MAY YOUR POUCHES NEVER BE EMPTY!
君の小袋がいつまでも空っぽになりませんように!
author michi

Dragons of Winter Night / 冬の夜の竜
ドラゴンランス 氷壁の白竜の書 その1その2その3:その4:その5その6戻る
 今月は DM の霧島さん主催の「D&D小説がよくわかるコンベンション」がありました。
 参加された皆さんお疲れ様でした! 小説の世界を存分に楽しめましたでしょうか?
 この私もスタッフとしてもプレイヤーとしても参加させて頂きましたが、無事に終わることができてほっとしております。
 今回参加されなかった、もといできなかった皆さんも、機会がありましたら、是非参加してくださいね!

 さて、前回の更新から、少し間が空いてしまいましたが、やっと3月のプレイ分をアップ致しました。
 今回はフルメンバーのプレイヤー7人です!

 まずは、キャラクター紹介から。

フリン・ファイヤーフォージ ドワーフのファイター10、Kさん
 戦闘は容赦が無い頑固物のドワーフ。速射が得意。
 D&Dは初心者ですが、D&Dミニチュアには相当入れ込んでいますw

ヴィヌク・キル=キューミィー 人間のクレリック6/ファイター1/ナイト・オヴ・ザ・クラウン2、JarkJaxさん
 アングリフと同じく、ソラムニアの冠騎士。
 〈真の神々〉の探索をするアングリフの後を追ってパーティに合流。
 前回までに見事、神々のしるしを見つけ、癒しの力に目覚めた。
 しかし、〈氷壁〉にて白竜スリートの凶牙に倒れる。

トビン・ディープポケット ケンダーのレンジャー1/ローグ4/ハンドラー5、私
 ドラゴンも恐れない非常に好奇心旺盛な小人族ケンダー。
 パーティの雑務担当。得意技はスリ(ハンドラークラスの特徴)と、ケンダーの遠近両用便利武器であるフーパックでの急所攻撃。
 最近フーパックではダメージが出なくて、弓に浮気中。

ゴールドムーン 人間のクレリック10、ふーさん
 ケ=シュ族の族長の娘にして、善なる癒しの女神ミシャカルの僧侶。
 エリスタンにミシャカルの円盤をもたらし、信仰のメダリオンを授かる。
 好きな武器はスリングで、得意技はホーリー・スマイト。

シルヴァレン エルフのレンジャー10、真由利さん
 シルヴァレンという名前のわりにはシルヴァネスティとは全く関係が無く、クォリネスティ・エルフの、ハーフエルフのタニスの母親の次女が、カガネスティで恋に落ち、二つのエルフ氏族の間に産まれた子という設定。
 成長し、ギルサナスに拾われて彼の隊に入るも、パックス=タルカスで捕らわれの身となっていた青年。ペットのライディング・ドックを連れているが影が薄い。

ラド・グエル 人間のウィザード10、ジョウセンさん
 白でも赤でも黒ローブでも無い、〈大審問〉を受けてもいないはぐれ魔導師(Renegade Wizard)。
 〈上位魔法の塔〉からドラゴンオーブの保管を命じられる。
 呪文選び3年、立ち位置8年とウィザード道を説く範囲攻撃の達人。

アングリフ・ブライトブレイド 人間のファイター/ナイト・オヴ・ザ・クラウン、植埜さん
 "My Honor is My Life!"が口癖の竜騎士を目指す本物のソラムニアンナイト。
 ランス突撃を得意とするチャージャー。
 クォリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘ローラナを手篭にしているばかりか、
 最近では、シルヴァネスティ・エルフの王女アルハナ・スターブリーズまで……。

 そして、DMはお馴染みの霧島さんです。

 ちなみに一緒に冒険しているNPCのみなさん(格闘ゲームでいう背景の絵の人達)です。

・ローラナ・カナン クォリネスティ・エルフの〈太陽の評議長〉の娘。パックス・タルカスに捕らわれていた。
・ブライアン・ドンナー ソラムニア〈剣〉爵騎士。デレクと同じく命を受けている。
 俺、戦争が終わったら司書のリリスと結婚するんだ――。

 ちなみに、前回の冒険で皆さん、レベル10になりました。
 ヴィヌクは死亡したので、9のままですが……。(´ヘ`;)
 また、手に入れたホワイトドラゴンの財宝などは、道中の港町で売って各人に分配しました。


前回までのお話


 廃都ザク=ツァロスから〈真の神々のしるし〉を持ち帰ったパーティたちは、クォリネスティの〈太陽の評議長〉の息子ギルサナスらと共に、邪悪な赤竜とドラコン卿ヴェルミナァルドに打ち勝ち、〈パックス=タルカス〉の砦に捕らわれていた戦乱に巻き込まれた数百人の避難民を解放した。
 避難民を引き連れてパーティ達は南へ逃れ、失われたドワーフの地底王国トルバルディンを見つけて、伝説の英雄ヒューマの武器ドラゴンランスを鍛えたという〈カーラスの槌〉を発見する。 
 さらにパーティ達は、タルシスでのドラゴン軍による総攻撃から逃れて、新たに加わったソラムニア騎士たちと共に、一行は〈塵の平原〉を抜けて〈氷壁〉へと向かう。
 そして〈氷壁城〉でドラゴン卿フェアル=サスと白竜スリートを打ち破り、竜を支配する力を持つドラゴンオーブを入手するも、スリートとの戦いでヴィヌク卿とデレク卿を失った。
 彼らの意思を継ぎ、パーティ達はドラゴンオーブを騎士団の本拠地サンクリスト島まで運ぶべく、〈氷壁〉を船で脱出したのだったが──。


意思を継ぐ者たち、そして海の魔物

船は進む

 前回の冒険から6日後。彼らは船上にいました。
 〈塵の平原〉の西の港町から出航し、アイスマウンテン湾を出てシリオン海を北上し、サンクリスト島のホワイトストーンを目指しています。
 船は、港を出てから450マイルほど進んでおり、ノスター島の東を抜け、エンスター島と南エルゴスの海峡を抜けようとしていました。

パーティの航路
航路マップ

 6日間の船旅でパーティは疲労しています。
 このウィンド・ライダー号の船倉にはヴィヌク卿とデレク卿の遺体が安置されており、ゴールドムーンのジェントル・リポーズの呪文で保存されたまま、母国へと運ばれています。

トビン「あれ、アングリフ馬連れてきているしw」
フリン「また馬買ったの?」
シルヴァレン「何代目ですか?」
ラド「いい加減ファンタズム・スピード代を用意しなよ、呪文で出してやるから」

 どうやら出航前にアングリフがどこから連れてきた愛馬スターム(?代目)もちゃっかり船に乗り込んでいるようです。
 7日目、南エルゴスの海岸線に沿って船は進んでいます。
 その日は朝から、南東から吹き付ける凄まじい吹雪で海は荒れていました。
 船体は何度も大きく揺れ、ギィギィと音を立てて軋みます。
 空は黒く、時折、ゴロゴロと雷が鳴る音が遠くから聞こえています。

船長「今日は酷いシケだ。お客さん、中に入った方がいい。甲板に出ていると何かを掴んでないと海に放り出されるぞ」

 甲板には、退屈な船旅にうんざり気味のトビンと、船酔い気味のフリン、それに生まれ育ったカガネスティが近いシルヴァレンが出ていました。

何か見えるか?

DM「さて、外にいる人は〈視認〉判定を」

トビン「何が見えるのかな? コロコロ、29(対ドラゴン+2)」
シルヴァレン「29(対ドラゴン+6)」

DM「では二人ともわかりますね」

 船の前方の波の狭間からチラチラと、動く触手のようなものが見え、そのあたりの海面下には、巨大なイカのような流線型の体をしたものがぼんやりと確認できます。

トビン「何か波間に見えるYO!」
アングリフ「またケンダーが戯言を」
シルヴァレン「いや、私にも見えた。あれは何だ?ラド、ちょっと甲板に出てきてくれ!」

 船倉のハンモックに寝転がっていたラドが起き出してきます。

ラド「──何だよ、うるさいぞ、シルヴァレン」
トビン「ラド!何かこっちに来るよ!ちょっと来て!」

海の魔物!?

船長「ああ!あれは海の魔獣じゃ! まさかワシの船が狙われるとは!」
アングリフ「何!?船長、早く舵をきるのだ!」
船長、「お、舵か!面舵一杯!駄目じゃ、手が震えて舵が切れねぇ!」
PL「おぃw」
ヴィヌク(死亡中)「あんたはどぶドワーフかw」
船長「誰か〈職能:船乗り〉なぞ持っている者はおらんのか!?」
PL一同『そんなもの誰も持ってねぇ!w』

 海面から何か巨大な生き物が姿を現します。
 船の側面に現れた黒い影。
 その刹那、突然の閃光が走り、稲光の凄まじい音が響き渡り、その生き物の姿をはっきりと浮かび上がらせました。

トビン「巨大なイカだ!」

 それは、超巨大サイズのイカのような生き物で、60フィートはある長い2本の触手と、30フィートほどの短い6本の触手をウネウネとうごめかせ、巨大な2つの目でこちらをじっと見つめていました。

 では、ここで戦闘開始です。

ラド「なんだよ、さっきまで寝てたのに──」
トビン「知識チェック!知識チェック!」
ラド「じゃ甲板に出て外を見る。〈視認〉12、どこだよ?トビン、敵なんていねーじゃん」
PL「おいwww」

フリン「ワシは見えとるぞ。全力攻撃で〈速射〉じゃ」
DM「ちなみに、イカは海面を遮蔽にしていますね」
フリン「コロコロ、3発中、1発命中。ダメージは6点。体が半分隠れているのじゃ当たらないわい」
アングリフ「こちらも〈視認〉13、どこにいるのだ?トビン。わからん、とりあえず剣を抜く」
トビン「クロスボウに矢を装填して撃つよ。コロコロ、AC18まで……外れ」
シルヴァレン「〈速射〉で3発。コロコロ、AC22で当たり。他2発も命中、ダメージ計23点」

