死んだのはクローンなのじゃろ?」
ラド「そんなアホなw この難易度では一緒に死ぬってw」
トビン「こうなったらアンデットの軍団を呼んでみるよ! ヤルス! 聞こえているかい! ボクらに力を貸してくれ!」
トビンは有りっ丈の力を振り絞り、塔に向かって叫びます!
DM「では1d4して下さい」
トビン「へ? 何のロール? コロコロ、出目4」
DM「大司教の塔の地下墓地から、武具を装備した何十体もの骸骨が現れてこちらに向かっていますよw」
トビン「おおw」
DM「4ラウンド後に来ますw」
トビン「そんなーw」
何だか塔の内部が騒がしいです。
怖いものを見たような騎士たちの悲鳴が聞こえてきます。
DM「その行動はフリー・アクションなので、トビンはまだ行動ができますよ」
トビン「では攻撃するよ……コロコロ。ドラゴンにシザックで矢を放ったけど当たらないな、コレ。ドラゴンランスがあればなぁ――」
フリン「そうじゃ、ランスを持っているアングリフのバカは何をしてるのじゃ!」
DM「パランサスで観光ですw」
フリン「ダメだこりゃ」
ヴィヌク「www」
DM「次はラドの番ですね」
ラド【死亡中】「死んでます」
DM「……」
ヴィヌク「じゃぁ俺の番、行ってみますかー。機会攻撃を下さい。まずは《ヒロイック・サージ》で移動してドラゴンの後ろに接敵」
DM「ふふふ。こういう時ってよくクリティカルが出るのですよねー。コロコロ、AC24でハズレ。チェッ」
ヴィヌク「チェッて何よw まぁどうせ俺も死ぬから……えっと、我が名誉は我が命! ストレングス・オナーを使用して【筋力】+4。ここでフルアタックだ! 1回目の攻撃は出目1失敗。2回目も失敗、3回目でAC29命中までダメージ10点」
【ストレングス・オナー】
ソラムニア〈冠〉の騎士のクラス特徴の1つ。
名誉の力を呼び覚まして、一時的に自分の【筋力】を上げることができます。
1日1回、【筋力】に+4士気ボーナスを【魅力】修正値に等しいラウンドの間与えます。
冠の騎士は4レベルになると2回、7レベルになると3回、10レベルで4回使用できるようになります。
フリン「よし挟み撃ちじゃな! 5フィート・ステップしてドラゴンを挟撃状態にして、ワシもフルアタック。1回目AC28まで命中、24点。2回目AC28まで命中13点、3回目AC19ミス、4回目AC22ミス。――合計37点か」
一方、塔の騎士たちですが、やはりドラゴンの《畏怖すべき存在》の力と、トビンの召喚したヤルスの軍団の骸骨たちに恐怖して、怯えきって役にたちそうにありません。
ヴィヌク「ソラムニアの騎士ともあろう者が情けない……」
ゴールドムーン「私もバークスの軍団を呼んでみましょうか? でもここはやはりフリンを回復ですね。キュア・クリティカル・ウーンズの呪文を唱えて、フリンの後ろに寄ってタッチします。34点回復」
フリン「おお!」
DM「次はブルードラゴンのフルアタックですね。ここは武士の情けで一番硬いフリンに行きましょう。まず"噛む"が1回でクリティカル、ダメージ56点。次に"爪"が2回で両方ともミス。そして"翼"が2回でこれもミス。最後に尻尾がAC29まで命中で、ダメージ32点」
青竜の大鎌の様な爪と巨大な壁のような翼の攻撃はかわしたものの、凶悪な顎で噛まれたフリンに、大蛇のような太い尻尾が襲います。
フリン「痛い痛い。残りヒットポイント42点」
ヴィヌク「俺なら、一発で死ねるw」
トビン「これでは接近できないなぁ。遠隔攻撃だと急所攻撃しにくくてダメージが出ないんだけどな。移動してシザックで矢を放つ。出目3で攻撃失敗。(´・ω・`)ショボーン」
ヴィヌク「ドラゴンをケンダーの得意の嘲りで挑発できないの?」
トビン「対象は人型生物にしか効果ないんだよね」
フリン「ここはワシらが頑張るしかないのう」
ヴィヌク「では俺の番か。全力攻撃続行! 1回目ミス。2回目ミス、3回目のヘイスト分AC30まで命中、ダメージ15点」
トビン「そろそろまたブレス攻撃が来そうな予感」
ヴィヌク「そうだな。念のため移動しておくか。ドラゴンの側を通るので機会攻撃を受けるかな?」
DM「ドラゴンの機会攻撃はミスしました」
フリン「よし、ワシもフルアタックじゃ! 1回目AC28まで命中ダメージ12点。2回目クリティカル、ダメージ49点! 3回目AC22ミス、4回目AC29ダメージ19点!」
ゴールドムーン「私は治癒呪文の任意発動でデス・ウォードの呪文をキュア・クリティカル・ウーンズに変更して発動します。フリンのヒットポイントを28点回復。次に移動してドラゴン・ブレスから逃げておきます」
フリン「さぁこっちじゃ、ドラゴン!」
ブルードラゴン『人間どもめ! 虫けらの様にちょこまかと動きよって! ならば我が雷撃の咆哮で駆除してやるわ!』
DM「ということで、ご期待通りにブレス攻撃を行いますか――ってあれ、うまく皆拡散したなぁ」
フリン「来るなら来てみろ!」
DM「ドラゴンにとって一番の脅威は、やっぱりドワーフでしょうかね。直線型のブレスの効果範囲に入るメンバーは他にいないかなぁ――っと。( ̄ー ̄)ニヤリ」
ドラゴンのミニチュアからフリンとフリンの数十フィート後ろにいるミニチュアに指し棒を重ねてニヤリとするDM。
フリン「ぽ、ポッチ!?」
ラド【死亡中】「鬼だw」
DM「ドラゴンはフリンとポッチに向けてブレス攻撃を行いました。両者は反応セーヴに失敗すると39点の[電気]ダメージを受けます。セーヴ難易度25でダメージ半減」
フリンの反応セーヴの達成値は20で失敗。ポッチももちろん失敗しました。
