MAY YOUR POUCHES NEVER BE EMPTY!
君の小袋がいつまでも空っぽになりませんように!
author michi

Anvil of Time
時の金床:前編 | 後編 | 戻る
 "Anvil of Time(時の金床)" 後編です。
 これは後編です。まだ"前編"を読まれてない方はそちらからお読みください。

 過去へと旅だったパーティたちの運命は!?
 では、急展開を見せる後半を始めます。


薔薇の騎士


 気がつくと、最初にこの時の金床に来たときのように、この遺跡の部屋の中に突っ立っていたパーティ達。
 まずは自分たちが無事なことを確認し、部屋を見渡してみます。部屋自体に大きな変化は見あたりませんが、長い年月を経て出来ていた壁や天井の傷やヒビやシミなどが、明らかに減少していることがわかります。



 女神像があった大広間に出て見ましたが、特に大きな変化は見つけられません。女神の像の両手は何も抱えていませんし、焦げて崩れた柱もそのままです。
 ただ、吟遊詩人の歌で転送されてきた部屋の枯れた泉の底には、何か粉のような物が貯まっていました。害はないようなので、これはとりあえず袋に入れて回収しておきます。
 ここがもし本当に過去なら、どんな敵が待ち受けているかわかりません。慎重に部屋を探索しながら進んでいくと、大広間から、遺跡に来たときにドラコニアンと最初に戦った部屋の扉を開けたところで、ついに生き物に遭遇しました。
 部屋の左手にある椅子に騎士が一人座っています。人間のようです。

ディオン「敵か!?」
ハインリオン「ついに昔の人にあったぞ!こんにちは昔の人!」
チコ「ホントに昔の人?」
PL「質問してーw」

 その薔薇の紋章を付けた騎士はゆっくりとパーティの方を見て答えます。

騎士「貴公ら何者だ?」
ディオン「いや、えっと――」
クーマ「私はソラムニア騎士団のクーマ・エルゴスブランド。決して怪しい者ではありません。」
 
 まだ若いが、まるですべてを見通すような鋭い目でクーマを見つめる騎士。

騎士「その紋章は……、冠の騎士か。」
クーマ「いかにもそのとおりでございます。」
騎士「我こそは薔薇の騎士、ソス卿である。」



PL「ソス卿!?」
DM「あ、もちろんまだ人間ですからw」
チコ「〈歴史〉、達成値21でソス卿のことを思い出します。」
DM「ソス卿。君たちの時代ではデスナイトとして有名です。」

死の騎士ソス:

薔薇の騎士であった彼は、エルフの僧侶に浮気をして懐妊させ、妻を殺して彼女を妻としたことで騎士の称号を剥奪されます。
僧侶の妻の悲しい祈りを聞いた光の神のパラダインは、来るべき災禍〈大変動〉を防ぐチャンスを彼に与えます。
大変動を防ぐことができれば、再び騎士に戻ることが許されると確信した彼は喜び勇んでイシュタルの神官王の元へ旅立ちます。
しかし、暗黒の女王タキシスの手に落ちた尼僧の妻の元仲間に、妻が浮気しているといわれた彼は、激怒して帰ってしまい、〈大変動〉が起こったのでした。
その大変動により尼僧の妻と子供は彼を呪いながら焼死しますが、ソス卿は呪いを受けて炎に焼かれ骨だけになりながらも死の騎士として蘇ることになりました。

チコ「この人まだ人間みたいだから、きっとこれから不倫をするのね。ぷぷぷ。」
ディオン「コラ、聞こえるぜ。」

ソス卿「さすがはソラムニアの冠の騎士。早速犯人を捕まえてきたとは……。」
スバース「犯人?」

 そういって彼はケンダーをじっと睨みます。

PL「睨まれてるwww」
ハインリオン「おまえまた何かやったのか?」
チコ「え?私?私はミシャカルの僧侶なのよ!」
ソス卿「なんだと?」
チコ「昔は色々悪戯をしてたけどねー、今は立派な……ってか、できるわけないでしょ!ここに来たばかりなのに!」
ソス卿「ほほう、僧侶とな。もし、そうであるならば、ミシャカルのしるしをもっておるのだろうな。」
チコ「自慢げにメダリオンを見せます。ほらほら〜♪」
ソス卿「ぬ、それは拾ったものかもしれん。まことの僧侶か、私に神の説法を説いてみせてみろ。」
チコ「何だか失礼な上に偉そうな人ね。もし無事に戻ったら、いつかターン・アンデットしてやるんだから!
DM「具体的には〈宗教〉で判定をしてみてください。」
チコ「我が心は、癒しの女神ミシャカルと共にあり。コロコロ、達成値21。」
ソス卿「うぬぬ。なんだか納得がいかないがどうやら僧侶らしい。失礼した、"ケンダー"に似ていたので。」
チコ「ケンダーなんだけ……」

ハインリオン「で、ケンダーを探していたんですか?」
ソス卿「うむ、私はケンダーを探している。よし、エルフと僧侶に命令を発する。私の財布を取り返してくるのだ!」

クエスト:
並ぶ者無き名誉の騎士ソス卿は、悪戯好きのケンダーに財布を盗まれた。
君たちはケンダーを見いだし、財布の中の印章を取り出さなければならない。
連れてくるケンダーの生死は問わない。

チコ「生死は問わない……。(´・ω・`)馬鹿なの?死ぬの?」

 急に黙り込むチコ。

ハインリオン「財布には、していくら?
PL「それはきいてはいけないことだw」
PL「不純な誤解を与えるぞw」
ソス卿「いや余は、いまだかつてお金を数えたことはない。」
PL「おおー。言ってみてーw」

サリオン「財布をぬすんでいったというケンダーの特徴を教えて欲しいんですが?」
ソス卿「女性だ。財布には私の紋章が入っている。頭をポニーテールにしている。」
チコ「ミシャカルに誓って、私じゃないのは確か!」
PL「www」

ソス卿「私は神官王の勅命を受けてここにきている。ここを動くことができないのだ。」
サリオン「偉大なる騎士様、神官王からの勅命はどのようなものでしょうか。」

ソス卿「ふふふよくぞ聞いてくれた。それはかの黒き魔術師フィスタンティラスを倒すという命だ。彼はすでにこの遺跡に潜り込み、遺跡の秘密を暴こうとしているという状態だ。だが、何故かここに来ているキリジョリスやパラダインの僧侶たちは、会議をはじめて一行に終わる気配がせず、困っていたところだ。」

ハインリオン「あなたにとっては、フィスタンダンティラスと財布を取り戻すのは、どちらが重要だと思っておいでですか?」
PL「エルフ、空気嫁w」
PL「www」
ソス卿「ほぅ、お前達なら倒すことができると言いたいのか?奴を倒すというのならば、お前達はその実力があるというのか?どうなのだ冠の騎士よ、どうなのだ剣の騎士よ。答えて見せよ。」

ディオン「フィスタンダンティラスというのは〈歴史〉、達成値21なのでたぶん知っているな。」
DM「はい。」
ディオン「あの最強の魔法使いには勝てるかわかりません。だが悪には常に立ち向かわなければなりません。それが剣の騎士の努めです。」

大魔法使いフィスタンダンティラス:
〈大変動〉前の〈力の時代〉の魔術師。クリンで魔術師が力を握る時代が来ることを予見して、肉体を捨て長く時を生きながらえていた。
〈大変動〉の後、失われた力を取り戻すため、要塞を築き軍隊を編成してドワーフの地底王国トルバルディンへ強襲をかけるも、敗北。最終手段で使った最強の魔法が暴走し、敵味方諸共、要塞ごと消し飛んだ。

ソス卿「よくいった。だが、口だけの騎士というのはこの世に一杯いるのだぞ。よし、おまえたちに試練をやろう。大広間の先に囚人がいる。彼を4人くらいで倒してみろ。さすればフィスタンダンティラスと戦える実力があると認めよう。私が出した命によって、フィスタンダンティラスの討伐に失敗したら、私の名誉にかかわるからな。」
ディオン「邪悪な囚人なのか?」
ソス卿「邪悪はすべて万死に値する。
ディオン「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。」
サリオン「では挑戦をうけてみようじゃありませんか。」

サリオン「ところで、我々はドラゴンドロップとよばれるものを探しているのですが、騎士様はご存じありませんか?」
ソス卿「私はそのような宝石には興味がないが、フィスタンダンティラスを倒したとなれば、その宝石を直ちに見つけ出し、お前達に報酬としてやることはやぶさかではない。」
ハインリオン「どうやってさがすのですか?w」
ソス卿「私は探さないが、私には多くの部下がいる。」

クーマ「ちなみに、閣下がおわすここはどこでございましょうか?」
ソス卿「パランサスから北東に200マイルほどいったところの荒野にある、失われた名も無き都市というところだ。」
クーマ「そういえばこの私の盾って見たことありませんか?」
ソス卿「これはなかなかのものだ。おそらく、機会攻撃を受けた場合に敵の攻撃を避けやすくなるだろう(つまりAC+1)。」

シールド・オヴ・アイズ+1
レベル2
多くの切子面を持つこの盾は、君に隠れた危険をも気付かせてくれる。
アイテムスロット:腕部
特性:機会攻撃に対するACに、使用者の盾ボーナスに等しい値のアイテムボーナスを得る
パワー([一日毎]):マイナーアクション。使用者は次の自分のターン終了時まで、敵に挟撃されても戦術的優位を与えない。

 どさくさに紛れて、ソス卿にいろいろ聞いてしまうパーティ。

ハインリオン「なぁ、後々のことを考えると、ここでソス卿倒しておいたほうが良くないか?
PL「それいっちゃダメwww」
サリオン「まぁ歴史に干渉するのはよくないからwww」


ソス卿の試練


 ソス卿が指定した大広間の部屋の壁面のシークレットドアを潜り抜けると、二人の騎士がパーティたちを待ち受けていました。彼らが着ている鎧に付けられている金具には、一人は冠、一人は剣の印が描かれています。