 次はブライアンです。

ブライアン「わ、私はラドの横に立ち、ディフェンド・ザ・ウィーク!弱い者をかばうぞ!」

ディフェンド・ザ・ウィーク:
 剣の騎士のクラス能力の1つ。
 接敵している守られる側が攻撃を受けそうになると、かばう側は攻撃の対象に対して攻撃ロールにボーナスを加算し近接攻撃を行うことができる。さらに守られる側はACにボーナスが入る。
 このボーナスは1,4,8レベルで+1ずつ上昇する。

ラド「あ、ありがとう……(内心インスパイア・カレッジのほうがよかったなぁ)」
フリン「(デレクの代わりにブライアンが死んでいればインスパイア・カレッジだったのにのう)」
PL「ヒドスw」

ゴールドムーン「様子見で、シアリング・ライトを撃とうかしら」
アングリフ「フリーダム・オブ・ムーヴメントがあれば、吾輩が盾になるぞ!」
ゴールドムーン「エアー・ウォークじゃダメ?」
ラド「この人は触手に掴まれたくないって言っているのであって、エアー・ウォークは全く意味ないですw」
ゴールドムーン「では、フリーダム・オブ・ムーヴメントをアングリフにかけます」

 次はイカの番です。
 その巨大な化け物は、40フィート先くらいから長い触手を甲板にいる者たちに伸ばしてきました。

トビン「え?そこから!?」
DM「近接攻撃の範囲は8マスだから……6、7、8と」
シルヴァレン「ああ、来そう……」
巨大イカ「ピギャァーーー!!」

DM「接触ACで47だから当たるよね、シルヴァレン」
シルヴァレン「あぁ余裕ですよ」
トビン「47!?」
ヴィヌク(死亡中)「ふざけんなw」
DM「〈つかみ強化〉も持っているので、当然機会攻撃を受けることはありません。ここから組み付き対抗ロールになります」

ヴィヌク(死亡中)「嫌がらせだとした思えないw」
DM「ええっと、こっちは56」
トビン「56!? 相手が悪い。これはw」
DM「じゃ自動的に締めつけダメージが入ります。22点」
シルヴァレン「クッ!!」

らめぇ!

 さらにもう1本の触手がトビンの方に伸びてきます。

トビン「今度はボクかw」
DM「接触ACは──、あ、これ低いな、31」
トビン「それで低いって……虐めだw 半分の16しかないYOw 組み付かれたケンダーなんて終わっている」
DM「じゃ組み付き60で対抗判定を
PL「60ってエピックレベルでないと無理w」
DM「ダメージ20点」
トビン「痛い痛いw 次のラウンドがヤヴァイw」

 2ラウンド目に入ります。
 やっと事態の重大さに気が付いてきたパーティ。

ラド「流石にもう見えているよね。まずは〈知識:神秘学〉で知識チェック。達成値21。むむ、こいつはクラーケンだ!逃げよう。これは無理!
フリン「ラドはテレポートでいつでも逃げることができるからいいのう」
PL「確かにw」
ラド「だって、クラーケンといったら深海に住む海の王様だぞ!」

フリン「あぁ!そうか!これはきっと我々が負ける戦闘なのじゃ!」
PL「ええー!?」
フリン「それでワシらはきっとシー・エルフに助けられるのじゃ! でラドだけテレポートでどっかいっちゃうっていうオチで。さぁ皆、クラーケンに身を委ねるのじゃ!」
アングリフ「このドワーフ、何か妄言を吐いているぞ!」
トビン「妄想が好きなフリンw」
ラド「戦わきゃ現実と!」
PL「www」

アングリフ「うーん。触手を全部切るか、テレポートで逃げるか──」
ゴールドムーン「そうね、何か囮をここに撒いて──」

 ここで一斉にヴィヌクのプレイヤーに全員の視線が集まります。

ヴィヌク(死亡中)「囮って……俺の死体!?
PL「www」
アングリフ「さらばヴィヌク!」
フリン「よし、ヴィヌクを細かくきざむのじゃ!」
トビン「酷ぇw」
ラド「いやいやきざむ必要は無いですからw レディアント・スフィアをかければ、味方を力場で包み、保護することはできるが……、包み込まれた味方は何もできなくなるのが……」
フリン「やっぱり触手を切るしかないか」
ラド「とりあえず加速の呪文、ヘイストを唱えて、船倉に逃げ込む」

フリン「ワシはトビンの横の触手にシンキング・コンポジット・ロングボウで撃とうかの」
アングリフ「ちょっと待て。組み付かれているからやめたほうがいいと思うぞ、誤射する可能性がある」
フリン「でもワシ、ヘイストがかかっているので、4回も攻撃できるのじゃが……」
ラド「俺、こういう状態を前に見たぞw デジャヴかw」
ヴィヌク(死亡中)「危険、危険w」

フリン「じゃフロスト・グレートアックスで切った方がいいか。いや、この判断はトビンに任せよう。ワシを信じて撃たせるか──」
トビン「50%の確率でボクに当たるってことは、2発は喰らう計算でしょw」
ヴィヌク(死亡中)「よっぽど誤射したいらしいw」
トビン「ちょっと待って、触手ってもっと長いでしょ?ボクの近くのではなくてもっと先の触手を狙えないの?」
DM「そうですねぇ、狙うことができることにしましょう」

フリン「そうか……。では味方から離れた箇所を狙って撃ちますわ」
ラド「そんな残念な顔しなくてもw」
トビン「おーいw」

フリン「4回分いくぞ。コロコロ、AC25命中、AC28で命中、残り2発はハズレ。ダメージは計16点」
DM「海面を遮蔽に取っているからね。なかなか当たらないよw」

アングリフ「では、吾輩が。トビンの方の触手に〈強打〉を3点入れて、ストレングス・ホナーを発動だ!」
PL「おお!」

PL「……あれ?」
DM「あのお馴染みのソラムニア騎士のセリフは?」
アングリフ「……。久しぶりの参加なので忘れちゃった」
PL「こらーw」
DM「デレクが草場の影から、悲しそうな顔をして見ていますよw」
アングリフ「ええっと──。我が名誉はわが命!コロコロ、AC20まで命中!ダメージ8点」

 アングリフの斬りつけた一太刀が、トビンに巻き付いていた巨大な触手をバッサリと切り落とします。

トビン「助かったぁ!ありがとう、アングリフ! ではフーパックを抜いて反撃。隣のシルヴァレンの触手を突きます。コロコロ、AC18でミス。念のため移動してハイド・イン・プレインシフトで〈隠れ身〉、達成値26」
DM「クラーケンは33」
トビン「もうダメポw」

 クラーケンの巨大な目がギロッとトビンを睨みつけます。

トビン「うはっw 激しく見られている……。(´ヘ`;)」
シルヴァレン「私は動物の相棒のライディング・ドッグで攻撃命令! 噛み付け! コロコロ、AC16なのでハズレ。私は持っている矢で触手を刺します」
DM「矢か──では代用武器として認めましょう。攻撃ロールに-4のペナルティでどうぞ」
シルヴァレン「コロコロ、AC18ミス。AC25あたり、7点ダメージ。助けてくれぇ、ブライアン!」

ブライアン「そう言われると弱いなぁ」
PL「ちょw シルヴァレンは男性キャラですよwしかも殺戮フェチのw」
DM「彼は男だとか女だとかで区別しません、彼は紳士ですから」
PL「フリーダムなんだw」
PL「守備範囲広いなw」
DM「いやいやそういう意味では無くてw」

ブライアン「兎も角、全力移動でして終了だ。シルヴァレン、今助けにいくぞ!」
PL「移動しただけかよw」

ゴールドムーン「私はトビンを助けに行きます。キュア・モデレート・ウーンズ!」
トビン「ありがとう! 今日はちゃんとした8面体を振ってYO!
PL「www」
ゴールドムーン「りょ、了解!コロコロ、19点回復!」
トビン「おおw ほぼ満タンw これが真のミシャカルの力か!
PL「www」
PL「例のダイスはマスターにあげたほうがいいよw」
PL「むしろこっそり取り替えてw」
PL「www」

 次はクラーケンの攻撃です。
 まずはシルヴァレンを触手で締めつけ、ダメージ19点が入ります。

フリン「ヤバくない?」
シルヴァレン「くっ!? ま、まだあと1発くらいなら──」

 そして、残りの6本の腕がトビンの前にいるアングリフに襲いかかってきます。

DM「コロコロ、接触 AC 25,27,42,37,24,30。全触手命中でダメージ51点」

ローラナ「ああ、アングリフさま!」
アングリフ「ぐほっ(血を吐く)。ローラナ殿は危ないので船室に下がっていてください」
ローラナ「はーい!」
PL「軽っw」
PL「何をしに出てきたのだw」

 3ラウンド目に入ります。

ラド「よし、私はファイアボールを撃とう。反応セーヴ難易度18で。命中すると33点ダメージ。ミスは半減ダメージ」

 彼の放った炎の玉を、クラーケンは触手を器用に動かし直撃を避けますが、シルヴァレンに巻き付いていた触手が耐えきれず、焼けて消し飛んでしまいました。

シルヴァレン「はぁはぁ……、助かった」

フリン「よし、これでもう味方を撃つことは無いし、思いっきり弓を弾けるわ。コロコロ、出目20でクリティカル!ダメージ21点。次がハズレ、そしてAC26で命中!ダメージ12、最後はハズレ」

トビン「ホントに助かったよ♪ 今度は、ボクがフリンの後ろに下がって〈隠れ身〉、達成値32」
クラーケン「42、ギロ!」
トビン「ハンドラークラスを取ったのは間違いだったのか……。orz」

シルヴァレン「私の番だ。コロコロ、3発命中。ダメージ計22点」
ブライアン「我が名誉はわが命!コロコロ、ハズレ──」

 シルヴァレンに続いて、ブライアンも攻撃します。

ゴールドムーン「ええっと、私は何をしようかな」
アングリフ「ごほっ、(血を吐く)」
トビン「なんかアピールしているのがいるよw」
フリン「そういう様にアピールすればいいのかwww」
PL「www」
ゴールドムーン「アングリフにキュア・クリティカル・ウーンズ、35点回復」
PL「おおw 流石、出目良いなw」
PL「今日のゴールドムーンはひと味ちがうぞw」

アングリフ「かたじけない! では〈攻防一体〉でAC上げて──終わりだ。攻撃はしないw で狙うなら俺を狙えと挑発!」

 クラーケンは残った6本の触手を自在に操り、シルヴァレンとアングリフとゴールドムーンに2本ずつ攻撃してきます。
襲いかかるクラーケン!