フリン「ワシのヒットポイントは残り49点。ポッチは……コンプリート・デス?」
DM「デスですw」
ヴィヌク「酷いwww」
トビン「ボクは《ヒロイック・サージ》で移動して、移動アクションでフリンの傍に+3ロングソードを落としておくね。さらに軽業移動して接敵、達成値は33で成功。そしてヴィヌクと挟み撃ちにして急所攻撃! コロコロ、出目3ミス。(´・ω・`)ショボーン」
ヴィヌク「ドンマイ。挟んでくれたおかげでこちらも挟撃できる! もう全力攻撃しかない! 1回目AC24ミス、2回目AC28まで命中ダメージ14点、3回目ヘイスト分はミス」
フリン「ワシも全力攻撃じゃ! 1回目AC29まで命中ダメージ14、2回目AC26ミス、3回目AC24ミス、4回目ヘイスト分はAC29まで命中、ダメージ17点! どうじゃ!?」
ブルードラゴン『グハァ!』
DM「残念、まだ健在です。でも相当弱っていますよ」
ゴールドムーン「私もシアリング・ライトの呪文で攻撃します! 呪文抵抗は達成値28で破りました! 遠隔接触攻撃でAC14まで命中、ダメージ27点です!」
彼女の開いた掌から撃ち出された燦めく光がブルードラゴンの巨体に突き刺さります。
その凄まじい痛みにドラゴンは絶叫を上げながらのたうちまわると、そのまま地面に崩れ落ちていきます。
そして暫く翼をばたつかせますが、その動きも次第に衰え、やがて息を引き取ります。
フリン「おお!」
ヴィヌク「ゴールドムーンが!」
トビン「倒しちゃった!」
ゴールドムーン「やりました!」
戦いは終わりました。
ドラゴン軍の巨大な青竜を倒すことができましたが、その代償として冒険者たちの一人、ラド・グエルが青竜の咆哮の電撃にその身を焦がして亡くなってしまったのです。
トビン「ラド……」
フリン「ワシらの中から犠牲者が出たのは、〈氷壁〉での白竜戦以来じゃな。いい奴じゃったのに……」
ゴールドムーン「あの私、明日になればレイズ・デッドの呪文なら覚えなおせるかも──」
フリン「おお!」
ヴィヌク「いや、せっかくだからヤルスに頼んで生き返らせてもらおう。大司教というくらいだから、絶対レイズ・デットが使えるはずだ」
トビン「本人も死んでいるけどねw」
DM「えっと大司教ヤルス・ドンナーはCR22のアンデッドで、10レベルのキリ=ジョリスのクレリックと10レベルの剣の騎士のクラスレベル持ちですね」
ラド【死亡中】「スゲー、いわゆるエピック・レベルかw」
DM「クレリックの術者レベルが19で、お。リザレクションの呪文なら覚えていますよ」
戦場では、トビンの召喚したヤルスの軍団が大司教の塔の地下墓地から到着し、青竜軍に睨みを効かせています。
冒険者たちはその間に、黒コゲになったラドの死体を担架に乗せて、大司教の塔のカスの間に運び込みます。
ヤルス「おお勇者ラドよ!死んでしまうとは情けない……。そなたに もう一度機会を与えよう。再びこのようなことが無いようにな。では行け!ラドよ!」
ゴールドムーン「どこかで聞いたことあるようなセリフ──」
ラド「お約束だな」
DM「本当は、経験値を失ってレベルが下がるのですが、ここ暫く経験値を渡してないので、レベルは下げなくてもいいですよ。本来ならば、レベルアップをしているはずですし、ギリギリの経験値だったということにしましょう」
ラド「おお、やったね!」
フリン「ポッチも!ポッチも!」
ヴィヌク「犬の死体も回収してきたの?」
フリン「もちろんじゃ! ヤルス殿、是非我が愛犬も復活させて下さい! あ、出来ればリインカーネーションがいい! タイガーとかに生まれ変わり希望!」
DM「はぁ。本来リインカーネーションは人型生物にしか効果ないのですけど……まぁ、いいか」
ラド「いいのかよw」
フリン「ポッチを連れて来てよかったぞ! バグベアなんかになるかもしれん!」
ヤルス「ドワーフがフリンの下僕ポッチの魂よ。まだフリンが主の元に戻る意思あらば、青い不死鳥ハバククの神の名において、主の召喚に応じ、姿を変えんとも再び主の元に戻れ!」
DM「では、生まれ変わる種族を決めるので、d100して下さい」
フリン「コロコロ……99! トログロタイトキタ━(゚∀゚)━!」
DM「犬からトカゲ人間ですか……」
トビン「そんなアホなw」
フリン「でも強そう!」
DM「このリインカーネーションのルール通りなら、【敏捷力】が2つ下って【耐久力】が4つ上昇します」
ポッチ「シュー、シュー(舌を出し入れする音)」
フリン「おいポッチ、ワシがわかるか?」
ポッチ「シュー?」
DM「【知力】が上昇したわけではないのでw あ、ちなみにリインカーネーションは時間がかかりますので……」
ラド「頭は犬並か、ダメじゃんw しかも臭いしw」
ヴィヌク「臭いというかトログロタイトの悪臭は特殊能力になっているくらいですからw」
フリン「何じゃとーー!?」
ラド「そのペット、俺たちに近寄らせるんじゃねーぞ!」
おあとがよろしいようで……。
決闘
ということで、この日はここで時間となってしまい、続きは次回ということになりました。
ところが次のセッションでは、引退気味のアングリフに続いて、ヴィヌクも欠席という、パーティにソラムニア騎士がいない中で、この〈大司教の塔〉編のクライマックスを迎えるという、とんでもない事態となってしまったのです。
DM「えーっと、アングリフはパランサスで観光を続行中、ヴィヌクはパランサスへアングリフを呼びに行ったということで」
ラド「冒険者たちの中にソラムニア騎士が一人もいない……」
トビン「あ、ボク一応、ソラムニア騎士のスクワイヤー(従者)なんだけどさ」