冠の騎士「君たちがソス卿からの試練を受けたものか。」
剣の騎士「4人中に入れ。中の囚人と戦って貰う。」
騎士たち『我らが見届け人となろう。』

 死橋の議論の末、選ばれたのは、クーマ、ディオン、スバース、ハインリオンの完全攻撃型4人となりました。

サリオン「我々は外で見ていますよ。」
チコ「危なくなったらコッソリ、ヒーリング・ワード飛ばすからね。」

 騎士たちが開けた重々しい牢獄への扉をくぐり、牢獄の中へと入ります。部屋の奥には鎖を付けた大型の生き物がいました。牛の頭を持った人型生物、ミノタウロスです。
 パーティたちが入ってきたことに気づくと、凄まじい勢いで襲いかかってきました。

騎士たち「それでは、健闘を祈る。」

 ガシャン!と後方で牢獄の扉が閉まる音が聞こえます。戦闘開始です。



ハインリオン「敵を"狩人の獲物"に指定して、ツーファングド・ストライク、対AC25まで、ハズレ。2発目は対AC20まで。ダメだ。エルヴィン・アキラシーを使い、振り直して、対AC25まで。どう?」
DM「ハズレ。ハインリオンの撃った矢は命中しませんでした。」
ハインリオン「俺、参加しない方が良かったんじゃ……。」

 次はミノタウロスの番です。彼は凄まじい勢いでディオンに襲いかかります。彼の持つ巨大なフレイルがディオンの頭に落ちて来ます。

ミノタウロス「ディオンに対AC25まで、なので命中。ダメージは20点。さらにノックダウン!」

 ミノタウロスの攻撃をまともに受けたディオンは、そのまま倒れてしまいました。

ディオン「くっ!移動アクションで立ち上がり、アクション・ポイントを使ってリード・ジ・アタックだ!《怒涛のアクション》込みで攻撃ロールに修正+5。食い込め!我が刃!コロコロ、対AC28まで。命中!ダメージ17点!。」
PL「おお!」
ディオン「みんな、私に続くのだ!命中したので、以後、この遭遇終了時まで5マス以内の味方は、攻撃ロールに+5です。」
パーティ『おーっ!』
ディオン「さらに、残っている標準アクションでスチール・モンスーン!対AC30まで。命中!ダメージ13点。さらに味方が4人まで、今1マスシフトできます。」

 荒々しく剣を振り回しながら敵を混乱させるディオン。その隙に前衛は敵の背後へと回り込み始めます。

クーマ「敵には罰を!味方には癒しを!移動してパラディンズ・ジャッジメント!対AC23まで、ハズレなのでアクション・ポイントを使って光輝なる一撃を相手に与えます。レイディアント・スマイト!対AC28まで。命中!ダメージ15点!さらにディヴァイン・チャレンジでマーク。」

スバース「こちらも移動してアクション・ポイントで、ディランズ・メナスを使う。挟撃が入って、対AC27まで。命中!ダメージ26点!ちなみに遭遇終了時まで、私は攻撃ロールに+2、ダメージロールに+4されます。」
DM「敵は重傷状態になりました。ちなみに攻撃ロールは、ディオンのスチール・モンスーンと被るので結局+5ね。」

 敵を挟み撃ちにした、クーマの光輝なる一撃とスバースの攻撃が命中し、敵を驚かします。ミノタウロスの受けた傷口からは血がドクドクと流れ出ています。

スバース「まだまだ!さらに標準アクションが残っているので、《強打》を入れて、リーピング・ストライク、命中!ダメージ19点。」

 ミノタウロスは苦しそうに呻きます。

ハインリオン「私の番だ。まずはツイン・ストライク、対AC33まで、あたり。2回目は、出目1だから失敗。結局ダメージは15点。」

DM「これで敵は死ぬんですが――」
PL「やったか!」
DM「ミノタウロスは、死ぬ間際に決死の一撃!デス・ストライクをかけます!コロコロ、ミス……。」

デス・ストライク
ミノタウロス/攻撃/?レベル
死ぬ間際の決死の一撃が相手を襲う!
即応・割込アクション 近接・武器
トリガー:ヒットポイントが0以下になった時
目標:クリーチャー1体
効果:ミノタウロスは1回の近接基礎攻撃を行う。

 ハインリオンの矢が牛の頭の巨体に突き刺さると、彼は絶叫し、床に倒れ込みました。

PL「よし勝ったぞ!」
PL「うむ。圧倒的勝利だ!一発しか食らってない。」
PL「まぁ、あれだけアクション・ポイントを使えばw」

 牢獄の扉が開きました。

冠の騎士「よくやった。君達なら、あの黒ローブを倒せるかもしれん。」
剣の騎士「うむ。ソス卿が待っている。」

 傷ついたディオンはチコがヒーリング・ワードで回復させて小休憩した後、ソス卿のところに戻ります。

ソス卿「よくやった。圧倒的だったらしいな。一番活躍したものに褒美をやろう。」
PL「ディオンだね。」
PL「だね。」
ディオン「皆、私の言葉に感動して頑張ったみたいです。」
ソス卿「それでは、余が使っていたクロークをやろう。」
ディオン「光栄にございます。」
DM「クローク・オヴ・レジスタンス+2です。」
PL「おおー!」

クローク・オヴ・レジスタンス+2
レベル7
この緑色に縁取られた外套は、その力を解き放つと、すべての攻撃に対して、若干の抵抗力を与えてくれる。
アイテムスロット:首
強化:頑健、反応、および意志
パワー([一日毎]):マイナーアクション。次の使用者のターン開始時まで、すべてのダメージに対する抵抗5を得る。

ソス卿「これで改めて黒ローブの魔術師を倒すことを許す。」
サリオン「で、どこに黒ローブはいます?」
ソス卿「わからんがどこかにいるはずだ。」
チコ「魔法使いといえば、書物庫、図書館とか?」
クーマ「じゃ図書館にいってみますか。」


黒ローブの魔術師


 クリスタルグローブと呼ばれる時の金床のコントロール装置の部屋を通り抜け、図書館への扉の前まで移動して来たパーティ。
 扉の前でハインリオンが〈知覚〉達成値23で聞き耳をした結果、誰かが中で何かしています。聞き取れたのは、ローブの衣擦れの音や、本を捲ったり閉じたりする音です。
 戦いの準備をし、扉を開けてみます。

黒ローブ「我は黒ローブの長、フィスタンダンティラスである。よくぞ私がここにいるのを突き止めた!」

チコ「ほら、いたwww」
PL「いきなりかよw」
PL「マズイな。俺一日毎パワーをすでに使ったぞ。」
PL「まさかこんなに簡単にみつけるとはw」
DM「はいはい、イニシアチブしてね。」



 というわけで忙しく戦闘開始です。

サリオン「先手必勝!移動して、ファイアー・シュラウド!ゴメンよ、本たちよ!」
チコ「あー、燃やした犯人はサリオンだったのね!」
PL「うはwww」

 サリオンの放った魔法で、黒ローブの魔術師のまわりにいきなり炎が吹き上がり、抱えていた書物や後ろの本棚諸共、火に包まれます。

DM「敵にファイアー・シュラウドの継続ダメージがセーヴ・終了まで5点入りますね。」
フィスタンダンティラス「貴様も魔法の使い手か。目には目を!炎には炎を!」

 フィスタンダンティラスがそう叫んだ瞬間、スバースの目の前に炎の壁が出現します。炎の壁は地中から天井まで燃えさかっており、彼の姿を捕らえることができません。

DM「スバースに対頑健22まで、命中したね。炎のダメージが13点。」

スバース「では、そのまま燃えさかる炎の中に突っ込んで、タイル・オヴ・アイアン!対AC18まで、ミス。」
クーマ「スバースに続いて、全力移動して私も炎の中に突っ込みます。さらに、敵をディヴァイン・チャレンジでマーク!」
DM「炎の壁のダメージ受けてね。13ダメージ。」

チコ「二人とも突っ込んでいったけど大丈夫かなぁw」
スバース「近づかないと攻撃できないし。」
チコ「私、ちょっと挑発しておびき出してみる。オラオラ、このへなちょこ魔法使い!引きこもってないで炎の中から出てきてみなよ!と敵を罵り、インスルティング・タウト!」

インスルティング・タウント/侮辱的な嘲り
ケンダー/種族パワー
[遭遇毎]◆[魅了]
移動アクション 爆発5
目標:クリーチャー1体
攻撃:+8対“意思”
ヒット:使用者は目標を3マス貴方へ向けて引き戻す。この移動は機会攻撃を誘発する。次の使用者のターンの終了まで、敵をマークする。
ミス:次の使用者のターンの終了まで、敵をマークする。
維持(ヒット:時)・マイナー:使用者は目標を1マス引き戻す。次の使用者のターンの終了まで、敵をマークする

PL「おお、敵をこっちに引っぱるのか!」
チコ「コロコロ、失敗。(´・ω・`)」
DM「残念でしたw」



ハインリオン「しょうがない。私も炎の中に移動。フィスタンダンティラスを"狩人の獲物"に指定して、まずはツイン・ストライク、対AC15まで、ミスか。2発目は対AC28まで、命中!ダメージは、小さい、6点。」
DM「はいはい、炎の壁の分、ハインリオンは16点ダメージ受けるから。」
ハインリオン「伝説のフィスタンダンティラスに6点を与えたぞ!
PL「しょぼいけどねw」
ハインリオン「いやこれからじゃ!」

ディオン「私も、移動して炎のの中へ全力移動で終了。」
DM「ダメージ16点ね。」
ディオン「アイタタ……。」

サリオン「サンダー・ウェイブを撃ってフィスタンダンティラスを衝撃で炎の壁に飛ばせるかな?」
PL「おー、いい案だw」
PL「悪は自らを滅ぼす。フィスタンダンティラスは自分の魔法で死ぬのねw」
サリオン「でも、味方巻き込んじゃうんだけど、いい?」
PL「おいw」

サリオン「じゃ、大人しく、魔法の矢、マジック・ミサイルを奴に撃ちます。対反応15、ミスった……。」
フィスタンダンティラス「当たらないマジック・ミサイルを撃つウィザードなど、怖くないわw」
サリオン「くそー、もういい!アクション・ポイント使ってサンダー・ウェイブ!
PL「うっそぉー!
PL「撃ちやがった、このウィザード!」
DM「まぁ頑健防御が低めの術者相手に、比較的頑健防御の高い味方の前衛を巻き込むのは悪くはないと思いますよ。」

サリオン「よし、まずは味方への攻撃ロール、対頑健、クーマに27、スバースに27、フィスタンダンティラスに20。敵が一番低かった……。orz」
クーマ「くらっちゃった……。」
スバース「同じく。」
DM「危なかったですね、敵もぴったりくらいましたw」
サリオン「いやぁ危なく味方だけに攻撃があたるところでしたw」
PL「勘弁してくれ!」
サリオン「とりあえず全員15点のダメージ、さらにフィスタンダンティラスを2マスシフトさせ、炎の壁のこっち側へ。」

 サリオンの放った地面を切り裂くような雷撃の波が、クーマとスバース、そしてフィスタンダンティラスを襲います!



