MAY YOUR POUCHES NEVER BE EMPTY!
君の小袋がいつまでも空っぽになりませんように!
author michi

Pathfinder of Rahasia (ラハシアの道標) 〜風のラハシア〜
Rahasia :戻る

イントロダクション


 深緑の茂るエルフの森の奥深くに、グレイマウンテンはある。
 その神殿は瞑想と修学の場所であった。
 ラヒブと呼ばれる邪悪なるクレリックに支配されるまでは……。

 グレイマウンテンの麓、神殿の大いなる祭壇の目をラヒブはゆっくりと歩いていた。
 そこへ茶色のローブを着た一人の従者と思わしき者が走りよってきた。
 男はひざまずくと、ラヒブの傍らに座す黒豹の存在に震えながらも、報告を始めた。

「ラヒブ様、冒険者のパーティが日の出と共に村にやってまいりました。そしてラハシアを護っております」
 と。

「私にはラハシアが必要だっ!」

 ラヒブは額に苦渋の汗をよぎらせながら叫び
「今夜再び村を襲撃するぞ」
と、命令を下した。

 従者がそそくさと立ち去る後姿を見送り、黒豹が低いうなり声をあげた。

 黒豹の鎖をつかみながら、ラヒブは再びゆっくりと歩みだし、虚空に語りかける。
「その冒険者達を早急に始末しなければならぬな。神殿の地下に眠る秘密は、そう長くは放置しておけぬのだっ!!」
 と、大声で叫び出した。
 呼応して黒豹のほえ声が続き、
 神殿に反響する。
 高く、深く。

――ということで、始まりました今回のプレイレポートは、先月の9月の頭に開催された、第2.5回 Pathfinder Challengers Convention (以下PFCC)からお届け致します。
 今回は、D&D3.5版の後継とも言われる"Pathfinder Roleplaying Game"の正式ルール発売記念ということで、集まったメンバーはDMを含めて7人。Conventionのオマケ企画なので1卓のみでした。

 DMは、以前の"ドラゴンランス 〜時の金床〜 セッション"でお世話になった、A.D.D.Aのらぱんどらさんで、シナリオは、クラシックD&D世代にはお馴染みの傑作シナリオ、B7モジュール「ラハシア」を Pathfinder のルールに合わせてらぱんどらさんライクにリヴァイスしたものです。
 ちなみに、このシナリオの作者はドラゴンランスの作者、トレーシー・ヒックマンの夫妻という巡り合わせで、ドラゴンランス繋がりにビックリしました。

Pathfinder Roleplaying Game rahasia ドラゴンランス秘史 青きドラゴン女卿の竜

 トレイシー・ヒックマンのドラゴンランスといえば、今月末に邦訳版がアスキー・メディアワークスから"ドラゴンランス秘史"の二巻目、『青きドラゴン女卿の竜』が発売されますね。
 前作の『ドワーフ地底王国の竜』と同じく"ドラゴンランス(戦記)"で語られなかった物語で、今回は"氷壁の白竜"でローラナやタッスル達とドラゴン卿の戦いや、キティアラとソス卿の話などが描かれているようです。ランスのファンなら間違いなく必読ですね!

 では、宣伝もこれくらいにしておいて、今回一緒に冒険した仲間を紹介しましょう。

ラハシア:
 この物語のヒロインにして冒険の依頼者NPC。
 毎年、彼女への求婚者は絶えない、
 神学校のアイドルにてスクールクイーンの生徒会長。
 年中ベールを付けているのはパパの言い付けらしい。

セイ:ハーフエルフのローグ4Lv/sakiさん
 ダンジョンの隠し扉をどんどん見つけて、
 アグレッシヴに進むパーティのリーダー。
 ラハシアへ愛を語り、ラハシアの花婿に立候補中。
 今回はPFCCの主催、お疲れ様でした!

ミカエル:ハーフエルフのクレリック4Lv/自分
 私です。チャネル・エナジーならまかせとけ!
 敵も味方も回復させるぜ!範囲回復の専門家w
 セイと同じくラハシアの花婿に立候補中。
 母の形見のティアラを贈り、彼女の愛を望むイオメデェの僧侶。

バサラ:人間のバード4Lv/カズさん
 俺の歌を聴けぇ!が口癖のヴィジュアル系。
 美しい女性を見つければ愛を説く【魅力】18のキザ男
 人間だから花婿の資格無しだけど、俺の魅力で種族の壁を越え、ラハシアも振り向かせてみせるぜ!

サラ:ハーフエルフのレンジャー4Lv/Kaiさん
 遠距離攻撃ならお手の物、弓レンジャー!
 ラハシアの親友にして、暴走するバサラの突っ込み役w
 Pathfinderで新しく加わったクラスの特徴、得意な地形(favored terrain)はもちろんダンジョン!

スコット:人間のファイター4Lv/てつさん
 バスタードソードを振るうHuman Fighter OTOKO(HFO)。
 ファイターはD&D3.5版時代とはひと味違うぜ!
 Pathfinder、HFO最強伝説。クリティカルの鬼。

レイル:人間のパラディン4Lv/∀x∃yさん
 パーティの壁にして、影のリーダー。
 加えてファイターの次にダメージを叩き出す頼もしい人。
 「オレが責任を取るから任せろ!」


ここからは、ラハシア以外の登場人物たち。
現在の状況も含めて説明。

ラヒブ:
 突然村に現れて神への信仰を説き、その巧みな話術で村人の心をたちまち掌握した僧侶。
 神殿の神学校の生徒をも掌握し、何か善からぬことを企てている。
 ラハシアを花嫁に迎えようとするも拒絶される。
 実は陰謀の神、ロキの僧侶。悪のクレリック。

ランスター:
 ラハシアパパ。
 教師として働いている神殿の様子を見に行って行方不明となる。
 ラハシアの話では、神殿には一族の財宝が眠っているらしい。その中の1つには、大いなる善き力を使うことができるとされるペンダントとリングがあるそうだ。
 

ハサン:
 神学校の先輩でラハシアの婚約者の一人。
 しかし、財産を無くしたラハシアとの結婚を家族が許さないようだ。
 ラハシアパパを助けに行って帰ってこない。

シスワ達:
 神学校の生徒達。
 今はラヒブの呪文により彼の忠実な下僕に。

シルヴィアとメリッサ:
 ラハシアの親友。
 二日前、ラヒブがラハシアを含めた3人の娘の差し出しを村に要求したが、氏族会議が拒否したため、ラヒブに操られて村を襲撃したシスワ達より、連れ去られる。

怪しげな秘術商人:
 パーティたちが出会う、砂漠の国の怪しげな秘術商人。
 ウォーリアのクラス持ちらしい。

 さて物語は、エルフの乙女ラハシアに依頼されて、パーティ達は、邪教団に占領された古代の神殿に向かうといった内容です。
 パーティ達は、ラハシアと神学校の学友なのですが、ある日村に起こった事件によってラハシアから依頼を受けました。

 依頼の内容をまとめると、

・村にやってきた僧侶ラヒブのこと
・神学校がある神殿の様子がおかしい
・一族の財宝のこと
・父が様子を見に行ったが、戻ってこない
・父を捜しにいった婚約者の一人ハサンも行方不明
・村が人質の差し出しを拒否したために、ラヒブが神学校の生徒シスワ達を操り、村を襲撃したこと
・連れ去られた親友のシルヴィアとメリッサのこと
という感じでした。

 では、そろそろ本編に行ってみます。


侵入!そして、降伏


 ラヒブが住むというグレイマウンテンまでは村から半日程度です。
 まずは食料と水を買い込み、ラハシアを引き連れて出発します。

地図
PL「グレイマウンテンってどんなとこ?」
DM「そうですね、では〈知識:地理〉又は〈知識:歴史〉あたりで技能判定をどうぞ」

 結果、パーティの紅一点、弓レンジャーのサラが〈知識〉ロールに成功。

サラ「このあたりは、かつて、エリアスと呼ばれる人間のウィザードが住んでいて、山の中腹に神殿を造ったらしいよ」
PL「へぇ、それが今は怪しげなクレリックのラヒブの根城になっているわけか」

 まぁ、悪のクレリックってのはほぼ確定なので、私ミカエルが選んできたのは、対アンデット系の呪文ばかりでしたが、これが吉とでるか凶とでるかは――。

出発

 暫く神殿への小道を進むと、やがて右手に祠が見えてきました。
 とりあえずローグのセイを先頭に、用心して近づくパーティたち。
 一応、地元の者という設定ですが、ラヒブの下僕どもに襲われるとも限りません。

 どうやらパンテオンを祀ったもので、祠の扉には神殿のシンボルが描かれており、施錠されているようです。

PL「ここってよく使うんだっけ?」
ラハシア「いえ、年に二、三度、お祭りの時くらいですが」
セイ「〈知覚〉で確認したところ、最近かなり人の出入りがありそうだけどね」