そうでした。トビンはタルシスの都で命を落とした、アラン・トールボウの従者になっていたのです。
しかし、師匠はすぐにタルシスにて戦死、残されたトビンは師匠の居ぬまま、正式な騎士にもなれず、これまで旅をしてきたのです。
DM「えっと、じゃぁスターム枠はトビン?」
トビン「いや、砕け散らないからwww」
ゴールドムーン「では、今日は最終戦ですのでプロテクション・フロム・エナジーを5人分用意しておきますね」
フリン「そういえば、兵舎で出会った亡霊の部屋で、奇妙な太鼓を手に入れておるのじゃが、これはなんじゃ?」
DM「あぁ、騎士の控壁棟の部屋ですね。それはドラムズ・オヴ・パニックと呼ばれるマジック・アイテムですよ。叩けば周囲のキャラクターはフィアー[恐怖]の効果を受けるようですよ」
ラド「敵だけ?」
DM「味方もですw」
ラド「何だかいまいちだな」
トビン「じゃ、ボクが持つよ!」
DM「[恐怖]を感じないケンダーが皆に[恐怖]を与えるw」
フリン「ワシも使ってみたいのじゃが、フロスト・グレートアックスをもって前衛に立たないといかんからなぁ。ちなみに、ポッチはリインカーネーション中で、今日はワシだけで行くぞ!」
ラド「単純に、邪魔なだけでしょwww」
フリン「そ、そんなことないわい!」
【ドラムズ・オヴ・パニック】
これらの太鼓は、半径1〜1/2フィートの半球型の太鼓、いわゆるティンパニで、2つの太鼓がペアになっている他は特に目立った特徴はありません。
この2つの太鼓を同時に鳴らすと、半径120フィート(半径20フィートの安全ゾーンを除く)にいる全てのクリーチャーは難緯度16の意思セーヴに失敗すると、フィアーの呪文のような影響を受けます。1日に1回使用可能。
中程度の死霊術。クレリック・7レベル。《その他の魔法のアイテム作成》、フィアー。市場価格 30,000stl。10ポンド。
さて、前回のブルードラゴンを倒してから、3日が経過しております。
ソラムニア騎士団と青竜軍のにらみ合いが続いていますが、青竜軍は着々と軍備を整えつつあり、まもなく総攻撃が行われるという噂が流れています。
暦はA.C.352年、ウィンターディープの月、9番目の日です。
その日の昼間、大司教の塔の門に近づいてくる人物がいました。
その男の黒い鎧は、汚れたコートやレギンスを着用しているにもかかわらず、淡い陽射しに眩しく輝いています。
彼は門の100フィートほど前に立ち止まると、塔の見張りに向かって声を上げます。
男「ソラムニア騎士たちに告げる! 俺の名前は青竜軍のクール出身のビンダーだ。ハラスという名の騎士を探している。かつて、アイツは俺に対して不正を行った。俺は彼と一対一の決闘を申し込みにきた。もしお前たちが名誉を守る騎士であれば、その男をここに呼んで、俺と正々堂々と決闘をさせろ! 俺は戦う準備ができている」
この突然の状況にソラムニア騎士たちは驚きますが、ハラスという名の騎士が、確かに騎士団に所属しているハラス卿の事だとわかると、騎士たちは彼を探し始めました。
すぐにハラスという名前の騎士が見つかりましたが、このハラスは亡くなった父親の名前を受け継いでおり、まだ年若い一人息子で、最近スクワイヤーとして認められたばかりの若輩です。
ビンダーの言う男が、この亡くなった父親のハラス卿の事であることは明らかですが、亡くなった父に対して申し込まれた挑戦は、その子によって応えることが筋です。
彼の母は今、パランサスで彼の帰りを待っており、もし彼がここで死んでしまえば、ハラス家の血統はここで途絶え、ドラゴン軍に侵略されたハラス家の領地を取り戻すことはできなくなるでしょう。
しかし、不可能ではないにしろ、従者のハラスではこの一対一の決闘は荷が重く、このまま彼が戦いに赴けば、やすやすと殺されに行くようなものです。
ちなみに、騎士の典範には、誰かが代わりに一対一の決闘の申し入れを受けても、それは典範に劣る行為ではありません。
トビン「マスター、ひとつ問題が――」
DM「何ですか?」
トビン「ボクらの中には今日は正式な騎士がいないのだけど――」
PL「www」
DM「確かに、アングリフもヴィヌクもいませんよね」
ラド「残念ながらw」
リヴァーウィンド「そうなんだよな」
トビン「でも一応、ボクもハラス君と同じくスクワイヤーなんだけどw」
ラド「うーん、まぁ」
フリン「いたw スクワイヤーw」
トビン「でもボクどちらかというと、嘲りとかそういう卑怯な戦い方しかできないからw」
ラド「あ、ヘイストの呪文くらいはかけてあげるよw」
トビン「止めときますw」
ゴールドムーン「では、私が……」
PL『止めてw』
ハラス「こ、ここはやはり僕がいかねば――ウグッ(チラッ)」
DM「ハラスは腕に傷を負っていて、2、3歩、歩くごとに辛そうに悲鳴をかみ殺していますよ」
ラド「無理じゃんw」
フリン「わかりやすいなw」
ラド「てか、何故こっちを見るw」
ハラス「今度の秋の収穫祭には、うちの母に立派な牛小屋を建てるんだ!こ、こんなところで負けてられない――(チラッチラッ)」
フリン「こっち見とるw」
PL「www」
トビン「相手強そう?」
ラド「〈知識:自然〉の達成値29で相手の正体がわかる?」
DM「動物の骨や木の実で作られた装飾品を身に着けており、身なりからしてネラーカの南東の国、クールの遊牧民のようです。見た目はファイターで、君たちと同じかちょっと上のレベル」
リヴァーウィンド「俺、皆よりレベルが1つ低いからな。カスとかで勝負できないのか」
ゴールドムーン「麻雀漫画ではないのですからw」
フリン「となれば、ワシしかおるまい」