クラーケン「ピギャァーーー!」
DM「まずはシルヴァレンに……まてよ、シルヴァレンを攻撃しようとすると、彼の相棒が"ご主人様危ない!"という感じで前に出てきて攻撃を受けますよ」
シルヴァレン「アルウィン!!」
PL「うはwww」
DM「コロコロ、両方命中でダメージ28」
シルヴァレン「ちょうどヒット・ポイントがゼロ。アルウィンーーー!!

 アングリフとゴールドムーンもそれぞれ触手の攻撃を受け、20点ずつダメージを受ける中、主をかばって攻撃を受けたシルヴァレンの動物の相棒は、彼の足元に倒れるとクゥーンとか細い声を上げて死んでいきました。

 4ラウンド目です。

ラド「ダメージ叩き込むしかないな。もう一発ファイアボール!反応セーヴ難易度18、ダメージは出目がいいぞ。41点/半減で20点」
DM「クラーケンは、セーヴ成功なので、20点受けました」
ラド「うぬぬ」

フリン「一体あと何点与えればいいんじゃ!?コロコロ、3回命中。ダメージ計28!」

 流石のクラーケンもそうとう傷つけられたのか、ここで突然、腕を引っ込めると海に沈もうとし始めました。

トビン「ボクの番だけど──ええっと、様子をみる」
PL「嘲り?」
トビン「やって欲しいの?」
PL「やめてーw」
PL「冗談ですw」

アングリフ「脅威は去ったようだな」
ゴールドムーン「念のためにヒーリング・サークルで周囲の味方のヒット・ポイントをコロコロ、12点回復しておくわ」
シルヴァレン「アルウィン……」

 愛犬アルウィンを失ったシルヴァレンは悲嘆にくれます。

動物の相棒:
 ドルイドや、4レベル以上レンジャーは、アウル、イーグル、ウルフ、キャメル、スネーク、ダイア・ラット、ドッグ、ライディング・ドッグ、バシャー、ホーク、ホース、ポニーなどの動物の相棒を持つことができる。
 動物の相棒は殺されても、儀式をおこなうことによって、新しい動物と契約することができる。

DM「ちなみにクラーケンの水中移動速度は280フィート/ラウンドです」
PL「追いつけねーよw」
トビン「時速50kmかw 乗ったら速いだろうなw」
ヴィヌク(死亡中)「いや、溺れるからw」

 その時、船長が叫びます。

船長「大変だ! か、舵が利かねぇ!? 海の魔物のせいで舵が壊れたようじゃ! このままだと、ざ、座礁するぅ!!」
PL一同『ええー!?』

 その途端、ゴーンという凄まじい音と共に船に衝撃が走り、大きく船体が傾き、ゴリゴリと音を立てます。

DM「では皆さん、〈平衡感覚〉判定をお願いします」

トビン「20」
シルヴァレン「24」
ゴールドムーン「7」
ラド「15」
アングリフ「20」
フリン「3」
PL「3?」
フリン「だってワシ、修正値マイナス6なのじゃ」
PL「うはw」

 突然の衝撃で船が揺れて、〈平衡感覚〉判定に失敗したフリンとゴールドムーンとラドは、バランスを崩し転んでしまいました。

DM「失敗した方は非死傷ダメージを2点受けますよ」
船長「ダメじゃ、動かん。岩礁に乗り上げた」

トビン「ここは……。船長ここはどこ?」
船長「目的地のサンクリスト島まではまだ一週間ほどかかる。海岸が見えるだろう、あれが南エルゴスじゃ。幸い、ここは浅瀬のようじゃから、溺れ死ぬことは免れたようじゃ」

シルヴァレン「では〈知識:地域〉で達成値17。みんな安心してくれ!ここは私の故郷の近くだ!」

 うれしそうに話すシルヴァレン。

ラド「よかったね」
フリン「故郷に良い思い出をお持ちなのかの?」
シルヴァレン「……」
ヴィヌク(死亡中)「(フリン、空気を読んでw)」
PL「www」

アングリフ「なんとか陸に上がることができたが、ここも安全とは限らない。船長、船は直せそうなのか?」
船長「結構な時間がかかりそうじゃ。お客さん、〈職能:船大工〉なんて持っていないかの?」
PL一同『持っているわけないでしょ!』


座礁、そしてシルヴァネスティ・エルフたち


 座礁した船から降りたパーティは、荷物を持って南エルゴスの海岸にたどり着きました。

DM「ではここで、〈聞き耳〉判定をしてもらいましょうか」

 判定に成功し、その音に最初に気づいたのはシルヴァレンです。

シルヴァレン「む。遠くで妙な音が聞こえる。これは角笛の音だ」

 もう一度、今度ははっきりと角笛の音が聞こえると、ドンドコ、ドンドコ太鼓を叩く音が聞こえてきました。

シルヴァレン「今度は太鼓の音だ」
トビン「お祭り?」

 すると、彼らの前に突然、あたりの茂みの中から雄鹿が現れます。

フリン「まさか、パラダインの化身!?」
ラド「いや、そのイベント、とうの昔に過ぎたからw」

 鹿が姿を現すと、それを追ってエルフ達が現れます。
 格好からして、どうやらシルヴァネスティ・エルフのようです。
 また、カガネスティ・エルフの姿も見えますが、身なりもシルヴァネスティ・エルフと比べるとボロボロで、まるで奴隷として彼らに使役されているようにみえます。
 一行は狩りの途中だったようで、太鼓を叩いて鹿を追い込んでいたようです。

 その様子をポカーンと見ているパーティに気づくと、

シルヴァネスティ・エルフ「お前達、そこで何をしている!何者だ!」
トビン「見てわかるだろ!船が難破して困っているんだYO!」
PL「たしかにその通りだwww」
ラド「イカに襲われて船が難破したのですよ」

シルヴァネスティ・エルフ

シルヴァネスティ・エルフ「わはははw イカが船を襲っただと?何を言っているのだwこいつはw」
フリン「お主達、クラーケンを知らんのか! こうなれば動物変化のお守りで大王イカに──」
ヴィヌク(死亡中)「それはやめろw」

トビン「そうだ。船の甲板に千切れた触手がウネウネ転がってない?w」
フリン「そうじゃ、ファイアボールでこんがり焼けたイカの匂いがせんのか?w」
DM「屋台のイカ焼きかwww」

アングリフ「まぁまぁ。私はソラムニア騎士のアングリフ・ブライトブレイド、そして、ヴぃぬ──いや、そしてブライアン卿と、我らの仲間たちだ。我々はサンクリスト島に向かっていたのだが、巨大な海の化け物に襲われて難破してしまったのだ。すまないが、この船を修理する手立てを見つけるまでここに停泊することを許して頂きたいのだが」

 シルヴァネスティ・エルフの女リーダーに、部下が何かを耳打ちしています。

シルヴァレン「〈聞き耳〉します、達成値22」

部下「隊長、あいつらの中にクォリネスティ・エルフが混じってますよ。もしかしたらスパイかもしれません!」

 アングリフの後ろで、その華奢な体をビクビクと震わせているクォリネスティ・エルフの王女ローラナ。
 シルヴァレンにもクォリネスティの血が流れています。

女リーダー「わかった、お前たちに危害を与えようと思っていない。しかし聞きたいことがある。武器を渡して我々についてきてもらおうか」

アングリフ「この状況で、武装解除はしたくないな」
ラド「うーん、魔法を使うか──」

部下「あ! あいつ、怪しげな魔術を使おうとしていますよ! ちょっとまて、お前、持ち物を改めさせろ!
ラド「え!?」

 たちまち、何人もの部下に囲まれて、抵抗する隙もなく、そのまま、ポーチ覗かれるラド。

部下「あ、こんなおかしなものを持っていますよ!」

 部下が、ラドのポーチから取り出したのは、幾つもの色が混ざり合いながらうごめいている怪しげな宝珠。

オーブを見つけられる!

トビン「いいの?ラド」
ラド「ふん。どうせそんな物、使いこなせばしないのだから。おい、シルヴァネスティ、警告しておく。それ扱いには気をつけたほうがいいぞw」

女リーダー「ぬぬ、それは故郷のシルヴァネスティで見たことあるぞ。これは、ドラゴンオーブ! どうしてこのような物をもっている!