〈知覚〉:
PathfinderではD&D3.5版であった〈視認〉〈聞き耳〉〈捜索〉技能は無くなり、D&D4版のように〈知覚〉に統一されました。
ちなみに〈解錠〉も〈装置無力化〉に統合され、簡略化されたようです。
セイ「では〈装置無力化〉で解錠、コロコロ。成功。スコット、開けて」
スコット「よし」

祠

 そこは、20フィート四方の小さな部屋で、中央には果敢に杖を掲げる女性の像が、祭壇の上に座っていました。

ラハシア「大国の賢者であり、"沈黙の道"の創設者で、シスワの指導者の像です。何年も前に、彼女の塔を攻撃した三人の魔女と物凄い戦いで、姿を消したと聞いています」
PL「へぇー」
セイ「では、辺りを調べます。足跡は〈生存〉かな?」
DM「何人かの足跡がありますよ。ほこらの左手に続いています」
セイ「では〈知覚〉しながら、辿っていきます」

 セイがほこらのなかの足跡、追って消えた、ポータル

 すると、床のマークが不思議な光を放ち、セイの姿がふっと消えました。

セイ「!?」
PL「え!?」
PL「どうなったの!?」
DM「さぁ?」
ミカエル「どこかにテレポートするポータルかな。すぐに先を追わないと、セイが危険かも」

 これが何か詳しく調べる間もなく、急いでセイが消えたという場所に足を踏み入れるパーティ達。
 同じように床のマークが輝いて、次々と消えていきます。

転送

 その頃、セイは直径30フィートくらいの八角形の部屋のくぼみのアルコーブの1つにいました。

セイ「ここはどこ?みんなは?」
DM「それでは、反応セーヴを」

 セイが動こうとした瞬間、目の前に天井から鉄格子が降りてきましたが、流石はローグ、軽い身のこなしで、落ちてくる鉄格子をくぐり抜け、くぼみから脱出し、部屋に転がり込みます。

『Intruder Alert! 侵入者警報!ジリリリ……』

 部屋に入ると、今度は何処かでアラームが鳴り始めます。
 部屋の通路の奥から複数人の足音が聞こえてきました。

セイ「へ!?」

 セイが立ち上がっている間に、部屋に入ってきたのは武装したエルフ、かつて同じ神学校で学んでいたシスワ達です。

シスワ達「お前達、ここで何をしている!」
セイ「いや、何って――」

 続いて、他のメンバーもポータルから出現します。

PL「こら、押すな!部屋狭めぇー!」
PL「何か鉄格子があって出られないよ!」

 見ると、鉄格子の向こうでシスワ達と対峙するセイの姿が!

捕縛

DM「ええっと、テレポートしてきた人間は意志セーヴをしてください」
PL「へっ?」
DM「エルフの血が入っていれば大丈夫ですが、それ以外の種族は何だかとてもとても眠くなりました」
PL「罠か!」
DM「はい、催眠ガスのようですね」

 ここで、バサラとスコットがバタリと倒れて寝てしまいます。

レイル「何とか意志セーヴに成功したぞ……」
DM「それでは戦闘開始です」
PL「序盤から鬼だ……」

 シスワ達はパーティの前に立ちはだかり呪文を唱えると、彼らの手からけばけばしくも鮮烈な色彩の飛沫がコーン状に飛び出し、パーティを襲います。

DM「〈呪文学〉判定で分かると思いますが、カラー・スプレイですね。皆さん意志セーヴを
PL「全員?」
DM「効果範囲内に全員いますので、全員お願いします。ちなみにシスワ達3回分でw」
PL「(;゚Д゚)ウソーォ」

 セーヴ難易度は15程度でしたが、3回全て成功したのは、意志セーヴが高いクレリックのミカエルだけ。残りは皆朦朧化状態になって何も出来なくなりました。

カラー・スプレー:
 円錐形の噴射の範囲内のクリーチャーは、意志セーヴに失敗すると自身のHD(Level)に応じて、気絶や盲目、朦朧化状態となる。

ミカエル「私一人でどうしろと――」
シスワ達「袂を分けたとはいえ元は我らの仲間、昔のよしみで降伏するなら命だけは助けてやろう」
ミカエル「一人だと戦っても無駄だ……。皆すまぬ、降伏します」

 パーティ達は、神殿に侵入した途端、捕まってしまいました。


牢獄からの脱出


 さて、ミカエルたちは武装解除させられ、目隠しをさせられて暫く歩かされた後、そのまま牢獄へ入れられてしまいました。
 
男「アンタ達、冒険者ネ」

 向かいの牢獄から、何者かの声が聞こえます。
 どうやら先客がいるようです。

謎の商人「ワタシ、砂漠ノ国イラルアムカラキタ商人、ベイク・テラーアルヨ。コノアタリニ商売ニ訪レタラ、ワタシモ捕マッタネ」

 何だかあからさまに怪しい雰囲気の男です。
 彼は中東風の服装で、頭にはターバンを巻いています。

バサラ「何マジックアイテムなんかないあるか?」
ベイク「犬ガアルヨ。番犬ニモッテコイアル。食ベテモ美味シイネ」
PL「食べるのかw」
PL「怪しいなぁw〈真意看破〉をw」
バサラ「コロコロ、おお、ホントのことを言ってるなw」
ベイク「番犬賢イアルネ。危険ネ感ジルト寝ルネ。頼モシイネ」
PL「おいw」
PL「なにそれw」
ベイク「オ客サン、オメガタカイネ。ホント2,000gpノトコロ、今ナラ200gpアルネ!」
バサラ「おkおk、買う買うw」
PL「買うのかw」

牢獄

 そんなところへ、一人の男がやってきました。

ラハシア「あなたはハサン!」
セイ「先輩!」
バサラ「何故先輩がここに!」

サラ「先輩もラヒブに操られているの?」
ハサン「私は別に彼の信仰に感銘を受けているわけではないが、強いものにつくというのは自然の流れ。どうだ?お前達も俺たちの側につかないか?」

PL「ヒドス……」
バサラ「先輩、見損なったぜ!」
ミカエル「ラハシアのお父さんはどうなったんだ?」
ハサン「……」

 彼はミカエルの問いに、無言で答えると、寂しげな顔をしながら左手の方を向きます。

ハサン「ふん、まぁそこで何日か過ごせば気もかわろう。ではまたあおう」

 彼はそういうと、素早く側にいたサラの手の中に何かを握らせると去って行きました。

サラ「これは……、鍵!?」
PL「ここの鍵か!」
PL「コレを使って逃げろってこと?」
PL「どうやらそのようだね」

 ハサンから渡された鍵は確かにこの牢獄の鍵でした。
 その鍵を使って脱出するパーティたち。

ベイク「ワタシモ、ツレテイッテホシイアルヨ!」
PL「しょうがねーなw」
ベイク「感謝スルアル」
 
 まずは慎重に通路に出て、あたりを調べたところ、運良く自分たちの武具を発見。装備します。
 次は、見張りのいる部屋に近づき、扉を開けて不意打ちをしかけます。

 戦闘開始!

脱出

 見張りは元神学校の生徒のシスワが二人だけ。
 再武装した冒険者たちにかなうはずもなく、あっという間に倒してしまいました。

スコット「彼らはラヒブに操られているだけだから、非致死傷ダメージでよろw」
セイ「え?普通にクリティカル出しちゃった……」
PL「おいw」

 見張りにクリティカルを出してしまったセイ。
 しかも急所攻撃入って一人がお亡くなりに……。

 とりあえず、部屋と通路を〈知覚〉で捜索したところ、通路の突き当たりに隠し扉を発見しました。
 扉を開けたところ、何故か古井戸が――。

PL「井戸か、中を見てみよう」
DM「真っ暗ですが、水はないようですよ」
セイ「じゃ私が、明かりを持ってロープで下りてみます」

 そこには、一人の男の死体が……。
 確認するセイ。暫しの沈黙の後、目配せをし、ロープで遺体を上げます。

ラハシア「ま、まさか。そんな!」

 一族に伝わるペンダントをかけた父ランスターの遺体に駆け寄る彼女。

PL「遅かったか……」
PL「ラヒブにやられたのか」

 そこに泣き崩れるラハシア。

ミカエル「せめて彼に安らかな眠りを……」
PL「よし、彼の仇を打とう」

形見

 遺体を寝袋の毛布で丁寧にくるみ、後で戻ることを約束し先に進むことになります。

ラハシア「これは父が肌身離さず持っていた一族に伝わるペンダントです。特殊な力があると聞いているのですが」 

 バサラがディテクト・マジックをしたところ、何かの魔法がかかっている程度しかわからず……。


父の亡霊とドラゴン


 牢獄の看守の部屋の先を進むと広いホールに出ました。
 幅30フィートの八角形の部屋で、壁は平和な山と木々が描かれた古いフレスコ画で覆われています。

PL「とりあえず、何もなさそうだな」
PL「先にす――」

 突然、部屋の中央に何かがぼぉっ姿を現しました。

ラハシア「お父様!」
バサラ「おお、父上。私にラハシアを下さい!」
PL「おい!w」

父の亡霊

 彼女の父の亡霊は、悲しい声で言いました。

ラヒブの手により、私はここで朽ち果てて
 あなたが来るのを待っていた

ラハシアの悲しみが我を深く苦しめる
 しかし、彼女を解き放つ為、定めし者がやって来た

ハサンに会わば南の洞窟へ、我が財宝は北にあり
 財宝の前に待つ、守護者たるドラゴンを友とせよ

ラヒブは手駒の一つでしかなく、背後の邪悪な存在に気をつけよ
 守護者たるドラゴンに、すべての事実を聞くがよい
ランスターの亡霊「ラハシアよ、お前が無事でなによりだ……」