DM「あ、防御呪文はOKですよ」
フリン「いや呪文がいらぬが、ストーンスキンは欲しいのぅ。あとヘイストも」
ラド「結局、いるんじゃんw」
暫くして胸壁の上に現れたハラスと冒険者たち。
ビンダー「ハラスはどこだ!」
ハラス「は、ハラスは私だ! お前が言うハラスは私の父、ハラス卿だ! だが、父は既にこの戦争で亡くなっている!」
ビンダー「そうか、ならば父への挑戦はお前が受けるか、小僧!」
ラド「聞け、このハラスはまだ見習い騎士だ! それに負傷している! こんな勝負にならない決闘は認められないぞ!」
ハラス卿「そ、そんな僕だってできる――ウグッ、ゴフッ(胸を押さえながら)」
ラド「代わりにうちのこのドワーフが出る!」
PL「www」
フリン「ハラス君、お主には無理じゃ」
DM「ハラスは激しく頷いていますよw」
PL「www」
フリン「……。と、というわけで、ワシがハラス君の代理をかってでよう。ワシにこんな名誉ある代役を務めさせて頂けるのならやりましょうぞ!」
ハラス「すまない、ドワーフの御仁。僕が万全の体調であったならば――」
PL「www」
ラド「じゃ、しらけた顔をしながら、ダイヤモンドの粉でストーンスキンの呪文をかけて、ヘイストの呪文も入れておくな」
フリン「忝ない」
トビン「お金はパーティ資金から出しておくね」
ビンダー「まだか!待ちくたびれたぞ!」
フリン「ビンダー、ワシが代役を務める! まずはお主の決闘の大儀を聞かせてもらおう」
ビンダー「俺が一対一の勝負を申し入れたのに、向こうは背を向けて逃げていった!騎士だったら正々堂々と勝負しろ!」
フリン「なるほど、もっともだ。まぁあまりにも実力に差がある。ハラス卿は未熟で体が病んでおる。その状態で決闘をするのは――」
ハラス「ゴホッゴホッ!」
トビン「腕だけじゃなくて、体もかwww」
PL「www」
フリン「その状態で決闘をするのはあまりに不当。騎士典範に定められた通り、ワシが代役としてお主と相まみえよう。ハラス卿の名誉をこれ以上罵ることは許さん!よく知らんけどw」
PL「www」
ビンダー「なかなか騎士団の中にも骨のある奴はいるようだな。ならば、ハラスの代わりに貴様との戦いを受け入れよう!」
というわけで、戦闘開始です。
フリン「そうじゃ、ヘイストの呪文がかかっておるし、まずコンポジット・ロングボウで撃ちまくって、逃げ回ればいいのか」
ラド「酷いw」
DM「この章のシナリオのポイントは覚えていますか? 騎士の士気というのがありましてね、まぁそれがどうなるかw」
PL「www」
フリン「いや、ちょっと頭を過ぎっただけじゃよw」
フリン「じゃワシの番。まずはビンダーに突撃じゃ。コロコロ、AC26まで命中。16+1[冷気]ダメージ」
DM「フリンの攻撃は効いているようですが、敵の鎧がそのダメージを少し受け止めていますよ」
フリン「ダメージ減少能力の鎧か!?」
ラド「あの黒い輝き、まさかアダマンティン!?」
DM「お、鋭いですね。正しくはスターメタル(隕鉄)ですけど」
ビンダーは、グレートソードを振いながら3回の攻撃を仕掛けてきましたが、全て外します。
フリン「何じゃ、お主の剣はなまくらか! ワシの攻撃行くぞ。1回目はAC24まで命中、ダメージ16+3[冷気]。2回目はAC34まで命中、ダメージは15+6[冷気]、3回目AC16までミス、4回目ヘイスト分はAC18までミス。どうじゃ!」
ビンダー「今に見ていろ! 我が魂盗りの剣ジョクミタイの餌食にしてやる! 1回目はAC25までミス、2回目AC22までミス、3回目はAC30まで命中、ダメージ25点!」
フリン「くっ、当たると痛いな。次も全力攻撃じゃ。AC34まで命中、ダメージ11+4[冷気]。AC31まで命中、ダメージ13+6[冷気]、AC27まで命中、ダメージ14+2[冷気]、最後はミス」
ビンダー「俺は1回目ミス、2回目ミス、3回目AC29まで命中、ダメージ26点!」
フリン「痛い痛い。みるみるヒットポイントが削られていく。ストーンスキンが無かったらヤバかったわい」
ドラコニアンやオーガたちが、彼らの周りを取り囲み、はやし立てながら、二人の決戦の行方を見守っています。
二人の剣が、弾け合うように戦場に鳴り響いています。
フリン「ワシはAC28まで命中、ダメージ17+4[冷気]。AC34まで命中、ダメージ13+1[冷気]。AC24まで命中、ダメージ11+1[冷気]、AC22まで命中、ダメージ18+6[冷気]。どうじゃ? お主大分苦しそうじゃの。そろそろ降参するか?」
ビンダー「五月蝿い! 1回目ミス、2回目ミス、3回目命中、ダメージ24点!」
フリン「お主がその気なら倒すまでじゃ! コロコロ、AC25まで命中、ダメージ16+6[冷気]!」
そこでフリンの戦斧の一撃が、黒い鎧を着込んだクール人の脇腹に喰い込むと、彼はよろめくとそのまま後ろへバタリと倒れました。
ビンダー「ぬ、抜かったか……き、貴様は、さぞ名のある、戦士だろう。貴様のような、お、男に倒されたのなら、ほ、本望だ。さぁトドメを刺せ……」
フリン「トドメはささん。捕虜にしてやる。もはやお前には帰る場所がないだろう? お前は未開故に、暗黒の女王の魂に捕らえられたのだろう。ワシらがその性根をたたき直し、騎士道というものをこの〈大司教の塔〉で教えてやる!」
ビンダー「お、俺は戦いに敗れた。俺の命は、お前たちのもの、好きにするがいい!」
塔の騎士たち『おおお!』
DM「周りを囲んでいたドラゴン軍の輩は、しょぼしょぼと戻っていきますよ」