ラド「え?俺が正当な持ち主だから。(キリッ!)」
トビン「今、言い切ったwww」
DM「じゃ〈はったり〉振ってみてw」
ラド「〈はったり〉も何も心の底から思い込んでいるのだけどw コロコロ、出目2
PL一同『2!?』

女リーダー「ますます怪しい連中だ!さぁ武装解除して連行する!」

トビン「(ローラナの服をつかんで)何とかしてよ!君、王女様なのでしょ!」
ローラナ「たしか、あの女はシルヴァネスティの連中を束ねているメラザノスと呼ばれる貴族の娘よ。私の話なんて聞かないわ」

ゴールドムーン「私たちは難破して偶然ここにたどり着いただけなの」
メラザノス「ここはシルヴァネスティの領地だ。お前たちは不法侵入をしている!」
フリン「まぁまて。実はワシら、お主達の王女様であるアルハナ・スタープリーズ殿とは、好意にして頂いておっての。ここにおる──何を隠そうここにおる、アングリフ卿──」
アングリフ「黙れ!ドワーフ!」
フリン「ささ、しかとご覧あれ! 早く出すのじゃアングリフ、アレを早く! 皆の者、頭が高い、頭が高いわ!
トビン「あんたは水戸黄門のカクさんかw」

ローラナ「アングリフさま?」
アングリフ「(;・∀・)。o○(ローラナの視線が痛い──スタージュエルは絶対出せぬ)」

メラザノス「何を訳の分からぬことをいっておる」
アングリフ「あ、頭のおかしなドワーフが失礼した。彼女が今言ったように、我らは敵ではない。我らは難破してしまっただけなのだ。それが罪に値するというのか?それがエルフの法だというのか?」

部下「隊長、どうやら他の船乗りもいるようで、難破しているというのは嘘ではないでしょう。しかしあの者達はクォリネスティのエルフもおりますし、ドラゴンオーブとやらももっているのでしょう、ならばやはりここで見逃すわけにはいきませんぜ」

フリン「これは相手のリーダーよりあの耳打ちしている奴の根性が曲がっておるのじゃ!ワシが叩き直してやる!」
トビン「フリン、やれやれ〜w」
アングリフ「おい、誰か早くドワーフを止めろ!」

シルヴァレン「何故そんなに我らを警戒しているのだ?」
メラザノス「クォリネスティ・エルフから度々攻撃を受けているのだ。我々エルフ族は故郷を追われ、最近この地に一時の住処を築いたのだが、同じく移住してきたクォリネスティの連中が規則を破り、我々の移住地の方に侵入してくるのだ。だから怪しいものは問いたださねばならぬ」
ゴールドムーン「エルフ同士で縄張り争いですか!何て愚かな!」
シルヴァレン「ということはここにクォリネスティ・エルフもいるのか!」

フリン「(手揉みをしながら)あいつらたちが悪いですからのぅ。ワシは、実は何を隠そうシルヴァネスティ派なのですじゃ!(・∀・) コロコロ、〈はったり〉達成値20!」
PL「おいw」
メラザノス「コロコロ。むむ! 怪しいドワーフめ!おい、お前たち、このドワーフを捕らえよ!」

 使役されているカガネスティ・エルフ達がフリンに寄ってきます。

アングリフ「ちょっと待て。我らは武装解除に従うつもりはない。我々はソラムニア騎士団の命を受けて行動しているのだ! これ以上我々の行動を侵害するのなら、ソラムニア騎士団とエルフとの間に、重大な外交問題が発生することになるぞ、貴殿の判断でそれがおこるのだ」
PL「うはっw 某国的な恫喝外交!(゚∀゚)」

メラザノス「ソラムニア騎士との関係がどうなっても我々には関係ないわ!」
アングリフ「あれーぇ?」
部下「そもそも我々がシルヴァネスティを追い出されたのもこやつら人間達のせいではないのか!」
シルヴァネスティ・エルフ達「そうだ!そうだ!」
PL「マズイwww」

トビン「もうアレを出すしかないじゃんw」
アングリフ「いや、うーん、後ろの人が怖い……」
ローラナ「何かいいましたか?アングリフ様?」
PL「おkwww」


銀の髪の女エルフ


DM「それより怪我した人いる?」
ゴールドムーン「わたし!わたし!」

 パーティの方に、一人のカガネスティ・エルフの女性がやってきて、怪我をしているゴールドムーンを見つけると、近づいてきて体に触ろうとします。

フリン「ま、まさか!」
アングリフ「おお!」
シルヴァレン「(*´д`*)ハァハァ」

ゴールドムーン「え!?あ、あの」
カガネスティ・エルフ「心配しないで。薬ですわ」

 どう見ても泥にしか見えませんが、一見ドルイドのような出で立ちの彼女の言葉に、ゴールドムーンは拒絶することなく不思議と従ってしまいました。

DM「不思議なことにゴールドムーンの怪我が6点治りましたよ」
ゴールドムーン「あ、ありがとう。海で怪物に襲われた怪我をしたのです。よろしければ、あなたの名前を聞かせてくれないかしら?」

 彼女は伏し目がちに怖ず怖ずとしながら、

女エルフ「私の名前はシルヴァートと言います。カガネスティの仲間達の間ではシルヴァラと呼ばれています」
シルヴァレン「知っていますよ!!! 銀の髪のという意味ですね!! ちなみに私の名前はシルヴァレン!(*´д`*)ハァハァハァアハァ」
シルヴァラ「お、同じような名前なのですね。(;´Α`) あなたもカガネスティの血を受け継いでいるのですか?」
シルヴァレン「そうですけどーーw(*´д`*)ハァハァ」

メラザノス「シルヴァート、何をしている!早く奴らを縛るのだ!」

 シルヴァラは申し訳なさそうにロープを取り出して縛ろうとします。

シルヴァレン「あなたは本当にそんなことがしたいのですか!(;゚Д゚)」
PL「シルヴァレン何を知ってるのだw」
DM「ちょwネタバレ自重www 彼女の正体、PC達は知らないんだからw」
シルヴァレン「いやぁ、彼女にキュンときちゃったってことで──」
DM「それはそれで思い込みが激しすぎw」
PL「www」

シルヴァラ
絵:ふー画伯

シルヴァラ「あのぅ──今はおとなしく従ってくれませんか?(´Д`;)」
シルヴァレン「もう胸キュンなので、そう言われたら従うしかないですよね!」
DM「( ; ’Д`)やれやれ……」

トビン「じゃボクは、こっそり〈手先の早業〉でダガーを隠そう、達成値28。フリーアクションで」
フリン「じゃワシは、ワシの武器に触ると〈奈落〉から大長虫キャティルペリウスが出てきて──」
ラド「いや、それはいいからw」
PL「www」
ラド「それより、その呪文の書とオーブには気をつけてくれよ、どうなっても知らないぞ!」

 ここでプレイヤーは小休憩です。

フリン「そういえば、ヴィヌク。今日はまだ何もしていないな」
トビン「前にもそんなシーンがあったねw」
ヴィヌク(死亡中)「大丈夫、戦闘でイニシアチブ管理をしているしw」
ラド「何だかカワイソすぎるw」


シルヴァラの儀式


 シルヴァラはゴールドムーン達を縛るのですが、彼らが運んでいたヴィヌクとデレクの遺体に気づきます。

シルヴァラ「この方はソラムニアの騎士様ですね」
ブライアン「そうだ。デレク・クラウンガード卿は〈氷壁〉で白竜に挑み、名誉ある戦死をしたのだ」
シルヴァラ「そうですか──。彼の魂はきっとパラダインの元へ行くことができるでしょう。もう一人の名前は?」
アングリフ「ヴィヌク卿、ヴィヌク・キル=キューミーだ。彼もまた──」
シルヴァラ「いえ、この方は完全に死んではいません。まだ魂が肉体に宿っています
アングリフ「なんだと!?」

トビン「マジで?!完全死亡しているのに?w」
フリン「なんと!なんと!」
アングリフ「ちょっと待てよ、彼女、ドルイドということは──ぷっw」

 何かに気づいたアングリフの中の人。

ヴィヌク(死亡中)「ちょw リインカーネートですか!ヤバイ!ヤバイ!(|| ゚Д゚)」
PL「リインカーネートwww」

リインカーネート:
 ドルイド4レベル呪文。
 クレリック5レベル呪文のレイズ・デットは死体を蘇生させる呪文だが、このドルイド呪文のリインカーネートは、1週間以内に死んだ対象1体を、別の肉体に転生させる呪文。
 対象の種族はランダムにより決定(d%)され、1レベルを失った状態で転生される。この呪文によって、アンデッドにされたキャラクターや、[即死]呪文で殺されたクリーチャーなどを転生させることはできない。 [物質要素:油と軟膏(1,000スティール分)]

ヴィヌク(死亡中)「エルフになったら最悪じゃw」
PL「うはっw」
トビン「ケンダーなんてお薦めだよw」
フリン「トログロダイトとか強そうじゃ」
ヴィヌク(死亡中)「いや、アイツら臭いからw」
ラド「バグーベアになれば、途轍もなく強いよw」

DM「どうしますか?生き返りますか?(それとも新しいキャラクターを……)」
ヴィヌク(死亡中)「とりあえず、アングリフとの誓いをまだ果たしていないし、本人の魂は同意するだろうな」

 シルヴァラは彼の体に、泥油のようなヌルヌルしたようなものを全身が見えないくらいにペタペタと塗りたくります。

トビン「美肌効果w」
フリン「これでヴィヌクがピカピカの肌に!って死んでおるけどw」
PL「www」

DM「さぁ楽しい転生後の種族決定タイムですよw 1d100をどうぞw」
ヴィヌク(死亡中)「コロコロ、21」
DM「おめでとうございます、エルフですよ!」
PL「やっぱりエルフwww」
ヴィヌク(死亡中)「最悪だ!」

シルヴァラ「彼の体を担架の上に乗せておけば、暫くすれば目を覚ますでしょう」
トビン「死んでいるのに、目を覚ますの?」
アングリフ「そんな馬鹿な!」
フリン「あのエルフの娘、まさか大変な魔術の使い手では?!」
ゴールドムーン「泥を塗って人が生き返るなんて聞いたことないわ!美容にはよさそうだけど……(私もやってみたいわ)」
ヴィヌク(死亡中)「あんたの治癒も奇跡だけどなw」


ヒューマの伝説

シルヴァネスティ・エルフ

 縛られて武器を取られたパーティは、シルヴァネスティ・エルフたちに彼らの移住地シルヴァ=モリに連行されます。
 ガラガラとデレクと泥まみれになったヴィヌクの遺体も担架で運ばれて行きます。