 そう言い残しながら、彼は姿を消しました。

レイル「彼女を解き放つ?」
PL「真のボスは別にいると」
PL「南の洞窟に行けばいいのかな」
PL「北には財宝を守っているドラゴンがいるってよ」
PL「財宝って、ラハシアが持つペンダントのことではないの?」
ラハシア「このペンダントには対となる指輪があります。おそらくそのことではないかと」

 ひとまず、北のドラゴンに会いに行くことになったパーティたち。
 ホールの左手に進み、亡霊が言っていた部屋の扉を開けます。
 ラヒブの手の者によって閂がしてありました。

 そこは、むき出しの岩で囲まれた20フィート四方の部屋で、中心には大蛇のような七色に光る生き物が蜷局を巻いてこちらを見ていました。

翠玉の竜

PL「ドラゴン!襲ってきたりしない?」
PL「ラハシアの父の言う限り大丈夫だと思うけど」
バサラ「犬の様子を見てみる」
番犬「(;゚∀゚)=3ハァハァ」
バサラ「危険は無いようだよw」
PL「ホントかよw」

大蛇「お前達が、ランスターの言っていた冒険者達か」
レイル「い、如何にもそうです」
ウラル・タマン「我はウラル・タマン、封印の一族の財宝を守る者」
レイル「私たちは、ラヒブを倒しに来ました。ラハシアの父の亡霊に導かれてここにきました。彼の言っていた財宝と真実について教えてください。〈交渉〉ロール、コロコロ」
DM「ふむ、いいでしょう」

ウラル・タマン「よかろう。かつて、エリアスと呼ばれた魔術師が、この地を訪れた……」

 ウラル・タマンは、魔術師エリアスのことを話してくれました。

 ・彼女はこの地を訪れ、住み着いた魔術師
 ・ここに立派な塔を建設し、エルフ達を守っていた
 ・彼女とエルフ達の友情は、彼らの父から子供へと受け継がれた
 ・しかし、エリアスは人間で老いも早い、悲劇は突然訪れる
 ・力の衰えた彼女の塔を、3人の魔女が襲った
 ・彼女の持つ宝石"The Black Opal Eye"の力を手に入れるために
 ・激戦の末に、エリアスは3人の魔女を封印することに成功するが、彼女も命を落とした
 ・その後、エルフ達はドワーフの助けをかりて、塔の残骸の後にこの寺院を建て、封印を守ってきた
 ・ラハシアの一族はその封印と財宝を守る一族、何世代にも渡りエリアスのかけた封印を守ってきた
 ・ラヒブはこの封印を解こうと塔へと続く隠された扉を探している
 ・私は守護者として塔への扉を守る者、彼と彼の従える黒豹を撃退した

PL「封印を解くカギは、このペンダントと対になる指輪が握っているのか?」
PL「じゃ、指輪はどこにあるの?」
ウラル・タマン「すでにペンダントを持っているのだな。しからば、お前達の足下のタイルを調べてみよ」

セイ「じゃ、〈知覚〉で捜索。コロコロ」
DM「ドラゴンの言う通り、黒い翡翠の指輪が埋まっていましたよ」
PL「おおっ!」

 ミカエルが〈呪文学〉で鑑定したところ、金のペンダントの裏にリングのサイズの窪みがあり、黒翡翠のリングをはめることができそうです。

PL「おーすげー!」

 また、ペンダントをよく調べると、エルフ語で詩が書かれていることがわかりました。

石は力と輝きに満ち 正しき光を投げかける
闇の力を追い払い 黒き者を打ち倒せ
指輪と一つになった時 光の時が訪れる
 さっそくリングをはめると、ペンダントは護符のような形になりました。

DM「ディテクト・マジックをするとわかるのですが、護符から何かの魔力を感じますよ」
ミカエル「では、もっと詳しく調べます」
DM「防御術系の魔法の力を帯びているようですが、ただしその力を発揮するには、コマンドワードが必要のようです」
PL「コマンドワードか……」
DM「因に、ペンダントとリングを合わせると、ペンダントの部分に書かれていた詩が、"ラハシア"という文字に変わりました」
PL「それだw」
ウラル・タマン「それはラハシアの先祖によって伝えられる護符だ。この先役に立つことがあるだろう、それまで大切に持っておけ」


ラヒブと黒豹


サラ「今、ラヒブはどこにいるのですか?」
ウラル・タマン「南の方の部屋に行ったようだ。だが、彼が塔への別の道を探しだすことは時間の問題だろう……」
PL「まずいな。急いでラヒブを倒さねば」
PL「よし、で、ではそういうことで失礼します!」

 アイテムを手に入れたパーティたちは、ラヒブを追って南の部屋を探索することにしました。
 ランスターの亡霊が出たホールを横切り、南、向かい側の通路へ向かいます。
 突き当たりに扉あり。

バサラ「じゃ、犬の様子を見てみる」
番犬「('-ω-`)zzZ」
PL「オイ、今度は寝ているぞw」
PL「危険なのか!?」
セイ「では扉越しに〈知覚〉を……コロコロ」
DM「はい、どうやら扉の向こうの部屋に何かの気配を感じますよ」
PL「マジですかw」
スコット「では皆準備をして扉を開けよう」

 バタンッ!扉を蹴破るパーティ達。
 そこは20x30フィートほどの部屋でした。本と書類でいっぱいの棚が並んでおり、厚い敷物が床を覆っています。正面には部屋を照らすキャンドルが設置された机があり、その側でチェインメールを着た男が、何か調べ物をしていました。

男「!?」
ラハシア「あれがラヒブです!」
PL「ボスキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
PL「いきなりかよw」

ラヒブ

 不意打ちラウンドの開始です。
 
レイル「よし、ボスなんで問答無用で突っ込んで、悪を撃つ一撃(Smite Evil)!ウリャァー!」

 まずは、レイルが悪を撃つ一撃を繰り出します。

悪を討つ一撃:
 視界内の悪属性の対象に、近接攻撃ロールに【魅力】ボーナスを加え、ダメージにパラディンレベルに等しい修正を加える一撃効果を与える。パラディン4レベルは2回/日まで
レイル「命中したので、ダメージ21点!」
ラヒブ「ゴフッ」

 続くスコットが突撃。

スコット「《強打》を入れて、突撃。コロコロ、あ。クリティカル
DM「(゚Д゚)ハァ?」
スコット「ダメージは49点」
DM「……ラヒブは倒れました」
PL「うはw敵の番が回って来る前に倒しちゃったw」
PL「鬼だw」
ラヒブ「おのれぇ、何奴……ガクッ」

《強打》:
 近接攻撃時に、攻撃ロールから一定の数値を差し引く(最大で基本攻撃ボーナス(BAB)分)ことで、同じ数値を近接攻撃によるダメージに加えることができる特技。武器を両手で持っている場合はさらにダメージが増えます。
 Pathfinderでは、攻撃ロールに-1ペナルティでダメージ+2ボーナスという固定値に変更されました。さらにBAB4ポイント毎にペナルティとダメージが増加します。また両手持ち武器の場合のダメージ、2倍から1.5倍に変更されました。
PL「ボス弱っw」
PL「これで村人を解放できるのかな」
PL「ボスにしては弱すぎる。やはりラハシアの父の亡霊が言ったように黒幕がどこかに……」
 
 とりあえず戦利品を漁るパーティ。
 入手したアイテムを〈呪文学〉で鑑定します。

戦利品:
・ワンド:
 鑑定結果、ワンド・オヴ・キュアライトウーンズ
・ヘビーメイス:
 鑑定結果、フレイミング・ヘビーメイス+1
・真珠(たぶんパール・オヴ・パワー)
・スクロール:
 フレイム・ストライクの巻物
・ヘッドバンド
 鑑定結果、インスパイアリング・ウィズダム+2、→ミカエルに装備
〈呪文学〉:
 かけられている呪文を調べたり、マジックアイテムを作成したりする技能。
 巻物の解読やポーションの分析もできますが、Pathfinderでは基本的に全てのマジックアイテムの鑑定ができる(15+術者レベル)ようになりました。
 さらに探索を続けます。
 部屋を出目20でセイが念入りに〈知覚〉で捜索した結果、隠し扉を発見。その奥で、2匹の黒豹(フィーンディッシュパンサー)に遭遇しますが、難なく撃退します。

黒豹

 その部屋も念入りに調べると、ラヒブが見つけられなかった隠し扉を発見しました。
 奥には薄暗い坑道が!