こうして敵のクール人との一騎打ちに勝った冒険者たちのおかげで、塔の騎士達の士気は高揚していきます。
戦利品:
ビンダーの持ち物
・+1スターメタル・バンデッドメイル(DR3)
・+1グレート・ソード・ライフスティール
・+2アミュレット・オヴ・ヘルス → ラドに
・+1クローク・オヴ・レジスタンス → フリンに
ドラゴンデス
その夜、谷に霧が立ち込めてきます。
戦いに疲れ、深い眠りに落ちているフリン達。
ただ、トビンだけが寝付けずに塔の見張りをからかいに散歩しています。
空を見上げると、塔の上空にオーロラのような光がはためいています。
トビンの頭に声が響きます。
声『時が訪れました。さぁ急ぐのです、答えは“内”にあります』
トビン「え?何?」
DM「ではこの言葉を理解できるかどうかd100してみてください」
トビン「え、何だろう。コロコロ、77」
DM「あーぁ、75%でわかったのですが、惜しかったですねw」
PL「惜しいw」
トビン「うーん、さっぱりわからないや。戻ってフリンたちに聞いてみようかな」
トビン「ねぇねぇ、フリン、起きて起きて。変な声が聞こえたんだけど――」
フリン「なんじゃ、五月蠅いのう。こんな夜中にお前の見た夢で起こすんじゃないわい!ムニャムニャ……」
トビン「なんだよう。ホントに聞いたのに。もういいや、ボクも寝る!」
ふて腐れて寝床に入るトビン。
ウィンターディープの月、13番目の日。
朝が来て、彼はパーティにその出来事を話して聞かせます。
ラド「はいはい、夢でも見たんじゃないか」
フリン「それは神聖なものだったのか?それとも邪悪なものだったのか?」
トビン「少なくとも[恐怖]は感じなかった」
ゴールドムーン「神からのお告げかもしれませんね」
ラド「ふむ。時が来たというのは決戦の時が来たことかもしれん。答えは内にある? 何のことだ?塔にあったドラゴンオーブと関係があるのか?」
ブライアン「それは、ドラゴンデスのことではないのか?」
PL「ブライアン、いたんだw」
DM「いますよw」
ラド「それは塔にあるというドラゴンに対抗するための罠のことか?」
ブライアン「たぶん、そうだ。君たちを塔の入り口に案内した際にあった鉄板の仕掛けだろう。かつて第3次ドラゴン戦争の時に、ソラムニア爵士団がドラゴンに対して死の罠(デス・トラップ)として機能するよう、塔の入り口にドワーフの手によって改造を施したと聞く」
トビン「そういえば、アスティヌスも、オーブでドラゴンを塔の中に誘い込んで倒せとか言っていたような」
ブライアン「君たちのおかげで塔の封印が解かれたため、我々もこの数日、塔の1階を調査したのだが、1階の中央の部屋に祭壇を発見している。塔の5つの入り口を開放し、おそらく中央の祭壇の部屋でオーブを使ってドラゴンをおびき寄せ、途中の通路の落とし格子でドラゴンの動きを封じて倒すような仕組みになっているのだろう」
フリン「ドラゴンの動きを封じるのか! それならば、数匹のドラゴンでも相手にできるかもしれん!」
ブライアン「よし、祭壇に案内しよう」
決戦
ブライアンに導かれ、彼らは塔の1階の祭壇の間にやってきました。
そこは、冷たい冷気が遙か頭上の暗闇から降りてくる吹き抜け構造の大きな円形の部屋でした。
部屋は塔のそれぞれの入り口から続く5つの大きな戸口があり、部屋の中央には立派な祭壇があります。厚い埃が取り払われた祭壇には、装飾が施されており、ちょうどオーブを設置できそうな窪みがありました。
ブライアン「どうやら、そこの中央の祭壇に何かがはめ込まれていた痕がある」
ラド「なるほど。たぶんそこにドラゴンオーブをはめ込むと、ドラゴンに対する塔の仕掛けが活性化するようだな」
リヴァーウィンド「ふむ、この仕掛けでドラゴンオーブを使って撃退しろっていうことか」
ラド「できればドラゴンオーブを使いたくないのだが……」
フリン「何を言っておる、オーブを使えるのはお主しかおらん」
ラド「うーん、確かにドラゴンオーブをうまく使うことができればドラゴンをおびき寄せることは容易い。相手が意思セーヴに失敗すれば、オーブの召喚に応じてオーブの下に集まる。だが、オーブを制御するには、難易度25の意思セーヴに成功しなければ――」
DM「失敗したら、使用者の心はオーブに捕らわれて、逆にオーブに操られてしまいますよ」
ラド「そうそう、それから脱出するためには、結局オーブを誰かに壊してもらうしかないし、そうなればオーブが無くなってしまうぞ」
トビン「大丈夫。ボク、もう1個持っているから!」
ラド「いやいやいやw」
トビン「ここ、ラドの見せ場なんだからw」
リヴァーウィンド「だが、オーブは自我を持っていると聞く。そう易々と我々に抵抗無く壊されることはしないだろう」
ラド「確かに、オーブには自我がある上、自己防衛本能の塊だ。俺がオーブに制御に失敗したら何が起きるか想像できん」
ゴールドムーン「少しでも成功確率を上げるため、私がアウルズ・ウィズダムでラドの【判断力】を上げて意思セーヴの修正値にボーナスをつけましょう」
フリン「意思セーヴの修正値はいくつなのじゃ?」
ラド「修正値は10。アウルズ・ウィズダムで+2で12か。あ、そういえばクローク・オヴ・レジスタンス+3を持っている人いなかったっけ?」
リヴァーウィンド「あぁ、シルヴァレンが持っていたが、シルヴァラと一緒にサンクションへ旅立った(←中の人同一人物)」
ラド「持ち逃げ野郎――」
PL「www」
ラド「後は、ゴールドムーンのレジスタンスの呪文くらいか」
ゴールドムーン「レジスタンスでセーヴに+1の抵抗ボーナス、それにガイダンスの呪文で攻撃・セーヴ・技能判定のロールいずれかに+1の技量ボーナス」