ラド「リインカーネートは呪文構成要素に1,000スティール分の油と軟膏が必要なんだよね。1,000スティール分の泥パックだよ! 六本木に住んでいる奥様でも1,000万円(円換算)の泥パックはなかなか受けられないよw」
ヴィヌク(死亡中)「おおw 何だか生き返りそうな気がしてきた!」
フリン「いいのう、ヴィヌクはいいのう」
ラド「いやいやいや、1レベル下がってエルフになったらそんな事言え無くなるからw」
ヴィヌク(死亡中)「フリンも一辺死んでみる?w」
フリン「遠慮しますw」

 連行中、パーティの側にはシルヴァラが心配そうに付き添ってくれており、色々なことを語ってくれます。

シルヴァラ「あのメラザノスさんは、クォリネスティとシルヴァネスティの両親の間に生まれたのです。彼女はほとんど自分たちの集落から追放されたような存在だったのですが、彼女は自らの努力で今の地位まで上り尽きました。仲間の中では、彼女は荷造りに長けており、重宝されているようなのですよ」
トビン「ペラ何とかさんが?」
シルヴァラ「メラザノスさんです」
トビン「エルフはややこしい名前が多いからなぁw」
フリン「こら、声が大きいぞ!奴らに聞こえるぞ!」

シルヴァラ「しかし、あなた方はどうしてこんなところに船で来られたのですか?」
トビン「いや、さっきから言っているでしょうが!」
シルヴァラ「ごめんなさい、イカに襲われたとしか聞いておりませんので。あなた方は漁師か何かですか?」
フリン「イカいうてもただのイカちがうでー」
PL「何故に関西弁w」
トビン「足が8本の、船ほともある大きなイカなんだよ!」
シルヴァレン「いや、あれはイカみたいなタコだったよ!」
シルヴァラ「そ、そうですか」

ゴールドムーン「私たちは、サンクリストに行く途中だったのです」
フリン「そうじゃ!ワシらドラゴンラン──」
ブライアン「ご婦人、我ら騎士団の本拠地にこの戦争を終わらせることができるオーブとやらを届けようとしているのです」
トビン「そうそうw」
フリン「そ、そうなのじゃ」

シルヴァラ「ドラゴンオーブですか!? それに今ドラゴンランスといいましたね!」

 フリンの言葉に興味を持つシルヴァラ。

シルヴァラ「そういえば私たちの民の間ではこんな話があります。ずっと昔なのですが、ヒューマという定命の者がいました」
フリン「!」
アングリフ「ヒューマ!?」

シルヴァラの話:

 ヒューマ。彼はその戦歴と勇敢さによって名声を得ていました。
 当時世界を襲う邪悪なドラゴンとの戦争がありました。
 ヒューマは世界からドラゴンたちを駆逐することを望んでいたのです。

 そしてヒューマは3つの山々を抜けて隠された谷に向かいました。
 そこには賢いドラゴンが住んでいたのです。
 ドラゴンは彼の目には女性の姿に見えました。
 そのヒューマの勇敢さと誠実さに引かれたドラゴンは彼にひかれやがて彼らは恋に落ちたのです。

 しかしヒューマはその女性がドラゴンだとは知りませんでした。
 ドラゴンは同族の元へ行き、彼らの強大な力によって、偉大なドワーフの父と魔法の武器を作ったのです。
 そしてドラゴンメタルという鉱石を見つけるために地中深くへと潜りました。
 そしてドラゴンたちはそこで運命の槍を鍛え上げたのです。
 それがドラゴンランスと呼ばれているものと私は聞いています。

 邪悪なドラゴンは槍のことを聞くと善竜たちと一斉に攻撃しました。
 善竜はついに彼女の真の力をさらけ出し、運命の槍を携えたヒューマを自らの背中に載せて邪悪なドラゴンと戦ったのです。

 邪悪な生き物達は悪の巣窟へと追いやられましたが、犠牲も支払わせられました。
 ヒューマは致命傷を負い、終には帰らぬ人となったのです。
 善竜たちはヒューマの死体を、自分たちの隠れ家へと運び、霧のゆりかごの中で、彼を剣や盾,槍と共に眠りにつかせました。
 そしてドラゴンはまもなく病気にかかり生き絶えたのです。

 ヒューマの墓は〈大変動〉が起こるまで巡礼地となっていましたが、不思議なことにヒューマの亡骸はその墓からは消えてしまったのです。
 一説によると霧の中の樹の下で、二人の恋人たちがいつまでも踊りを踊っているのだと言われています。

シルヴァレン「(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ」
PL「そんなに興奮しないでw」
トビン「ドラゴンには、善い竜も悪い竜もいるの?」
シルヴァラ「そうです、ドラゴンは決して邪悪な竜ばかりではありません!」

 シルヴァラは物凄い剣幕でトビンを見ます。
 彼女に見つめられたトビンは、彼女の目に何か途轍もない強大なパワーを感じるのでした。

トビン「な、何だか急に信じたくなってきたなぁ」
PL「www」
フリン「ただの伝説じゃ、それは」
アングリフ「我ら騎士団にもヒューマの伝説は伝わっている。だがそこまで詳しい話は聞いたことがない。何故あなたはそこまで詳しい話を知っているのですか?」
シルヴァラ「そ、それは私の部族の中で伝わっている秘密のお話だったのです」

フリン「そうなのか?シルヴァレン」
シルヴァレン「ええっと、〈知識:地域〉達成値26。うーん、そこまで詳しい話は聞いたことはないな。〈真意看破〉をシルヴァラに!達成値30!」
DM「シルヴァラの話には、熱意を感じますね」

シルヴァレン「では、何故あなたはそんなに熱意をもっているのですか? まるでその物語を実際に体験したかのようじゃないですか!!
フリン「すごい聞き方じゃなw」
ラド「まるで全てわかったような聞き方だw」
シルヴァラ「え!?べ、別にそんなわけでは──。( ; ゚Д゚)」
シルヴァレン「いえ、あなたは動揺させるつもりではありませんでした……」
シルヴァラ「……」

 変な空気が漂います。

トビン「そういえば氷壁で氷漬けのマン、いやドラゴンを見たんだけど、そこに騎士が跨ってたんだよ、ねぇアングリフ!」
フリン「そういえば折れた武器の柄みたいなものを──」
アングリフ「おい、大きな声でいうのではない!」
フリン「ワシが捨てろといったのに、こいつへんなものを後生大事に持っているのですわ」
ゴールドムーン「アングリフさん、折れた武器の柄を見せてみましょうよ」

 アングリフは、しぶしぶ、懐から大事そうにそれを取り出します。
 彼女はそれを見ると、はっと息を飲むような表情をします。

シルヴァラ「どうしてあなた方がこれを!」
フリン「わかりやすいなw」
ゴールドムーン「もしかして、あなたがいうドラゴンランスとは、これなのかしら?」
シルヴァラ「──わ、私も実物を見たことがありませんのでよくわかりませんが」

フリン「あんた、ひょっとして何でも大げさに言う人間じゃないだろうな! こんなただの折れた柄──」
アングリフ「ただの柄ではない!」
フリン「まったく、ガラクタばかり溜め込んでw」
PL,「www」

 シルヴァラは何故か傷ついたような表情をして、シルヴァレンの方に救いの目を向けます。

シルヴァレン「このドワーフって人の話を信じないのだ」
PL「www」

 結局シルヴァレンにも冷たくあしらわれてしまうフリンなのでした。

アングリフ「ではあの竜は邪悪な竜では無かったということか。私にもそのような悪意は全く感じなかった。」
フリン「まぁ人間、不幸と絶望の度合いが大きいと、そうした伝説にもすがりたくなるものじゃ」
PL一同「……」
フリン「──しかし、まことの神々は見つかったからのう。ワシも何だか信じたいような気持ちになってきたわい」

 慌てて取り繕いつつ、皆に取り入ろうとつぶらな瞳でパーティを見つめるドワーフ。

トビン「そうだ、そうだ。希望が見つかったって言ったのは、この柄のことかもしれないね!」
フリン「そうじゃ希望は大事じゃ。仮にそれが馬の鼻先にぶら下がった人参であろうとな」
PL「それは言っちゃだめw」


襲撃と救出?


 パーティは武装したシルヴァネスティ・エルフたちに前後を囲まれて、南エルゴスの海岸沿いをシルヴァ=モリへ向かって連行されていました。
 数時間ばかり歩いたあたりで、グループの前方にいる連中が、突然ぽっかりと道に空いた落とし穴に落ちていきます。

メラザノス「どうした!?」
部下「罠です!落とし穴があります!」
メラザノス「何だと!? ちっ、クォリネスティか!?」

罠!?

トビン「何やってるのw m9(^д^)ぷぎゃーw」
フリン「お主達、ここに土地勘があるのではなかったのかw」

メラザノス「み、皆の者!付近を警戒し──うぐっ!?」

 ピシュン!ピシュン!ピシュン!

 彼女がそう言い終わらないうちに、側面の茂みから何本もの小さなダーツが放たれ、シルヴァネスティ・エルフたちを襲います。

DM「では、ここで〈視認〉判定をして下さい」

トビン「コロコロ、30!」
シルヴァレン「23」
ラド「21だ」

 残念ながら他のメンバーは達成値以下でした。

トビン「エルフだ!エルフがエルフを攻撃しているよ!」
ラド「刺青をしているな。カガネスティか!?」
シルヴァレン「いや、あれは間違いない!ちょっと偽装をしているが、クォリネスティ・エルフだ!」
 
トビン「ローラナ!あいつらに見覚えないの?」
ローラナ「間違いないわ! あれは私たちの民よ!」
フリン『おお、クォリネスティ派のワシらをよくぞ助けにきてくれた!』
PL「おい!フリンwww」

 驚いたことにダーツを受けたシルヴァネスティ・エルフたちは、直ぐ様倒れて眠ってしまいます。

ラド「吹き矢に眠り薬か!?」
クォリネスティ・エルフ「さぁ急ぐのだ!早くしないと彼らに感づかれてしまうぞ!早く来るのだ!」

救出!?