ガーゴイル、そして魔術師の遺産


 魔術師エリアスの塔への隠された道を探し出したパーティは、灰色の剥き出しの岩壁の坑道を進みます。やがて、天井が高くて開けた場所にでました。そこには古い建物が道を塞いでおり、それは山の下に埋まった古代の塔の一部の様にも見えます。中央に見える扉が建物に入る入り口のようです。

 重い扉をスコットとレイルが開け中の様子を覗います。そこは、50フィート四方の大きなホールのような場所でした。床には瓦礫が散らばっており、天井は20フィートほど、そして部屋の三方には通路が見えます。また、部屋の四隅には、招かざる来訪者を睨むかのような形相をした魔物のような生き物の石像が設置されています。

石像の間

PL「この手の石像って絶対動くよねw」
ミカエル「ディテクト・マジックで像を見てみます。位置が分かるまで」
DM「魔法反応はありますね。場所はやはり石像のようです」
PL「ですよねーw」
PL「戦うしか先に進めそうにないね」

 用心しながら部屋に足を踏み入れた瞬間、案の定石像が動き出してパーティを襲ってきました。
 戦闘ラウンド開始です。

ミカエル「一応〈知識〉判定、コロコロ」
DM「はい、皆さんのお察しのとおりガーゴイルですよ」

ラハシア「私も戦います。(懐からスクロールを取りだして)皆さんにヘイストを!」
PL「ラハシア、ウィザードか!」
PL「秘術成分が足りないパーティなので頼もしいw」

 飛んで来たガーゴイルが先頭にいる前衛を襲います。両爪と噛みつきの連続攻撃を繰り出し、スコットとレイルが負傷します。

スコット「アイタタ……これ痛いぞ。反撃、また《強打》を入れて、コロコロ。命中、ヘイスト分の攻撃も命中、ダメージは計42点」
DM「一匹倒しましたよ」
PL「おお」

動く石像

レイル「私は通常攻撃、コロコロ、命中したけどダメージでない……」
ミカエル「皆範囲内にいるし、私の"Positive Channel Energy"で味方を回復しようか」
DM「"Positive Cannel Energy"の効果は、アンデット以外敵味方区別無く回復させちゃいますよ」
ミカエル「(; ・`д・´)マジですか!?」

Positive Channel Energy:
 Pathfinderでターンアンデットが無くなったかわりに実装されたクレリックの範囲系攻撃&回復能力。
 半径30フィート内の生きているクリーチャーを回復させ、アンデットにはダメージを与えます(意志セーヴ・半減)。
 難易度は10+術者レベル/2+【魅力】修正値、ダメージ・回復量は奇数レベル毎に1d6点。
 一見強力だが、効果は敵味方区別なく行われるため注意。特定の者だけ除外する場合は、"Selective Channeling"の特技などを取得する必要あり。
 ミカエルは仕方なく覚えている呪文を治癒呪文に変えて任意発動し、スコットを回復します。
 さらに、レイルがガーゴイルに挟撃されます。

DM「あ、ゴメン。クリティカルしちゃった」
レイル「( TДT)ヒィー」

 DMの無邪気な一言によって、レイルはHPが0未満になり倒れてしまいました。

PL「ガーゴイル強ええよ!」

 その後、ミカエルが壁際にダッシュしたりして効果が敵に被らないようにして"Positive Channel Energy"を無理矢理発動し、レイルが復活。
 何とか体制を立て直すことができ、ガーゴイル達を倒しました。

 傷を回復して、部屋を捜索し、パーティ達は移動します。
 とりあえず左手の通路を進んでいくと、通路の左手に扉が見えてきました。

セイ「扉には罠も鍵もかかってないようなのでスコットよろしく」
スコット「はいはい、扉開けるよ」

 スコットが扉を開けると、眩い光が扉から放たれます。
 部屋の中は、眩しすぎて様子がまったくわかりません。

PL「何それ?」
DM「部屋に入るなら、頑健セーヴが必要そうですよ。失敗したら目が眩みます」
PL「とりあえず生き物はいそうにないな。どうする?」
サラ「私が行きます。扉の中に入ってそのまま歩いて行きます。頑健セーヴは……?」
DM「ではセーヴして頂戴」
サラ「ええっと、成功?」

魔術師の研究室

 光の部屋の先のカーテンを恐る恐るくぐり抜けるサラ。
 そこは、20フィート四方の狭い部屋で、埃で覆われたガラスのビーカーや、ひび割れた瓶、時を経て曇った真鍮のコイルなどの何かの研究設備が揃ったテーブルが、部屋の中心に設置されています。
 そして、部屋の向かい側には、白髪の品の良い老婆の肖像画が飾られています。

PL「敵はいないようだね」
サラ「では、絵をよく見てみます」

 絵には、豪華な椅子に腰かける白髪の品の良さそうな老婆の肖像が描かれており、膝にはピンクの羽帽子を抱えています。そして、彼女の肩には管狐のような生き物が乗っており、彼女の後ろには、七色に光る竜が控えています。そして『我が賛なる友と共に』という刻銘が。

PL「彼女が魔術師エリアス?」
PL「後ろのドラゴンはさっきのウラル・タマンだよね」
PL「じゃあの管狐は?使い魔か何か?」

 念のため、〈知覚〉で肖像画を調べたところ、額縁の後ろに隠し戸が。
 中を開けてみると、肖像画の絵にある羽帽子と、何かのメモを発見しました。
 戻ってミカエルが〈呪文学〉で鑑定してみると、ハット・オヴ・ストロングイリュージョン、変化の帽子であることが判明。
 これを被ると他の生き物に姿と形を自由に変化することができるようです。

セイ「これって鳥に化けたら飛べるの?」
DM「はい、飛行能力を得ますよ」
PL「じゃセイが持っていたら?ローグだから何かと便利っぽい」
セイ「では頂きますw」

 メモの方は、竜語でしょうか、何か文字が書かれていますが、カビが生えてボロボロで一部しか読むことができませんでした。

エリアスのメモ:
 ”私は彼らの為に三つのワナを用意した、私……
 この後、私は玉座にそれを施しそして……
 破壊は合図する……
 全てを永遠に消滅させる。”
 さて。魔術師の部屋を後にして、通路の先に進みます。
 今度の部屋は、倉庫のような場所に出ました。ワインを保存するための棚がいくつも見えます。
 また、部屋の右手の奥にさらに通路が続いているようです。

バサラ「ディテクト・マジック!」
DM「魔法反応がありますね、位置も特定できますよ」
バサラ「いやぁ、0レベルスペルはPathfinderでは無制限に使えるんで便利だw」
ミカエル「羨ましいw」
PL「セイ、あと捜索よろしくw」
セイ「了解〜♪」

Cantrops:
 Pathfinderでは、ウィザード、バード、ソーサラーの秘術系0レベル呪文はCantrops(初級呪文)として、無限に使用することができる
 ただし、クレリックの信仰呪文にはCantropsはありません。
 魔術師の羽帽子を被ってご機嫌なローグ。
 捜索した結果、時を経て残っていたワインが3本、「Purple Grapemash No3」というラベルが貼ってあります。それからスクロールケース。魔法反応は、ワインとスクロールケースからするようです。

ワインセラー

PL「〈知識:地域〉チェックでワインを調べてみます」
DM「ここカライメイコス大公国の北に位置するダロキン共和国でよく品酒会に出品される銘柄らしいですね」
PL「ふーん」
DM「飲んでみますか?」
PL「勿体なさそうw」
PL「魔法かかっているし、やめとこw」

 さらに、通路の先の次の部屋では隠し戸から魔法の弓と矢が何本か入った矢筒を発見。
 ディテクト・マジックをするとどれも魔法のものらしいのでミカエルが〈呪文学〉で鑑定。とりあえずレンジャーのサラに持たせます。

弓

戦利品:
・ハット・オヴ・ストロングイリュージョン:
・ワイン(Purple Grapemash No3)×3本
・スクロールケース:
 スクロール×4本……未鑑定
・コンポジット・ロングボウ
 どうもかつてエリアスと共に戦った者が持っていた者の弓らしい
 鑑定できず(正体はOathbow/誓いの弓D&D3.5eDMG223参照らしい)
・矢筒
 Quiver of Ehlonna/アローナの矢筒
 アローやジャベリン、スピアなどを数十本収納しても重さは変わらない矢筒
・矢x数本
 フレイミング・バーストの魔法の矢

三人の魔女


 パーティ達はさらに先に進み、通路の先の扉を開けます。

 そこは、壁についている燭台の青白い炎が辺りを照らす、20フィート四方の祭壇がある部屋でした。
 部屋の中央の祭壇には石棺は神秘的な彫刻で覆われている3つの石棺が三角形に配置されています。
 また左の方は段になって高くなっており、その中央には玉座が見え、玉座の上に皮の表紙の本と、羽ペンがのっかっています。