フィスタンダンティラス「おのれ、私がしようとしていたことを先にやられるとは!なんたる屈辱!
サリオン「にやりw」
フィスタンダンティラス「ではわたしの番か。まずは炎の壁のダメージを受けると、ダメージ15点か。グフッ。」
DM「敵は重傷状態になりました。でも、かわまず移動しますんで機会攻撃していいよ。」

ディオン「よし、チャンスだ!対AC23まで。」
DM「ハズレです。」
チコ「私もフーパックで攻撃、対AC21まで、ハズレ……。」
フィスタンダンティラス「くっくっく。貴様らの攻撃なぞお見通しじゃ!こちらもサンダー・ウェイブで格の違いを見せてやるわ!対反応、ケンダーに11、ハズレ。騎士二人に29と25、命中!ダメージは10点!」
チコ「こっちのウィザードの方が命中率高いし、ダメージも大きいよw」
フィスタンダンティラス「うっうるさい!

チコ「では、私は敵の機会攻撃を食らいつつ2マス下がって……。」
フィスタンダンティラス「ケンダーめ、杖で攻撃してやる。ころころ、はずれ。」
チコ「ぷぷぷ。もっと屈辱を味わわせてあげる!アクション・ポイントを使って、コマンドを使います。対意思24、フィスタン、カム!
PL「お、いけるかも。」
PL「でもウィザードは意思防御が高いからなぁ。」

コマンド
クレリック/攻撃/3レベル
君は敵に服従を求める1つの言葉を投げかけた。君の命令しだいで敵を押し戻すも、近寄らせるも、床に投げ出させることもできる。
[遭遇毎]◆[信仰]、[装具]、[魅了]
標準アクション 遠隔・10
目標:クリーチャー1体
攻撃:+8対“意思”
ヒット:目標は使用者の次のターンの終了時まで幻惑状態となる。さらに使用者は目標を伏せ状態にさせるか、7マスだけ横滑りさせることができる。

DM「命中しちゃうんだな、これ。」
チコ「では敵は私の次の番の終りまで幻惑状態。さらに自らが放った炎の壁の中にシフトさせます。」
フィスタンダンティラス「ぐぁ〜!熱いぃ〜!
DM「19点の[火]ダメージを受けます。」

チコ「まだまだ行くよぉ〜!標準アクションが残っているので、ここでビーコン・オヴ・ホープ!ミシャカルよ!我らに希望の灯火を!

ビーコン・オヴ・ホープ
クレリック/攻撃/1レベル
 信仰のエネルギーが爆発し、敵を弱体化させ、味方を癒す。輝かしいエネルギーは君の聖印の周りに溶け残り、この戦いが終わるまで君の癒しの力を強めてくれる。
 [1日毎]◆[信仰]、[装具]、[治癒]
 標準アクション 近接・範囲・爆発3
 目標:爆発の範囲内の敵すべて
 攻撃:+8対“意思”
 ヒット:目標は使用者の次のターンの終了時まで弱体化状態となる。
 効果:使用者および爆発の範囲内にいた使用者の味方すべては9ヒットポイントを回復する。この遭遇の終了まで、使用者の[治癒]パワーが回復するヒットポイントの量は+5される。

 チコが胸元から取り出したメダリオンを掲げてミシャカルに祈ると、メダリオンから慈愛に満ちた暖かい輝きが辺りを照らし始めます。



PL「おお!」
チコ「対意思16で、攻撃はハズレましたが、範囲内の味方はHPが9点無条件で回復します。また遭遇終了まで、私の[治癒]の回復量が+5増加されます。」
ディオン「安らかな輝きが受けた傷を治していく!」
クーマ「助かりました!」

スバース「よし、もう少しだ!!炎の中の敵にマークしてリーピング・ストライク!AC28まで、命中!ダメージ7点。」
クーマ「私は、ディヴァイン・チャレンジで敵をマークしてから、ホーリィ・ストライク!AC22まで、ハズレ!?」
PL「敵のACは23以上だな、こりゃ。」

ハインリオン「敵は幻惑状態だから、急所攻撃が入るな。まずは"狩人の獲物"に指定してツイン・ストライク、AC27まで、あたり。ダメージ25点。」
PL「かなり入ったぞ!」
PL「やったか!?」

フィスタンダンティラス「グフッ、我は死なぬ。ふふふっ――」

 不敵な笑みを浮かべてそのまま倒れる黒ローブの男。同時に、彼の体が白く変化し、ドサリと床に倒れると、まるで雪の塊が砕けるようにあたりに散らばります。そしてジューっという音を立てながら、熱の残る焼け焦げた地面に溶け込んで消えてしまいました。
 残ったのは、彼の身に着けていた黒ローブとしなやかな黒い一組の手袋のみです。

ハインリオン「じゃ〈知覚〉達成値31でフィスタンダンティラスの死体を調べます。」
DM「フィスタンダンティラスの死体は、本当に雪のように溶けて消えてしまっていますよ。」
チコ「幻影?」
ハインリオン「いや手応えは確かにあった。」
サリオン「とりあえず黒いローブと手袋を調べよう。」

 サリオンがローブはただの黒いローブでしたが、手袋はマジックアイテムだったことが判明!小休憩で皆が回復力を使用して失ったHPを回復している間に、サリオンが、〈魔法学〉の修得済のみ可能な能力、魔力感知判定で調べたところ、シャドウフェルズ・グラヴズということがわかりました。

〈魔法学〉の魔力感知、ディテクトマジック(修得済のみ):
 マイナーアクションで1遭遇に1回、魔法がかかっている区域や創造物を難易度15+かかっているパワーレベルの1/2で判定することができる。詳細はPHB参照。

シャドウフェルズ・グラヴズ
レベル6
このしなやかな黒い手袋は、シャドウフェルの糸で織られており、ウィザードとウォーロックの間で珍重されている。
アイテムスロット:両手
パワー([一日毎]◆[死霊]):マイナーアクション。使用者が次に使用する秘術のパワーのダメージ種別を[死霊]にする。そのパワーによって与えられるダメージ(もしあれば)に1d6を加えること。

サリオン「じゃ、ケンダーに盗られたりする前に、こっそり私が装備してしまおうw」
PL「実は欲深い奴www」
チコ「何か言った?」

 さて。小休憩で回復の後、ソス卿のところに報告を伝えにいきます。

ソス卿「流石は私が見込んだことだけはある。お前たちはきっとやってくれると信じていたぞ。」
ハインリオン「そうなんですが、我々は大変なことをしてしまいました……。」
ソス卿「だが、邪悪な魔法使いに貴重な書物が燃やされてしまったそうだな。」
ディオン「我々というか、私は騎士だから嘘がつけないし、本当のことをいうと、サリオンが燃やしてしまったんだが……。」
サリオン「でも、大半はフィスタンダンティラスの炎の壁のせいですから!」
ソス卿「まぁそれも邪悪な魔法使いを倒す尊い犠牲ということだな。よくやってくれた。」
クーマ「はっ、ありがたき幸せ。」
ハインリオン「できれば褒美にマジックアイテ……。」
PL「ここにもいたかwこの強欲エルフw」
ソス卿「そうそう、君たちが探していたという宝石は、これか?先ほど部下が見つけてきてくれたのだ。褒美といってはなんだが、これをやろう。」

 彼が懐から取り出したのは、まさしくドラゴンドロップです。エメラルドの大きな結晶のように見えるそれは、以前見つけて時の金床のコンソールパネルに填めこんだものとほぼ同じものにみまえす。

サリオン「如何にも、これにございます。」
チコ「ドラゴンドロップ、2個目を手に入れましたね!」

スバース「そういえば、フィスタンダンティラスは雪になって溶けて消えてしまったんですが、何かおもいあたることはありませんか?」
ハインリオン「我々は歴史を変えてしまったのか!?」
ソス卿「倒したのは、恐らく奴の分身の1つだろう。」
DM「ちなみに、元になった3.5版シナリオには、ウィザードの高レベル呪文のシミュレイクラムで自分のレベルの半分の力の分身を作り出す呪文があってだな……。」
PL「彼はフィスタンダンティラスの分身の一人という話だったのさっw」
PL「ですよね……。」
ハインリオン「――そうなのか。」
ソス卿「兎に角、ここに逃げ込んだ分身は倒したので、心配無用。」


まことの癒し手と、ケンダーの財布


ディオン「そういえばフラグメントを探さないといけないんですが、閣下、ご存じありませんか?」
ソス卿「残念ながら存じておらぬ。近くに部下もいるはず。彼らに聞いてみるといい。」

 一端、ソス卿と別れるパーティ。先ほどの戦闘で大分パワーを消費したので、一端大休憩をとることにしました。
 幸いもうこの遺跡の驚異を取り除いたようで問題なく休んだ後、パワー全開で冒険を再開します。

 暫く部屋を探索した後、テーブルと何脚かの椅子がある会議室のような部屋で、ソラムニアの騎士の仲間の三人の僧侶を見つけました。
 聖印が刺繍された法衣から、それぞれパラダイン・キリ=ジョリス・ミシャカルの僧侶であることがわかります。

パラダイン僧侶「君たちがフィスタンダンティラスを倒したという者たちか、よくやってくれた。」
ミシャカル僧侶「あなた方は、どうやらこの時代の者ではなさそうですが、もし、ここから出る術(すべ)を探しているなら、一緒にテレポートで脱出しますか?」
キリ=ジョリス僧侶「ただし、この先2年後の神々の試練を生き残る自信があるならばな。」
ハインリオン「2年?」

キリ=ジョリス僧侶「我々が神の啓示を求めても、2年後からの未来の予見がまったくできなくなっているのだ。」
パラダイン僧侶「2年後に、何か良くないことが起きるかもしれん。」
チコ「それはもしかして〈大変動〉?」