 パーティの元に、何名かのクォリネスティ・エルフが出てきて、縛られている彼らの手首のロープを解いていきます。

ラド「来るって何処へいくのだ?罠か!?〈真意看破〉で、コロコロ。達成値25」
DM「彼らは嘘をついていないようですよ」
フリン「そうじゃ!きっと王女様を救いに来たのじゃ!」

クォリネスティ・エルフ「おい、ギルサナス様はいないのか!?」
トビン「ギルサナス? あぁ途中まで一緒だったよ!でもグリフィンに乗って──」
ローラナ「兄は、タルシスで別れましたわ!」
クォリネスティ・エルフ「姫様!! ご無事でしたか! お父上が心配されていますぞ! それでギルサナス様の消息は?」
ローラナ「わかりません──」
クォリネスティ・エルフ「実は、海岸を監視していた見張りから、クォリネスティ・エルフを含むソラムニア騎士の一行が、海岸へ上陸したと聞きつけ、もしやと思い、駆けつけたのです。ここはシルヴァネスティ・エルフの縄張りで危険です。このまま脱出しましょう!」

 急いで荷物を回収するパーティたち。
 クォリネスティ・エルフたちは、再び茂みに姿を隠していきます。

クォリネスティ・エルフ「荷物は他にないな?行くぞ!」
ゴールドムーン「待って下さい、我々の仲間の2名の遺体も──」
アングリフ「そうだ、名誉の戦死を遂げた2名のソラムニアの騎士だ。丁重に扱ってくれ!」
クォリネスティ・エルフ「2名?ソラムニア騎士ともう一人は何処だ?この泥人形か?」

 泥を振り払うエルフの部下、すると──。

DM「では、1が出たらカガネスティ、2−3でクォリネスティ、4−5でシルヴァネスティ、6がでたら振り直しということにしましょうか」
トビン「ヴィヌク転生キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
ヴィヌク(転生中)「このタイミングでかい! コロコロ、2
ラド「クォリネスティwww
トビン「エルフのソラムニアの騎士ってありなの?w」
DM「おめでとうございます。暗視GETですよw ただし記憶はそのままなので、エルフ語はしゃべれませんけどw
ヴィヌク(転生中)「ダメじゃんそれw」

クォリネスティ・エルフ「む、これは我らの仲間ではないか!」
トビン「いや、ヴィヌクはエルフじゃなくて人間──ええ!?
アングリフ「どうした? こ、これは──ヴィヌク……なのか!?」
フリン「なんじゃと? ヴぃ、ヴィヌクのヒゲがなくなっとる!

 パーティ達は、彼の変わり果てた姿に驚きます。
 確かにヴィヌクの顔なのですが、耳はとがり、ヒゲはなくなり、肌は若くてはりがあり、まるで……そう、エルフです。

クォリネスティ・エルフ「彼は我らの仲間だ!」
フリン「そうですじゃ、お主達の同族の死を悼んでこうして運んでいたのですじゃ!」
ラド「そうです、そうなのですw」
PL「www」
クォリネスティ・エルフ「何をいっておる、彼は息をしているではないか!」
DM「では、目を覚ましていいですよ。おまたせしました、ヴィヌク」

ヴィヌク「お、おれは──ここは何処だ?!」
シルヴァレン「( ゚Д゚)ポカーン」
フリン「ヴぃ、ヴぃ、ヴぃぬく?」
ゴールドムーン「死者が生き返ったわ!これは、奇跡?」
ラド「……こ、ここは南エルゴスらしい。お前は氷壁で白竜に──いや、何でもない」

ヴィヌク「何だか長い夢をみていたようだ──」
トビン「ヴィヌク、ヴィヌク!君、エルフになっているよ!」
フリン「ほら、鏡じゃ!これを見てみろ!」
ヴィヌク「何を言ってい……!? トビン、お前か!俺のヒゲを剃ったのは!

ヴィヌク復活!
絵:ふー画伯

クォリ=モリ


 パーティは、シルヴァネスティ・エルフたちが眠っている間に荷物をまとめて脱出します。

トビン「そうだ!シルヴァラは!?どうするの!?」
フリン「お主、もし奴隷として使役されているのがいやならワシらと一緒に来るのじゃ!お主には借りがある!」
シルヴァラ「私は彼を手当したにすぎませんが、あなた方には運命を感じます。私も一緒に連れて行って下さい!」

 半日ほど山道を歩き続け、日も暮れる頃、クォリネスティ・エルフの移住地クォリ=モリに到着しました。

クォリネスティ・エルフ『おお、よくぞ戻ったぞ!バンザーイ!』

 涌き上がる歓声。喜ぶクォリネスティ・エルフたち。
 パーティが案内される道の前には、二人のエルフの女性が薔薇の花びらを撒き続けます。

トビン「僕たち英雄になっているよ!」
フリン「ワシら、クォリネスティの王女ローラナを守り通しましたぞ!」
クォリネスティ・エルフ『……』
クォリネスティ・エルフ『どこだ!? ギルサナス王子は一緒ではなかったのか〜!?』
クォリネスティ・エルフ『王子はどうしたのだ〜!?』

 何だか、ローラナの存在が無視されているように感じます。

トビン「ギルサナスのことばっかり。ローラナは歓迎されてないの?」
ローラナ「モジモジ……ポッ(アングリフの方を見つめて顔を赤くする)」
フリン「アングリフお前のせいかw」
トビン「これは八つ裂きにされそうだね。うぷぷw」
アングリフ「お、俺は何もしていないぞ!」

 群集の突き刺すような視線をこれでもかというほどに受ける約一名を除き、盛大な歓声を受けながら、やがて一行はドーム状の構造をした大きな建物へと連れて来られました。
 
 建物の中に入ると、松明によって照らされた台座が奥に見えます。そして台座には、以前クォリネスティで出会った、クォリネスティの君主、太陽の評議長ソロスタランが腰を下ろしています。彼からは、他のエルフに見られない疲労の様子が見てとれます。
 その側には彼の一番目の息子ポルシオスが腰掛けており、もう一方の側には、ソレースからドラゴン軍に連行された時に助けた鍛冶屋のテロス・アイアンフェルドが腰掛けています。

テロス「おお、君たち無事だったか!」
ラド「おお! あんたは!」
フリン「お前はテロス! 故郷の顔にこんなところで出会えるとは!」
テロス「俺も君たちにこんなところ出会うとは思わなかったぞ! パックス砦ででは死にかけていたのだかなw」
トビン「こっちはピンピンしているよ!」

 彼の姿をよく見ると、ドラコニアンによって切り落とされて失われたはずの片腕が、輝く銀色の腕に変わっています。

アングリフ「それはどうしたのだ?」
テロス「これか。これを話すと長くなるぞ。あとでゆっくり話そう」

太陽の評議長「よく我が娘を連れて帰ってくれた。私は君たちを最上級の歓迎をしよう」
ローラナ「お父様!」

 駆け寄る彼女を無言で制して、太陽の評議長がゆっくりと席を立ちます。

太陽の評議長「そしてようこそ、我らの流刑地へ。この再会を祝して、今から歓迎の宴を催し、祝杯をあげよう。このクォリ=モリを自分の家のように考えてくれ」

 彼がやや儀礼的な挨拶を述べてパンッパンッと手を叩くと、使用人たちが、食事や強い酒を運んできます。
 そのまま導かれるままに席に付く彼ら。

フリン「ええっと、コホン。では、ワシらの再会とクォリネスティのますますの発展を祝って──」
PL「この風見ドワーフがw」
PL「しかも何故か仕切っているしw」

フリン「どうもソロスタラン殿も疲労の色が濃いようで心配じゃのう」
太陽の評議長「クォリノストを離れて、色々と悩むことがあったものだからな」

トビン「悩み事の1つはアングリフのことでしょw」
PL「うはw」
ローラナ「お父様は私たちのことを怒ってらっしゃるのね」
ラド「何処かの騎士様と駆け落ち同然で飛び出せばねw」
アングリフ「( ;・ω・)……」(←何処かの騎士様)

 
トビン「そういえばブライアンはどうしたの?」
DM「デレク卿が亡くなったのがショックだったのか、彼は力が抜けたように、何かブツブツと言っていますよ」
ブライアン「──サンクリストに……戻らねば……、オーブを……、持ち帰る……ブツブツ」
シルヴァレン「ブライアン……」
トビン「……。あ、そだ! フェアル=サスの部屋で重大な報告書を読んだことを思いだしたよ!あの話したほうがいいかな?」
フリン「どうするかのう」
トビン「でも、とりあえず今夜はお酒飲んで寝ようw」
ゴールドムーン「それでいいのですか?」
ラド「今日のところはいいのでは?w」
フリン「ワシ、飲んじゃうと全部喋っちゃうからな! ドラゴンオーブを見つけちゃったから♪
PL「ちょwww」
アングリフ「おい!誰かそこのドワーフを黙らせろ!」

 するとポルシオスがその話に反応したようで、突然立ち上がると演説を始めます。

ポルシオス「私は今日新たな市民となったらこの冒険者達を歓迎する!」
トビン「それ、ボクも入っているんだよね!」
ポルシオス「も、もちろんだ。そして彼らが持つ力にも我々は期待している。我々に希望をもたらすというドラゴンオーブに!」
周りのエルフたち『おお!』
ヴィヌク「あちゃー。しっかり、バレてるじゃんw」

ポルシオス「この冒険者達が、我らが再び故郷クォリネスティに戻ることができるように、ドラゴンオーブを入手してくれたのだ!」
周りのエルフたち『おおお!』

トビン「いや、それは違うんだけどさ、ボクたちサンクリストにいかないと……」
ゴールドムーン「何だか勝手に話しが進んでいますね」

 熱狂、拍手、歓声、トビン!トビン!