PL「石棺は3つ……、三人の魔女」
PL「ココが封印の場所?」
PL「どう見てもそうだよなぁ」
PL「とすると、魔女達が復活してラヒブを操っていたというオチか!」

 ということで、まずは石棺に魔女がいるか調べてみることにしました。
 ミカエルが用意してきたディテクト・アンデットの呪文をかけてみます。

DM「石棺の1つが光りますねw」
PL「やっぱり……」
PL「他の二つが光らないということは、復活した魔女は二人いるの!?」
ミカエル「ちょっと待て。ラヒブに浚われたのはメリッサとシルヴィア。そしてラハシアは未遂に終わっている」
PL「てことは、彼女達を生贄にして魔女たちが復活したってことか!」
PL「あとはラハシアだけ!?」
ラハシア「メリッサ……、シルヴィア……」
バサラ「ラハシア、まだ生贄にされたと決まったわけじゃない!操られているだけかもしれないし!」
ラハシア「バサラ……」

納骨堂

 とりあえず戦闘の準備をして、アンデット反応の無かった石棺を開けてみることにしましたが、中には女性の白骨化した遺体が残っているだけで、特に何も起きません。遺体はそれぞれ青と緑のローブを着ています。

PL「青と緑が復活したのか……」
PL「残る一体は何色?」
ラハシア「赤です……赤の魔女トリレナ。恐らく青はカラレナ、緑はソロレナだと思います」
PL「レナレナ三姉妹www」
PL「流石に最後の1体は開けたくないねw」
レイル「とりあえず大丈夫そうだし、今は下手にラハシアと会わせたくないし、できることならこのまま無視しよう」
セイ「玉座の本とかはどうする?」
PL「触りたくないなw」
PL「触った途端に石棺から出てきそう」

 臆病なのか慎重なのか、かなり弱腰のパーティ達。
 結局、本も最後の石棺を調べることも中止して、先へ進みます。


エレベータと緑の魔女


 先へ進むパーティ達。
 次の部屋でもセイが見つけた隠し戸から、ワインを3本見つけました。
 そこにはギロチンの罠が仕掛けてありましたが、セイは反応セーヴで華麗にかわしながらワインを無事回収。
 今度のワインのラベルには、"Champagne du le Stomp"という銘が。
 このワインもディテクト・マジックすると魔法反応がありました。

2つ目のワイン

 さらに通路を進むパーティ達。
 ガーゴイルがいた部屋から時計回りにグルっと一周しているような感じがします。
 十字路を右に曲がればガーゴイルのいた部屋のようです。
 まだ回っていない場所は左と直進。
 まずは左の通路をセイが偵察にいきます。

 通路の両端にはアルコーブが2カ所ずつ設けられており、そこには一体ずつ人間、ドワーフ、エルフ、ハーフリングの等身大のプラチナの像が設置されていました。

セイ「像は動き出さない?〈忍び足〉で……」
DM「今のところは」
PL「どんな像なの?」
DM「いわゆる冒険者の像のようですね」
PL「よし、我々も行こう」

 パーティ達が近づいて調べても像は動かず。
 まわりを見ても特に文字が書いてあるわけでもありませんでした。
 通路の先は、円形の部屋に出ます。

 その部屋は直径15フィートほどの円形の部屋で、天井も同じ高さがありドーム状になっています。
 また、部屋の中央に、5フィートほどの直径の穴が空いており、中は暗く何も見えません。

PL「はて、ここを落ちろという意味かしらw」
PL「んなアホなw」

 セイが部屋を捜索したところ、穴の縁に竜語で書かれた単語を見つけました。

Pah Nwad
PL「なんだ?」
セイ「パー?」
DM「はい、セイがパーと言ったところ、暫くして何かが穴の奥底から上がってきましたよ」
スコット「敵か!?」
DM「いえ、円形のふわふわと宙に浮く床ですね」
PL「〈呪文学〉すればわかるだろうけど、たぶんテンサーズ・フローティング・ディスクだねw」
PL「じゃ、ノワードと叫ぶと下に降りていきそう」
DM「そのようですね。エレベータですよ」
PL「ここでさらにパーと叫ぶと頭ぶつけるww」
PL「確かにwww」

 パーティ達は、もうこの階の部屋はほとんど回ったはずなので、このまま皆で下に降りることにしました。

DM「皆さんに悲しいお知らせがあります」
PL「何?」
DM「この床は狭くて一度に4人までしか運べないようです」

 仕方がないので、先行部隊としてセイ、サラ、レイル、バサラが乗り込み、
スコットとミカエル、ラハシアと謎の商人ベイクの4人は後で降りることにしました。

セイ「じゃ先に行ってくるね」
バサラ「ラハシア、下で待っているから!愛してるぜベィビィ!」
サラ「お前はエルフの血が入ってないんだから、いい加減諦めろw」
ラハシア「……」
レイル「では、ノワード!」

 レイルが言葉を発した途端、彼らを乗せた円盤は降下を始めました。
 深さ数百フィート以上の縦穴をかなりの速度で降下していますが、不思議と円盤から落ちる危険は感じられません。

スコット「次は我々の番だな」
ミカエル「下で敵が待ち伏せしてなければいいんだけどね」
女性「あら、そうなの?」

 突然の女性の声。やってきた十字路の方からコツコツと足音が。
 振り返るPC達。そこにいたのは、緑のローブを着た見覚えがある美しい女性。
 そして、彼女の脇には豹のようですが背中から触手の生えた生き物が。

スコット「しまった!こっちか!」
PL「背中から触手って……」

 〈知識〉判定の結果、やはりディスプレイサー・ビースト。
 凶悪な触手攻撃を得意とし、攻撃を当てにくい特殊能力を持った肉食獣です。

ミカエル「緑色のローブ!?」
ラハシア「あなたはシルヴィア!」
シルヴィア「ウフフ。ラハシア、久しぶりね」
PL「これはどう見ても……」
PL「ラハシアそれ違うから!」
ミカエル「そうだ、正体現せ!緑の魔女……えっと」
ラハシア「ソロレナ」
ミカエル「そう、ソロレナ!」

緑の魔女1

シルヴィア「なーんだ、もうバレてるんだ。知らずに襲ってやろうと思ったのにね」
DM「てことで、戦闘しましょうかw」
PL「そんなー」
PL「エレベータで下降中なんだけど……」

 戦闘開始です。

ミカエル「とりあえずフリーアクションで敵だ!戻ってこい!とエレベータのシャフトに向かって叫ぶ」

セイ「聞こえる?」
DM「大分下なので受動的知覚判定なので出目10扱いだから……セイかサラなら一応聞こえたかな」
サラ「今、上で何か聞こえなかった?」
セイ「うん!何か起きている!」
レイル「戻ろう!パー!パー!どのくらいで戻ってこられる?」
DM「まぁ数ラウンドはかかるでしょう」

ミカエル「あとは……こっち来んな!とりあえずホールドパーソンをソロレナに!セーヴ難易度は16」
DM「コロコロ、残念。ソロレナには効きませんでした」
ソロレナ「うふふ、私の動きを封じようなんて数百年早いわよw」

ホールド・パーソン:
 対象はその場所に凍り付き、意志セーヴに失敗すると麻痺状態となる
 翼のある生き物は落ち、泳ぐ者はおぼれる
 対象のターンに全ラウンドアクションを使い、再セーヴが可能
 基本的にD&D3.5版と同じ
ソロレナ「私の番ね、まずは皆さん狂ってもらいましょうか」
DM「上の人達は意志セーヴをよろしく」
スコット「コロコロ、……まぁ失敗するわなw」
ミカエル「こっちは、たぶん成功」

 またNPCのラハシアは成功しましたが、謎の商人ベイクが失敗。
 呪文をかけられたスコットとベイクは急に、誰が敵か味方なのか分からなくなります。

ミカエル「どうした?スコット」
DM「ええっと、スコットは隣にいたミカエルを攻撃しますよ」
スコット「(;@Д@)ウォー!」
ミカエル「お、おい!」

 いきなりミカエルを斬りつけるスコット。
 どうやらソロレナの混乱の呪文の影響を受けて、敵と味方の区別がついてないようです。

コンフュージョン:
 範囲内のクリーチャーは、混乱状態となり、毎ラウンドd%を行い、1〜50で支離滅裂に喋りだし、51〜75で自身を攻撃し、76〜100で最も近いクリーチャーを攻撃する。
 基本的にD&D3.5版と同じ。
ソロレナ「さぁ、お行き。奴らを攻撃するのよ!」

 ソロレナが触手の生えた生き物に攻撃命令を送ると、その生き物はラハシアに飛びかかります。

ラハシア「きゃぁ!」

 ベイクの方は支離滅裂な独り言を叫んでいます。
 急いで彼らの側から離れ、ラハシアの前に立ち、防御態勢に入るミカエル。

 一方、エレベータ組はまだ数百フィート下。

セイ「そうだ! 変身ハットでエアーエレメンタルに変身すれば早く戻れるかな?」
DM「いいでしょう、たぶん3ラウンドほどで戻れます」
PL「俺たちはもっとかかるのか……」
セイ「兎に角、先に戻るね!」