パラダイン僧侶「それが試練の名前か。」
チコ「そうです、神々の怒りです。恐ろしいことが起きます。クリンの大地は揺れて引き裂かれ、空からは猛火の山が降りそそぎます。でも、いまならそれを止められるかも!?」
PL「おお、何だか凄いシナリオフックだw」

キリ=ジョリス僧侶「ケンダーよ。良い、これは避けられない運命なのだ。」
パラダイン僧侶「しかし、来るべき災厄には備えなければならない。」
ミシャカル僧侶「あなた方が未来から来たというのなら、この遺跡はその試練の後でも無事なのでしょう。ここに隠れてやり過ごすのも良いかもしれません。」
PL「たしかにw」
PL「あ、〈大変動〉でまことの神々の僧侶たちが姿を消したのは、実はここに隠れていたから?」
PL「で、出ることができなくなったと。」
PL「うはwww

ディオン「そういえば、フラグメントというものを知らないでしょうか?」
パラダイン僧侶「残念ながら我々にはわからぬが、今、君たちに一番必要なものだな。」
キリ=ジョリス僧侶「予見できぬ未来。彼の黒ローブの魔術師がここに逃げ込んだこと。未来からの来訪者。これも運命なのかもしれぬ。」
ミシャカル僧侶「今我々にできることはあなた方の力になることですね。」
パラダイン僧侶「となれば話は早い。これから儀式を使い、君たちに必要なものを探して差し上げよう。」

ハンド・オヴ・フェイト/運命の手
おぼろげな青い手が現れ、君の行動に対して簡潔な示唆を与える。
レベル:4 構成要素費用:70gp
系統:占術 市価:175gp
執行時間:10分 対応技能:〈登攀〉(判定無し)
持続時間:10分
D&D4版になって「儀式」が新しくルールに加わり、ウィザードやクレリック等の使用する呪文はパワーという概念で他のクラスの技と統一が図られましたが、一部の複雑な呪文は、戦闘中に使用することが不可能に近い、執行時間のかかる"儀式"へと変化しました。

 暫しの儀式の後、おぼろげな青い手がパーティの前に出現します。

キリ=ジョリス僧侶「この手に従って行きたまえ。」
パラダイン僧侶「さすれば必ず君たちの捜し物に巡り会えることができるだろう。」
ミシャカル僧侶「あなた方が善なる神々と共にあらんこと。」
PL「儀式ってこう使うんだw」
DM「戦闘遭遇では使わないので、4版の術者をプレイする人は結構見落としがちですね。うまく使えば効果的なんですけど。」

 青い手は何かを指さすような形になると、そのままその方向へふわふわと飛んでいきます。
 何処に向かっているのでしょうか、急いでパーティ達はその青い手を追いかけます。
 しばらくその手に従って進んだところ、例のトイレの部屋の前に出ました。

PL「何だか、いやな予感が……。もしかしてトイレ?」
DM「トイレの部屋の前に壷がありましたよね。青い手は、それを指し示すとぱっと消えました。」

ハインリオン「じゃ壷を〈知覚〉で調べる。コロコロ、達成値20。」
壷「あ、見つかっちゃた?よくわかったね!」
PL「え?」

 壷の中からケンダーが顔を出して、こっちをみます。

ハインリオン「ここにおったか!ふんじばってソス卿の元に連れて行こう。」
チコ「そんなかわいそうな。」
サリオン「君、君。」
ケンダー「なに?」
サリオン「僕達の落とした物をを君はきっと親切に拾っているんだよね?」
ケンダー「そうだよ!あの騎士様はいろんなことを忘れちゃうからね!」
サリオン「拾ってくれてありがとう。じゃ、それをちょっと返して貰えるかな。」
スバース「返さないから騎士はカンカンだ。このままだと君は君の一番大事なものを彼に奪われるぞ。落とした印章とお金を返してくれ。」
ケンダー「大事なもの?」
チコ「無くすと、〈奈落〉に落とされるかも。」

 暫く考えた後、トイレに入って豪華そうな財布を持ってくるケンダー。

ケンダー「それも悪くなさそうだけど、まだ早いや。」
PL「何処に隠しておいたかは聞かないでおこうw」
DM「なんだか、ちょっと臭いますw」
ケンダー「あと、変なカードも見つけたんだけど、これも君達の?」

 フラグメントを手に入れ、ソス卿のところに戻り、財布を差し出すパーティ達。

ソス卿「おお、なかなか良い臭いがするな。」

 あまりにも臭うので、サリオンが財布にプレスティディジテイション(奇術)のパワーを使い、香しい臭いに変えておいたのは秘密ですw


さらに過去へ


ダマス「さて、このフラグメントによると次は光の時代へ飛ぶようだな。」

 ハンカチでくるんだフラグメントをクリスタルグローブにセットしながら調べるダマス。

クーマ「――ってことは、もしかしたらヒューマに会えるかも!」

光の時代:Age of Light、〈大変動〉前4000年〜〈大変動〉前1000年。
 エルフ達がドラゴンを追い払いシルヴァネスティを建国し、鍛冶の神レオルクスによって〈灰色石〉が作られ、ノームが誕生し、ノームからケンダー族とドワーフ族が創られました。
 また、エルフとドラゴンとの戦争に、人間達も加わり、クリンからドラゴンを一掃しようとします。一方、ドワーフはトルバルディンに隠ってしまいます。
 ドラゴンとの三度の戦争が起こり、伝説の英雄ヒューマがドラゴンランスを手に、ドラゴンを別界に追いやり、そこで永遠の眠りにつかせ、この時代は終わります。

ハインリオン「我々はランスの英雄を超えるような冒険をしているな。未来に帰れば、我々の活躍が吟遊詩人に歌われているかもしれん。」
チコ「ヒューマの歌がクーマの歌に変わっているかもねw」
PL「www」


 この時代にやってきた時のように再び転送室に入ります。
 扉を閉めた瞬間、またもや空間がゆっくりとねじ曲がり始め、目眩のような感覚が彼らを襲います。

 さらさらと砂の流れ落ちる音が聞こえ、パーティたちの目の前には巨大な砂時計。
 巨大な砂時計が逆さまに歪み、中の砂が逆転して流れ始めます。

 薄れゆく意識の中で、また誰かの声が聞こえてきたような気がしました――。

 I am The Master of Past and Present,
 their coming was fated in past,
 for them, the gates shall open!
 
 我こそは過去と現在の主なり。
 彼の者らの来訪は、過去に決められし運命(さだめ)なり。
 彼の者らに門は道を開くべし。

 :
 :

 どれくらいの時間が経ったのかわかりませんが、パーティたちは気がつきます。
 見渡すと、明らかに部屋の雰囲気が変わっています。

 神殿に出てみると、イシュタル様式のデザインが無くなり、パルテノン様式のようなシンプルな部屋のデザインに変わっています。そして驚いたことに女神の像の手には、60cmくらいの球体があり、虹色に輝きながら怪しいオーラを放っています。



チコ「わー、なんか綺麗。見ていると吸い込まれそうになっちゃう。」
ディオン「チコ、触るんじゃない!」
サリオン「私が調べてみますね。〈魔法学〉コロコロ、達成値15。」
DM「これが伝説のドラゴンオーブではないかと思います。」
サリオン「これが噂に聞くドラゴンオーブ!凄い魔力だ。私には制御できそうにない!」

ドラゴンオーブ:
光の時代末期、第三次ドラゴン戦争時に、暗黒の女王の軍勢と戦うために、上位魔法の塔の3長老が集まり、作成されたアーティファクト。
外観は、黒く白く青く赤くて緑色の光を放つ直径20cmくらいのオーブで、意志を直接伝達することはありませんが自我を持っています。
そのためオーブを制御することは難しく、強力なウィザードや信じられないほどの強い意志がある者だけが制御することができ、制御に失敗したものは、他の力によって解放されるか飢餓で死ぬまで、支配されて夢を見せ続けます。
しかし、制御に成功した者は、半径5マイルのどんな色のドラゴンを召喚し、操ることができます。
大変動の前に上位魔法の塔にあったいくつかのドラゴンオーブは破壊され、今は大半が行方不明となって失われています。

DM「ちなみに、神殿の柱は焼け焦げていませんよ。」
PL「お!これからここで何か起こるのか?」
PL「まさかまたサリオンが……。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。」

DM「それから〈知覚〉で聞き耳してみて。」
ハインリオン「〈知覚〉、達成値24。」
DM「前の時代でミノタウロスの囚人と戦った部屋の方から、やはりミノタウロスの声が聞こえますね。」
PL「何と言っているの?ミノタウロス語は誰もわからないと思うけど。」
DM「共通語ですよ。」

ミノタウロス「出せー!出せー!」

ハインリオン「我々が戦ったミノタウロスじゃないだろうな。」
PL「そんなばかな。」
PL「何百年牢獄に入れられていたんだ?」
PL「とりあえず、牢獄の方に行ってみよう。」

 牢獄の部屋の前までやってきたパーティたちは、中にいる生き物を覗いてみます。
 そこには、1体のキリ=ジョリスの鎧を身につけたミノタウロスが、四肢に枷を付けられて、鎖で繋がれています。

ミノタウロス「出せー!出せー!」
スバース「おまえはそこで何をしているんだ?」
ミノタウロス「ここから出してくれー!ヒューマめ!親友だと思っていたのに何たる仕打ち!」
クーマ「ヒューマですと!?あなたはもしかしてミノタウロスのカズですか?」
PL「クーマ、キャラクターの知識を越えてないかw」
DM「本来ならば〈歴史〉で判定してもらうのですが、まぁ今日はいいでしょう。」

ミノタウロスのカズ:
ミノタウロスの彼は、元々〈暗黒の女王〉軍の兵士でしたが、上官に逆らい脱走しました。
ゴブリンの小隊によって捕らえられていましたが、ヒューマによって助けられソラムニア騎士団へ投降します。
そして、彼は助けられたヒューマに命を捧げて、ヒューマの忠実な仲間の一人となるのでした。



カズ「お前はヒューマの仲間か?」
ハインリオン「カズが、何故ここに?ヒューマとあなたは友達じゃなかったの?ヒューマに裏切られたのか?」
カズ「そのとおりだ!我々は大激戦を経て、やっとここまで来たわけだが、私は回復力(ヒーリング・サージ)を使い尽くしてしまった。」
PL「うはw何て4版のルール的なwww」
カズ「それでも、まだまだ戦えると俺はついて行こうとしたのだが、足手まといだと言われ、休憩中に無理矢理鎖で繋がれてしまい、置いて行かれたのだ。」
PL「へw」
ハインリオン「ってことはヒューマたちが戻って来ないとあなたこのまま死ぬんじゃ……。」
PL「www」

カズ「というわけでお前達、この拘束を解くためにヒューマに説得してくれないか?ヒューマは、奥でドラゴンランスの最終的な祝福を受けているはず。」
ディオン「何故おまえの"大休憩"を待たないのだ?」
カズ「脅威が近付いて来ているのだ!〈暗黒の女王〉の最強の手下の一人、赤竜マグナが来る!そんな時こそ、私がいなくてどうする!
ハインリオン「いやでも大丈夫ですよ。ヒューマたちは倒すときは倒すんで。」
カズ「何だ!?一見根拠のなさそうだが、すべてわかっているような率直な答えは!?」
PL「www」

ディオン「ところでドラゴンドロップというものを知らないか?」
カズ「それは、赤竜マグナの胸についているという宝石じゃないのか?」
PL「うわーwww」
ディオン「ついでに、フラグメントというカードを知らない?」
カズ「それは知らない。」


赤ローブの魔術師、運命の糸


 ヒューマを探して部屋を探索するパーティは、クリスタルグローブの部屋で、赤ローブの魔術師と出会いました。
 
赤ローブの魔術師「シラクッ!