トビン「そうだ、ヤルスの亡霊に呪文かけてもらえないかな。ほら、ヴィヌクが使っていた、あの呪文! 何て言っていたかなぁ、インサイト・オヴ・ヤルス! そのヤルスって大司教ヤルスの事だよね! 本人がいるんだよ、たぶんかけて貰えるはず!」
DM「まぁ、今日は騎士の二人が休みだし、良いでしょう」
ラド「全く――、彼奴ら、この大事な時にいないんだからw」
【アウルズ・ウィズダム】
ウィザード/クレリック呪文レベル2の変成術呪文。
対象はより賢明になり、【判断力】に+4の強化ボーナスを得ます。
【レジスタンス】
ウィザード/クレリック呪文レベル0の防御術呪文。
術者は対象に魔法のエネルギーを付与し、対象の害から守り、セーヴ判定に+1の抵抗ボーナスを与えます。
戦いの準備を進める冒険者たちの前に、ヤルスの亡霊が現れて言います。
ヤルス『我が名を呼ぶのは誰か?』
トビン「うはw 出てきたw」
ヤルス『戦いの時は来たようだな。汝らがこれから立ち向かう脅威に対して、我が力が盾となり、汝らを守ろうぞ。インサイト・オヴ・ヤルス! 汝らの行き先に幸運があらんことを!』
DM「というわけで、塔にいる皆さんの攻撃ロール、AC、技能判定、セーヴ判定に+2の洞察ボーナスを得ます。ちなみにレベル/ラウンドの呪文なので直前に現れたということで」
PL「おおw」
【インサイト・オヴ・ヤルス】
クレリック術者レベル4の変成術呪文。
この信仰呪文によって術者とその味方は皆、敵に対してぶれて見えるようになり、攻撃ロール、AC、技能判定、セーヴ判定に洞察ボーナスを得ます。さらにまた、どんなキャラクターでもそのボーナスの代わりに他のアクションとして、技能判定か攻撃ロールのための援護を+4ボーナスで行うことができます。
ラド「ありがたい、これで10+2+1+1+2で16か……」
ゴールドムーン「そうね、後はプレイヤーの呪文で味方の攻撃ロール、武器のダメージ・ロール、セーヴ、技能判定に+1の幸運ボーナスかしら」
ラド「それで17。成功確率65%か、しょうがない、もうなるようになれだ。オーブを祭壇にセットしよう」
見張りの騎士『敵だ!敵が来たぞ!敵襲!』
上空では、空を覆い尽くすドラゴンの群れ。
まるで津波のように押し寄せてくるドラコニアンやゴブリン、人間などの青竜軍の軍勢。
ブライアン「大司教の塔は、信じる者が守れば、決して落ちないと言われている。さぁ、みんな、勇気を出して戦うのだ!インスパイア・カレッジ!」
騎士達『おお!』
DM「ブライアンのインスパイア・カレッジにより、攻撃ロール、技能判定、[恐怖]と[魅了]のセーヴに+2士気ボーナスが付きますよ」
PL「おおw」
PL「インスパイア・カレッジキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
ラド「さすがに[恐怖]と[魅了]のセーヴじゃないよな……」
【インスパイア・カレッジ】
ソラムニア騎士の特殊能力。
彼らは恐怖が味方の戦力を奪わないように、1日に2回、[魅了][恐怖]に対してのセーヴと攻撃ロールとダメージ・ロールに+2の士気ボーナスを与えて、味方(自分を含む)の勇気を奮い立たせることができます。
その影響を受けるには、味方は〈薔薇〉の騎士の声を聞くことができなければならず、効果は〈薔薇〉の騎士が話し続けている間とその後5ラウンドの間続きます。
上空からドラゴンが飛来して、ドーンドーンと塔にぶつかり始めます。
すると塔が地響きのように天井から壁が崩れてきたりして、塔がダメージを受けています。
その下では、持ちこたえろ!耐えるのだ!と叫びながら敵の攻撃を防ごうとしている騎士、ドラゴンの電撃に焼かれて炭と化した死体、攻め寄せるゴブリンやドラコニアンの軍隊に打ち倒されている者たちの凄まじい光景が目の前で繰り広げられています。
ゴールドムーン「では前もって、皆にプロテクション・フロム・エナジー([電撃])をかけておきますね」
ラド「俺もヘイスト、それからリヴァーウィンドとフリンにストーンスキンをかけておこう」
リヴァーウィンド「ありがたい」
ラド「あと、フライをフリンとトビンに! 自分にプロテクション・フロム・イービルを!」
【プロテクション・フロム・エナジー】
ウィザード/クレリック呪文レベル3の防御術呪文。
術者が選択した[音波][酸][電気][火][冷気]のいずれか1種類のエネルギーに対する一時的な完全耐性を目標に与えます。
最大で120ポイント(術者レベルごとに12ポイント)のエネルギー・ダメージを軽減したら、この呪文の効果は無くなります。
トビン「そうだ、ボクが〈真見の眼鏡〉でオーブの制御の援護できないかな。魔法装置使用で+10の状況ボーナスが入るし」
DM「いいですよ。ではロールを」
ラド「よし、いくぞ!」
トビン「うん、援護ロールは、コロコロ、達成値15で成功!」
DM「では+2の状況ボーナスをラドの判定に加えてください」
ラド「これで修正値+19。D&D3.5はセーヴ振ったら負けだからなぁ……」
フリン「何を弱気になっとるのじゃ!とっととやらんかい!」
ラド「何かあったときはオーブを割ってくれよ、コロコロ――」
ダイス目は20。
PL「おおw」
ラド「おおっし!」
トビン「凄いよ!」
フリン「ドラゴンオーブの制御に成功した!」
ラド「達成値は39だな、あー疲れたw」
塔の周りにごまんと蠢いていたドラゴン軍がぱたりと停止します。
力の弱いドラコニアンたちが退去して逃げて行きます。
DM「それでは、召喚に応じるかドラゴンの意思セーヴをしますね。コロコロ――、失敗」