 風のエレメンタルに変身し、急いで急上昇するセイ。

ソロレナ「うふふ、愉快、愉快」

 上では、混乱したスコットとベイクがお互いを斬りつけ合い、前線ではディスプレイサー・ビーストにラハシアが襲われています。
 そして、ソロレナのマジック・ミサイルを受けながらも、ミカエルが"Positive Channel Energy"を使って傷ついた仲間を回復させていました。

ミカエル「うぅ……。"Positive Channel Energy"の使用回数がどんどん無くなっていく――」

 そこへ、風のエレメンタルに変身したセイが登場。そのままソロレナの前に躍り出て、変身を解きます。

緑の魔女2

セイ「待たせたね!」
ミカエル「セイ!」
ソロレナ「チッ、もう上がってきたのね!」

 ディスプレイサー・ビーストの触手攻撃を受けながらも、果敢に単身ソロレナに斬りかかるセイ。
 さらにソロレナのコンフュージョンの持続時間も終わり、スコットとベイクは混乱から回復しました。

ミカエル「"Positive Channel Energy"を使い切ったので、後は頼む」
スコット「よし、まずはこのキモイ猫からだ!」

 その2ラウンド後、残りの仲間も到着し、ディスプレイサー・ビーストを倒して、一気に形勢が逆転します。

スコット「あとはソロレナ、お前だけだ!」

 ソロレナに突撃し、バスタードソードを突きつけ、続いてレイルが斬りかかります。

DM「命中しましたね。ダメージは?」
レイル「コロコロ、ダメージ24点!」
DM「ちょうどHPが0になりました。もう立っているだけで精一杯という感じです」
ソロレナ「ゴフッ……、こうなればお前の精気を吸ってやる!

 ソロレナは最後の力を振り絞り、ヴァンピリック・タッチの呪文で、レイルのHPを吸い取ろうとしますが……。

ヴァンピリック・タッチ:
 対象に近接接触攻撃が命中すると、2レベル毎に1d6ポイントのHPを吸い、自分の一時HPとすることができる
ソロレナ「コロコロ……、ガクッ」

 レイルへの近接接触攻撃に失敗。そのままHPが-1になって倒れてしまいました。
 どうやら勝ったようです。

PL「よし、まずはソロレナを〈治療〉で様態安定化してから簀巻きにするぜ!」
ミカエル「私は、ワンド・オヴ・キュアライトウーンズでパーティを回復させてから、ソロレナを回復させます」
DM「はい、そうするとソロレナの意識が戻ります」

シルヴィア「……あれ、私」
PL「あなたは、魔女に体を乗っ取られていたのですよ」
シルヴィア「そう、そうだわ。思い出した。私、あなた方に酷い事を……」
ラハシア「シルヴィア!」

ハサン「緑の魔女は倒したか」

 そこに、ハサンが登場。

ハサン

バサラ「せ、先輩!」
ハサン「わかっている。ラヒブが魔女の封印を解いた。彼女達は魔女の憑代(よりしろ)にされていたようだ」
サラ「では後は、青の魔女を倒すだけなの?」
ハサン「それは違う。倒しても魔女の力が回復すればまた憑代にされる」
スコット「どうすれば?」
ハサン「三人の魔女の魂を再び封印する必要があるらしいのだが、詳しくはわからん」
ミカエル「ふーむ」
ハサン「今言えることはそれだけだ。そろそろ戻らないと怪しまれる。これは私が見つけたものだ。何か役に立つといいのだが」

 ハサンはそう言うと、いくつかのアイテムを残し去ってしまいました。

戦利品:
・ワイン×4本:
 今度のラベルは"Red Dragon Crush"で他と同じく魔法反応あり
・スクロール:
 鑑定の結果、リデュース・パーソン×8本、
 鑑定の結果、エンラージ・パーソン×1本
 シルヴィアを連れ、今度こそエレベータで下まで降ります。


青の魔女


 青い浮遊する円盤に乗って降りるパーティ達。
 1,000フィートほど下降すると、やがて直径30フィートほどの部屋に降り立ちました。
 部屋の西にある青銅製のドアをくぐり抜け、上で見たものと同じアルコーブに冒険者達の並ぶプラチナの像の回廊を用心しながら進みます。
 60フィートほど進んだところで、20平方フィートの部屋に出ました。

 その部屋は穏やかな光で満たされており、正面の壁には鋼鉄製のドアが見え、右手と左手の壁には幅15フィートほどのアーチが見えます。

バサラ「じゃ、とりあえずディテクト・マジックを!」
DM「魔法を感じます。アーチと石像が光っていますね」
PL「何だ?」
PL「トラップか?」
セイ「私は鋼鉄製のドアを調べてみます。〈知覚〉で判定……」
DM「罠は内容ですよ。しかし、ドアの向こうに何かの気配を感じますね」
スコット「敵!?」

 アーチと石像が気になりますが、先にドアの向こうを確認しておいた方がいいかもしれません。
 各自、Buffを開始。

バサラ「オレは勇気鼓舞の歌(Inspire Courage)を歌い、イーグル・スプレンダーのスクロールを使うぜ!」
スコット「こちらはエンラージ・パーソンのポーションを飲んで巨大化」
ミカエル「私は念のため、スクロールでエントロピック・シールドを張っておこう」
セイ「ダスト・オヴ・ディスアペアランスで透明になっておきます」

勇気鼓舞の歌:
 対[魅惑]・[恐怖]効果ST判定に+1士気ボーナス、攻撃ロールとダメージに+1技量ボーナス
エンラージ・パーソン:
 目標のサイズが1段階大きくなり、【筋力】へ+2サイズボーナス、【敏捷力】へ-2サイズペナルティ(最低1)、および攻撃ロールとアーマークラスに-1ペナルティを得る
エントロピック・シールド:
 七色の魔法のフィールドが体を包み、遠隔攻撃に対して20%のミスチャンスを発生する
イーグル・スプレンダー:
 【魅力】に+4ボーナスを与える
ダスト・オヴ・ディスアペアランス:
 かけると対象を不可視状態にする不思議な粉
スコット「私が扉を開けると同時につっこむぞ!」

 戦闘配置につき、扉を開けて一斉に雪崩れ込みます。
 
 その部屋は20フィート×50フィートの横長の部屋で、向かいに鋼鉄製の扉が、そして部屋の左端にはさらわれたはずのメリッサが、煌びやかな青いローブを着て立っており、その隣には、先ほどと同じディスプレイサー・ビーストが1匹こちらを睨んでいました。

メリッサ「うふふ、ラハシアお姉様。待っていたわよ」
PL「やっぱり、こいつも……」
ラハシア「たぶん3人の魔女の一人カラレナよ。メリッサの体から出ていきなさい!」
カラレナ「折角手に入れた体だもの、そうはいかないわ。ソロレナはやられたようだけど、この私の力を見せてあげる!」

 まずは先手を取ったラハシアがヘイストの呪文を唱え、皆の移動速度や攻撃回数を上昇させました。
 
レイル「よし、突っ込んで!悪を討つ一撃(Smite Evil)!

 カラレナに突っ込んで、渾身の一撃を繰り出すレイルでしたが、攻撃はハズレ。

レイル「何てこった!」
PL「('A`)エー」
PL「ダメじゃんw」
セイ「私は透明になったまま、カラレナの背後に回り込み、急所攻撃!コロコロ、あクリティカル!
PL「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
セイ「ダメージは26点!」

青の魔女1

 上手く急所攻撃をのせたセイは、クリティカルヒットを出して敵に致命傷を与えます。
 さらに、後を追うように突っ込んできた大型化したスコットが、彼女の連れたディスプレイサー・ビーストにバスタードソードで斬りかかり、クリティカルヒット!

スコット「続けてクリティカル!ダメージは72点!」
ディスプレイサー・ビースト「ギャォーーー!」
PL「す、すげーー(゜Д゜;)」

 流石ファイター、凄まじい破壊力です。何と一撃で倒してしまいました!

 続いて、ミカエルが部屋に入り、部屋の右手に下がろうとしたところ、

DM「えー、ミカエルは右へ進もうとして進めないことがわかりました」
ミカエル「え?何で?」
DM「具体的に言うと、何かがそこにいます」
ミカエル「も、もしかして……(lll゚Д゚)ヒイィィィ!!」
PL「敵か!?」
ミカエル「と、とりあえず標準アクションは残っているので防御専念で……」
DM「――とすると、そこにいる生き物が姿を現しましたよ

 青くて足が沢山ある超大型サイズのミニチュアをドンと置くDM。
 〈知識〉判定の結果、ビヒィアであることが判明!