 彼が持つ、青銅の竜の鉤爪が水晶玉を掴む装飾の木製の杖から青白い光が放たれ、辺りを照らします。

赤ローブの魔術師「君たちは何者だ?」
クーマ「わ、私達はソラムニア騎士とその一行であります。」
PL「その一行かよw」
PL「その一行、まあ間違っていないな。」

ハインリオン「その杖、あなたはマギウスか!」
マギウス「如何にも。」
PL「おおーっ!」
サリオン「マギウス殿、ヒューマはどちらにいかれましたか?」
マギウス「ヒューマはこの隣の部屋で、ランスの祝福を受けている。私はそのヒューマの行為を待っていたところだ。」
クーマ「じゃカズさんにかまってやってください。」
チコ「あんなところに閉じ込めて何だか可哀想なんでw」
マギウス「あのミノタウロスに会ったか。あれはあれでいい。彼の回復を待っている時間は我々にはないのだ。今にも赤竜マグナが、ここに私がはった力場のフィールドを突破し、灼熱の溶岩流を叩きつけようとしているのだ。」

クーマ「マギウス殿はヒューマについていくのですか?」
マギウス「これは彼の試練なのだ。私は達観しているつもりだ。彼はこの絶望が迫ろうとも希望と良き心を持ち、純粋な善の心をもって立ち向かうだろう。」

クーマ「ヒューマは恋人と別れたと聞きますが……。」
PL「あんたは芸能レポーターかwww」
マギウス「いや。そこまで知っているなら言うが、今彼と共にランスの祝福を受けているグィネスが彼女だ。どちらを選ぶかは彼女次第だが、恐らく、この後、君が預言した通り悲劇的なわかれをすることになるだろう。」

クーマ「じゃ今祝福を受けているヒューマのところを邪魔するわけにはいかないですよね。」
DM「まぁ別にヨコシマな儀式をしているわけじゃないし……。」
チコ「いやんw何の儀式をしているんだかw」
マギウス「私にはあのような儀式は意味が無いものだと思うんだがな。」

スバース「そういえば、ここが何のために作られたのかご存知ですか?」
マギウス「さぁ、わからぬ。神代の時代、イルダとよばれる種族が作ったものらしいが。」

クーマ「そうそう。マギウス殿のような高名な魔術師なら、ご存知と思いますが、フラグメントとよばれるカード状のアイテムを知らないですか?」
マギウス「これかな?」

 マギウスは懐からフラグメントを何枚か取りだし、パーティに見せます。

PL「持っているのかよw」
PL「それも何枚もw」
マギウス「このうち一枚は、君たちを正しき時間へ戻すためにあるのだろう。残り二枚は未来、いや君たちにとっては過去の君たちのために残しておく必要があるだろう。」
ハインリオン「凄い、何故、知っているんだ!」
マギウス「私は過去と現在、未来の主ではないが、このクリスタルグローブは時間を見ることも可能だ。君たちが為すべきことを為せば、このフラグメントを君達にやろう。」

PL「あとはドラゴンドロップか。」
PL「赤竜マグナの胸か。」
PL「やっぱり倒せってことだよな……。」
ハインリオン「我々に強力な武器を与えて下されば、赤竜なんて軽く……、いや或いはヒューマが倒すのを待ってればいいのかw」
PL「この強欲エルフめw」

ハインリオン「マギウスはヒューマが勝てると確信しているんだよね。」
マギウス「恐らくヒューマが負けるだろう。」
PL「え!?
マギウス「彼はまだ最も大切なものを持っていないからだ。」
ハインリオン「最も大切なもの?」

マギウス「人にはそれぞれ個性がある。彼の持っている才能は彼の理念だ。それは彼の利点となるが、それが彼の弱点となる。それが無ければドラゴンランスは完成しない。確かにマグナには勝てるかもしれないが、この時代を救う真のドラゴンランスとはなりえない。それを気付かせるため、君達がパラダインに導かれて来たのだろう?」

ハインリオン「何と!パラダインのおぼしめしだったか!」

ダマス「マギウス殿、あなたが選んだのではないか?」
マギウス「正しい答えはわからん。私ではない。」



儀式、英雄と銀の女


 その部屋の扉を開け中に入ります。
 部屋の奥の祭壇のまわりで騎士と銀髪のエルフの女性が銀色のランスを持って何か祈っています。

エルフの女性「……古き竜の……と生まれしドラゴンメタルを、カーラスの槌より鍛え、全ての神々の祝福と、すべての種族の祝福を与えられし、ドラゴンランスを……。」

 美しい銀色の髪を持つ女性が男に言います。

エルフの女性「ヒューマよ、ランスを取りなさい。」

 彼はランスを取り、ブンッと数回振り回してみます。

ヒューマ「駄目だ!使えん。真のランスは、重さを感じないはず。」
エルフの女性「やはりダメですか。」

ヒューマ「む、君たちは何者だ?」

 パーティたちに気付くヒューマ。

ハインリオン「今捨てた槍は頂いていいですか?
PL「いきなりそれかよw」
PL「www」
スバース「我々は……かくかくしかじか……未来からやってき――。」
チコ「け、決して物欲大魔神じゃないですからwww」

ヒューマ「マギウスが言っていた、時を超えて招来された勇者たちは君たちか、では戦おう。」
PL「早w」
PL「まだドラゴンランスが完成してないんじゃない?」
ヒューマ「このドラゴンランスは私には何の役にも立たない。君達にやろう。」
ハインリオン「受けとります。」
PL「ちょw」

サリオン「ヒューマ、あなたはこのドラゴンランスを鍛え上げるのに、何が足りないのか知っていますか?」
ハインリオン「信仰心?ヒューマの心にパラダインへの疑いがある?」
ヒューマ「それはまったくない。」

ディオン「カズをなぜあのようなところへ?」
ヒューマ「あえて聞くな。彼の意気込みは買うが、彼はもう戦える体ではない。」
ディオン「彼無しで勝てるとおもうのか?」
ヒューマ「勝てるのではない。勝つのだ。」
PL「……。」
クーマ「あなたは戦いに急ぎ過ぎているのではないですか?」
ヒューマ「出来れば一緒に戦いたい。だが、マグナが近付いて来ているのだ。彼の回復を待つ、時間が無いのだ!」

クーマ「ヒューマ、あなたの名誉が後生に残るということをどうか忘れないでください。」
ヒューマ「君の名誉とは何だ?」

クーマ「我が名誉は我が命。世界のため、誰かのため、自分の人生を賭け、何かを残すことができれば私たち騎士はその本分を果たしたとおもっています。」
ハインリオン「なんてことだ!我が名誉は我が命をヒューマに教えていたのがクーマだったとは!」
PL「www」

ヒューマ「私はその言葉を後の世に伝えることができるかわからない。だが、偉大な先達の意志を尊重し、今現在できるすべてを尽くし、そして未来に伝えるために、それに対して努力することが使命だと思っている。」
クーマ「名誉とは、他者が後生その者の業績を称えるべきもの。私はあなたの話を聞き、憧れてソラムニアの騎士になったのです。あなたの意志が数千年経っても、クリンで脈々と伝えられているのです。」
ヒューマ「マギウスは言っていた。時は環状なり。そうやって時を重ねて名誉は受け継がれるのだな。よし、そろそろ時間が来る。後の名誉のために、戦いに赴くときが来た。」

PL「いよいよボスと戦いか!」
クーマ「ヒューマ、私は貴方を尊敬しています。こうして出会えたことも縁、何かの証しとなるものを頂けたら大変光栄なのですが……。」
PL「ミーハーだなw」
ヒューマ「では君の剣に私がキリ=ジョリスの神官からもらったルーンを付けてやろう。」
DM「クーマの剣の柄に、ヒューマのHの文字が記されました。」
クーマ「やった、うれしいです!