オーブの力に引き寄せられた青い竜が、開放された塔の入り口を通って、冒険者たちのいる塔の中心の祭壇の間に向かってやって来ます。
奥に向かう回廊は段々狭くなっており、ドラゴンの巨体を阻みますが、召喚に応じずにはいられません。
そうして十分にドラゴンが回廊に入り込んだ時、ドラゴンデスの塔の罠が発動し、落とし格子がドラゴンの前後に落ちて来て動きを封じ込めます。
翼は動きを封じられて、建物を震わせるほどの悲鳴を上げます。
ブライアン「よし、今の内にドラゴンをやるぞ! ドラゴンを倒せば、我らにも勝機がある!」
戦闘開始です。
リヴァーウィンド「最初は俺か。よし、では近づいても機会攻撃を受けないな。俺はドラゴンの脇に入り込んで、魔法のククリとロングソードでアイツの脇腹を抉ってやる! コロコロ、AC26まで命中!ダメージは9点、さらに逆手でAC32まで命中!9点!」
ラド「俺は、ドラゴンオーブの制御を維持が――」
DM「あぁ、最初だけで大丈夫ですよ。もう罠にはかかったので」
ラド「マジで? よかったぁ。オーブの制御の維持なんて絶対無理だからw てか、もう俺の仕事は済んだから、どうしよう」
DM「やるのは自由ですよw」
ラド「やりませんw とりあえず、スコーチング・レイを撃つためにトゥルー・ストライクでも唱えておくか。次の自分の攻撃ロールに+20の洞察ボーナスね」
【スコーチング・レイ】
ウィザード呪文レベル2の力術呪文。
術者は目標を火炎光線で撃ちます。術者は目標に対して遠隔接触攻撃を行い、命中しなければダメージを与えることができません。
【トゥルー・ストライク】
ウィザード呪文レベル1の占術呪文。
術者は次の攻撃に一時的な洞察力を得て、攻撃ロールに+20の洞察ボーナスを加えることができます。
焦点具:弓術の的をかたどった小さな木製のレプリカ。
懐から小さな木製の的を取り出したラドは、それを焦点具にして呪文を唱えます。
彼の感覚が急に研ぎ澄まされ、彼の攻撃呪文はどんな的にも当たりそうになります。
トビン「次はボクの番! 敵は動きが取れない状態だから、【敏捷力】ボーナスをACに加えられない状態――ということは急所攻撃が入る!」
ラド「ローグ的には見逃せないポイントだな」
フリン「しかも今、ドラゴンは立ちすくみ状態じゃ!」
トビン「では5フィートステップして前に出て、シザックを構えて矢を撃ちまくるよ! AC37まで命中、急所入れて7点。2発目はミス、3発目はAC36まで命中、ダメージ10点!」
フリン「ワシは突撃して接敵じゃ! AC38まで命中、ダメージ8点+[冷気]6!」
ドラゴンはブレスを吹こうとしますが、動きを封じられているため、うまく高圧の電気を灰に貯め込むことができないようです。諦めて、前方にいるフリンに噛みついて、その鋭い爪で彼の体を抉ろうとしますが、ドワーフは低くしゃがんで攻撃をやり過ごします。
続けて、押さえつけられた痛みに耐えながらドラゴンは、リヴァーウィンドの体を尻尾ではね飛ばそうとしますが、こちらも素早くかわされてしまいます。
ブルードラゴン『ぐあぁ―――!!! 人間め!許さんぞ!』
ゴールドムーン「では私のホーリィ・スマイトで浄化してあげるわ! コロコロ、ダメージ25点。セーヴ難易度20で意思セーヴを!」
DM「その前に、ドラゴンの呪文抵抗を通してくださいねw」
ゴールドムーン「えっと、コロコロ。敵の呪文抵抗を通しました!」
DM「コロコロ、それくらいなら余裕で成功! ダメージは半減されました」
ゴールドムーンの聖なる光の一撃が青竜を打ち倒そうとしますが、ドラゴンの強靱な精神の前にはその聖なる力が半減してしまいます。
ブルードラゴン『どうした! 光の神の力とはその程度か!』
2ラウンド目です。
リヴァーウィンド「うーん、次は激怒しようか」
トビン「おお、流石バーバリアン!しなきゃ!」
リヴァーウィンド「では、キーン・ロングソードで攻撃! 1回目はAC20までミス、2回目はAC24までミス。3回目は出目1でミス、3回目はAC26までで命中! ダメージ9点! 逆手の分は、AC34まで命中、ダメージ9点!」
少しずつですが、ドラゴンの厚い鱗が削られて、ダメージが積み重ねられていきます。
ラド「よし、俺はスコーチング・レイ! 3本分行きます。1本目、呪文抵抗は30で成功。接触AC31まで命中、火ダメージ11点。2本目、呪文抵抗25で成功。接触AC14まで命中、火ダメージ21点。3本目、呪文抵抗27で成功。接触AC20命中、火ダメージ10点!」
ラドの放った魔法の炎が青い竜の鱗を焼いて肉を焦がしていきます。
少しずつですが、ドラゴンの厚い鱗が削られて、ダメージが積み重ねられていきます。
トビン「じゃボクも近づいて攻撃するね。移動して接敵し、シザックでそのまま斬りかかります。双刀武器なので、1回目がミス、2回目もミス――。あれ、当たらないw」
ラド「変な武器だなw」
フリン「ワシも当てるぞ! 全力攻撃じゃ。AC30まで命中、ダメージ19点+[冷気]4。次はAC31まで命中、ダメージ17点+[冷気]1。3回目はAC32まで命中ダメージ15点+[冷気]3、4回目はAC27まで命中、ダメージ13点+[冷気]2!」
ブルードラゴン『ぐぉぉぉ、こんな罠さえ無ければ、人間なぞ我の雷のブレスで焼き殺してやろうぞ!!!』
再び、ドラゴンの凶悪な顎と鋭い爪がフリンを攻撃します。
DM「噛みつきがAC32まで命中、ダメージ29点。続けて爪がAC30までミス」
フリン「遂に嚼まれたか。ストーンスキンで10点減らして、実質19点じゃ」