青の魔女2

カラレナ「かかったわね!さぁビヒィアよ!皆殺しにしなさい!」

 ヒビィアの後ろにテレポートしてそう叫ぶ彼女。
 ビヒィアの攻撃が側にいたミカエルやスコットを襲います。

スコット「ダメだ、ビヒィアは堅すぎる」
レイル「やはりカラレナに一点集中するしかないな」
セイ「まかせて!私がビヒィアの側から回って回り込んでみる」
レイル「私も行く!」

青の魔女3

 サラは、手に入れた弓で後ろから援護射撃。
 ミカエルは、ビヒィアの攻撃を受けながらも、最後のチャネル・エナジーを使い果たし、パーティを回復させます。

 幾度かのビヒィアの攻撃や、カラレナのマジック・ミサイルなどに絶えながら、セイがビヒィアの側面から攻撃し、レイルが突撃して彼女に斬りかかります!

レイル「もう一度、攻撃!コロコロ、命中!ダメージは……どうだ!?」
DM「うぐぅ。HP0だ……。ギリギリ立っている」
PL「またかよw」
PL「惜しい!」
カラレナ「こ、こうなればお前の力を吸ってやる!ヴァンパイリック・タッチ!

 彼女の攻撃は、ソロレナと同じく、ハズレ。レイルに触れることができず、そのままアクションを使い果たし、HPがマイナスになり、倒れてしまいました。

カラレナ「む、無念……、と、トレラナ、お姉様ぁ……」

青の魔女4

 後に残ったのは、彼女の呼び出したビヒィアが一匹。

ビヒィア「……」
PL「(`・ω・´)シャキーン」
ビヒィア「――降伏する」
PL「言葉喋れたのかw」
DM「共通語を喋れますので」

 というわけで、ビヒィアの降伏を受け入れ、すぐさま彼女を様態安定化して、持ち物を確認します。

戦利品:
 ・ブレイサー×1(たぶんブレイサー・オヴ・アーマー?)
 ・スクロール×2(未鑑定)
 また、ビヒィアと話した結果、命を助けるかわりに、魔女達が恐れて隠したブラックオパールという宝玉が手前のアーチの先にあることを教えてもらい、問題なく回収。

 ダメージをミカエルのキュア・ライト・ウーンズのワンドで回復し、 気がついたメリッサを連れて、正面の扉を開けて、さらに奥へと進みます。


ワインの謎解きと聖域のオベリスク


 奥の間には、中央にワイングラスを掲げる男の石像が設置されています。
 また、左右の壁と向かいの壁に通路が見えていますが、そこには鉄格子があり、先に進むことはできません。

ワインテイスター

PL「何だか如何にもって感じの像だなよね」
PL「このワインを注げってこと?」
ミカエル「ワインラベルの文字だな! ラベルにはアルファベットと数字が書かかれているけど、アルファベットはそれぞれS・W・N、どうも方向っぽい」
PL「最後の魔女は?」
PL「既に青(紫)と、緑(白)は出たから……」
PL「赤? "Red Dragon Crush" ?」
PL「ということは、"Red Dragon Crush"は……、Wか!」
ミカエル「南(S)と西(W)と北(N)しかないんだから、真ん中の通路が開くはず!」

ワインラベル

 "Red Dragon Crush"と書かれたラベルの付いたワインを石像に注ぐパーティたち。
 赤いワインがトクトクと石像の持つワイングラスに注がれていきます。
 すると不思議なことに、石像が動きだして生きているかのようにワインを飲み干しました。

石像『行くがよい。聖域の道は人によっては難しい』

 石像がそう言うと、思った通り真ん中の通路の鉄格子がガシャンと開きます。

PL「おお!」
PL「先に進む!」
DM「えー、先に進むと十字路に出ました。今度は通路の入口にはそれぞれ1、2、3、4の数字が書かれていますよ」
ミカエル「ラベルの数字には5以上が無い。"Red Dragon Crush"のラベルの数字の順番どおりに進む」
PL「なるほど!」

迷路

 数字の順に何度も十字路を進むと、やがて50フィート四方の中央に大きなオベリスクの柱が天井に向かってそびえている部屋に出ました。

 セイが柱を調べようと、側面に触れた瞬間、彼の頭の中に声が聞こえてきました。

柱『我が3つの問いに答えよ。さすれば3つの問いに答えよう』
PL「み、みっつ!?」

セイ「とりあえず、答える」
柱『では、お前の名前は何だ?』
セイ「セイ、セレナ・イルルス」
柱『では、お前の最後に恋をした者のファーストネームを答えよ』
セイ「……知らない(ラハシアってファーストネームだっけ?)」
柱『では、お前の探求とは何か?』
セイ「彼女ラハシアが喜ぶことを探すこと」
柱『よかろう。お前は我が質問に真実で答えた。では、私も3つの真実を答えよう』
PL「おおっ!」
PL「セイ、グッジョブ!」
PL「質問できるのか!」
PL「3つの質問ねぇ……」

聖域

 暫しの相談タイムの後、セイが柱に問います。

セイ「コホン。残りの一人の魔女、トリレナを倒す方法は?」
柱『三人の守護者の一人、ラハシアの"最後の友"で守護者を探し出し、決意と決別を告げることだ』
PL「なんだそれ?」
PL「三人ってのは、魔術師エリアス、翠玉の竜ウラン・マタン、それから何だ!?」
PL「それとも魔女に生贄にされた彼女たちのことか?」
PL「さっぱりわからん……」
レイル「うーむ……エリアスの使い魔か?」
セイ「では、憑依された二人を解放する手段を教えて欲しい」
柱『この先の聖域で、魔女の魂を封じていた場所に肉体を持っておき、石像に触れさせて魂を入れ替え、清められたブラックオパールを破壊すればよい』
PL「オパールを破壊するのか……」
PL「清めるってことはどうするのだ?」
セイ「ブラックオパールを清める方法は?」
柱『この塔の上に安置し、この先の三つの神殿の力を発現させれば清められる。志願者が一人ずつ試練を超えれば力が発現されるだろう』


三つの神殿


 さて、ブラックオパールを清めるため、オベリスクの柱から啓示された神殿の部屋に入ります。
 まずは、バサラが南の扉に入って行きます。

 そこは、高さが50フィートほどあるアーチ型の天井を持った広い部屋でした。
 その天井と壁は、大きい山々、峡谷などの見事なフレスコ画で覆われており、部屋の奥には、祭壇が見えます。
 用心しながら祭壇に近づくと、どこからとも無く声が聞こえました。

声『私に答えよ……』
バサラ「え?これが試練?」
声『私に答えよ』
バサラ「は、はい!」
声『この神殿はどのような名で呼ばれているか?』
バサラ「へ?」

 悩む、バサラ……。

バサラ「どうしよ、わかんねw」
声『私に答えよ』
バサラ「ええっと、あ、愛の神殿!
PL「おいw」

 バサラが答えた途端、頭上から落石で、14ダメージ。

バサラ「罰ゲームかよ!」
声『私に答えよ。答えられぬなら、試練を放棄し帰れ』
バサラ「そ、そだ。ワインのラベルだ。南は青だから……、パープルマッシュグレープIII!

 再び落石、15ダメージ。

PL「うはw」
バサラ「し、死ぬ――。戻ろう」

 諦めて戻るバサラ。

サラ「どうしたの?その怪我」
バサラ「いや、その……」
ミカエル「やれやれ。これはワンド(キュアライトウーンズ)で回復せねば」

 神殿の名前が分からず困ってしまったパーティ達。

サラ「今度は、私が西の扉へ行ってみる」

 先ほどと同じく、そこは高さが50フィートほどあるアーチ型の天井を持った広い部屋で、
天井と壁は、燃えさかる炎や、炎の竜巻がフレスコ画で描かれています。
 用心しながら祭壇に近づくと、どこからとも無く声が聞こえました。

声『私に答えよ』
サラ「はい」
声『この神殿は、どのような名で呼ばれているか』
サラ「ほ、炎の神殿!」
声『正しき答えなり』
PL「おお、どうやらクリア?!」
DM「ですね」
サラ「やった!」

 こうなれば話が早いです。
 次はセイが北の扉を行きます。
 この部屋の壁と天井は暗雲と嵐に襲われる木々を表現したフレスコ画が描かれています。

声『私に答えよ。この神殿は、どのような名で呼ばれているか』
セイ「嵐の神殿!」
声『正しき答えなり』

 後は南の扉だけ。
 今度はスコットが挑戦です。

声『私に答えよ。この神殿は、どのような名で呼ばれているか』
スコット「地の神殿!」
声『正しき答えなり、黒き玉に祝福あれ』

 ブラックオパールには特に何も起こりませんでしたが、ディテクト・マジックをすると何か魔法のパワーのようなものが充填されていることがわかりました。


最後の守護者


PL「よし、これでブラックオパールは清められた!」
PL「あとは魔女を封印し、オパールを破壊すればOKか!」

 奥の扉をくぐり、聖域と呼ばれる場所に入るパーティたち。
 そこは、30フィート四方のドーム型の部屋でした。3つのアルコーブが、北と西と南の壁に見えます。そのアルコーブにはそれぞれ、大きなドラゴンの石像が設置されており、南の石像の右目は青い宝石が、西の石像の右目は赤い宝石が、そして北の石像の右目には緑白の宝石がはめ込まれています。