チコ「そういえば彼女は戦わないの?」
グィネス「あなた方は何でも存じていますね。では私の別の名をご存じでしょう。My Heart may be with Huma, 私の心はヒューマと共にあります。」
DM「〈歴史〉の技能判定するわかるのですが、このエルフの彼女は実はシルバードラゴンで、エルフの女性に化けて、ヒューマと恋愛しているんですね。」

グィネス(エルリオッテ/ハート):
ソラムニア騎士の伝説の英雄ヒューマと恋に落ちて、彼と共に第三次ドラゴン戦争を戦った勇敢な銀竜。

〈タキシス〉の勢力との戦闘から戻った傷ついたソラムニア騎士のキャンプで、グィネスというハーフエルフの女性の姿で、ヒューマと会い、恋に落ちた。
しかし、それは悲劇に運命づけられた愛でした。

タキシスを撃退するための方法を見つけ出す探索のおわりに、パラダインは選択を彼女に与えます。
彼女が定命の者としてヒューマと夫婦として共に生きるか、
ドラゴンのままで邪竜を滅ぼす力を手に入れて暗黒の女王から世界を救うか。
彼女が選んだ選択は、後者。パラダインはドラゴンランスの鋳造方法の秘密を彼らに与えました。
しかし、彼女はまだ自分の正体を明かしていませんでした。

その後、タキシスの勢力の戦いで彼を乗せて戦うことになります。
しかし戦いで重傷を負ったヒューマを助けるために、エルフの女性へと[変身]した彼女を見た彼は、彼女を見て拒絶してしまいます。

最終的に彼女は、ヒューマとタキシスの最終戦で彼を乗せて共に戦い、暗黒の女王を奈落アビスに撃退させますが、傷つき落下し、ヒューマを助けるため自分が犠牲となってしまいます。
息絶えようとする彼女の隣で、ずっと愛していたことを打ち明けるヒューマ。
彼女はそれを聞くと安らか表情で死んでいったのです。

PL「(´・ω・)カワイソス。」
PL「本当に悲劇敵な結末だな。」
DM「ちなみに、彼女の妹は、シルヴァナ。〈竜槍戦争〉で、姉と同じく定命の者、クォリネスティ・エルフの王子ギルサナスと恋に落ち、失われたドラゴンランスの秘密を授けることになるのですが。」
PL「歴史は繰り返す、のねw」

 その時でした。時の金床を激しい揺れが襲います。
 女神の像のある大広間の方で、大きな音が聞こえ、何かとても恐ろしいものがこの時の金床に侵入したようです!


赤竜マグナ


ヒューマ「来たか!」

 パーティ達はヒューマとグィネスと共に、大広間へと向かいます。
 部屋に出たとき、その生き物の大きさとあたりの光景に驚愕します。

 大広間の奥の南半分は天井が崩れしまっており、その先には別の次元の空間が見え隠れしています。
 床には至る所に崩れた天井の瓦礫と、ドロドロになった溶岩が転がっており、凄まじい熱を発しています。
 奥の天井を支えていた巨大な柱の一本も、倒れて瓦礫になってしまっています。

 そしてそこには、一匹の巨大な赤竜がその存在を誇示するかのように立っていたのです。

チコ「うわwでかいw」
ハインリオン「奴がマグナか!?」
ヒューマ「行くぞ!」



 ここで戦闘開始です。

ハインリオン「まずはドラゴンを"狩人の獲物"に指定し、急所攻撃を入れて、ツイン・ストライク!対AC18まで。」
DM「はずれ〜。」
ハインリオン「2発目は、コロコロ、出目20!命中!ダメージMAX30点!」
PL「おお!クリティカル!」
PL「スゲー!いきなり大ダメージw」

 初撃は外れましたが、続けて撃った2本目の矢が赤竜の鱗を貫通し体内に深く食い込みます。

サリオン「遮蔽を取りつつ壁伝いに回り込み、マジック・ミサイル!コロコロ、対反応17は?」
DM「外れます〜。」
サリオン「くっ!」

ディオン「ダメージ出すしかないな。ヴァイパーズ・ストライクで敵を撹乱させて隙を作る!コロコロ、対AC26まで。」
DM「命中しました。」
ディオン「よし、ダメージは7点。さらに私の次の番の終わりまでに、敵がシフトをしたら味方一人が攻撃できる!」

ヴァイパーズ・ストライク
ウォーロード/攻撃/1レベル
君は敵を霍乱し、戦術的失敗を犯させて、戦友に攻撃の機会をを与える。
[無限回]◆[武器]、[武勇]
標準アクション 近接・武器
目標:クリーチャー1体
攻撃:+9対AC
命中:1d8+5ダメージ。
効果:目標が使用者の次のターンの開始時までにシフトを行ったなら、目標は使用者の選んだ味方1人から機会攻撃を誘発する。

 次はマグナの番です。

DM「赤竜は移動だ。ディオンとすれ違ったので、機会攻撃くれ。」
ディオン「お、さっきより出目がいいので命中だ!ダメージ6点。」
マグナ「ほぉぁ〜っ……!」

 赤竜は、息を大きく吸い込みながら、パーティの前までやってくると、その息を一気に前方へと噴射します。
 灼熱の炎が目の前にいたハインリオン、スバース、ヒューマを襲います!

DM「ブレスを吐きますよ。対反応で、ハインリオンに32、命中。スバース22、命中。ヒューマも命中。3人とも12点の[火]のダメージ。さらに体に[火]がついて着火。消さなければ継続ダメージが毎ラウンド5点入ります。」
ハインリオン「ぎゃはー!」



チコ「移動アクションで移動して、標準アクションで、ビーコン・オヴ・ホープ!ミシャカルよ!我らに希望をお与えください!対意志23。」
DM「当たります。」
チコ「では、敵は私の次の番の終わりまで弱体化状態に!
PL「すばらしい!これだよこれ!」
チコ「これだけじゃないよ、近くにいるハインリオンとスバースとヒューマは9点無条件で回復。」
ハインリオン「おお、おかげで回復したぞ!」
チコ「でも[火]は自分で消してねw」

スバース「リーピング・ストライク、対AC27まで、命中。ダメージ14点。そして挟撃位置へ移動し、敵をマーク!」
クーマ「私の光輝の一撃!レイディアント・スマイト!対AC17まで。ミス……。」
ヒューマ「リーピング・ストライク!対AC33まで。命中!18ダメージ。」
PL「さすが。伝説の英雄!」

グィネス「私はスバースさんを治しましょう。スバースにヒーリング・ワード、4点多く回復。」
スバース「かたじけない!」

 第2ラウンドです。

ハインリオン「ええっと、まずは着火しているので継続的ダメージで5点HPが減少。移動アクションで後ろに回り、ツイン・ストライク。対AC13と対AC14。」
DM「それは大ハズレ〜」
ハインリオン「む。ではマイナーアクションでさっき取り出しておいたヒーリング・ポーションを飲む。これでHPが全快!で最後に着火した[火]のセーヴ、コロコロ、13!成功![火]が消えた!」
ディオン「私はマグナの後ろまで回り込み挟撃を……。」

 その時、後ろに回り込んだディオンを赤竜の大木の様な尻尾が襲ってきます!

PL「え!?」
DM「挟撃しようとすると、即応・割込アクションで尻尾の攻撃がきますよ。」
スバース「あ、ディオンを攻撃なら、マークしているので私がさらに割り込んで攻撃します。」
DM「ファイターのマークってズルイなぁw」
スバース「対AC19まで、当たらないですよね。」
DM「残念でした。では、尻尾の攻撃でディオンに対AC26まで、命中。20点のダメージ!」
チコ「でも私のビーコン・オヴ・ホープで弱体化中だから、半分。」
ディオン「ほっ、10点か。」
DM「それから、尻尾で1マス突き飛ばされますんで。」
ディオン「ごふっ!

 しかし、ディオンは突き飛ばされながらも、果敢にも巨大な赤竜の懐に飛び込み、その鱗に剣を深く突き刺します。

ディオン「突き飛ばされた分、シフトして挟撃状態に持ち込み、アクション・ポイントを使用して攻撃!リード・ジ・アタックだ!対AC31まで、命中!ダメージ20点と、この遭遇の終了時まで5マス以内の味方の命中判定に+5のボーナス!みんな、今がチャンスだ!」
チコ「えーわたしはいってない。(´・ω・`)」
ディオン「日毎パワーを使ったし、これで今日の仕事は終了。」
PL「早ええよ!」

サリオン「ではここで、順番を遅らせていた私がアイシー・テレイン、対反応、出目20、クリティカル!ダメージ12点。赤竜だから氷の脆弱性とか持ってない?」
DM「ない。」
サリオン「(´・ω・`)じゃ、あとはマグナが伏せ状態になるだけ。」

チコ「あちゃー。伏せ状態の敵に遠隔攻撃って当たらないんだよね。」
サリオン「(´・ω・`)スンマソン。」
チコ「ダメもとで、聖なる炎!マグナにセイクリッド・フレイム!対反応22。」
DM「命中ですよ。」
チコ「やたwマグナ、反応防御が弱いかも!10点の[光輝]ダメージ!さらにオマケ効果で、着火したままのヒューマにセーヴ判定を今させます。」
ヒューマ「コロコロ、お、[火]が消えたぞ!成功だ!」
チコ「で、移動アクションで、ささっと、マグナの側面に回り込みます。で、ここで敵の弱体化が解けますんで、みんな注意して!」

ダマス「私の攻撃だ、ころころ、命中、ダメージ26点。」
PL「ダマス、いたの?」
PL「影の薄い男だw」

スバース「私はHPが半分以下になって重傷になったら、再生能力を使うことができるんで、着火しても大丈夫。まずアクション・ポイントを使って、ヴィナイン・メナスで強かにマグナを殴ります。挟撃が入っているので対AC32まで。」
DM「命中ですよ。」
スバース「14ダメージ。さらに標準アクションで、リーピング・ストライクで《強打》を載せて、攻撃。あちゃ、出目1、失敗しました。最後に着火のセーヴは、コロコロ、消火失敗。」

クーマ「マイナーアクションでディヴァイン・ストレングス!アクション・ポイントを使用して、パラディンズ・ジャジメント!聖騎士の裁きを受けてみよ!命中!ダメージ15点!追加効果で、ディオンを回復させます。」
ディオン「ありがとう!」
クーマ「さらに標準アクションが残っているのでホーリィ・ストライク!聖なる一撃!対AC27まで、命中!ダメージ8点!」

DM「これでマグナは重傷(HP半分以下)になりましたよ。」
PL「やっと半分か!」

 しかし、その瞬間、赤竜は突然体を震わせ、大きく息を吸いこむと、パーティに向かって灼熱の息を浴びせまました!