トビン「え……、でも(´З`)まぁいいかw」
PL「おいw」

ポルシオス「これで我々はエルフ族の中でも優位になることができた。これでシルヴァネスティを我らの中に統合しよう!」
太陽の評議長「それは言い過ぎだぞ、ポルシオス」

 父は息子の行き過ぎた発言に釘を刺します。

 一方、宴の末席ではシルヴァラが果物を寂しそうに摘まんでいました。
 それを見つけたシルヴァレンが彼女に近づいて行きます。

シルヴァレン「シルヴァラ、ここに居たのか」
シルヴァラ「あなたはお連れの人と一緒に食べないのですか?」
シルヴァレン「君と同じさ。ここは何だか居心地の悪いところだな。あの王子様はテンション高くて、怖い」
シルヴァラ「……。そうですね」

 宴の喧騒の中、気まずい雰囲気が漂っています。
 さらに浮いているのは、ソラムニア騎士の二人です。
 アングリフは自暴自棄気味のブライアンに話かけます。

アングリフ「こ、困ったことになりましたな、ブライアン卿」
ブライアン「あれは……エルフ達のものではない……我々ソラムニア騎士団のもの……サンクリストに……持ち帰る……」
アングリフ「もちろんそのとおりです。今は亡きデレク卿の意思を継ぐためにも!」
フリン「お主、奴の死に立ち会ってないだろうw」
アングリフ「うるさいぞ、ドワーフ。オーブを奴らに渡すわけにはいかんのだ」

フリン「そうじゃ、良いことを考えた。皆さん!何を隠そう、我らの仲間のこの男。クォリネスティ・エルフなのじゃw」
ヴィヌク「そ、そうだったのか!?」
ポルシオス「私は彼のことは見たことないのだが──」
フリン「何を言うとるのじゃ、昔からいたではないか!」
トビン「フリン、君ドワーフなのに知っていたの? しかも、彼はエルフ語が喋れないし……」
フリン「いやいや彼は悲しい子での。人間の元で育ったのじゃ」
ラド「そうそう、彼の過去には触れないで欲しいw」
PL「うはっwww」
トビン「おかしいな。昨日まで人間──」
ゴールドムーン「コホン。そういえばエルフは今、同族同士で争っていると聞いたのですが……」
ポルシオス「我らはシルヴァネスティよりも優れた種族なのだ。我らは正統な権利を主張しているに過ぎない。我々若いエルフたちが新しいクォリネスティを作っていかねば! そうだろうシルヴァレン?」
シルヴァレン「それよりも、カガネスティ・エルフのことも考えてくれ」

 彼はシルヴァラの方をチラチラと見ながら答えます。

ポルシオス「もちろん考えている。シルヴァネスティはカガネスティのことを自分たちより見劣るものだと思って彼らを奴隷にしているのだ。我らは彼らを開放し、最終的には故郷を奪ったドラゴン軍を打ち破るのだ!」
ラド「そのためにはエルフ族が一丸となる必要があるのではないか?」
ポルシオス「何を言う。これは我々クォリネスティの力で成し遂げなければならないことなのだ!」

 宴は残念ながらお互いにわだかまりを抱えたまま終わり、パーティの一行はロッジに案内されます。

使用人「あなた方にはロッジを用意しましたので、今夜からお泊り下さい。また移住地の中では、何か事故があるといけませんので、武器はこちらでお預かります」
アングリフ「嫌だと言ったら?」
使用人「ここでは武器の携帯は認められておりませんので」

 直ぐ様、衛兵に囲まれるパーティ。

ラド「アングリフ、ここは一旦従おう。(トビン、これを頼む)」

 騎士を制しながら、トビンにオーブの入ったポーチを渡すラド。トビンはそれを受け取ると、〈手先の早業〉で服の中に隠してしまいます。

 何とかドラゴンオーブの回収は免れましたが、結局、彼らの武器や持ち物は回収されてしまいました。

 案内されたロッジは、20フィートほどの高さの円形の建物で、窓は天井に近いところに小窓が1つ、扉は入り口の1つのみの、まるで監禁部屋のようなところでした。

トビン「うはw 扉の前に見張りがいるよ。ボクらは客人のはずだけど、これでは捕まっているのと同じだね!」
フリン「やっぱりそうか! ワシは最初から疑っておったのじゃ!」
ラド「ハイハイ、疑ってた、疑ってたw」

ゴールドムーン「とりあえず考えることは止めて、今日はゆっくり休みませんか?」
ヴィヌク「疲れているな、ゴールドムーン」
ゴールドムーン「いえ、使った呪文スロットを回復したいのですw」
フリン「じゃが、朝になると、ドラゴンオーブを取り上げられるかもしれんぞ!」
トビン「ヴィヌクはいいよね、この先どうなろうとクォリネスティ・エルフとして生きていけるし」
ラド「エルフ語もおいおい覚えていけばいいし。メタ的に言うと、レベルが上がったら追加の技能ポイントで、言語取得できるし」
ヴィヌク「エルフ!?お、俺はソラムニア騎士として──」

 その時、遠くの方からエルフの女性の歌が聞こえてきました。
 歌はヒューマの頌歌で、歌っているのは恐らくシルヴァラでしょう。

ヒューマの頌歌:
 エルフの吟遊詩人クィヴァレン・ソスの最後して最高の作品である。
 この詩は、第三次ドラゴン戦争でクリンの人々を救った英雄ヒューマを称える詩で、パラダインの化身の白い牡鹿に導かれ、エルフの乙女に姿を変えた銀竜に出会い恋をし、ドラゴンランスを手にして〈暗黒の女王〉率いる悪の竜たちとの戦いを唱っている。

 その美しい歌声に聴き入る彼ら。
 暫しの沈黙の後で、彼女の祈りの言葉が聞こえてきます。
 
シルヴァラ「パラダインよ、まことの神々の名において、デレク・クラウンガードの御霊を、その側へお導き下さい──」

 どうやらシルヴァラは、デレク卿の遺体を、〈死者の河〉に流して弔っているようです。

シルヴァレン「カガネスティ・エルフたちは何世紀にも渡って、死者を海へと通じるあの川、ソン=ツァラリアン──〈死者の河〉に流して弔うのだ」
アングリフ「なんて事だ!デレク卿の遺体はソラムニア騎士団に持ち帰らなければ!」
フリン「となると、デレク卿の遺品をソラムニアの家族の元に届ける必要があるの。よし、ワシが責任を持って届けるぞ!
トビン「フリン、目が泳いでる、泳いでるw」
PL「www」
DM「とりあえず、忘れないうちにデレクの遺品を上げておきますね。今はまだ君たちの装備と共に取り上げられていますけど」

デレクの遺品:
・フルプレート・アーマー+2、
・鋼鉄製のヘヴィー・シールド+1、
・キーン・ロングソード+1、
・ダガー、
・クロークオヴレジスタンス+1

フリン「しかし困ったのう。武器や装備を取られてしまった」
ラド「使う?使う?(動物変化のお守りを取り出して目をキラキラ輝かせながら)」
PL「何故持っているw」
PL「www」
トビン「──1ついい案があるよ。ラドがこのオーブでドラゴンを呼び寄せて、混乱させているうちに武器を回収して逃げるってのは?」
ヴィヌク「それはダメだw」
トビン「何故かシルヴァラが呼び寄せられたりしてw」
PL「うはw」
DM「止めてぇー! シナリオが崩壊するw」

フリン「そうじゃ!アングリフが危機の時は、スタージュエルによって彼の居場所や状態がわかるはず!」
ラド「そんなに危機ってことはないのでは?」
フリン「グリフィンでアルハナが助けに来ないかのう」
トビン「それ修羅場になるよw アングリフを巡ってアルハナとローラナでw」
フリン「クォリネスティとシルヴァネスティの戦争になりそうじゃのw」
アングリフ「いらぬお世話だw とにかく明日朝になったらポルシオス殿に事情を説明してわかってもらうしかないだろう」
ラド「まぁ俺はオーブをエルフに渡すのは反対だがな」
ヴィヌク「もうドラゴンオーブをテレポートでサンクリストに届けちゃえば……」
フリン「そして、ワシらはここに居を定めて平和に暮らすのじゃ。ふむ、それも悪くないのう」
ゴールドムーン「そして仲良く幸せに暮らしましたとさw」
ヴィヌク「それは明らかにバッドエンドだw」
ラド「いや、俺は行ったことがない場所には、テレポートできないからw(てか、こんな面白いオモチャを騎士団なんかに渡せるかよw)」

ゴールドムーン「兎に角、ここはじっと待つことが必要かもしれないと思いますが──」
トビン「案外道が開けるかもしれないしね!」

ヴィヌク「ところで一ついいか? 何で俺、エルフになっているんだ?」


囚われの冒険者たち


アングリフ「やはり明日、私が事情を説明しよう。クォリネスティ・エルフには我々にパックス=タルカスの貸しがあるはず」
トビン「でも君、ローラナを誑かして連れてきているし」
ラド「たしかにw」
アングリフ「いやいやローラナは護衛してきたの!」

 もう誰も、彼の言う事を信じてはくれませんw

フリン「アングリフの女癖が、いつかワシらに災いをもたらすと心配しとったのじゃが」
ヴィヌク「ゴメン、俺もその点は弁護できないw」
PL「www」
フリン「そりゃシルヴァネスティの王女とクォリネスティの王女を両方口説いといてただですまんわ!」
アングリフ「黙れ!ドワーフ!」
PL「(爆笑)」

 とりあえず今夜は黙って寝ることになりましたが──。

アングリフ「騎士は寝ないぞ!」
ヴィヌク「ごめん、俺は朝にクレリック呪文を覚えなければならないから、休ましてくれw」
アングリフ「おい!」
ラド「まぁまぁ。呪文の書を取り上げられて、朝になって新しい呪文が覚えられないのでは寝ていてもしょうがないし、俺も見張りしよう」
トビン「呪文の書? 取ってきてあげようか? ヒュワーズ・ハンディ・ハバサックに入る程度の物だったら、見張りの目を盗んでちょっと行ってこられるよ!」
フリン「確かに、ケンダーならあの小窓から脱出ができそうじゃの」