サラ「私は、緑の石像にソロレナを連れて行く!」
ミカエル「私は、カラレナを青の石像に連れて行く!」

封印の間

 二人を連れて行くパーティ達。
 彼女たちを石像に触れさせると、目映い光が彼らを包み、魔女の魂の絶叫と共に、石像に封印されます。

ソロレナとカラレナ『ギャァーー!』

シルヴィア「……わ、私。ここは……」
メリッサ「……ぅん」

 どうやらうまく魔女の魂が封印され、元の人格が戻ったようです。

バサラ「よし。オレは、ラハシアを赤の石像に……」

 バサラに連れて行かれるまでもなく、彼女はフラフラと赤の石像に歩いて行きました。
 彼女の手が石像に触れた途端、石像とラハシアを赤い光が包み込みます。

バサラ「おい!」
PL「よし、これでうまく戻ったかなw」

ラハシア「オホホ、よくやってくれたわ!遂にこの体が私のモノとなった!」

PL「え!?」
PL「何!?(;゚Д゚)」
DM「実は、石像にはまだ魔女トレラナの魂が残っていて、この時をずっとまっていたのですね」
PL「やられた!」
ラハシア「愚か者ね!まだ分からないの?私がトレラナよ!貴方たちにはこの御礼にコレをあげるわ!」

 突然笑いだし、自らを3番目の魔女トリレナと名乗ったラハシア。
 彼女の手から炎が飛び散り、パーティを襲います!

DM「ということで近くにいた人達、みんなかな。ダメージを……」
PL「くそっ。戦闘開始か!?」

バサラ「いや、オレは彼女の心に訴えるぜ!」
DM「ほほぅ。では〈交渉〉してみますかw」
バサラ「よし、ラハシア!思い出せ!オレとの愛を思い出せ!コロコロ……」
PL「愛ってw」
サラ「まだいうかw」
ミカエル「やれやれ、ここに正式な婚約者候補達がいるのだがな。バサラ、私がかけていた Touch of Glory の効果をお忘れなく!」

Touch of Glory:
 栄光の領域のクレリックの疑似呪文能力。
 対象へ接触することで、一回の【魅力】系の技能判定か【魅力】能力判定に、クレリックレベルに等しいボーナスを与えることができる。持続時間1時間で一日に3+【判断力】修正値に等しい回数使用可能。

バサラ「達成値28、どうだ?マスター!」

 刹那――。

トリレナ「バ……サ……ラ……、うぐぐ。ばかな!」
バサラ「ラハシア!?」
ラハシア「わ、私は――!?」

バサラの呼びかけ

 バサラの声が、トリレナによって抑えられていた彼女の人格を呼び起こします。

バサラ「ラハシア!」
ラハシア「わ、私は……守護者。――全てを思い出したわ」

 涙を流し出す彼女。

ラハシア「バサラ、早く、私の意識と共に、ふ、封印してください……まだ私の、い、意識があるうちに……」
バサラ「そんなことはできるはずないじゃないか!」
PL「うはw」
PL「セリフが痒いwww」
トリレナ「――やめろぉ!」
ラハシア「わ、私を苦しめないで――もう一度、石像に……」
バサラ「くぅ!?」

 めまぐるしく変わる彼女の意識。
 その時、レイルが全てを理解したように彼女にたずねます。

レイル「あなたが最後の守護者ですね、先代のラハシアさん」
PL「え!?」
ラハシア「……」
レイル「オベリスクの柱が言っていた3人の守護者とは、魔術師エリアス、翠玉の竜ウラル・タマン、そしてラハシアの体に憑依して彼女を守り続けた、エリアスの使い魔であり、先代のラハシア、あなただ!」
パーティ一同『(;゚Д゚)何ダッテ!?』

ラハシア「そうです――」
レイル「いつからなのです!?」
ラハシア「彼女に、憑依した、ふ、副作用で、今まで記憶を失っていました――」
PL「つまり、今までのラハシアは偽物の人格!?」
PL「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」
ラハシア「い、今、私は全てを思い出し、しゅ、守護者たる使命を――」
トリレナ「ギギギ、おのれ、小賢しい真似を……」
ラハシア「も、もう時間がありません。これで元のラハシアに戻ります、早く、せ、石像に……」

 残りの力を振り絞り、魔女の支配に抵抗する彼女。石像までもう少しです。

ミカエル「そうだ、これを!コマンドワードは――」

 懐から、あのペンダントとリングを合わせた護符を取り出し、バサラに投げるミカエル。

ラハシア「わ、私の名を呼んで――ば、バサラ……」
バサラ「オ、オレは、今の君を愛しているんだ!"ラハシア"!」

 その瞬間、バサラの手にしたタリスマンから白い閃光が走り、あたりが慈愛に満ち足りた光で一杯になります。

トリレナ「それは、エリアスの――ギャァァ!!

 赤いドラゴンの石像に触れるラハシア。

ラハシア「ごめんなさい、そして、ありがとう、バサラ。そして、皆さん。この楽しかった時代を守ってください――」
バサラ「行くな、ラハシア!」
ラハシア「私は、これからも彼女ラハシアの側にいます。森に吹く風のように。あなたがその風を感じたときに、私のことを思い出してください。風は見えないけれど――」
バサラ「オレは、オレは――、君の為に詩を創るぜ……」
ラハシア「嬉しい……バサ…ラ」
トリレナ「ギギギァーーーーーー!!」

 再び、ドラゴンの石像に封印される魔女トリレナ。

レイル「今だ!ブラックオパールを!」
スコット「お、おう!」

 バスタードソードの柄をブラックオパール目がけて振り下ろすスコット。
 その宝玉は、ゴツンいう鈍い音を立てると、表面にピシピシと割れ目を作って、そのままパリンと粉々に砕け散りました。

PL「終わったか!?」
ミカエル「ラハシアの様子を見てみよう」

 どうやら彼女は無事のようです。

ラハシア「……うぅん。ここは何処? あなたは誰?」
バサラ「……気がついた?ラハシア」
ラハシア「あなたは? 私、何だか、長い夢を見ていた気がするわ――」


 こうして、シルヴィア、メリッサ、そしてラハシアを救ったパーティ達は、ラヒブの支配から解放されたシスワ達と共に村に帰還したのでした。

 先代のラハシアの意識が消えたラハシアは、事の真相を聞き嘆き悲しみます。
 そんな彼女を慰めるべく、吟遊詩人のバサラが歌を歌い、楽器を奏でます。

バサラ「心地よい風だな。なぁ、一曲、歌を聴いてくれないか。『風のラハシア』と言うんだ――」


おしまい


あとがき:

 さて、Pathfinderの初リプレイ、いかがでしたか?
 後半はロールプレイ重視になってしまいましたが、D&D3.5版とは若干異なる部分や追加要素に戸惑いながらも、基本ルールは3.5版と同じなので、いつものノリで楽しくプレイできました。
 まぁ戸惑うと言っても、面倒な判定が統一化されていたりとブラッシュアップされている感じは確かに受けましたし、この辺りは慣れかと思います。
 大変なのは事前準備のキャラクター作成ですね。キャラクターの在り方から変わっているクラスもあるため、こちらも慣れるまでは注意が必要でしょう。よいキャラクタージェネレータのExcelマクロを作ってくれる神が現れることを期待しましょうw
 さて、今回のシナリオはクラシックD&Dのシナリオモジュールでも評価の高いもので、作者が小説家ということもあってかストーリー的にもよく出来ているばかりか、謎解きや罠やトラップ、ダンジョンのギミックの部分も大変面白いものでした。
 今回は一日限りのセッションでしたので、これらをすべて堪能できなかったのは残念でなりません。しかし、クラシックD&DのシナリオをPathfinder用にコンバートするに留まらず、シナリオの要点を一回のセッションに凝縮し、さらにシナリオを面白くするオリジナル要素を積めたDMのらぱんどらさんによる素晴らしいアレンジと、飛び入りに近い状態でも暖かく迎えて頂いたプレイをご一緒した皆さんのロールプレイのおかげで、それ以上の満足感を得ることができたと思います。
 らぱんどらさん曰く、このスードゥードラゴンのモデルは、漫画『3×3EYES』の化蛇(ホウアシヲ)ということらしいです。謎の商人ベイクはハズラット・ハーン。使い魔のスードゥードラゴンとして生まれ変わり、魔術師エリアスに仕えた先代のラハシアが、今のラハシアを守るために彼女に乗り移っていたという設定でした。原作ではラハシアは最初からラハシアで、使い魔も出てきません。
 ちなみに、リプレイ化するに当たって、プレイ中の辻褄を合わせる範囲で私の妄想を加えて加筆・修正しましたので、実際のプレイとは多少異なっている点はご了承下さい。
 最後に、卓を共にした皆さんに感謝し、またご一緒する機会に期待しつつ、締めとしたいと思います。
 ここまで読んで頂いた皆さんありがとうございました!また読んで下さいね!


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