DM「マグナはHPが半分以下になるとフリーアクションで起き上がってブレスを吐きます。」
PL「なんだっって!?」
PL「フリーアクションなんだ。((((;゚Д゚))))」

ブラデッド・ブレス
ドラゴン/攻撃/?レベル
流血したドラゴンの怒りのブレスが相手を襲う!
フリーアクション 近接・放射5
トリガー:その遭遇で最初に重傷になった時
効果:ドラゴンはブレス攻撃を再充填し、即効で使うことができる。
命中:1d12+4点の[火]ダメージ、及び着火。毎ラウンド5点の継続ダメージ(セーヴ・終了)
ミス:ダメージ半減

DM「では対反応で、スバース命中、ヒューマ命中、クーマ命中、グィネス命中。全員命中しましたね。[火]のダメージが12点。さらに着火して、継続ダメージがきますよ。」
クーマ「さっき、消えたばかりなのに!」
スバース「私は、どうせ着火しているし。」



ヒューマ「おのれ、マグナめ!リーピング・ストライク、命中!、ダメージ13点!こんな炎など気合いで消してくれる!」

 ヒューマは長剣を両手で持ち、着々と赤竜にダメージを重ねていきます。
 ちなみにヒューマに着火したのはセーヴに成功し、消えました。

 3ラウンド目に入ります。

ハインリオン「アクション・ポイントを使ってツーファングド・ストライクだ!対AC31まで、2発目は対AC29まで。両方命中し、ダメージ25点!」
PL「さすが撃破役(ストライカー)!」
ハインリオン「さらに標準アクションで、ツイン・ストライク!1発目、出目20!命中!2発目は対AC25まで。命中!ダメージ、14点と5点。」
PL「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!通算44点!!」

 ハインリオンの放つ4本の矢が、赤竜の皮膚を貫通し全弾命中します!

ディオン「よし、コマンダーズ・ストライクをスバースに。スバース、今だ!殴るんだ!」
スバース「わかった、近接攻撃ね!《強打》入れて対AC27まで、命中。ダメージ14点。」

コマンダーズ・ストライク
ウォーロード/攻撃/1レベル
君が一声叫ぶと、仲間の一人が君の指揮のもと攻撃する。
[無限回]◆[武器]、[武勇]
標準アクション 近接・武器
目標:クリーチャー1体
攻撃:使用者の間合いのにいる味方一人が目標に対して1回の近接攻撃を行う。
ヒット:その味方の基礎攻撃のダメージに4ダメージを加える。

ディオン「さらに、マイナーアクションを使用してインスパイアリング・ワードでクーマを回復させます。」
クーマ「ありがとう。」

サリオン「ではサンダーウェイブをかけてみよう!対頑健19でどうだ?」
DM「ハズレです。ドラゴンの頑健防御なめんな!」

マグナ「ファイターからマークされているので、スバースを両爪で攻撃。人間共よ、砕け散れ!命中!ダメージ39点!
PL「ちょw」
チコ「ひょっとしてマイナスになってない?」
スバース「後1点。
PL「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル……」
チコ「ちょw次のターンの最初に着火ダメージで倒れるじゃない!?」

チコ「では、私はマイナーアクションでヒーリング・ワードをスバースに!11点多めに回復してください!」
スバース「おかげで、そこそこ回復。」
チコ「えへへ。ビーコン・オヴ・ホープの分で余計に回復できるのだ。」
PL「さすが日毎パワーw」

チコ「次に標準アクションを使って駄目元でドラゴンに、服従の呪文コマンド!対意志、あら出目20w命中したよね!」
DM「え!?」
PL「おおw」
チコ「とりあえずマグタン、ふせ!と言って、赤竜を伏せ状態にしますw」
PL「なんか犬みたいw」
マグナ「屈辱!
チコ「お手はいいやw痛そうだしw」
PL「www」

ダマス「俺NPCだけど忘れないで。攻撃。命中。ダメージ12点。」
PL「ダマスいたw」

スバース「では、私の番。まずは着火ダメージ5点を食らいつつ、ドラゴンにリーピング・ストライク!」

 衣服についた[火]をものともせず、スバースは赤竜に痛烈な一撃を浴びせます!

スバース「《強打》を入れて、対AC28命中。ダメージ18点。さらにセーヴは……失敗。まだ[火]が消えない。」 
PL「そういえば、まだ火がついている人達がいたんだw」
クーマ「私は大丈夫でしたが、ヒューマも燃えています。」

ハインリオン「だが、もうドラゴンのHPもそんなに多くないはず。」
PL「あとは誰が一番おいしいところを持って行くかw」

クーマ「まずマイナーアクションで、ディヴァイン・メトルをヒューマにかけます。パラダインよ、ヒューマをお救い下さい!」
ヒューマ「セーヴはっと……コロコロ、消火失敗。」
PL「(ノ∀`)アチャー。」
クーマ「では標準アクションで、一撃必中!スカンダリング・スマイト!対AC29まで、命中!ダメージ18点。どうだ!?」

スタガリング・スマイト
パラディン/攻撃/3レベル
君は武器の強力な一撃によって、敵を吹き飛ばす。
 [遭遇毎]◆[信仰]、[武器]
 標準アクション 近接・武器
 目標:クリーチャー1体
 攻撃:+10対AC
 ヒット:2d10+5ダメージ。君は目標を2マス押し出す。

ヒューマ「まだ落ちないか!よし、リーピング・ストライク!命中!」
PL「やったか!?」
PL「美味しいとこ取りのヒューマw」

 彼の長剣がドラゴンの胸深くに刺さると、赤竜マグナは大広間中に響き渡る絶叫を上げ、ゆっくりと倒れました。

PL「ヒューマが倒した!」
PL「おおっ!」
グィネス「いや、まだです!」

 その時、赤竜の胸に埋まっていた宝石が赤い閃光を放ちながら外皮に出現します。
 倒れていたドラゴンが再び立ち上がり、その閃光の中で何か別の物に変化していきます。

 短い閃光の後、そこに姿を現したのは、黒、赤、緑、白、青の5つの首を持つ巨大な竜、クロマティックドラゴンです。

PL「(;・`д・´) 何ぃー!?」
マグナ「がはは、お前達には私を倒すことはできぬのだ!」
チコ「でも、まだマグタン、コマンドの効果で、幻惑状態ですからw」
DM「――と、壁に向かって話す。」
PL「笑w」



ヒューマ「ダメか……。」
グィネス「マギウスが言っていたことが現実のものとなりました。こうなればドラゴンオーブを使うしかありません!」

 そういうと、彼女は後ろの女神の像の手に抱えられていた水晶球を手に取り、五首の竜に向かって掲げて念じます。  
 無数の色が渦巻くオーブから彩り鮮やかな光線が走ります。

PL「どうなったの!?」

 オーブの中の無数の色が一つになって、万色にして無色となり、その瞬間、まばゆい純白の光線がオーブから四散しました。
 
PL「成功したの!?」
DM「よくわかりません。」

PL「まるで〈黄金の将軍〉ローラナのようだw」
PL「別のドラゴンが招来されてきたりしてw」
PL「ちょwカイアン・ブラッドベインが来ちゃうw」
PL「この時代にいるの?」
PL「若いからちょっと小さいw」
PL「www」

DM「でも、ドラゴンの動きが鈍くなった気がしますね。もっとも、今幻惑状態になっているんだけどもw」
PL「チコ、空気嫁w」
チコ「うはw」

 さて。仕切り直して4ラウンド目開始です。

ハインリオン「復活したならしょうがない。1日毎パワー!スピリット・ザ・ツリー!、出目20、クリティカル!」

スピリット・ザ・ツリー
レンジャー/攻撃/1レベル
 君は同時に2本の矢を放つ。その矢は空中で二手に分かれ、別々の目標に突きささる。
 [1日毎]◆[武器]、[武勇]
 標準アクション 遠隔・武器
 目標:互いの距離が3マス以内であるクリーチャー2体
 攻撃:+10対AC。攻撃ロールを2回振り、高い方の結果を両方の目に適用する。
 ヒット:2d10+6ダメージ。

 二本の矢を同時に放つハインリオン、その矢は空中で二手に分かれ、ドラゴンの首の一つに刺さります。

PL「おお!すげー」
ハインリオン「じゃ35ダメージ!」
DM「五つのドラゴンの首で狙ったのはどれ?」
ハインリオン「んー、赤!」
DM「そうすると赤い首が吹っ飛びました!」
ハインリオン「おお!」

グィナス「ヒューマ、あなたに無い者は彼が示したものです!彼のエルフのギリギリのところで希望を与える奇跡!

ハインリオン「ヒューマに道を示してしまった……。」
PL「クーマに続き、2人目w」
グィナス「ということで皆さん、ヒューマに道を示して下さい!」

ディオン「よし、ヒューマ!今のを見たろ!お前がこいつを殴るのだ!コマンダーズ・ストライクをヒューマに!」
PL「おおw」
ヒューマ「何!?俺にできるのか!?」
ディオン「おまえならできる!未来より来た我々の言うことを信じるのだ!未来を信じてやれ!」

ヒューマ「未来を信じる心!よし!コロコロ、命中!」
DM「今度は緑の首が落ちました。」
ディオン「俺も導いたwあと3人w」

サリオン「私は、オーブを持っているグィナスに協力(エイド)します。」
DM「じゃ一回セーヴをふってください。」
サリオン「17成功。」
グィナス「感謝します、未来の方よ。」

マグナ「ふん、お前らごとき人間に私が制御できると思っているのか!」
サリオン「いや、やればできるのです!私は今ここで、闇を打ち払らい、必ずやヒューマを守るでしょう!ヒューマ、やればできるのです!
ヒューマ「そうか!やればできるのか!

 そのサリオンの言葉に、ヒューマは答えると、彼の体を光のエネルギーが覆い出しました。

DM「何かの保護の力がヒューマの体についたようです。」

チコ「次は私の番。移動アクションでヒューマ達の後ろに回り込み、ディヴァイン・クロウ! 女神ミシャカルよ、その慈愛に満ちた光で邪悪なる者を焼き、味方をお導き下さい! 」

 ミシャカルのメダリオンを掲げ、祈りを捧げるチコ。

チコ「味方3人と敵がはいるように近接範囲噴射、対反応27、命中!14点の[光輝]ダメージ!それからクーマ、ヒューマ、スバースは攻撃ロール+2ね。」
ヒューマ「今攻撃したのは何の力だ!?」
チコ「女神ミシャカルのお導き、信仰の力です。神を信じ、人を信じ、仲間を信じる心です!
ヒューマ「そうか仲間を信じる心か!