 パーティはさっそくその作戦を実行することにしました。
 トビンがアングリフの肩にのって小窓から脱出します。

トビン「では降りた瞬間に隠れるね。〈隠れ身〉はコロコロ、達成値35」

 見張りの隙をついて、小窓から飛び降りたトビンは、直ぐに側の茂みに隠れます。

トビン「では、続いて〈忍び足〉で武器が保管された小屋に移動する。コロコロ、達成値15……テヘッw」
PL「テヘッ、じゃないだろw」
見張りA「ん?何か今物音がしたか?」
DM「しょうがないなぁ。もう一回していいですよ」

トビン「〈忍び足〉。達成値は15、オワタ……。orz」
DM「見張りの対抗判定は失敗です」
見張りB「いや、何も聞こえなかったが」
トビン「(゚Д゚;)たすかった……」

 転々とする松明の明かりを頼りに、ケンダーは闇から闇へと、パーティの装備が保管されている場所へ走り抜けていきます。
 たどり着いたのは、太陽の評議長の住居となっている館。
 見張りをやり過ごし、建物の影に隠れながら、トビンが小窓から部屋を覗くと、装備を取り上げられた時に目にした長箱がその部屋の隅に設置されています。
 しかし、困ったことに小窓には格子がはめ込まれており、ケンダーでも入ることができそうにありません。さらに、奥には太陽の評議長が眠るベッドが見えます。無理に忍び込んだらもちろん入り口には見張りが数人おり、正面からも入ることができそうにありません。

トビン「どうしよう、何かいい案ないかなぁ。あ、偶然シルヴァラやテロスが通りかかったりしない?」
DM「しませんwしませんw」
トビン「では陽動作戦しかないかなぁ。そうだ!ローラナに助けてもらおう!」

 ケンダーは建物を周り、ローラナの寝室の方にこっそり移動します。
 そして彼女が寝ているベッドを見つけると、小窓から小石を投げて語りかけます。

ローラナ「むにゃむにゃ、アングリフさま……」
トビン「(ローラナ、ローラナ、起きて!起きて!)」
ローラナ「う、ううん……アングリフ様?」
トビン「じゃなくてボクボク」
ローラナ「何だ、トビンじゃないの。どうしてこんなところにいるの?」
トビン「えっとね、皆の持ち物なんだけど、返してもらおうと思ってさ。ほら、もう夜も遅くて申し訳ないから、こっそり取りにきたんだ」
ローラナ「それで?(眠い目をこすりながら)」
トビン「でも何故か見張りがいてさ。彼らの仕事の邪魔するのもなんだし、泥棒と間違えられたら困るから、君に手伝って欲しいんだ」
ローラナ「はぁ、じゃ私がその部屋まで行ってあげるから、トビンは私の後をついておいで」
トビン「やった!ありがとう、ローラナ!」
ローラナ「裏の勝手口を開けるから入ってきなさい」

 ローラナに言われるまま、トビンは勝手口から建物に入ってローラナと合流しました。

ローラナ「そのままだと怪しまれるわね、このヴェールを被ってきなさい」

DM「女性もののヴェールを渡されましたよ」
トビン「それは〈変装〉しろって意味なの? コロコロ、む。達成値9」
PL「うはw」
トビン「ええっと、ちょっとローラナに見てもらいますw」
PL「ダメだwこのケンダー、ダメだw
ローラナ「……。ちょっとこうしたほうがいいわね」

 トビンは口紅やらアイシャドウなどをベトベトに塗りたくられてしまいました。
 そのままトビンはローラナの後ろについて行きます。

見張り「おや、こんな夜更けにどうしたのですか?ローラナ様」
ローラナ「お父様にちょっと用事があるの、ちょっと通してくださらない?」
見張り「わかりました」

トビン「ボクもそのままツカツカとローラナの後についていくよ!」
見張り「む!」
トビン「え!?( ; ゚Д゚)……」
見張り「何だ、ただの下女か、ケバイ下女だなw」
PL「www」
トビン「また(;・∀・)助かった……」

太陽の評議長「誰じゃ?」
ローラナ「お父様、私ですわ。心配かけてごめんなさい。昼間のことを謝りたくて──」
太陽の評議長「ローラナか。もうよい……、寝所に戻りなさい、我が娘よ。明日の朝話をしよう」

 トビンはその間に〈忍び足〉で達成値32を出して、音を立てないように奥の長箱から装備を回収することができました。
 トビンとローラナは、そのまま一緒に裏口から建物を出て、監禁されている仲間の元に戻ります。

ゴールドムーン「大丈夫ですかね、トビンは」
ラド「うまくやっているとおもうが」

トビン『皆帰ったよ!』

 そんなところに、ひょっこりと小窓から顔をだすトビン。

トビン「うわぁ、押さないでよ!」

 続けて、無理やり小窓から入ってくるのはエルフの女性。

アングリフ「姫!?」
トビン「いやぁ、いろいろ協力してもらったんだけど、ついてきちゃってw」
ローラナ「アングリフ様〜!会いたかったですわ!!」
ヴィヌク「(ノ∀`) アチャー」
アングリフ「姫、このような場所にあなたがいると何かと問題があります!」
フリン「そりゃ問題があるわなw」
ローラナ「まぁアングリフ様、ツレないお言葉。せっかくあなたにお会いしようとコッソリやってきましたのに」
アングリフ「ここは自重してください。我が名誉にかけてあなたをお守りすると誓ったはずです」
ローラナ「まぁ私のことを心配してくださるのね! うれしいです」

 アングリフに抱きつくローラナ。

トビン「あの、いいかな? 皆の武器を持って帰ってきたんだけど──」


脱出!


 夜明け前、部屋の外から扉越しに声が聞こえます。

男「おい!君たち起きているか!?」
アングリフ「起きているが、お前は?」
男「お前はソラムニアの騎士だな。急いで皆を起こしてくれ、今、見張りは交代の時間でちょうど居ない。脱出するのなら今のうちだ!」
ゴールドムーン「ぅうん、誰なの?」
フリン「眠いのぅ……、その声はテロス!?
テロス「そうだ、チャンスは今しかないぞ!」
トビン「僕たちを逃がしてくれて、大丈夫?」
テロス「心配するな、ここにシルヴァラがいる。詳しいことは彼女に聞いてくれ!」

 テロスとシルヴァラを部屋に迎え入れ、パーティは急いで旅の支度を整えて脱出の準備をします。

テロス「ここを出たらまず、霧篭りの谷(フォッグヘブン)を目指すのだ」
フリン「霧篭りの谷?」

 トビンはテロスから一枚の地図を渡されます。

トビン「何か聞いたことがあるぞ、ええっと……ドラゴンランスの秘密は……フォッグヘブン、伝説の……場所!?」

我らドラゴン卿の敵どもがサンクリスト島に集結するとの噂だ。
ドラゴンランスの秘密は……フォッグヘブン……伝説の……場所……そこに?
そのランスの……を手に入れなければならない。ソラムニアの……の前に!

 トビンの頭の中に、〈氷壁城〉で見つけたフェアル=サスの報告書の言葉が響きます。

テロス「詳しく君たちに話す時間がなかったのは残念だが、この腕の話はまたの機会にしよう」
フリン「お主の話はいつも長いからの。てか、お主は一緒にいかんのか?」
テロス「俺はやることがあるのだ。だが、大丈夫だ。道についてはシルヴァラが案内してくれるだろう」
トビン「そうかぁ、せっかく会えたのにね」
シルヴァラ「おい、見張りが戻ってくるぞ。早くここを離れよう!」

──というところで、今日のセッションは時間となりました。

トビン「あれ?今日、ヴィヌクは何かロールしたっけ?」
ヴィヌク「振ったぞ!リインカーネートの種族決定判定!」


■ あとがき

 はい、今回の冒険はいかがでしたか?
 最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

 大分お待たせしましたが、前回から PhotoShop CS4 を投入しているのですが中々使いこなすことができなくて、苦労しております。
 しかも奮発して買ったばかりなのに、来月に次の CS5 が発売されるようでかなりショックなのですが、リプレイ写真の編集に便利そうな魔法のような便利機能が付いているので期待大。
 頑張ってお金貯めないと……。
 
 さて、今回の目玉はやはりヴィヌクの復活でしょうか。
 しかもよりによってクォリネスティ・エルフにw
 エルフのソラムニアの騎士なんて、この時代認められるのでしょうかw
 まぁトビンも見習い騎士になったし、これはこれでアリなのかもw
 今後、面白い展開になりそうですw

 最近、実プレイの頻度が上がってリプレイのアップが遅れて滞り気味なので、何とか消化して追い付きたいかな……まぁ善処していきたいと思います。

次回は!?


 海の魔物クラーケンに襲われ、サンクリストへの道を閉ざされたパーティは、エルフ同士のいざこざに巻き込まれ、クォリネスティ・エルフたちに実質的に監禁されてしまいます。
 一方で、〈氷壁〉で命を落したソラムニアの騎士ヴィヌクが、クォリネスティ・エルフとして復活しました。

 クォリ=モリで出会ったテロスとシルヴァラは何を知っているのでしょうか?
 彼らの言う、フォッグヘブンには何があるのでしょうか?
 フェアル=サスの報告書に記されてあった伝説の場所、ドラゴンランスとは!?
 そこにいけばドラゴンランスの秘密がわかるのでしょうか?

 エルフ族の反目、謎の娘シルヴァラとの出会い、英雄ヒューマの伝説。
 クォリ=モリを脱出したパーティを待ち受ける運命とは何か!? 
 全ての謎を秘め、冒険は続きます!

 それでは次回もまた読んで下さい!


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