ブルードラゴン『何だこの固いドワーフは!』
残りの爪がトビンを攻撃し、巨大な尻尾が再びリヴァーウィンドを襲いますが、二人ともうまくかわします。
ゴールドムーン「私はシアリング・ライトの呪文でドラゴンを攻撃しますね」
ラド「クレリックまで攻撃しまくりだなw」
ゴールドムーン「コロコロ、まず呪文抵抗は12で失敗……」
【シアリング・ライト】
クレリック呪文レベル3の力術呪文。
聖なる力を太陽光線のように収束させ、術者の開いた掌から燦めく光を撃ち出します。
目標に遠隔接触攻撃が命中すれば、目標にダメージを与えることができ、特にアンデットに対しては効果を発揮します。
ゴールドムーンが開いた拳から焼けつく光線がドラゴンに向けて放たれましたが、ドラゴンの青い鱗がその光をかき消してしまいます。
ラド「やっぱり《抵抗破り》の特技がないと厳しいな」
リヴァーウィンド「俺は、5フィートステップしてトビンとドラゴンを挟み撃ちにして、キーン・ロングソードで攻撃する。1回目、AC25までミス。2回目、AC27まで命中。ダメージ6点。3回目、クリティカル! ダメージ22点!」
リヴァーウィンドのロングソードの会心の一撃(クリティカル)により、大きな青い竜は断末魔の雄叫びを上げると、やがて動かなくなりました。
塔に侵入していたドラコニアンやオーガなどの部隊は、その姿をみると波のように撤退していきます。
ゴールドムーン「やったわ!」
フリン「凄い、これが塔の本当の力じゃ!」
ラド「まぁ、俺の出目20のおかげだけど。てかドラゴンランス関係ないやんw」
PL「www」
DM「それでは、このシナリオの勝利ポイントの計算をしてみましょうか」
・現在の騎士団の士気値は 17
・ドラゴンオーブを作動させた +3
・ドラゴン軍を撃退した +1
・バークス軍の参戦 +5
・ヤルスの帰還 +5
・現在31
DM「それに誰か1d6をしてください」
リヴァーウィンド「ここはやっぱりラドでw」
ラド「コロコロ、5」
DM「では合計ポイントは36。大勝利です!」
塔の外では、ブライアンら率いるソラムニア騎士団がドラコニアン達を撃退し、士気を失い敗走するドラゴン軍にバークス率いる〈夜明けの角笛〉の軍団が追い討ちを仕掛けています。
塔から見渡すソラムニア平原から、ドラゴン軍が姿を消して行きます。
青竜軍を率いるドラゴン卿も、戦力の象徴のブルードラゴンを失い、ヴィンガールド要塞まで軍を引く指令を出しました。
ソラムニア騎士団の旗が、大司教の塔にはためいています。ホワイトストーンの同盟軍の最初の大きな反抗は見事に成功しました。
しかし、この勝利のために多大な犠牲も支払われました。多くの騎士達が、この戦場で命を落としていったのです。しかし、生きている者達に勝利をもたらしてくれたのは、冒険者たちのおかげです。
こうして〈竜槍戦争〉の最初の反撃が開始されたのです。倒された青竜の死体は、平和ボケしたパランサスの市民を目覚めさせるでしょう。しかし、青き女卿率いる青竜軍は、すぐに軍を整えて復讐のため、彼らの元に現れるでしょう。
長い夜はまだ終わったわけではありません。しかし、僅かな希望の夜明けが訪れようとしていたのです。
エピローグ
こうして、今回の物語は終わりを迎えます。
パランサスでは戦勝の祝いと追悼の式典が行われ、近く戦いに参戦する善竜の合流と共に、ホワイトストーン軍の反撃が始まります。
ラドは〈上位魔法の塔〉にオーブを持ち帰り、異端者として彼らに追われる日々から解放されます。
トビンは、今回の働きにより、正式に騎士の位が与えられ、ケンダー初のソラムニア騎士、〈冠〉勲爵士の列に加えられました。
ヴィヌクやフリン、ゴールドムーンにリヴァーウィンドも、そして〈大司教の塔〉で戦った英雄たちと共に褒め称えられるでしょう。
そして、ブライアンはパランサスにいるリリスと結ばれたのでしょうか?
グンター卿「ソラムニア〈剣〉の勲爵士、ブライアン・ドンナー。汝は、このリリス・ホールマークを妻とし、病めるときも健やかなるときも、死が二人を分かつまで永遠の愛を誓うか?」
パランサスに勝利の凱旋と共に帰還したソラムニア騎士たちや冒険者たちは、街の中心にある市庁舎に集まっていました。
そこにはグンター卿も駆けつけ、ある二人の結婚の儀が行われていました。
ブライアン「は、はい。誓います!」
グンター卿「では、〈大図書館〉の司書、リリス・ホールマーク。汝はブライアン・ドンナーを夫とし、病めるときも健やかなるときも、死が二人を分かつまで永遠の愛を誓うか?」
純白のベールとドレスに身を包んだ美しい女性は、傍らに立つ騎士を見上げて答えます。
リリス「はい、誓います」
グンター卿「よろしい。では誓いのキスを」
張り詰めた表情で、彼女のベールを取るブライアン。
リリスと呼ばれた女性は、夫となる彼の顔を見上げてクスッと微笑むと、そのまま背を伸ばして、唇を重ねます。
グンター卿「では武勇と名誉の神キリ=ジョリス、そして知識の神ギレアンの御名において、ここに二人を夫婦とする」
列席者からの歓声と鳴り止まない拍手。
もちろん、そこにはソラムニア騎士団に勝利をもたらした冒険者たちの姿もありました。
ソラムニア騎士の正装に身を包んだ騎士たち、そして隣にはドワーフの戦士と、儀式用の豪華なローブを着た魔術師。
メダリオンが首に光る平原人のミシャカルの癒し手とその夫、そして〈冠〉の紋章が入った儀式用の騎士団の服を着たケンダーの姿が。
一同『おめでとー!ブライアン!リリス!』
ドラゴンランス 尖塔の青竜の書 完 奪われた竜の卵編へと続く
■ あとがき