 ここでドラゴンの幻惑状態が解けます。

ダマス「私が言いたいのは1つ。真実を見よ!
ヒューマ「真実!
PL「みじかw」
DM「まぁNPCだし。」

スバース「私はリーピング・ストライクで《強打》を入れて、青を狙う。対AC、命中!ダメージは16点」
ヒューマ「今のは?」
スバース「……。そういえば何も考えてなかった。」
PL「笑」
スバース「ええっと、戦士にとって大事なことをは、無心に戦うこと。勇気と希望を胸に秘めて前進すること。戦士に言葉は要らない。行動で語れ!
ヒューマ「なるほど、無心で戦い、行動で語れか!
スバース「あと[火]がついているのでセーヴ、失敗。orz」
PL「スバース、ずっと燃えているねw」

クーマ「私はホーリィ・ストライクで攻撃して、白をなぐる。対AC、コロコロ、ミス。しょうがないのでマイナーアクションでレイ・オン・ハンズを使用してヒューマを回復。」

レイ・オン・ハンズ
パラディン/クラス特徴
君の信仰心溢るる手が触れると、傷は瞬時に癒される。
[無限回](特殊)◆[信仰]、[治癒]
特殊:君はこのパワーを1日に2回だけ使用できるが、1ラウンドには1回しか使用できない。
マイナーアクション 近接・接触
目標:クリーチャー1体
効果:君は1日の回復力を1回使用するが、君のヒットポイントは回復しない。その代わりに、目標は1回分に加え3点ぶん、回復力を使ったかのようにヒットポイントを回復する。君は少なくとも1回の回復力が残ってなければならない。

ヒューマ「HP回復した。よし。必ず、君の教えてくれた名誉を示すぞ!
グィネス「ヒューマ、ランスを持つのです!」

 長剣を捨て、不完全なドラゴンランスを構えるヒューマ。

ヒューマ「そしてハインリオン、君の伝えてくれた奇跡を証明しよう!
DM「他に何か言葉はある?」
ハインリオン「……。」

 しばし沈黙。

PL「詰まってるwww。」
ハインリオン「何がいいかなぁ。男の色気かなぁ。」
PL「www。」
ハインリオン「男の色気を最後までわすれてはいかん、私をみろ!」
PL「鬚ですかw(リアル鬚男)」
PL「エルフに鬚ないですからw」
PL「いややっぱり背中でしょw俺の背中を見ろ!って感じでw」
PL「機会攻撃受けますよw」
PL「www」

 彼の手にしたドラゴンランスが光輝き始めます。

ヒューマ「名誉、奇跡、そして未来を信じる心、人を信じ仲間を信じる心!やればできる!真実を見る力!あとは行動で語るのみ!」

 仲間の言葉を心に刻み、大きく地を蹴りドラゴンランスをマグナの胸に突き立てる!

マグナ「ギァァァァァァーーーーーー!」

 絶叫が再び大広間に響き渡り、マグナは巨体を震わせながら倒れます。
 胸にはまっていた宝石がポロリと外れて転がると、竜は動かなくなりました。

PL「おっしゃー!」
PL「倒した!」



 彼は倒れた巨体からゆっくりとドラゴンランスを引き抜くと、言います。

ヒューマ「世界の重荷を担うのに、槍一つの重荷を背負わなくてどうする。」

PL「ヒューマ、かっこいいw」
PL「ぎりぎりで最強の武器、ドラゴンランスが完成したかw」
PL「いや、ピュアな心で皆の言葉を素直に信じる力がヒューマの最強の武器だったのかも。」


帰還、そしてヒューマと七英雄の歌


 赤竜の胸から剥がれたドラゴンドロップをクリスタルグローブにセットするパーティ達。

マギウス「いつか、この杖を次ぐ者が現れるだろう。それは過去と現在、そして未来の主。それは君達がきっと見届けることになるだろうな。」

 転送室まで見送りに来るマギウス、ヒューマ、そしてグィネス。

グィネス「お別れですね。皆さんから貰った言葉で、これから20の槍が生まれるでしょう。」
ヒューマ「あぁ、皆の言葉、確かに胸に刻んだ。これがある限り、私は必ず勝利する!」
マギウス「時間だ。さぁ帰るがいい、君達がいる時代へ。君たち自身の伝説もきっと歴史に刻まれる――」

 扉を閉めた瞬間、空間がねじ曲がり目眩のような感覚が襲ってきます。
 薄れゆく意識。

 I am The Master of Past and Present,
 for their returning, the gate shall open!

 :
 :

 何処からともなく、あの吟遊詩人の歌が聞こえてきました。

彼ら七人、三様の月の下、
春の木漏れ日の下
美を求めてつづれば、
物語の核へ入る

一人は丘の工房より立てり
ドワーフの魂継ぎ、戦場の絆より立てり
その心と精神に余念なく、寡黙にして無心
心に脈打ち、動脈に震えしところ
漢なるその楔に魂は宿る

一人は微風の泊より降り来る
軽やかに手際よく、波うつ牧歌ケンダー郷より、
慈愛と希望の御心、その囁き解き放たれ、
信頼の巫女の御手もちて、世界の痛みを止めるため来る

次なるは森と故郷を守りしエルフ
育まれたるは此方の弦、彼方に伸びし矢
障壁の内より輝きたるは、一片の銀、
現世と隔世と帳をその身に収斂し
理想と現実に引き裂かれ、天夢と地獄に渡る

次なる者は塔よりきたる、三つの月影もちて、
命令を貫き、意識を隠して、真実を追う
満ち欠けの月の諸相に波打たれ
機敏なる試練の所為、虚ろな絶望の壁を貫き、
月下の小道を歩める者

一人は忠義と信仰を纏いし聖なる騎士
招命に従い、証明せしは
翡翠の先達たる名誉の始祖
忠節の翡翠頂く限り、名誉の冠は印無き紋章なり

次なるも騎士、武勇と英気を身にまとう
その勇気、言葉と心、行為もて、鍛えられし勝利の旗、
永遠の家宝たる剣の持ち主に似て、
ソラムニアの過去を学び、未来を紡ぐ
英知の剣鞘に収められし限り、栄光の剣錆びることなき

最後の者は赤き月から、昼を希う者
満ち欠けの月の諸相に血潮司られ、
身は数多の精霊を担い、闇に浸す者
ついに、祝福することかなわねど、
その思慮は天と地に学び、響きわたる

彼ら七人、三様の月の下、
春の木漏れ日の下
美を求めてつづれば、
物語の核へ入る

彼らを導きしは、過去と現在、そして未来の主
世界の理を識り、均衡を貫きて、荒野を渡りし炎
古き言葉をさぐり、新しき技を紡げど、
その遠き心は、知りがたし
自らの名を冠せし杖もて、客として来る

彼らに同道せる者ありと言う
白銀の心臓を名乗りし無垢の乙女
身の内に秘術と秘密を宿せし竜の末裔
愛と世界の行く末に、引き裂かれし思い
愛に惹かれつつも、愛にとまどい、
真実を知るゆえ身をひくもの

彼ら七人、三様の月の下、
春の木漏れ日の下
美を求めてつづれば、
物語の核へ入る

此方より千早ぶる軍あり、われら望みて如く
春の旋風来たりて、竜の舞ぞ天を駆け、
ついに、森の中より、平原の内より、荒野の果てより、
彼ら現われり
母なる大地は、
遠き天空、明きらむるなり

“竜殺し”ヒューマは竜槍を手にしたり
七人より託された“伝説”を手に
青白い光が掲げた腕に流れ込み、
太陽と三つの月は奇跡を待ち受け、
空に同時にかかる
戦場へとヒューマは駆ける、決戦の地へと、
七人より託された二十の真の銀の竜槍を手に、
銀の竜の背に乗って――



 『夢は終わり、続きが現実で始まる』

 気がつくとそこは酒場でした。
 皆、吟遊詩人の歌に聞きぼれ、その余韻の中います。

 
PL「はっ!?戻ってきた!?」
PL「てか、ヒューマしか名前が歌に入ってない!?」
PL「ヒューマに名乗るの忘れていた!」
PL「これじゃ意味ねぇー!」
PL「www」

ハインリオン「しかし、凄い冒険をしてしまった!」
スバース「あるいは夢だったのかもしれん。あまりにも壮大すぎる。」
ディオン「結局、夢落ちですかwww」

 しかし、クーマがふと自分の剣の柄を見ると、ヒューマのつけた"H"のルーンが!

クーマ「ここ、これ!」
サリオン「Hって入ってる!?」
チコ「まさか!」
クーマ「夢じゃない!ホントにヒューマに会っているんだ!」

――そのまま去り行く吟遊詩人が一言。

吟遊詩人「我が先祖の願いを歌うことができて、私は名誉に思います。私の名はディアン。」
PL「え?」
PL「誰?」

 急いで追いかけて酒場に出てみますが、そこには彼の姿はもうありませんでした。


DM「これにて、終了です。皆さん、お疲れ様でした」

大きな拍手。


あとがき:

 いかがでしたか?

 4版の本格的なリプレイをアップするのは今回が初めてだったのですが、
 楽しんで頂けましたら光栄でございます。

 プレイ時間約7時間半。
 今回は1日限りのドラゴンランスのセッションでしたが、
 トレイシー・ヒックマンの傑作シナリオ、
 らぱんどらさんの懲りまくった演出、
 プレイヤーの皆さんのドラゴンランスへの愛を感じるノリノリのロールプレイ、
 最高に素晴らしい7時間半でした。
 
 後でリプレイをと、書こう書こうと思い続けて3ヶ月。
 いざリプレイを書いてみると、薄いライトノベルくらいの分量になってしまい、
 出来上がるまで大分かかってしまいましたが、
 やっとアップすることができて、ほっとしています。

 元々このシナリオは、時の金床という遺跡に閉じ込められたパーティたちが、
 時を遡り、ドラゴンランスの歴史上の人物達に出会い戦いながら、
 時の金床の謎を解き明かしてくお話です。
 
 今回プレイしたのは、ドラゴンランス秘史発売記念コンベンションのため、
 DMのらぱんどらさんによってD&D4版へとコンバートされたものに、
 小説『The Legend of Huma』の内容/設定を取り入れたアレンジ版です。
 
 ランスの伝説の有名キャラクターたちとの出会い、
 特にシナリオ終盤のヒューマとのPC達とのやりとりと、
 吟遊詩人が帰還したPC達の歌を紡いで物語が終わるところなどは超絶鳥肌物でした。

 本当に面白くて、楽しくて、そして嬉しく、
 間違いなく、私にとって心に残るセッションの1つになりました。

 卓を共にした皆さんに感謝を述べつつ、
 最後は、らぱんどらさんの言葉を借りて締めくくりたいと思います。
 
 続きは現実で、そしてまた夢を共に見る日を楽しみに!


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